FUSRAP

FUSRAP(Formerly Utilized Sites Remedial Action Program) とは、アメリカ陸軍りくぐん工兵こうへい隊たいの活動かつどうの1つであり放射能ほうしゃのう汚染おせん地域ちいきの管理かんりと除染じょせんを目的もくてきとしたものである。「跡地あとち回復かいふく活動かつどう計画けいかく」とも呼よばれる。

経緯けいい

マンハッタン計画けいかく (MED) から始はじまった原爆げんばく開発かいはつと、その後ごのアメリカ原子力げんしりょく委員いいん会かい (AEC) による原子力げんしりょく平和へいわ利用りようなど、米国べいこくにおける黎明れいめい期きの核かく開発かいはつに伴ともない、全米ぜんべい各地かくちの核かく関連かんれん施設しせつ及および周辺しゅうへん地域ちいきで放射能ほうしゃのう汚染おせんが発生はっせいした。FUSRAPは1974年ねんにMEDおよびAECによる汚染おせん地域ちいきの特定とくてい、調査ちょうさ、除染じょせんおよび管理かんり業務ぎょうむとして始はじまり、MEDおよびAECが米国べいこくエネルギえねるぎー省しょう（DOE）へ統合とうごうされた後のち、1997年ねんに米国べいこくエネルギえねるぎー省しょうから工兵こうへい隊たいへと引ひき継つがれた。

汚染おせん地域ちいき

FUSRAP指定してい地点ちてん　黒くろ三さん角かく=終了しゅうりょう　白しろ三さん角かく=進行しんこう中ちゅう

主おもな汚染おせん地域ちいきはウラン鉱石こうせきの精製せいせいとその副産物ふくさんぶつの処理しょりに関連かんれんしたものであり、主おもな汚染おせん物質ぶっしつはウラン、トリウム、ラジウムなどである。　また工程こうていで使用しようされた揮発きはつ・不揮発ふきはつ性せいの有機ゆうき化合かごう物ぶつや重金属じゅうきんぞくなども含ふくまれる。全米ぜんべいで数すう十じゅうの地点ちてんが指定していされ、21世紀せいき初頭しょとう十じゅう数箇所すうかしょで活動かつどう中ちゅうである。地域ちいき一覧いちらんは英語えいご版ばんを参照さんしょう。

活動かつどう目的もくてき

除染じょせんの目的もくてきは「一般いっぱん大衆たいしゅうの被曝ひばくをできる限かぎり低ひくく抑おさえる事こと」としており、目標もくひょう値ちは残留ざんりゅう汚染おせんによる被曝ひばくを年間ねんかん1mSv以下いかにすることである。

行動こうどう手順てじゅん

汚染おせん地域ちいきと特定とくていされた場所ばしょは以下いかの手順てじゅんにより評価ひょうかされ除染じょせんへと導みちびかれる。

• 調査ちょうさとデータ収集しゅうしゅう・分析ぶんせき　Remedial Investigation(RI)/フィジビリティスタディ (FS) RIでは汚染おせん物質ぶっしつと汚染おせん場所ばしょが特定とくていされる。FSでは除染じょせん以外いがいの選択肢せんたくしも検討けんとうする。
• 公聴こうちょう会かいを開催かいさいしRI/FSの報告ほうこくをし対処たいしょを決定けっていする。
• 除染じょせん以外いがいの手順てじゅんが選えらばれた場合ばあいは代替だいたい措置そちの選択せんたく理由りゆうを明確めいかくにする。選択肢せんたくし（除染じょせんまたは代替だいたい措置そち）の手順てじゅんなどを審議しんぎし最終さいしゅう決定けっていする。その後ご選択せんたく手順てじゅんの技術ぎじゅつ的てき仕様しようなどの細部さいぶを決定けっていする。
• 詳細しょうさい決定けってい後ごに地域ちいきの準備じゅんび、施設しせつの建設けんせつなどを含ふくむ除染じょせん作業さぎょう(または代替だいたい措置そち)に入はいる。
• 作業さぎょう終了しゅうりょう後ごに環境かんきょう調査ちょうさを実施じっしし、効果こうか確認かくにん書しょ（Post Remedial Action Report, PRAR)）を作成さくせいする。

関連かんれん項目こうもく

• 放射能ほうしゃのう汚染おせん対策たいさく
• CBRNE
• 原子力げんしりょく事故じこ