DVD-Video

DVD-Video メディア

DVD-Video（ディー ブイ ディー ビデオ）とはDVDフォーラムで制定せいていされたDVDに複数ふくすうの映像えいぞう、音声おんせい、字幕じまくを記録きろくするアプリケーションフォーマット（規格きかく）である。

概要がいよう

1996年ねんに東芝とうしばが中心ちゅうしんとなって開発かいはつが完了かんりょうした後のち、製品せいひんの発売はつばいが始はじまり、以後いご世界せかい的てきに幅広はばひろく普及ふきゅうしている。それまで映像えいぞうパッケージソフトの主流しゅりゅうだったVHS、ビデオCD等ひとしに比くらべて高画質こうがしつ（解かい像ぞう感かんが高たかく、DVDの草創そうそう期きにはプレーヤーのカタログなどでBETACAMなどの放送ほうそう局きょく用ようVTRに迫せまる画質がしつと謳うたわれる事こともあった）であること、コンパクトディスクと同おなじようなメディアの扱あつかいやすさで親したしまれるようになった。ただし、登場とうじょう直後ちょくごから2000年ねんまではそこまで普及ふきゅうせず、ディスクケースのサイズ規格きかくもばらつきがあったが、DVD再生さいせい機能きのうを標準ひょうじゅん搭載とうさいしたゲーム機き「PlayStation 2」のヒットによるディスクケースの統一とういつや映画えいが「マトリックス」のDVD初はつミリオンセラー達成たっせいの他ほか、対応たいおう機器ききの低てい価格かかく化かなどにより特とくに2000年代ねんだいに入はいってから再生さいせい専用せんようソフトに関かんしてはVHSを置おき換かえるほど普及ふきゅうした。

DVD-Videoは一般いっぱん的てきにはDVD-Videoフォーマット規格きかくで映像えいぞうデータが記録きろくされたディスクを指さすものとして用もちいられ、「DVDに記録きろくされたデジタルビデオ」全般ぜんぱんを表あらわすものではない（詳細しょうさいはDVD#DVD-Videoを参照さんしょう）。記録きろくフォーマット名めいとして明確めいかくに区分くぶんする目的もくてきで表現ひょうげんする場合ばあいは「DVD-VF」 (DVD Video Format) が用もちいられる場合ばあいもある。一方いっぽう、本来ほんらいは単たんに "DVD" という場合ばあいはDVD-Videoディスク自体じたいのことを表あらわす言葉ことばになるので解説かいせつ・説明せつめいをする際さいには紛まぎらわしさを避さけるように注意ちゅういする必要ひつようがある。

規格きかく概要がいよう

映像えいぞう

MPEG-2

DVDで使用しようする際さいは本来ほんらいのMPEG-2の規格きかくに若干じゃっかんの変更へんこうや制限せいげんが加くわえられており、映像えいぞうビットレートは最大さいだい約やく9.8Mbpsで同時どうじに再生さいせいする音声おんせいのビットレートや字幕じまくデータを含ふくめて10.08Mbpsを超こえてはならない。また、マルチアングル使用しよう時じは映像えいぞうストリームの上限じょうげんは8Mbpsになる。

• NTSCにおいては解像度かいぞうどは横よこ720×縦たて480ピクセル・インターレース (480i) 、および29.97fpsが標準ひょうじゅんでありVHS（水平すいへい240本ほん程度ていど）、S-VHSやレーザーディスクなど（400本ほん程度ていど）に比くらべて高こう精細せいさいであるとされているが、ブロックノイズやモスキートノイズなどとの兼かね合あいもあり実じつ視聴しちょう上じょうはS-VHSやレーザーディスクのCAV方式ほうしきなどとあまり変かわらない画質がしつではないかといった意見いけんもある。なお欧州おうしゅうで使つかわれるPAL規格きかくのDVD-Videoは576iとなるが、fpsが25に制限せいげんされる上うえに、画面がめん端はしが再生さいせい時じにやや乱みだれる場合ばあいがある。
• 標準ひょうじゅん解像度かいぞうどの他ほかに、横よこ352×縦たて480ピクセルと横よこ352×縦たて288ピクセル（CIF）が許容きょようされている。

MPEG-1

MPEG-1方式ほうしきの映像えいぞうストリームも使用しよう可能かのうである。解像度かいぞうどについては、ビデオCDと同おなじCIFである。映像えいぞうの最大さいだいビットレートは1.859Mbpsを超こえてはならない。

アスペクト比ひ

解像度かいぞうどは同おなじ720×480であっても、縦横じゅうおう比ひは4:3か16:9にソフト側がわで指定していされている。ただしシネマスコープ・ビスタサイズなど16:9よりも横長よこながな映像えいぞうは垂直すいちょく480本ほんの解像度かいぞうどの一部いちぶしか利用りようできない（NTSCの場合ばあい。PALは576本ほん）。詳細しょうさいは画面がめんサイズを参照さんしょう。

ディスクが指定していするアスペクト比ひと再生さいせい環境かんきょうを合あわせるため、DVDプレーヤーにはレターボックスやスクイーズの機能きのうが搭載とうさいされており、スクイーズするかどうかはDVDに記録きろくされている。16:9のテレビで映画えいがを再生さいせいする場合ばあい、上下じょうげに黒くろ帯たいを付加ふかして全体ぜんたいを表示ひょうじする（レターボックス）かスクイーズかを選択せんたくする。ただし映像えいぞうソフト側がわでパンスキャンを許可きょかしないものが多おおく、これらは強制きょうせい的てきにレターボックス表示ひょうじとなる。

16:9型がたのテレビ等とうで4:3の映像えいぞうを再生さいせいすることはDVD-Video規格きかくの上うえでは考慮こうりょされておらず、プレーヤーとテレビ等とうのどちらかで左右さゆうの端はしに黒くろ帯たいを付加ふかする処理しょり（ピラーボックス）を行おこなう必要ひつようがある。

音声おんせい

標準ひょうじゅんでドルビーデジタル (AC-3)2chおよび5.1ch信号しんごう、オプションでPCM、DTSやMPEG Audio Layer-2 (MP2) なども利用りよう可能かのうである。地域ちいきによって、その他たの音声おんせいフォーマットにも対応たいおうする。全すべてのプレイヤー上じょうで再生さいせいできる音声おんせいコーデックはドルビーデジタルとPCMのみである。

PCMの量子りょうし化かビット数すうは16bit/24bit、サンプリング周波数しゅうはすうは48kHzきろへるつ/96kHzきろへるつが利用りよう可能かのうであるためCD（16bit・44.1kHzきろへるつ）より高音こうおん質しつとなる。ただし24bit・96kHzきろへるつはほとんど利用りようされていない。

複数ふくすうの音声おんせいを同時どうじに収録しゅうろくすることができるマルチ音声おんせい収録しゅうろくが可能かのう、ただし非ひ圧縮あっしゅくPCM音声おんせいでステレオを超こえるマルチチャンネルを収録しゅうろくすることはできない。

再生さいせい時じにユーザーが好このみの音声おんせい1種類しゅるいを選えらぶ。規格きかく上じょうは8ストリームまで利用りよう可能かのうでそれぞれのストリームに1ch、2ch、5.1chなどの音声おんせいを割わり当あてられる。例たとえば2チャンネルステレオをPCM、5.1チャンネルのサラウンド音声おんせいをドルビーデジタルまたはdtsで収録しゅうろくする。また海外かいがいの映画えいが作品さくひんなどの場合ばあい、

1. 原語げんご
2. 日本語にほんご吹ふき替かえ
3. コメンタリー音声おんせい（出演しゅつえん者しゃ・スタッフなどによる場面ばめん解説かいせつ）

といったものが多おおい。これにより海外かいがいの映画えいが作品さくひんがVHSでは「字幕じまくスーパー版ばん」「日本語にほんご吹ふき替かえ版ばん」と2種類しゅるいのソフトを発売はつばいしなければならなかったり、「字幕じまく対応たいおう版ばんVHS」を字幕じまく受信じゅしんに対応たいおうしたビデオデッキで再生さいせいする必要ひつようがあったが、DVDなら1本ほんに両方りょうほうとも収録しゅうろくできるようになった。Blu-ray Disc以降いこうではプレイヤー側がわの設定せってい地域ちいき（リージョンとは異ことなる）により設定せっていに使用しようできる字幕じまく・音声おんせい・アングルの数かずを制限せいげんしたり、音声おんせい信号しんごうを最初さいしょに設定せっていした言語げんごで制御せいぎょしたりすることが可能かのうとなった。

市販しはんのDVDレコーダーでは、DVD-Videoフォーマットでのマルチ音声おんせい収録しゅうろくに対応たいおうしたものは2009年ねん現在げんざい発売はつばいされていない。加くわえて、DVD-Videoフォーマット規格きかくでは再生さいせい専用せんよう機きでも含ふくめて音声おんせいチャンネルの左右さゆう切きり替かえ再生さいせいを許容きょようしていないことからDVDレコーダーを用もちいた場合ばあい、テレビ放送ほうそうの二にヶ国かこく語ご放送ほうそう（多重たじゅう音声おんせい放送ほうそう）をDVD-Videoフォーマットで二にヶ国かこく語ご再生さいせいが可能かのうな形式けいしきの記録きろくは不可能ふかのうになっている（DVD-VRフォーマットでは可能かのう。後述こうじゅつも参照さんしょうのこと）。

字幕じまく（サブタイトル）

映像えいぞうデータとは別べつに字幕じまく専用せんようのデータを収録しゅうろくし、映像えいぞうと重かさね合あわせて表示ひょうじする（再生さいせい機器きき側がわの機能きのう）ことが可能かのうである。再生さいせい機器ききのリモコンなどで字幕じまく表示ひょうじのON/OFFの切きり替かえが可能かのう。ただし収録しゅうろくコンテンツの製作せいさく過程かていで映像えいぞうデータと一緒いっしょにデジタルデータ化かされているテロップ・字幕じまくの場合ばあいはこの機能きのうを用もちいていないので、ON/OFFは不可能ふかのう（日本語にほんご字幕じまくを参照さんしょうのこと）。字幕じまくは画像がぞうデータであり、DVDの中なかのデータの画像がぞうを表示ひょうじする機能きのうでありため、実装じっそう時じはDVDの容量ようりょうを負担ふたんすることになる。

マルチアングル

1つの場面ばめんに対たいして複数ふくすうの映像えいぞうを収録しゅうろくし、ユーザーが切きり替かえて楽たのしむことができる。例たとえば音楽おんがくライブ映像えいぞうでカメラの位置いちを切きり替かえながら鑑賞かんしょうするといったことが可能かのうになる。ただしこの機能きのうは莫大ばくだいなディスク容量ようりょうが必要ひつようになることから、日本にっぽんのアニメ映画えいがでラフ画がと実際じっさいの放映ほうえい時じの映像えいぞうを交互こうごに切きり替かえながら視聴しちょうする際さいなどに用もちいられる場合ばあいがある。ブルーレイではディズニー作品さくひんで音声おんせい設定せっていを変更へんこうしたときに自動じどうでアングルが変更へんこうされるので頻繁ひんぱんに用もちいられる。

チャプター、タイトル

シーンの区切くぎりにチャプターを設定せっていすることが可能かのう。リモコンのチャプタースキップボタンやメニュー（後述こうじゅつ）で好すきな位置いちに移動いどうすることができ、VHSやレーザーディスクなどに比くらべて高たかい操作性そうさせいわる・ランダムアクセス性せいを持もつ。

また、1枚まいのDVDに複数ふくすうのタイトルを収録しゅうろくすることができる。例たとえば特典とくてん映像えいぞうには本編ほんぺんとは別べつのタイトル番号ばんごうが割わり当あてられる場合ばあいが多おおい。

メニュー

チャプターを一覧いちらん表示ひょうじし、好すきな場面ばめんに瞬時しゅんじに移動いどうできるといった機能きのうを持もつメニュー画面がめんを組くみ込こむことができる。メニューには静止せいし画がだけでなく動画どうが（モーションメニュー）を使つかうことも可能かのう。メニューが適切てきせつかつ便利べんりでなければソフトの魅力みりょくを大おおきく損そこなう場合ばあいがあり、DVD-Videoの重要じゅうような要素ようその一ひとつである。全すべてのDVDメニューは無音むおんのメニューである場合ばあいも、一定いってい時間じかんが経過けいかするとメニュー画面がめんが自動的じどうてきにリロードされる。

メニューの双方向そうほうこう機能きのうをさらに発展はってんさせてゲームブックのような構造こうぞうを用もちいたDVD-Video形式けいしきのゲームソフトを制作せいさくすることも可能かのうであり、主おもにアダルトゲームの分野ぶんやでDVD PlayersGameと呼よばれるソフトが市場いちばに出回でまわっている。また、アニメDVDのおまけ要素ようそとして3択よクイズを再現さいげんして収録しゅうろくしたものも存在そんざいする。Blu-ray Disc、Ultra HD Blu-rayではメニュー画面がめんのUIがさらに高度こうどかつ高画質こうがしつなものに改良かいりょうされている。

ドルビーデジタル、DTSデジタルサラウンド

一部いちぶのレーザーディスクですでにドルビーデジタルの再生さいせいは可能かのうとなっていたが、ドルビーデジタルが再生さいせいできるLDプレイヤー・アンプは一部いちぶ機種きしゅのみとなっていたため再生さいせい難易なんい度どが高たかかった。しかし、DVDによってさらに手軽てがるにドルビーデジタル信号しんごうの音声おんせい採用さいようできるようになったため、ついに映画えいがの音声おんせいと全まったく同おなじクオリティの信号しんごうをそのまま記録きろくできるようになった。そのため、DVDプレイヤーのうち、ドルビーデジタルに対応たいおうしているものはS/PDIF端子たんし、のちに出でたプレイヤーにはHDMI端子たんしが搭載とうさいされている。最初さいしょからサラウンド音声おんせいが使用しようされていない場合ばあいでも、ドルビーデジタルを使用しようした2ch音声おんせいの記録きろくが可能かのうである。DTSを使つかう場合ばあいはドルビーデジタルよりも音質おんしつが向上こうじょうする。DTSは一部いちぶソフト・機種きしゅのみの対応たいおうとなっているため、DTSに非ひ対応たいおうの機器ききでDTS用ようの音声おんせい信号しんごうを再生さいせいすると機器ききに不具合ふぐあいや故障こしょうが発生はっせいするリスクがある。DTSも同様どうようにS/PDIF、HDMI端子たんしで伝送でんそうできる。

複製ふくせい防止ぼうし技術ぎじゅつ

アクセスコントロール技術ぎじゅつとしてContent Scramble System (CSS) による暗号あんごう化かが可能かのうであり、ほとんどの市販しはんソフトで導入どうにゅうされている。その際さい、コピーコントロール技術ぎじゅつとしてアナログコピーガード（マクロビジョン）が施ほどこされるのが一般いっぱん的てきである。

その一方いっぽうで、CSSやマクロビジョンを解除かいじょして複製ふくせいを可能かのうにするソフトウェアも存在そんざいする。

なお、日本にっぽんでは、2012年ねん6月がつ20日はつかに、DVDなどに用もちいられる「CSS」などの暗号あんごう型がた技術ぎじゅつを、著作ちょさく権けん法ほう上じょうの対象たいしょうとなる「技術ぎじゅつ的てき保護ほご手段しゅだん」に追加ついかするDVDのリッピングの違法いほう化かを盛もり込こんだ著作ちょさく権けん改正かいせい法案ほうあんが可決かけつされている。これに伴ともない、CSS等とうの保護ほご技術ぎじゅつを回避かいひしてのDVDのリッピングは私的してき複製ふくせいの対象たいしょう外がいとなり違法いほう行為こういとなる（ただし、CSS等とうの保護ほご技術ぎじゅつが使つかわれていないDVDのリッピングについては、改正かいせい後ごも従来じゅうらいと変かわりはない）。CSSを回避かいひするプログラム・装置そうちを提供ていきょうすることについても規制きせいされ、刑罰けいばつの対象たいしょうとなる。

リージョンコード

リージョンコードの分布ぶんぷ

世界せかいをいくつかの地域ちいきに分わけ、リージョンコード（地域ちいきコード）を割わり当あてることで地域ちいき限定げんていのリリースやリリース日びをずらすということができる。DVDプレーヤーとDVD-Videoディスクのリージョンコードが異ことなると再生さいせいすることができない。ただしDVDプレーヤーのリージョンコードの設定せっていを変更へんこうすることによって再生さいせいできるものがあるが、ほとんどの機種きしゅでは変更へんこうできる回数かいすうに上限じょうげん（多おおくは5回かい、ドライブを最初さいしょに接続せつぞくしたときにリージョンが決きまる場合ばあいを考慮こうりょすると4回かい）が設もうけられている。しかし、現在げんざいのPC用ようDVDプレイヤーのソフトウェアのほとんどやPCSX2はリージョンコードを無視むしして再生さいせいできるように設計せっけいされているため、PC用ようドライブのリージョンコードを変更へんこうしてもほとんど意味いみがない場合ばあいもある。

また、リージョンコードが合あっていてもテレビ方式ほうしき（NTSCやPALなど）が合あわないと再生さいせいできない。例たとえば日本にっぽんとヨーロッパ・中近東ちゅうきんとう・南みなみアフリカは同おなじリージョン2であるが、テレビ方式ほうしきが異ことなるために通常つうじょうは再生さいせいできない。しかし日本にっぽん国内こくないでPAL方式ほうしきに対応たいおうしたDVDプレーヤーも存在そんざいし、またNTSC規格きかくに縛しばられない機器ききでは再生さいせいできる場合ばあいが多おおい。なお香港ほんこんとマカオおよび台湾たいわん（NTSC方式ほうしき）のDVDはリージョンコードが中国ちゅうごくとは違ちがうため再生さいせいできない。

手持てもちのDVD-Videoがどのリージョンあるいはテレビ方式ほうしきであるかは、DVDのレーベル面めんやケースの裏表紙うらびょうしに記載きさいされている。マークは地球ちきゅうを模もした図ずの中なかにリージョンコードが書かかれている。

リージョンコードとそれに対応たいおうする地域ちいきは下記かきの通とおり。

コード	地域ちいき
0	制限せいげんなし（パッケージには「ALL」と記載きさいされることが多おおい）
1	米国べいこく、カナダ、米国べいこく領域りょういき
2	ヨーロッパ、中近東ちゅうきんとう、南みなみアフリカ、日本にっぽん
3	韓国かんこく、台湾たいわん、香港ほんこん、マカオ、東南とうなんアジア
4	オーストラリア、中南米ちゅうなんべい
5	アフリカ、アジア、東ひがしヨーロッパ、ロシア
6	中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく
7	未み定義ていぎ
8	航空機こうくうき内ない等とう

ペアレンタルロック

暴力ぼうりょくや性せい描写びょうしゃなどがあるシーンを子供こどもに見みせないため、DVDプレーヤーにパスワードを設定せっていして、ロックをかけ該当がいとうシーンを再生さいせいできないようにする機能きのうがある。なお英語えいごのparentalの発音はつおんは「パレンタル」であるが、日本にっぽんでは名詞めいしのparent（ペアレント）からの誤あやま類推るいすいで「ペアレンタル」と片仮名かたかな表記ひょうきされるのが一般いっぱん的てきである。一部いちぶシーンのロックはほとんど採用さいようされず、ディスクの映像えいぞう全すべてを年齢ねんれい制限せいげんでロックする場合ばあいが多おおい。

但ただし、設定せっていしていると、内容ないよう（ストーリー）が分わからなくなると言いう弊害へいがいもある。

片面かためん/両面りょうめん、1層そう/2層そう

DVDの規格きかく上じょうは両面りょうめん2層そうまで可能かのうであるが、歩留ぶどまりの問題もんだいやパッケージソフトとして販売はんばいされる性格せいかくから片面かためん2層そうとし裏面りめんに絵えやロゴ等とう（レーベル）を印刷いんさつする場合ばあいがほとんどである。なお、両面りょうめん再生さいせい型がたが存在そんざいするLDプレーヤーと異ことなり、DVDプレーヤーには両面りょうめん自動じどう連続れんぞく再生さいせい可能かのうなものが存在そんざいしないため、2枚まい組ぐみでも両面りょうめん1/2層そうでも入いれ替かえの手間てまはあまり変かわらず、ケースへの出だし入いれの手間てまが省はぶけるだけである。むしろ、オートチェンジャー型がたの場合ばあいは2枚まい組ぐみの方ほうが入いれ替かえの手間てまがかからない。記録きろく面めんが汚けがれる可能かのう性せいがあることを考かんがえると、ユーザーからすれば片面かためんディスクの方ほうが扱あつかいやすい。初期しょきのDVD(~2000年ねん）までは主おもにワーナーブラザーズのみがDVDを製造せいぞうしていたため、片面かためん二に層そうにすればいい作品さくひんを、レーザーディスクと同おなじ製造せいぞうプロセスに近ちかづけたために両面りょうめん一層いっそうとして販売はんばいされるディスクも製造せいぞうした。

両面りょうめん2層そうは『心しんの旅路たびじ』（特別とくべつ版ばん）等とう、極少きょくしょう数すうに留とまり、両面りょうめん1層そうも『風ふうと共ともに去さりぬ』（通常つうじょう正規せいき盤ばん）、『陽気ようきな踊子おどりこ』（正規せいき版ばん）、『燃もえよドラゴン』、『アマデウス』（通常つうじょう版ばん）、『戦たたかえ!!イクサー1』等とう、少数しょうすうに留とまる。ワーナーの主おもにテレビシリーズに集中しゅうちゅうし、ワーナー以外いがいでは極きわめて珍めずらしい。DVDの普及ふきゅう後期こうきには両面りょうめん使用しようで発売はつばいされたソフトも片面かためん２層そう仕様しようで再さい発売はつばいされるものも多おおかった。[1]。

操作そうさの制限せいげん

ディスクを入いれ始はじめた直後ちょくごなどに映うつる注意ちゅうい書がきやロゴアニメーションの部分ぶぶんでは、早送はやおくり・早はや戻もどし・一時いちじ停止ていし、もしくはその一部いちぶの操作そうさが出来できない(禁止きんしされている)ことがある。Xbox、Xbox 360の初期しょきのディスクはこの仕様しようが使つかわれ、Xbox以外いがいで再生さいせいしたときに専用せんようの演出えんしゅつが流ながれた後のち、警告けいこく画面がめんが表示ひょうじされた後のちはどの操作そうさやチャプター飛とばしも不可能ふかのうになる。

規格きかく仕様しよう

• 解像度かいぞうど
  • NTSC
    • Full D1:720×480
    • Cropped Full D1:704×480
    • Half D1:352×480
    • SIF:352×240
  • PAL
    • Full D1:720×576
    • Cropped Full D1:704×576
    • Half D1:352×576
    • CIF:352×288
• 多重たじゅう化かストリーム
  • 符号ふごう化か方式ほうしき:MPEG-2プログラムストリーム
  • 最大さいだい多重たじゅう化かレート:10.08Mbps
• 映像えいぞうストリーム
  • ストリーム数すう:1
  • 符号ふごう化か方式ほうしき:MPEG-1/MPEG-2
  • 最大さいだいレート
    • MPEG-1:1.859kbps以下いか
    • MPEG-2:9.80Mbps以下いか
• 音声おんせいストリーム
  • ストリーム数すう:8
  • 符号ふごう化か方式ほうしき:リニアPCM/ドルビーデジタル (AC-3) /MPEG-1オーディオ/MPEG-2オーディオ
  • 詳細しょうさい（サンプリング周波数しゅうはすう/量子りょうし化かbit/レート/ch数すう）※すべて最大さいだい値ち
    • リニアPCM:96kHzきろへるつ／24bits/非ひ圧縮あっしゅく/6.144Mbps/8ch
    • ドルビーデジタル (AC-3) :48kHzきろへるつ/圧縮あっしゅく/488kbps/5.1ch
    • MPEG-1オーディオ:48kHzきろへるつ/圧縮あっしゅく/384kbps/2ch（注ちゅう1）
    • MPEG-2オーディオ※:48kHzきろへるつ/圧縮あっしゅく/912kbps/7.1ch（注ちゅう1）
    • dts:（注ちゅう1）
• 副ふく映像えいぞう（サブピクチャ）ストリーム
  • ストリーム数すう:32
  • 符号ふごう化か方式ほうしき:ランレングス符号ふごう化かビットマップ（2bit/ピクセル）
  • 最大さいだいデータサイズ:52kB
  • 最大さいだい画素がそ数かず
    • 525/60システム:720×478
    • 625/50システム:720×537

注ちゅう1：日本にっぽんなどNTSC方式ほうしき準拠じゅんきょではリニアPCM、ドルビーデジタル2.0chが全すべてのデバイス上じょうで再生さいせいできる仕様しようとなっていて、他たはオプション扱あつかいとなっている。PAL方式ほうしき準拠じゅんきょではリニアPCM、ドルビーデジタルとともに標準ひょうじゅんになっているMPEG-1 Audio Layer-IIなどの音声おんせいは日本にっぽん製せいのプレイヤーやソフトでは音声おんせいが出でない場合ばあいもある。

対応たいおう機器きき

DVDプレーヤーやDVDレコーダー等ひとし、ほとんどのDVD対応たいおう機器ききでの再生さいせいが可能かのう。PC搭載とうさいのDVDドライブでも再生さいせいが可能かのうである事ことが多おおい。また、一部いちぶのDVDドライブ搭載とうさいゲーム機きでも再生さいせいできる。

DVDレコーダーにおけるDVD-Videoモード

HDD & DVDレコーダー

• DVDレコーダーでの記録きろく型がたDVDへの記録きろく形式けいしきには主おもに「ビデオモード」（DVD-Videoフォーマット準拠じゅんきょ）と「VRモード」（DVD-VRフォーマット）があり、前者ぜんしゃはDVD-Videoにほぼ準拠じゅんきょしている。DVD-RやDVD-RWがまだ開発かいはつされていなかった時代じだいに発売はつばいされた初期しょきのDVDプレーヤーでは再生さいせいできなかったりまた地上ちじょうデジタルテレビジョン放送ほうそうなどが受信じゅしん、録画ろくが可能かのうな最新さいしん機種きしゅであっても記録きろく状態じょうたいや機器ききとメディアの相性あいしょうによっては再生さいせいできない場合ばあいもありメーカー各社かくしゃでは完全かんぜんな互換ごかん性せいを保証ほしょうしていない。
• DVD-Videoはインタレース映像えいぞうを記録きろくするため、マクロビジョンとの共存きょうぞんが可能かのうである。マクロビジョンで記録きろくされた映像えいぞうはHDMI変換へんかんを経由けいゆしてもプロテクトが消去しょうきょされることはない。
• ほとんどのHDMIが取とり付つけられていない機器ききではDVDのRGB信号しんごう出力しゅつりょく、アップコンバート出力しゅつりょくは不可能ふかのう。ただし、480p出力しゅつりょくはアナログ映像えいぞうケーブルしか取とり付つけられていないプレイヤーでも可能かのうな場合ばあいがある。（例れい：PS2のSCPH-50000以降いこうのモデル）
• DVD-Videoモードはオーサリング後ごのカット編集へんしゅうができない（オーサリングのやり直なおしという作業さぎょうをふめば可能かのう）など自由じゆう度どが低ひくいが、VRモード非ひ対応たいおうのDVD-Videoプレーヤーで再生さいせいできる互換ごかん性せいの高たかさが特長とくちょうである。コピーガードのかかったデジタル放送ほうそうはDVD-Videoモードでは記録きろくできない（記録きろくする際さいにコピーガードの解除かいじょを伴ともなうので、日本にっぽんでは著作ちょさく権けん法ほう第だい30条じょうの2に抵触ていしょくする）。
• DVD-Videoモードでは、市販しはんの各種かくしゅ記録きろく型がたDVD（DVD-R、DVD-R DL、DVD-RW、DVD+R、DVD+R DL、DVD+RW）に機器ききが対応たいおうしている場合ばあいに録画ろくが可能かのうである。なおDVD-RAMにも規格きかく上じょうは録画ろくが可能かのうとなっているが、現在げんざい記録きろく・再生さいせいに正式せいしき対応たいおうした専用せんようアプリケーションは一般いっぱん市場いちばには提供ていきょうされていない。一般いっぱん的てきなDVDプレーヤーやDVDレコーダーでは、たとえDVD-RAM対応たいおう機きであっても規格きかく外がいのディスクとして機械きかいが再生さいせいを拒こばむ。
• DVD-Videoフォーマットは後発こうはつ規格きかくであるDVD-VRフォーマットでは可能かのうとなっている音声おんせいトラック（音声おんせいストリーム）内ないのチャンネル選択せんたくによる音声おんせい切せつ換かわは出来できない仕様しようになっていて、別べつな音声おんせいストリームとして記録きろくされているマルチ音声おんせい収録しゅうろくの場合ばあいのみ音声おんせいの切きり替かえが可能かのうになっている。
• 音声おんせいの章しょうで前述ぜんじゅつしたように市販しはんの民生みんせいDVDレコーダーではDVD-Videoモードで2つ以上いじょうの音声おんせいトラックに対応たいおうした製品せいひんが皆無かいむなのと同一どういつ音声おんせいトラック内ないのチャンネル切せつ換かわが規格きかく上じょうで制限せいげんされている関係かんけいでテレビ放送ほうそうの二にヶ国かこく語ご音声おんせいを同時どうじに収録しゅうろくすることが出来できず、どちらか一方いっぽうのみを記録きろく前まえに指定していして録画ろくがする。PCなどでのDVD-Videoオーサリングソフトでは同時どうじ収録しゅうろくが可能かのう（マルチ音声おんせい記録きろく対応たいおう）になっているものがある。
• アスペクト比ひ16:9の映像えいぞうを記録きろく・再生さいせい（スクイーズ記録きろく）できるのはDVD-VRモードでは各かく解像度かいぞうどで可能かのうであるが、DVD-VideoモードではFull D1のみである。

販売はんばい・流通りゅうつう

• 概要がいようの項こうで挙あげたメリットやVHSソフトに比くらべて流通りゅうつうコストが安やすい（メディア製造せいぞうコストが格段かくだんに安やすい、パッケージを小型こがた軽量けいりょうに抑おさえられ輸送ゆそうコストや陳列ちんれつ在庫ざいこスペースを節減せつげんできる、外国がいこく映画えいがの字幕じまく版ばんと吹ふき替かえ版ばんを同おなじパッケージで兼用けんようできるなど）こと、VHSでは出来できなかった新あたらしい機能きのうを搭載とうさいした（例たとえば日本語にほんごで制作せいさくされた作品さくひんであっても聴覚ちょうかく障害しょうがい者しゃ向むけに日本語にほんごの字幕じまくを収録しゅうろくし再生さいせいの際さいにプレーヤーで字幕じまくの有無うむを自由じゆうに設定せっていできるので、DVD-Videoは福祉ふくしの面めんでも優すぐれている）ことなどにより販売はんばい本数ほんすうが増加ぞうかした。全ぜん世界せかいでは『ファインディング・ニモ』が2800万まん本ほん、日本にっぽん国内こくないでは『千せんと千尋ちひろの神隠かみがくし』が222万まん本ほん（オリコン調しらべ）を売うり上あげて歴代れきだいトップとなっている。
  • 製造せいぞうコストの低下ていかしたことにより、雑誌ざっしなどの書籍しょせきにDVD-Videoが付属ふぞくすることが多おおくなった。
  • 一方いっぽう、複製ふくせいや海賊版かいぞくばん製造せいぞうのしやすさから違法いほうな海賊版かいぞくばんDVDを製造せいぞう・販売はんばいする業者ぎょうしゃ・個人こじんの摘発てきはつが後こうを絶たたない。
• 黎明れいめい期きのDVD-VideoソフトのケースはユニバーサルやビクターなどCDと同おなじジュエルケースや、ワーナーブラザーズなどVHSのケースを参考さんこうしたものとメーカーによってバラツキがあったが、2000年ねんを過すぎると、ディスクケースのサイズが三さん代目だいめPS2から使用しようされたトールケースのサイズで統一とういつされ始はじめるようになった。
• 2000年ねん頃ごろからレンタルビデオ店みせでDVDの貸かし出だしが始はじまった。またオンラインDVDレンタルという新あらたなビジネスモデルも登場とうじょうした。
• 日本にっぽん国内こくないでは、再さい販売はんばい価格かかく維持いじ制度せいどに縛しばられる書籍しょせきや音楽おんがくCDなどと異ことなり、DVDは値引ねびき販売はんばいが可能かのうである。ECサイトでは、主おもに新作しんさくソフトで25%前後ぜんごの値引ねびきをしている店舗てんぽがある。
• 2003年ねん頃ごろから、日本にっぽんでは音楽おんがくCD（シングル・アルバム）にプロモーションビデオやライブ映像えいぞう等とうを収録しゅうろくしたDVDを付属ふぞくした商品しょうひんが登場とうじょうした。2004年ねんに公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいが『CD+DVDの形態けいたいは再販さいはん制度せいどの対象たいしょう外がいである』という通達つうたつを出だしたため、主おもにECサイトで値引ねびき販売はんばいが行おこなわれている（値引ねびき率りつはDVD単品たんぴんに比くらべて低ひくい）。値引ねびき後ごは、CDのみの同どう一いち製品せいひんと価格かかく差さが僅わずかであるため割安わりやす感かんがあり、CDのみの同どう一いち製品せいひんに比くらべて、よく売うれる傾向けいこうにある。海外かいがいでも同様どうようの商品しょうひんが見みられる。
• オリジナルビデオの一部いちぶの作品さくひんにDVDドラマ、DVDアニメが少数しょうすうぐらい用もちいられることがある。
• 映画えいがの公開こうかいから数すうヶ月かげつ後ごにはDVDが発売はつばい・レンタル開始かいしされるため劇場げきじょうに足あしを運はこばない人ひとが多おおくなり、映画えいが興行こうぎょう収入しゅうにゅうが低下ていかした要因よういんのひとつになったと言いわれている。また2000年代ねんだい半なかばにはDVDの総そう売上うりあげも低下ていか傾向けいこうとなった。
• 2000年代ねんだい後半こうはんになって、第だい3世代せだい光ひかりディスク（Blu-ray Disc・HD DVD）が登場とうじょうし、徐々じょじょにDVDを置おき換かえるのではないかと言いわれていたが、最終さいしゅう的てきにBlu-ray Discが市場いちばのDVDをすべて置おき換かえることはなかった。BDプレイヤーは基本きほん的てきにPlayStation 3の初期しょき型がたなどの数少かずすくない例外れいがいを除のぞき、高価こうかになる傾向けいこうがあったこと、動画どうが共有きょうゆうサイトやネット配信はいしんが普及ふきゅうしたことが原因げんいんである（BDやDVDよりもネット配信はいしんのほうが高速こうそくで流通りゅうつうできる上うえに、在庫ざいこ商品しょうひんを廃棄はいきする必要ひつようが無ない）。BDプレイヤーはAACSの都合つごう上じょう、ほとんど使用しようしない場合ばあいでもプレイヤー単体たんたいでオンライン回線かいせんに接続せつぞくでき、かつ内部ないぶに記録きろくストレージを作つくる必要ひつようがあるか、USBのA端子たんしを搭載とうさいさせる必要ひつようがあったこと、またHDMIの搭載とうさいは必須ひっすであることから、レコーダーを搭載とうさいしない純粋じゅんすいなプレイヤーを製造せいぞうしにくくしている。2015年ねんに登場とうじょうしたUltra HD Blu-rayはさらに流通りゅうつうが少すくなく、現状げんじょうブックオフなどの数少かずすくない系列けいれつ店てん以外いがいではめったに購入こうにゅうできなくなっている。
  • 現在げんざいは、ケースのジャケットを黄色きいろに統一とういつし、通常つうじょうよりも安やすい価格かかくでDVDの新作しんさくを販売はんばいする会社かいしゃも増ふえている。また、ディズニーは「MovieNEX」ロゴを全面ぜんめんに押おし出だし、DVDやブルーレイディスクのロゴを目立めだつ箇所かしょに記載きさいせずに、二に枚まいのディスクを同時どうじに一ひとつのケースに入いれて販売はんばいすることで混乱こんらんを防ふせごうとする動うごきも見みられる。
• 2000年代ねんだい後半こうはん以降いこう、RipGuardを採用さいようしているメーカーが増ふえてきている。そのため、一部いちぶの古ふるいDVDプレイヤーやパソコンでは正常せいじょうに再生さいせいできない場合ばあいがある。

関連かんれん項目こうもく

• DVD
• S-VHS
• EDBeta
• レーザーディスク
• VHD
• RCA端子たんし
• DVD-VR
• miniDVD
• 第だい3世代せだい光ひかりディスク
  • Blu-ray Disc
  • HD DVD
• BDMV (BD-Video)
• オリジナルビデオ - VHS廃止はいし後ご、DVDが主要しゅような媒体ばいたいとして用もちいられている。
• パブリックドメインDVD