デンマーク国鉄こくてつIC3型がた気動車きどうしゃ

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（IC3から転送てんそう）
デンマーク国鉄こくてつIC3気動車きどうしゃ
デンマーク国鉄こくてつIC3気動車きどうしゃ(登場とうじょう当初とうしょの塗装とそう)
基本きほん情報じょうほう
製造せいぞう所しょ ABB Scandia
主要しゅよう諸しょ元もと
編成へんせい 3両りょう編成へんせい(連接れんせつ式しき)
軌間きかん 1,435mm
最高さいこう速度そくど 200km/h
編成へんせい定員ていいん 144名めい(座席ざせき)
編成へんせい重量じゅうりょう 97t
編成へんせい長ちょう 58,800mm
全長ぜんちょう 20,540mm(先頭せんとう車しゃ)
17,740mm(中間なかま車しゃ)
全幅ぜんぷく 3,100mm
全ぜん高こう 3,850mm
機関きかん出力しゅつりょく 1193kW
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デンマーク国鉄こくてつIC3型がた気動車きどうしゃ（デンマークこくてつIC3がたきどうしゃ）はデンマーク国鉄こくてつ(DSB)の中なか長距離ちょうきょり路線ろせんで使用しようされるディーゼル動どう車しゃである。車両しゃりょうはアセア・ブラウン・ボベリ・スカンディヤ社しゃ（ABB Scandia 後ごにアドトランツによって吸収きゅうしゅう。アドトランツ自身じしんもボンバルディア・トランスポーテーションに吸収きゅうしゅう。さらにボンバルディア・トランスポーテーション自身じしんもアルストムに吸収きゅうしゅうされる）で生産せいさんされる。欧州おうしゅうでは1989年ねんから運行うんこうされる。

IC-3とは、3番目ばんめのインターシティと言いう意味いみと同時どうじに、基本きほん編成へんせいが3両りょうの車両しゃりょうで構成こうせいされると言いう意味いみもある。

概要がいよう[編集へんしゅう]

アルミニウム合金ごうきん製せい車体しゃたいを持もち、3車体しゃたいは連接れんせつ台車だいしゃで接続せつぞくされ、これを1ユニットとしている。動力どうりょくとして1台だいあたり298kw(400馬力ばりき)のエンジンを前後ぜんごの両りょう端はしの車両しゃりょうに2基きずつ、編成へんせいで4基き搭載とうさいしている。中間ちゅうかんの車両しゃりょうには動力どうりょくは無ない。

デンマークにおける都市とし間あいだ輸送ゆそうは比較的ひかくてき短距離たんきょりの区間くかんであることを考慮こうりょし、最高さいこう速度そくどよりも加速かそく性せいを重視じゅうしした設計せっけいとなっている。そのため、最高さいこう速度そくどは180km/hと近隣きんりん国こくの同どう世代せだいの車両しゃりょうと比くらべ控ひかえめながら、動力どうりょく伝達でんたつ効率こうりつに優すぐれた電子でんし制御せいぎょ式しきの機械きかい式しき変速へんそく機きを採用さいようし、空車くうしゃ重量じゅうりょう97tながらスムーズな加速かそくが可能かのうである。変速へんそくは自動じどうで行おこなわれる為ため、通常つうじょう、運転うんてん士しは直接ちょくせつ操作そうさする事ことは出来できない。エンジンは自然しぜん吸気きゅうき式しきで逆転ぎゃくてん機きが変速へんそく機きに搭載とうさいされている。

運行うんこう時じは2～3編成へんせいを連結れんけつする事ことにより運行うんこうされる。この時とき、前面ぜんめん窓まどと運転うんてん席せきは収納しゅうのうされ、広ひろい通路つうろが確保かくほされ、特徴とくちょう的てきな大おおきなゴム製せいの連結れんけつ幌ほろにより貫通かんつう路ろが構成こうせいされる。後述こうじゅつのIC3の電車でんしゃ版ばんであるIR4やIC2、ET-FT-ETとも連結れんけつして走はしる事ことが出来できる。5編成へんせいまで互たがいに連結れんけつできる。

デンマーク国鉄こくてつでは96編成へんせいのIC3と44編成へんせいのIR4を運行うんこうしている。都市とし間あいだ輸送ゆそうに後継こうけい機種きしゅのIC4が置おき換かわった時ときに地域ちいき輸送ゆそう用ようとして運行うんこうする為ためにエンジンや変速へんそく機きの改修かいしゅうが進すすめられている。

アセア・ブラウン・ボベリ・スカンディヤおよびアドトランツ社しゃで生産せいさんされたIC3とIC3を基本きほんとする列車れっしゃの総数そうすうは202台だいである。

歴史れきし[編集へんしゅう]

IC3型がた気動車きどうしゃ(2007年ねん時点じてんの塗装とそう)

1974年ねん、DSBは130周年しゅうねんにあたって、"K74"と称しょうするパターンダイヤを導入どうにゅうし、長距離ちょうきょり輸送ゆそうにおけるリュントー急行きゅうこう(lyntog)という概念がいねんを取とり除のぞき、その代かわりに新あたらしい「都市とし間あいだ輸送ゆそう」の概念がいねんを導入どうにゅうした。

そこでリュントーとは別べつの独自どくじ設計せっけいの車両しゃりょうが開発かいはつされることとなり、"IC5"と呼よばれる電気でんき、若もしくはディーゼル機関きかん車しゃで牽引けんいんする5輌りょうの試作しさく車しゃが建造けんぞうされた。

しかし、1985年ねん、IC5は重量じゅうりょう過大かだい、柔軟じゅうなん性せいに欠かける等とうの複数ふくすうの要因よういんにより作業さぎょうの中止ちゅうしが決定けっていされた。 それに先立さきだつ、1984年ねん、IC5の実験じっけん結果けっかを元もとに都市とし間あいだ輸送ゆそうに供きょうされる車両しゃりょうの条件じょうけんが定さだめられた。その条件じょうけんとは、軽量けいりょうにする事こと(出来できればアルミ合金ごうきん製せい)、客室きゃくしつの窓まどはIC5でも試作しさくされた固定こてい式しきで空調くうちょうを備そなえる事こと、客車きゃくしゃではなく動力どうりょくを持もつ事こと、バスやトラックで使用しようされる標準ひょうじゅん的てきなエンジンや変速へんそく機きを用もちいる事こと、迅速じんそく且かつ容易よういに他たの編成へんせいと増結ぞうけつできる事ことであった。

最初さいしょのIC3の編成へんせいは1988年ねんに到着とうちゃくしたものの、当時とうじとしては先進せんしん的てきなコンピュータシステムにおける問題もんだいを筆頭ひっとうにいくつかの問題もんだいを抱かかえていた。トイレの鍵かぎが掛かからない問題もんだいと言いう一いち例れいもあった。1991年ねんの運行うんこうを目前もくぜんにした1990年ねん末まつには大半たいはんの問題もんだいは解決かいけつされた。

派生はせい型がた[編集へんしゅう]

IC3は15年間ねんかん、都市とし間あいだ輸送ゆそうのみに運用うんようされていただけでなく、IR4やIC2、エーレスンド列車れっしゃ（Oeresundtrain）といった派生はせい系けいが作つくられた。
IC3型がたを含ふくめたこれらの車両しゃりょうについて、ABB Scandiaはフレックスライナー(Flexliner)の愛称あいしょうを付つけている。

IR4[編集へんしゅう]

デンマーク国鉄こくてつIR4電車でんしゃ
新しん塗装とそうのIR4電車でんしゃ
基本きほん情報じょうほう
製造せいぞう所しょ ABB Traction、ABB Scandia
主要しゅよう諸しょ元もと
編成へんせい 4両りょう編成へんせい(連接れんせつ式しき)
軌間きかん 1,435mm
最高さいこう速度そくど 200km/h
編成へんせい定員ていいん 233名めい(座席ざせき)
編成へんせい重量じゅうりょう 133t
編成へんせい長ちょう 58,800mm
全長ぜんちょう 20,530mm(先頭せんとう車しゃ)
17,730mm(中間なかま車しゃ)
全幅ぜんぷく 3,100mm
全ぜん高こう 3,850mm
主しゅ電動でんどう機き出力しゅつりょく 420kW×4
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IR4（インターリジョナル4 InterRegional 4）はIC3の最初さいしょの派生はせい型がたで、電車でんしゃ方式ほうしきとなっている。当初とうしょは地域ちいき輸送ゆそう用ようとして設計せっけいされたが、後のちに格上かくあげされ、都市とし間あいだ輸送ゆそうに用もちいられるようになった。 しばしば電化でんかされた路線ろせんでIC3編成へんせいと連結れんけつして運用うんようされる。IR4は(名前なまえの由来ゆらいである)4両りょうで基本きほん編成へんせいが構成こうせいされる。

IC2[編集へんしゅう]

曖昧さ回避 この項目こうもくでは、IC3の派生はせい型がたであり、各地かくちの私鉄してつで用もちいられているIC2気動車きどうしゃについて説明せつめいしています。デンマーク国鉄こくてつが所有しょゆうする気動車きどうしゃについては「デンマーク国鉄こくてつIC4型がた気動車きどうしゃ」をご覧らんください。
IC2気動車きどうしゃ
IC2気動車きどうしゃ
基本きほん情報じょうほう
製造せいぞう所しょ アドトランツ
主要しゅよう諸しょ元もと
編成へんせい 2両りょう編成へんせい(連接れんせつ式しき)
軌間きかん 1,435mm
最高さいこう速度そくど 140km/h
編成へんせい定員ていいん 124名めい(座席ざせき)
編成へんせい重量じゅうりょう 64t
編成へんせい長ちょう 41,000mm
全長ぜんちょう 20,500mm
全幅ぜんぷく 3,100mm
全ぜん高こう 3,850mm
機関きかん出力しゅつりょく 420kW×2
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IC2（インターシティー2 InterCity 2）は2番目ばんめの派生はせい型がたである。1992年ねんから1993年ねんにデンマークの私鉄してつが動力どうりょく分散ぶんさん式しきの車両しゃりょうを検討けんとうした際さいに検討けんとうされた、IC3から中間なかま車しゃを取とり除のぞいて片方かたがたからエンジンを取とり除のぞいたものを原型げんけいとする。

編成へんせいは2基きのエンジンを搭載とうさいする制御せいぎょ動力どうりょく車しゃと制御せいぎょ客車きゃくしゃの2両りょうで構成こうせいされ、エンジンが無ない側がわの車体しゃたいは乗降じょうこう口こうが低てい床ゆか化かされており、乗降じょうこうが楽らくに出来できるようになっている。

エーレスンド列車れっしゃ[編集へんしゅう]

デンマーク国鉄こくてつET系けい
スウェーデン国鉄こくてつX31K系けい
エーレスンド列車れっしゃ
基本きほん情報じょうほう
製造せいぞう所しょ ボンバルディア・トランスポーテーション
主要しゅよう諸しょ元もと
編成へんせい 3両りょう編成へんせい
軌間きかん 1,435mm
最高さいこう速度そくど 180km/h
編成へんせい定員ていいん 237名めい(座席ざせき)
編成へんせい重量じゅうりょう 153t
編成へんせい長ちょう 78,900mm
全長ぜんちょう 26,300mm
全幅ぜんぷく 2,970mm
全ぜん高こう 3,800mm
主しゅ電動でんどう機き出力しゅつりょく 265kW×8
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エーレスンド列車れっしゃ "Oeresundtrain"はデンマークとスウェーデンを結むすぶオーレスン・リンクの地域ちいき輸送ゆそう用ように特とく化かされた電車でんしゃ方式ほうしきの車両しゃりょうで、DSBとスウェーデン国鉄こくてつ(SJ AB)で共同きょうどう運行うんこうされる。編成へんせいは 低てい床ゆか式しきの付随ふずい車しゃを電動でんどう車しゃで挟はさんだ3両りょう編成へんせいであり、車体しゃたいはスウェーデンで運行うんこうされるボンバルディアのReginaをベースとしたものに変更へんこうされており、連接れんせつ式しきではなく通常つうじょうの台車だいしゃ・車体しゃたいで構成こうせいされている。電源でんげんはデンマークの(25 kV, 50 Hzへるつ)とスウェーデンの(15kV, 16 2/3 Hzへるつ)に対応たいおうしている。形式けいしきはデンマークでLitra ET、スウェーデンでX31Kと呼よばれ、ボンバルディアではコンテッサの製品せいひん名めいがつけられている[1]。

デンマーク以外いがい[編集へんしゅう]

スウェーデン

スウェーデン国鉄こくてつ（SJ AB）も、IC3の同型どうけい車しゃをY2形かたち気動車きどうしゃとして採用さいようし、「クストピーレン」の愛称あいしょうで、南部なんぶのマルメ - ヘッスレホルム - カルマル - リンシェーピング間あいだを中心ちゅうしんに、デンマークへの乗入のりいれ運用うんようにも使用しようしていた[2]。車体しゃたい色しょくは、赤あか・グレー・ダークブルーの太ふとい横よこラインが入はいったもので、IC3とは大おおきく異ことなる意匠いしょうとしていた[2]。これらは2007年ねん以降いこう、スウェーデン国鉄こくてつ線せんの電化でんかに伴ともない、デンマーク国鉄こくてつに売却ばいきゃくされた。

イスラエル

イスラエル鉄道てつどうでは約やく50編成へんせいのIC3を運行うんこうしている。一部いちぶの編成へんせいはIAI(イスラエル航空機こうくうき産業さんぎょう)のRAMTA事業じぎょう部ぶで組くみ立たてられた。

1997年ねんにはアムトラックで試験しけんが行おこなわれた。北米ほくべいでは｢フレキシライナー｣と呼よばれた。

2010年ねん12月28日にち、イスラエル鉄道てつどうのネタニヤ－テルアビブ間あいだを走行そうこう中ちゅうのIC3使用しよう列車れっしゃが技術ぎじゅつ的てき問題もんだいにより発火はっかした。乗車じょうしゃ中ちゅうの兵士へいしが固定こてい窓まどを銃撃じゅうげき、窓まどを割わることにより乗客じょうきゃくは避難ひなんしたが、少すくなくとも121人にんが重軽傷じゅうけいしょうを負おった[3]。イスラエル鉄道てつどうではこの事故じこを受うけ、IC3型がたの使用しようを当面とうめんの間あいだ全面ぜんめん停止ていしし、エルサレム-ディモナ間あいだなど一部いちぶの近郊きんこう路線ろせんの運行うんこうを、技術ぎじゅつ的てき問題もんだいが解決かいけつするまでの間あいだ運休うんきゅうしている。

スペイン

スペインのレンフェでは、本ほん形式けいしきをベースに、2両りょう編成へんせいの594系けい気動車きどうしゃとして投入とうにゅうされている。製造せいぞうはスペインの車両しゃりょうメーカであるCAF社しゃがライセンス生産せいさんを行おこなった。主おもに地域ちいき圏けんの快速かいそく列車れっしゃに運用うんようされる。一部いちぶの編成へんせいには車体しゃたい傾斜けいしゃ機構きこうあるいは軌間きかん可変かへん機構きこうを備そなえている。

  • スウェーデン国鉄Y2形気動車「クストピーレン」
    スウェーデン国鉄こくてつY2形かたち気動車きどうしゃ「クストピーレン」
  • イスラエル鉄道におけるIC3気動車
    イスラエル鉄道てつどうにおけるIC3気動車きどうしゃ
  • レンフェ594系気動車
    レンフェ594系けい気動車きどうしゃ

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ [1]
  2. ^ a b 野田のだ隆たかし 「北欧ほくおう = 鉄道てつどう旅物たびもの語ご」 東京書籍とうきょうしょせき、1998年ねん、ISBN 4-487-79295-9、pp.22-25
  3. ^ [2]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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