Eurostar (衛星えいせいバス)

Eurostar (ユーロスター) はエアバス・ディフェンス・アンド・スペース (旧きゅう EADS アストリアム) が展開てんかいする静止せいし衛星えいせい用よう衛星えいせいバスシリーズである。これまでに70機き以上いじょうが発注はっちゅうされている静止せいし衛星えいせい用ようバスのベストセラーの一ひとつで、高たかい信頼しんらい性せいが実証じっしょうされている。2013年ねん12月にはシリーズとして軌道きどう上じょう運用うんよう時間じかんの累計るいけいが500年ねんに到達とうたつした。放送ほうそうやモバイルサービス、ブロードバンドサービス、セキュア通信つうしんなど、さまざまな通信つうしんニーズに対応たいおうできるよう設計せっけいされている。

概要がいよう

Eurostarは、1980年代ねんだい半なかばにブリティッシュ・エアロスペースとマトラ・マルコーニ・スペースの合弁ごうべんによるユナイテッド・サテライトで開発かいはつされた。両社りょうしゃの社内しゃない要求ようきゅう仕様しようを元もとに、重量じゅうりょう1.8-2.5トンでペイロード用よう電力でんりょくは1,300-2,600ワット、アリアン4で地上ちじょうから、あるいはスペースシャトルのPAM-D2で宇宙うちゅう空間くうかんから軌道きどう投入とうにゅうするという仕様しようがまとめられた。Eurostarは、設計せっけい概念がいねんとしてデジタルアビオニクスシステムモジュールを初はじめて取とり入いれた商用しょうよう衛星えいせいバスであった。主要しゅような衛星えいせいパラメータはすべてソフトウェア側がわに取とり込こまれており、ハードウェアを変更へんこうすることなくミッション固有こゆうの要件ようけんが実装じっそうできるようになっていた。設計せっけい当初とうしょの構造こうぞうや機器きき構成こうせいには大おおきな余裕よゆうが持もたせてあったため、1987年ねんから1992年ねんにかけてペイロードの質量しつりょうおよび供給きょうきゅう電力でんりょくは4倍ばい以上いじょうに拡張かくちょうされたにもかかわらず、最小限さいしょうげんの再さい認定にんてい作業さぎょうで実現じつげんできた。その後ご、通信つうしん容量ようりょうの増大ぞうだいに伴ともなってミッション機器ききの追加ついか要求ようきゅうが高たかまるのに合あわせて、段階だんかい的てきに供給きょうきゅう電力でんりょくと推進すいしん系けいの強化きょうかやミッション機器ききおよびアンテナの収容しゅうようスペース拡大かくだいを行おこなって製品せいひんラインを拡充かくじゅうしていった。EurostarシリーズはE1000、E2000、E2000+、E3000と発展はってんしてきているが、全体ぜんたい的てきな構成こうせいはこの20年ねんの間あいだ 本質ほんしつ的てきに変化へんかしていない。軌道きどう上じょう寿命じゅみょうを延長えんちょうして衛星えいせいシステムのコストを削減さくげんし、より効率こうりつ的てきで高性能こうせいのうなミッション機器ききを搭載とうさいするために、大型おおがた化か・強化きょうかが行おこなわれている。現行げんこうモデルのEurostar E3000は、軌道きどう上じょうで実証じっしょうされて確立かくりつ済ずみの基本きほん構成こうせいをそのままに、最新さいしん技術ぎじゅつを適用てきようして大幅おおはばに強化きょうかされており、多おおくの衛星えいせいは打うち上あげ質量しつりょう4-6トン級きゅう、供給きょうきゅう電力でんりょくは4-15キロワット程度ていどである。2014年ねんに投入とうにゅうされたE3000eは、静止せいしトランスファ軌道きどうから静止せいし軌道きどうへの遷移せんいに電気でんき推進すいしんを使用しようする電化でんか衛星えいせいになっている。