(Translated by https://www.hiragana.jp/)
NICAM - Wikipedia コンテンツにスキップ

NICAM

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

NICAMとは「Nearly Instantaneous Compandable Audio Matrix(じゅん瞬時しゅんじあつしん音声おんせい多重たじゅう)」のりゃくで、デジタル音声おんせい圧縮あっしゅく方式ほうしきのひとつである。「ナイカム」と発音はつおんされる。元々もともと1970年代ねんだい初期しょき放送ほうそうもうない接続せつぞくのために開発かいはつされた。1980年代ねんだいよりドイツのぞヨーロッパひとし地域ちいきで、NICAM方式ほうしきテレビステレオ音声おんせい多重たじゅう送信そうしん利用りようされている。

歴史れきし

[編集へんしゅう]

じゅん瞬時しゅんじ圧縮あっしゅく伸張しんちょう

[編集へんしゅう]

あんとしては1964ねんはじめて考案こうあんされた。このさい圧縮あっしゅく伸張しんちょうADコンバーターぜんDAコンバーターのあとのアナログ信号しんごうおこなわれるあんであった。この技術ぎじゅつ放送ほうそう応用おうようするには圧縮あっしゅく伸張しんちょう全般ぜんぱんてきにADコンバーターののちおよびDAコンバーターのまえのデジタルでおこな必要ひつようがあると、1972ねんBBC研究けんきゅう報告ほうこく考案こうあんされた。

一対一いちたいいち接続せつぞく

[編集へんしゅう]

NICAMはもともと放送ほうそうきょくあいだで、2,048 kbit/sの帯域たいいきはばない高音こうおんしつ6チャンネルを使用しよう出来できることを目的もくてきとされた。この数値すうちCEPT標準ひょうじゅんされたE1回線かいせんわせて設定せっていされ、このレートを使用しようするシステムでは当時とうじ計画けいかくちゅうPDHPlesiochronous Digital Hierarchy国内こくない国際こくさい通信つうしんもう利用りよう出来できるとされた。

さまざまなくに類似るいじのシステムが開発かいはつされたが、1977-1978ねん前後ぜんごBBC研究所けんきゅうじょ試聴しちょう評価ひょうか試験しけん実施じっしした。その候補こうほ下記かきとおり。

結果けっか、NICAM-2方式ほうしきもっと高音こうおんしつだったがビットレート犠牲ぎせいにして必要ひつよう信号しんごう変調へんちょうノイズをぎていた。NICAM-3が試験しけんちゅうもこのてん指摘してき最終さいしゅうてきにはえらばれた。音声おんせい信号しんごうは32kHzサンプリング周波数しゅうはすうで14ビットのパルス符号ふごう変調へんちょう使用しようしエンコーディングされている。

公衆こうしゅう放送ほうそうもうでの使用しよう

[編集へんしゅう]

NICAMのつぎ役割やくわり公衆こうしゅう放送ほうそうもう使用しようされることであったが、この技術ぎじゅつは1980年代ねんだいにBBCによって開発かいはつされた。この技術ぎじゅつは728kbit/sで送信そうしんされるため、NICAM-728というバリエーションとしてられる。NICAM-3とおな音声おんせい符号ふごうパラメーターを使用しようする。

BBCは1986ねんはつのNICAMデジタルステレオ番組ばんぐみ放送ほうそうした。しかし5ねんイギリス国内こくないのほとんどの地域ちいき送信そうしん施設しせつがNICAM放送ほうそう対応たいおうしBBCのおおくの番組ばんぐみがステレオ制作せいさくされる5ねんまで、番組ばんぐみはステレオ放送ほうそうすることを事前じぜん公表こうひょうしていなかった。

公式こうしきてきにはBBCは1991ねんにイギリスでのNICAMステレオ放送ほうそう開始かいし発表はっぴょうし、イギリスのほか放送ほうそうきょくITVチャンネル4すうヶ月かげつにステレオ放送ほうそう発表はっぴょうした。

NICAM方式ほうしき採用さいようこく地域ちいき

[編集へんしゅう]

下記かきPAL方式ほうしきSECAM方式ほうしき国々くにぐにでNICAM音声おんせい多重たじゅう方式ほうしき採用さいようされている。

ヨーロッパ

[編集へんしゅう]

そのくに地域ちいき

[編集へんしゅう]

NICAM方式ほうしき技術ぎじゅつ概要がいよう

[編集へんしゅう]

モノラル信号しんごうとの互換ごかんせいたもつため、NICAM信号しんごう音声おんせいキャリアのよこ搬送波はんそうはせられ送信そうしんされる。これはFMAM通常つうじょう音声おんせい信号しんごうはモノラル受信じゅしんでも独立どくりつして受信じゅしん出来できるとうことである。

NICAM方式ほうしきのステレオテレビ信号しんごうは、モノラル音声おんせい互換ごかん信号しんごうまたは2〜3ほんまったべつ音声おんせい信号しんごうとも同時どうじ送信そうしん出来できる。べつ音声おんせい信号しんごうのモードでは、多言たげん放送ほうそうやその応用おうようとして国際線こくさいせん機内きない映画えいが(インフライト・エンターテインメント・システム)とうでも使用しようされる。このモードではユーザーが受信じゅしん音声おんせい選択せんたくスイッチできたいサウンドトラックを指定してい出来できる。

これはPAL方式ほうしきでのNICAMの周波数しゅうはすう領域りょういきである。SECAM L方式ほうしきでは、NICAM音声おんせいはAM音声おんせいキャリアのまえの5.85MHzで、映像えいぞう帯域たいいきはばは6.5MHzから5.5MHzに縮小しゅくしょうされる。

NICAMでは現在げんざい下記かきのモードがある。データストリームの3ビット領域りょういきふくむことによって、自動じどう選択せんたくさせることが出来できる。

  • デジタルステレオ音声おんせい 1チャンネル
  • 完全かんぜんことなるデジタルモノラル音声おんせい 2チャンネル
  • デジタルモノラル音声おんせい 1チャンネルと、352kbit/sデータチャンネル 1チャンネル
  • 704kbit/sデータチャンネル 1チャンネル

上記じょうきのうち、一般いっぱんてき使用しようされているのは前者ぜんしゃ2つである。また将来しょうらいさらに4つの選択肢せんたくし提案ていあんされる可能かのうせいがある。

NICAMパケット通信つうしん

[編集へんしゅう]

NICAMパケット(ヘッダーをのぞく)通信つうしんは、送信そうしんまえ9ビット疑似ぎじランダムビット生成せいせい方式ほうしきによってスクランブル処理しょりされている。

  • この疑似ぎじランダム生成せいせいは511ビット反復はんぷくのビットストリームを生成せいせい
  • 疑似ぎじランダム生成せいせい多項式たこうしきは、x^9 + x^4 + 1
  • 疑似ぎじランダム生成せいせいは、111111111初期しょきされる

NICAMビットストリーム生成せいせいホワイトノイズ生成せいせいとよくているが、これは隣接りんせつテレビチャンネルへの干渉かんしょう減少げんしょうさせるために重要じゅうようである。

  • NICAMヘッダーはスクランブルしない。これは受信じゅしんがわでNICAMデータストリームにロックさせ、さい同期どうきさせるためである。
  • NICAMパケットの先頭せんとうでは、疑似ぎじランダムビット生成せいせい一旦いったんすべて1に自動じどう設定せっていされる。

NICAM音声おんせい記録きろく

[編集へんしゅう]

NICAM対応たいおうビデオデッキでは、NICAM方式ほうしきからのステレオ音声おんせいVHSハイファイトラックに記録きろくされる。モノラル信号しんごうはリニアトラックに記録きろくされる。

DVD-Video方式ほうしきとほぼ互換ごかんせいのある「ビデオモード」での記録きろく場合ばあい一般いっぱんてきにはデジタルI、デジタルII、アナログモノラルのうち1チャンネルにしか記録きろく出来できない。DVD-VR方式ほうしき場合ばあいはモノラル信号しんごう消失しょうしつしてしまうものの、ステレオりょうチャンネルとカ国かこく両方りょうほうがすべてのデジタルチャンネルに記録きろく出来できる。

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]