Getting Over It with Bennett Foddy

Getting Over It with Bennett Foddy

ジャンル	プラットフォーム・ゲーム
対応たいおう機種きしゅ	Microsoft Windows macOS iOS
開発元かいはつもと	ベネット・フォディ
発売はつばい元もと	Humble Bundle（Humble Monthly版ばん） ベネット・フォディ（Steam版ばん）
人数にんずう	シングルプレイヤー
発売はつばい日び	WW 2017年ねん10月がつ6日にち （Humble Monthly版ばん）
エンジン	Unity

映像えいぞう外部がいぶリンク
Getting Over It with Bennett Foddy Trailer

『Getting Over It with Bennett Foddy』（公式こうしきでの略称りゃくしょう："Getting Over It"）は、ベネット・フォディが開発かいはつ・発表はっぴょうしたコンピュータゲーム（プラットフォーム・ゲーム）である。

システム

本ほん作さくは、ディオゲネスという、一言ひとこともしゃべらず下半身かはんしんが何なんらかの水みずが詰つまった釜がまにはまった男性だんせいを操作そうさし、登山とざん用ようハンマーを振ふるってものにひっかけたり、地面じめんなどに振ふりおろして持もち上あげたりジャンプしながら山やまを登のぼっていくコンピュータゲームである。プレイヤーはマウスまたはタッチパッドを使つかって、男性だんせいの上半身じょうはんしんを動うごかし、ハンマーをどこかに引ひっ掛かけながら急きゅうな山道さんどうを進すすんでいく。 ハンマーの力ちから加減かげんは、マウスを動うごかす回数かいすうと速度そくどに左右さゆうされており、マウスの感度かんどを低ひくく設定せっていした場合ばあいは大おおきく動うごかす必要ひつようがある一方いっぽう、マウスの感度かんどを高たかく設定せっていしすぎるとと少すこしマウスを動うごかしただけでもハンマーが大おおきく動うごいてしまう。 コントローラでも遊あそべるが、ジョイスティックの精度せいどの都合つごう上じょう、さらに難易なんい度どが上あがる。また、iOS版ばんは、画面がめんフリックでハンマーを操作そうさすることができる。 プレイ中ちゅう、フォディ本人ほんにんの声こえで哲学てつがく的てきな話題わだいのナレーションが入はいり、特とくにプレイヤーが失敗しっぱいしたときは、失望しつぼうや忍耐にんたいに関かんする名言めいげんが引用いんようされる。

ゲームが進すすむにつれて難易なんい度どは上昇じょうしょうする。チェックポイントがないため、一度いちど落おちると場合ばあいによっては最初さいしょからやり直なおす羽目はめになる。

頂上ちょうじょうに上のぼるとゲーム終了しゅうりょうとなり、現在げんざいゲームプレイを録画ろくがしているか否ひかを問とうメッセージが表示ひょうじされる。録画ろくがしていないことを確認かくにんして進すすむと、登頂とうちょう者しゃのみが見みられるコンテンツにアクセスすることができる。

制作せいさく

背景はいけい

『QWOP』の作者さくしゃとして知しられるベネット・フォディは、子こどものころから難むずかしいゲームについて興味きょうみを抱だいていた。フォディがオーストラリアに住すんでいた1980年代ねんだいから90年代ねんだいの間あいだは、『ジェットセットウィリー』などの国外こくがいから輸入ゆにゅうされたゲームしか遊あそべなかった。これらのゲームの多おおくは、セーブシステムが不十分ふじゅうぶんだったため、キャラクターが死亡しぼうした場合ばあいは最初さいしょからやり直なおす必要ひつようがあった。

1990年代ねんだい、アメリカおよび日本にっぽん製せいのゲームはセーブシステムやチェックポイントを導入どうにゅうするようになり、キャラクターが途中とちゅうで死亡しぼうしても最初さいしょからやり直なおす必要ひつようがなくなった。フォディはセーブシステム等とうの導入どうにゅうについて、「ある地点ちてんまで送おくり戻もどしが少すこしずつ減へっていく要素ようそは、いまやこのブティックのものになってしまった。ある世代せだいの人ひとはその感覚かんかくを持もっているし、すべての人ひとにそれがあてはまるだろう。しかし、このようなシステムは正統せいとうからはずれたものである」とGamasutraとのインタビュー述のべている。

その後ご、フォディは『DARK SOULS』シリーズといった高こう難易なんい度どゲームの再来さいらいを目まの当あたりにした。 さらに2017年ねん8月がつに発売はつばいされた『Hellblade: Senua's Sacrifice』というセーブシステムがあるゲームにおいても、プレイヤーが何なん度ども死亡しぼうした場合ばあいはセーブデータを消去しょうきょされるシステムが導入どうにゅうされたことで他たのプレイヤーが挑戦ちょうせんしやすくなり、あえて難むずかしいゲームデザインにすることで新あらたな興味きょうみを引ひき寄よせることが証明しょうめいされた。 フォディは「強つよい支持しじを受うけているデザインの正統せいとう性せいの誤あやまりが証明しょうめいされたときに、新あらたなる道みちが開あけるため、とてつもなく興奮こうふんさせられます」と述のべ、本ほん作さくもまた新あたらしいゲーム開発かいはつへの道みちを開あける作品さくひんだと考かんがえている。 そして、フォディは、2002年ねんにチェコのゲームデザイナーJazzuoが発表はっぴょうした『Sexy Hiking』にインスピレーションを受うけ、ある種しゅの人ひとを悶もだえさせるために本ほん作さくを開発かいはつした。

開発かいはつ

題名だいめいに自みずからの名なを冠かんした理由りゆうについて、フォディは作つくり手しゅである自分じぶんを人間にんげんとして感かんじてほしいと同時どうじに、プレイヤーのことを人間にんげんとして感かんじたいという想おもいがあったと、2019年ねんに行おこなわれたGame Developers Conferenceの中なかで述のべている。

前述ぜんじゅつの意図いともあり、本ほん作さくはフォディが直接ちょくせつプレイヤーに語かたりかける内容ないように仕上しあげられた。 最初さいしょ、フォディは開発かいはつしたときの気持きもちを話はなしていたが、次第しだいにプレイヤーに向むかって語かたりかける形かたちに変化へんかし、終盤しゅうばんではプレイヤーに対たいする謝意しゃいも語かたられた。 また、当初とうしょのクリア報酬ほうしゅうはフォディ自身じしんがWebカメラを通つうじてプレイヤーに話はなしかけるということが予定よていされていたが、それでは出過ですぎているというため、別べつの形かたちに改あらためられた。

配信はいしん

フォディはHumble Bundleとパートナー契約けいやくを結むすび、2017年ねん10月がつ6日にちに、その月つきのHumble Monthlyの一環いっかんとして本ほん作さくを発表はっぴょうした。

2017年ねん12月6日にち、本ほん作さくはフォディの手てによってSteamでの配信はいしんが行おこなわれたと同時どうじに、iOS版はんも配信はいしんされた。

反響はんきょう

本ほん作さくはHumble Monthlyで配信はいしんされた時点じてんから反響はんきょうを集あつめ、2017年ねん12月6日にちの時点じてんで、Humble Monthly版ばんは270万まん人にん以上いじょうのプレイヤーがプレイした。 動画どうが投稿とうこうサイトには本ほん作さくのプレイに苦戦くせんするユーザーの動画どうがが多数たすう投稿とうこうされた。 2017年ねん12月22日にち時点じてんのSteam版ばんのレビューには「悪意あくいの塊かたまり」「人ひとにプレゼントして相手あいての発狂はっきょうっぷりを楽たのしむゲーム」といった言葉ことばが並ならんだと同時どうじに、全体ぜんたい的てきな評価ひょうかは非常ひじょうに良好りょうこうとされた。 また、その難易なんい度どの高たかさから、 PC Gamer のオースティン・ウッドをはじめとする批評ひひょう家かたちの支持しじも集あつめた。 Rock, Paper, Shotgunは2017年ねんのベストPCゲームの一ひとつとして本ほん作さくを挙あげたほか、GameSpotは2017年ねんに発売はつばいされたゲームの中なかで一番いちばん奇き怪かいなものになるだろうと評ひょうした。

本ほん作さくは日本にっぽんでも反響はんきょうを呼よんでおり、日本にっぽんのゲーム実況じっきょう者しゃの間あいだでは「壺つぼ」と呼よばれているほか、IGNは本ほん作さくの主人公しゅじんこうを「壺つぼおじさん」と呼よび、ファミ通ふぁみつうは本ほん作さくを「壺つぼ男おとこゲー」と紹介しょうかいした。2023年ねん時点じてんでは「壺つぼおじ」の通称つうしょう名めいが複数ふくすうのウェブメディアで使用しようされるようになっている。 ねとらぼのRitsuko Kawaiは「操作そうさ説明せつめいもなく始はじまり、失敗しっぱいを重かさねながらも前まえに進すすみ続つづける様子ようすが人生じんせいのようだ」と述のべ、本ほん作さくの本質ほんしつを「不可能ふかのうと思おもえる苦難くなんを乗のり越こえる喜よろこび」とした。 4Gamer.netのgingerは、クリア不可能ふかのうではないものの操作性そうさせいわるが難むずかしいうえに道みちのりが理不尽りふじんなまでに険けわしいため、かなり人ひとを選えらびそうなゲームとしつつも、ただのクソゲーではなく、不思議ふしぎとやめられない魅力みりょくがあると評ひょうした。

電撃でんげきオンラインの豊臣とよとみ和孝かずたかは、本ほん作さくには小ちいさい針はりの穴あなに糸いとを通とおすようなもどかしさがあるとしつつも、本ほん作さくの操作性そうさせいわるが『Sexy Hiking』への敬愛けいあいによるものであり、自己じこ都合つごうによるルールのねじ曲まげではなく明確めいかくなルールと物理ぶつり法則ほうそくに基もとづいている分ぶん、非常ひじょうにまじめに作つくられたゲームであると感かんじたと述のべている。また、豊臣とよとみは主人公しゅじんこうのシュールで奇き怪かいな姿すがたから、インスタ映はえならぬ配信はいしん映ばえすると評価ひょうかしている。

フィクションにおける言及げんきゅうおよびパロディ

日本にっぽんの漫画まんが『ゲーミングお嬢様じょうさま』にて、本ほん作さくに酷似こくじしたゲーム「杯はいおじ」が登場とうじょうしており、ライターの福山ふくやま幸司こうじは電でんファミニコゲーマーに寄よせた記事きじの中なかで、「[前略ぜんりゃく]この凶悪きょうあくな難易なんい度どからゲームにおける『成長せいちょうへの渇望かつぼう』、『成功せいこう体験たいけん』を（同どう漫画まんがの主要しゅよう人物じんぶつである）祥さち龍りゅう院いん隆子たかこが説とく内容ないようとなっており、はからずも『壺つぼおじ』とeスポーツに共通きょうつう点てんがあることに気付きづかされる内容ないようとなっている。」と指摘してきしている。

受賞じゅしょう歴れき

Independent Games Festivalにてトロフィーを手てにするフォディ

年とし	賞しょう	部門ぶもん	結果けっか	出典しゅってん
2018	National Academy of Video Game Trade Reviewers Awards	Control Design, 2D or Limited 3D	ノミネート
		Game, Special Class	ノミネート
	SXSWゲーム賞しょう	トレンディング・ゲーム・オブ・ザ・イヤー（Trending Game of the Year）	ノミネート
		モバイル・ゲーム・オブ・ザ・イヤー（ Mobile Game of the Year）	ノミネート
	Independent Games Festival Competition Awards	Seumas McNally Grand Prize	ノミネート
		最優秀さいゆうしゅうデザイン賞しょう（ Excellence in Design）	ノミネート
		Nuovo Award	受賞じゅしょう

外部がいぶリンク

• 公式こうしきウェブサイト