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OpenDNS

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
OpenDNS
本社ほんしゃ所在地しょざいち カリフォルニア州しゅうサンフランシスコ
設立せつりつ 2005年ねん
業種ぎょうしゅ 情報じょうほう・通信つうしん業ぎょう
事業じぎょう内容ないよう DNSサービス
代表だいひょう者しゃ Nand Mulchandani (CEO)、David Ulevitch（創業そうぎょう者しゃ兼けんCTO）
従業じゅうぎょう員数いんずう 20[1]
外部がいぶリンク www.opendns.com ウィキデータを編集
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OpenDNSは、フリーなDNS (Domain Name System) レゾリューション・サービス。

サービス

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OpenDNSは、コンシューマや企業きぎょう向むけのDNSサービスを提供ていきょうしており、インターネットサービスプロバイダの提供ていきょうするDNSサービスの代替だいたいとして使つかうことができる。同社どうしゃはサーバを戦略せんりゃく的てきな位置いちに置おき、ドメイン名めいの大だい規模きぼなキャッシュを備そなえているため、問とい合あわせへの応答おうとうが高速こうそくと言いわれており[2]、結果けっかとしてWebページの検索けんさくが高速こうそく化かされる。DNSの問とい合あわせ結果けっかは一般いっぱんにローカルなオペレーティングシステムやアプリケーションでもキャッシュするため、よく参照さんしょうするWebページについてはユーザーが気きがつくほどの速度そくど差さはないが、キャッシュにない要求ようきゅうについては違ちがいがある。

他ほかにもフィッシングフィルター機能きのう、ドメインブロック機能きのう、タイポ訂正ていせい機能きのう（例たとえば、"wikipedia.og" と入力にゅうりょくしたとき "wikipedia.org" と訂正ていせいする）を提供ていきょうしている。悪意あくいあるサイトを収集しゅうしゅうしており、ユーザーがそのようなサイトにアクセスしようとすると、それをブロックできる。また、PhishTankというサービスもあり、ユーザーがフィッシングサイトと思おもわれるサイトのURLをそこに送おくると、フィッシングサイトかどうかを調査ちょうさする。このほか、myip.opendns.comに対たいしてAやAAAAレコードを問とい合あわせると、発信はっしん元もとのグローバルIPアドレスを返答へんとうする機能きのうがある[3]。

OpenDNSはオープンソースではないが、どこからのクエリにも応答おうとうするという点てんでDNSとしてオープンである。

OpenDNSの収入しゅうにゅうの一部いちぶは、存在そんざいしないドメイン名めいについて問とい合あわせを受うけることで得えられている。つまり、ユーザーが存在そんざいしないドメイン名めいを入力にゅうりょくすると、OpenDNSの検索けんさく結果けっかのページが表示ひょうじされ、そこに広告こうこくが掲載けいさいされている。OpenDNSはここから広告こうこく掲載けいさい料りょうを得えている。この方式ほうしきはベリサインがかつて行いっていた Site Finder に似にているが、OpenDNSは選択せんたくしないと使つかわれないサービスである点てんがベリサインとは異ことなるとし（Site Finder の場合ばあい、ベリサインがルートサーバを運営うんえいしているため、インターネット全体ぜんたいに影響えいきょうが及およんだ）[4]、広告こうこく収入しゅうにゅうでカスタマイズされたDNSサービスを賄まかなっているとしている[5]。

OpenDNSによれば、拡張かくちょうされたDNSサービスを基盤きばんとして新あらたなサービスを提供ていきょうしていく予定よていであり、今後こんごはそちらから収入しゅうにゅうを得えるかもしれないとしている[5]。

そのような追加ついかサービスの例れいとして、2007年ねん4月がつ22日にちには "shortcuts" というサービスを立たち上あげた[6]。これはユーザーがDNSの独自どくじマッピングを設定せっていできるサービスで、例たとえば "mail" を "mail.yahoo.com" にマッピングできる。この新しんサービス開始かいしは、ニューヨーク・タイムズ[7]、Wired、PC World[8] など様々さまざまな媒体ばいたいで取とり上あげられた。

2007年ねん5月13日にち、OpenDNSは新あらたなドメインブロックサービスとして、カテゴリ別べつにサイトのブロック/フィルタリングを行おこなうサービスを開始かいしした。これは、企業きぎょうや学校がっこうや家庭かていなど、ネットワークの所有しょゆう者しゃがWebアクセスを制御せいぎょしたい場合ばあいに便利べんりである。2007年ねん8月がつ9日にち、OpenDNSは個人こじんのフィルター設定せっていをネットワーク所有しょゆう者しゃがオーバーライドできる機能きのうを提供ていきょうした。2008年ねん2月がつ20日はつか、新あらたなサイトを追加ついかすることでドメインブロックリストを最新さいしんに保たもつため、これまでOpenDNS内ないで決きめていたブロックリストをOpenDNS利用りよう者しゃのコミュニティがブロックすべきサイトを提案ていあんするオープンな方式ほうしきに転換てんかんした。十分じゅうぶんな数かずの利用りよう者しゃがそのサイトをブロックリストに加くわえるべきだとした場合ばあい、そのサイトを適切てきせつなカテゴリのブロックリストに加くわえる。票数ひょうすうのしきい値ちは明あきらかにされていない。現在げんざいでは50以上いじょうのカテゴリがあり、十分じゅうぶんにきめ細こまかいサイトがリストに掲載けいさいされている。

2007年ねん12月3日にち、OpenDNSは DNS-O-Matic を運用うんよう開始かいしした。これは、DynDNSの更新こうしんAPIを使つかい、ダイナミックDNS更新こうしんをいくつかのダイナミックDNSプロバイダに送信そうしんする手段しゅだんを提供ていきょうする無料むりょうサービスである[9]。

2011年ねん12月、OpenDNS は DNSCryptを発表はっぴょうした[10]。このプログラムは DNSCurve フォワーダーを実装じっそうしており、DNSリゾルバとそれに照会しょうかいを行おこなうクライアントとの間あいだの通信つうしんを暗号あんごう化かして DNS スプーフィングを防ふせぐ。

歴史れきし

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2005年ねん7月がつ、計算けいさん機き科学かがく者もので起業きぎょう家かの David Ulevitch がOpenDNSを創業そうぎょうした。CNETの創業そうぎょう者しゃハルシー・マイナーが中心ちゅうしんとなったベンチャーキャピタル Minor Ventures から資金しきん提供ていきょうを受うけた。2006年ねん7月がつ10日とおか、Digg、スラッシュドット、Wired News などがこのサービスを利用りよう開始かいしした。同年どうねん10月がつ2日にち、フィッシング対策たいさくのデータベースを構築こうちくするPhishTankを立たち上あげた。

2007年ねん以前いぜん、OpenDNSはダイナミックDNS更新こうしんAPIとしてDynDNSを使つかっていた[11]。

2007年ねん6月11日にち、コンテンツフィルタリングサービスを開始かいし。

2008年ねん11月5日にち、VMwareでセキュリティ部門ぶもんを指揮しきしていた Nand Mulchandani がOpenDNSの新しんCEOに就任しゅうにん。創業そうぎょう者しゃの David Ulevitch はCTOとなった[12]。

2015年ねん6月がつ30日にち、CiscoがOpenDNS買収ばいしゅうの意向いこうを発表はっぴょう[13]。買収ばいしゅうは2015年ねん8月がつに完了かんりょう[14][15]し、OpenDNSはCiscoの一部いちぶとなった。

サーバ

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OpenDNSは以下いかの再帰さいきネームサーバアドレスを一般いっぱんに公開こうかいしており[16]、近ちかい場所ばしょで運用うんようしているサーバにエニーキャストでルーティングされる。

従来じゅうらいのDNSクエリサービスは以下いかのとおり[16]。

区分くぶん IPv4 IPv6 FQDN
一般いっぱん用よう 優先ゆうせんDNSサーバ 208.67.222.222 2620:119:35::35 dns.opendns.com
代替だいたいDNSサーバ 208.67.220.220 2620:119:53::53
ファミリシールド 優先ゆうせんDNSサーバ 208.67.222.123 ::ffff:d043:de7b[17] familyshield.opendns.com
代替だいたいDNSサーバ 208.67.220.123 ::ffff:d043:dc7b[18]
サンドボックス 優先ゆうせんDNSサーバ 208.67.222.2 2620:0:ccc::2 sandbox.opendns.com
代替だいたいDNSサーバ 208.67.220.2 2620:0:ccd::2

DNS over HTTPS は以下いかのとおり[16]。

DNS over HTTPS
一般いっぱん用よう https://doh.opendns.com/dns-query
ファミリシールド https://doh.familyshield.opendns.com/dns-query

DNS over TLS は未み提供ていきょう。

フィルタリング

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  • 一般いっぱん用よう：基礎きそ的てきなセキュリティ・フィルタリング＋ユーザ定義ていぎポリシー
  • ファミリシールド：アダルト・コンテンツ
  • サンドボックス：フィルタリングなし

問題もんだい

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OpenDNSのDNSサービスは無料むりょうだが、失敗しっぱいした要求ようきゅうの扱あつかい方かたについては評判ひょうばんが悪わるい。入力にゅうりょくしたドメイン名めいが見みつからない場合ばあい、OpenDNSは検索けんさく結果けっかのページを表示ひょうじし、そこにはYahoo!の提供ていきょうする広告こうこくが表示ひょうじされている。DNSユーザーはOpenDNSのコントロールパネルでこれをオフにできる。この動作どうさは大手おおてISPでも同様どうようであり、DNS要求ようきゅうが失敗しっぱいすると広告こうこくを含ふくむ独自どくじのページが表示ひょうじされる。

2007年ねん、David Ulevitch はデルが "Browser Address Error Redirector" ソフトウェアをインストールするようになったことへの対応たいおうとして、OpenDNSでGoogle.comへの要求ようきゅうを解決かいけつすることを始はじめると発表はっぴょうした。トラフィックの一部いちぶはOpenDNSのタイポ修正しゅうせいサービスで制御せいぎょされ、入力にゅうりょくミスのあるアドレスを修正しゅうせいし、そのキーワードについてのOpenDNSの検索けんさく結果けっかページを表示ひょうじする。残のこりのトラフィックは透過とうか的てきに意図いとした受信じゅしん者しゃに渡わたされる[19]。

ブラウザのアドレスバーによるユーザーの検索けんさく要求ようきゅうがGoogleの検索けんさくエンジンを使つかう設定せっていの場合ばあいも、OpenDNSユーザーについてはそれを暗黙あんもくのうちにOpenDNSのサーバにリダイレクトする[20]。ユーザーはOpenDNSのアカウントにログインし、"OpenDNS proxy" オプションのチェックを外はずすことでこの機能きのうを無効むこう化かできる[21]。また、Mozillaユーザーの場合ばあいは拡張かくちょうをインストールすることでも無効むこう化かでき[22]、単たんにキーワード検索けんさくURLから "sourceid=navclient" を削除さくじょするだけでもよい。

このリダイレクトは、存在そんざいしないドメインのNXDOMAINを得えることに依存いぞんしているWeb以外いがいのアプリケーション（電子でんしメールのスパムフィルタリングなど）を動作どうさできなくする。また、公開こうかいのネームサーバが解決かいけつできないときだけプライベートネットワークのネームサーバが使つかわれるようなVPNアクセスも機能きのうしなくなる。

サーバの位置いち

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類似るいじサービス

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脚注きゃくちゅう・出典しゅってん

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ OpenDNS - About Us - Management
  2. ^ Neowin.net - OpenDNS: What's Your Take?
  3. ^ “Getting My External IP Address Through A Shell Script”. ServerSuit Blog (2020年ねん2月がつ21日にち). 2020年ねん7月がつ27日にち閲覧えつらん。
  4. ^ OpenDNS knowledge base: OpenDNS is not like Site Finder
  5. ^ a b OpenDNS knowledge base: How does OpenDNS make money?
  6. ^ OpenDNS Blog, shortcut the web
  7. ^ NYT, A shortcut to your web destination
  8. ^ PCworld, OpenDNS adds browser shortcuts to free service
  9. ^ OpenDNS Announces DNS-O-Matic: Free Service to Simplify Residential ISP and Small Businesses' Dynamic DNS Service
  10. ^ DNSCrypt – Critical, fundamental, and about time. インターネットアーカイブ（archive.org）の20111207150933時じ点てんのキャッシュ
  11. ^ OpenDNS > Support > Knowledge Base > Dynamic IP: General Info
  12. ^ VMware security chief leaves to run OpenDNS
  13. ^ シスコ、OpenDNS買収ばいしゅうの意向いこうを発表はっぴょう - Cisco
  14. ^ 【清水しみず理り史しの「イニシャルB」】 無料むりょうのコンテンツフィルタとしての実力じつりょくは？　Cisco傘下さんかとなった「OpenDNS」を試ためす - INTERNET Watch
  15. ^ Cisco and OpenDNS: A New Day in Cloud Security
  16. ^ a b c OpenDNS - Additional OpenDNS nameserver addresses
  17. ^ IPv4射影しゃえいIPv6アドレス。IPv6アドレスでは 2620:119:35::123
  18. ^ IPv4射影しゃえいIPv6アドレス。IPv6アドレスでは 2620:119:53::123
  19. ^ David Ulevitch. OpenDNS Blog » Google turns the page… in a bad way. May 22, 2007. last accessed 2008-07-04
  20. ^ Amit Agarwal Prevent OpenDNS from Redirecting Google Search Queries, March 21, 2008, Digital Inspiration. labnol.org. last accessed 2008-07-04
  21. ^ Is OpenDNS running a proxy?
  22. ^ I'm Feeling Lucky Problem Fix for OpenDNS users, July 3, 2008.

外部がいぶリンク

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