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OpenVMS

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OpenVMS
開発かいはつしゃ DEC, HP, VMS Software Inc
OSの系統けいとう VMS
開発かいはつじょうきょう Current
ソースモデル Closed Source
最新さいしん安定あんていばん V9.2 / 2022ねん7がつ14にち
パッケージ管理かんり VMSINSTAL, PCSI
プラットフォーム VAX System, Alpha, Itanium, x86-64
カーネル種別しゅべつ モノリシックカーネル
既定きていUI DECwindows
ライセンス プロプライエタリ
ウェブサイト VMS Software, Inc.
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OpenVMS (Open Virtual Memory System) は、ディジタル・イクイップメント・コーポレーション (DEC、現在げんざいヒューレット・パッカード・エンタープライズ) によって設計せっけいされた、タイムシェアリングシステムバッチ処理しょりおよびトランザクション処理しょりようオペレーティングシステムである。当初とうしょたんVMS一般いっぱんてきにはばれており、元々もともとVAXシステムじょう動作どうさしていたが、のちDEC Alphaインテル Itanium移植いしょくされた。 2014ねん、ヒューレット・パッカードはVMS Software, Inc.にOpenVMSの将来しょうらいのリリースを開発かいはつする独占どくせんてき権利けんりあたえると発表はっぴょうした。

経緯けいい

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起源きげん名前なまえ変遷へんせん

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1975ねん4がつPDP-11ように32ビット仮想かそうアドレス拡張かくちょう設計せっけいするために、DECはコードネームStarというハードウェアのプロジェクトを開始かいしした。それにともなって、StarファミリのプロセッサようRSX-11Mもとにしたまったあたらしいオペレーティングシステム開発かいはつすべく、コードネームStarletというデヴィッド・カトラーひきいるソフトウェアのプロジェクトも1975ねん7がつ開始かいしされた。これら2つのプロジェクトは当初とうしょから緊密きんみつ統合とうごうされていた。Star・Starletのりょうプロジェクトは、VAX-11/780コンピュータとVAX-11/VMSオペレーティング・システムとして結実けつじつした。

としるにつれて製品せいひんめい変化へんかしていった。1980ねんにはバージョン2.0のリリースにともなってVAX/VMS改名かいめいされた同時どうじにVAX-11コンピュータはたんにVAXと改名かいめいされた[最初さいしょのVAXコンピュータは1984ねん発表はっぴょうのVAX8600である])1991ねんには、POSIXUNIX互換ごかんせいといった業界ぎょうかい標準ひょうじゅんのサポートを示唆しさし、さらにはDECの64ビットDEC Alpha RISC CPUへの移植いしょく進行しんこうちゅうであったので、特定とくていアーキテクチャとのつながりをるために、OpenVMS再度さいど改名かいめいされた。OpenVMSの名前なまえはバージョン5.5のリリースとともに最初さいしょ登場とうじょうした。

DEC Alphaへの移植いしょく

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VMSのDEC Alphaへの移植いしょくは、32ビットと64ビットのかくアーキテクチャけに別々べつべつのコードの作成さくせい必要ひつようとした。1992ねんにはAlpha AXPシステムよう最初さいしょのバージョンのOpenVMSがリリースされ、OpenVMS AXP V1.0づけられた。その、OpenVMS AXP 1.5がVAX/VMS 5.5相当そうとうとしてリリースされた。(OpenVMS AXPの試作しさくひんクオリティのリリースに1.xといったバージョン番号ばんごう使用しようしたことは顧客こきゃく混乱こんらんをもたらし、その移植いしょくばんではかえされなかった)

1994ねんには、OpenVMSバージョン6.1のリリースにともなって、VAXとAlphaばん機能きのう(とバージョン番号ばんごう)が同等どうとうになった。そののVAXとAlphaばん製品せいひんのバージョン番号ばんごう一貫いっかんしている。

Itaniumへの移植いしょく

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2001ねんDEC買収ばいしゅうしたコンパックヒューレット・パッカード (HP) へ吸収きゅうしゅうされる直前ちょくぜんに、OpenVMSをインテル Itaniumアーキテクチャへ移植いしょくすることを発表はっぴょうした。この移植いしょくはAlphaのコードを利用りようしておこなわれ、VAXコードの成熟せいじゅくもあって移植いしょくプロセスは大幅おおはば簡略かんりゃくされた。VAXコードベースの「スナップショット」がAlphaリリースのもととして使用しようされたVAXばんのAlphaへの移植いしょくことなり、OpenVMSのAlphaとIteniumばん共通きょうつうのコードベースを利用りようしてビルドされている。

最初さいしょ試作しさくひんクオリティのリリースであるOpenVMS IA64 V8.0は、2003ねん出荷しゅっかされた。最初さいしょ製品せいひんクオリティのItaniumばんリリースであるOpenVMS V8.22004ねん後期こうき出荷しゅっかされる予定よていだったが、OpenVMS/Itanium移植いしょくばんは2005ねん1がつ18にち発表はっぴょうされた。V8.4でHP Integrity VMのゲストOSとしてサポートされた。

機能きのう

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OpenVMSは3つのレイヤにけることができる:

クラスタリング

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OpenVMSはクラスタリング (VAXclusterとばれ、のちVMSclusterとなった)をサポートし、これにより、特別とくべつなハードウェアまたはイーサネット接続せつぞくされた複数ふくすうのシステムが、処理しょり、ジョブ・キュー、プリント・キューおよびディスク・ストレージ、ファイルとファイルレコードを共有きょうゆうすることができる。この場合ばあい共有きょうゆうは、分散ぶんさんロックマネジャを使用しようしたShared Everythingとばれクラスタないのすべてのシステムから同時どうじにアクセスが可能かのうである。イーサネットによるクラスタは、Local Area Network VMSclusterを意味いみするLAVCとばれる。OpenVMSは単一たんいつクラスタあたり96ノードまでサポートし、VAXとAlphaシステム、あるいはAlphaとItaniumシステムが単一たんいつのクラスタない共存きょうぞんするような混成こんせいアーキテクチャ・クラスタもサポートする。(OpenVMS Engieeringは理論りろんじょう3アーキテクチャクラスタも可能かのうであることを示唆しさしていたが、HPはサポートしない)

Common Language Environment

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OpenVMSの特筆とくひつすべき機能きのうひとつがCommon Language Environmentであり、これはプログラミング言語げんごから独立どくりつして、スタックレジスタ使用しようふくめた関数かんすうサブルーチンかた定義ていぎする、厳格げんかくさだめられた標準ひょうじゅんである。これにより、対象たいしょうとなる言語げんご実装じっそう詳細しょうさいることなく、ある言語げんごたとえばFORTRAN)でかれたサブルーチンを言語げんごたとえばC言語げんご)からすことが可能かのうである。OpenVMS自体じたい多種たしゅことなる言語げんごBLISSVAX MacroAdaPL/ICFORTRANBASICなど)によって実装じっそうされており、ほぼ全体ぜんたいC言語げんごによって実装じっそうされているUNIXなどのシステムとは対照たいしょうてきである。

ファイルシステム

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OpenVMSは、ストリームレコード志向しこう入出力にゅうしゅつりょくアクセス・コントロール・リスト、ファイル・バージョニングとう[1]をサポートする非常ひじょうにリッチなファイルシステムっている。たとえば、ファイル・バージョニング機能きのうにより、ファイルの編集へんしゅう保存ほぞんかえすたびにファイルのうしろの番号ばんごうが(foo.c;1、foo.c;2、foo.c;3、…、foo.c;nnnnn のように)インクリメントされる。もっともおおきい番号ばんごう最新さいしんばんである。また、UNIXとはことなりファイルめい大文字おおもじ小文字こもじ区別くべつされず、ディレクトリのパスめいだいカッコでかこ必要ひつようがあり、パスめいないのディレクトリはピリオドで区切くぎ必要ひつようがある。つまり、UNIX での /home/myname/work/foo.c は、[home.myname.work]foo.c;n のようになる。en:OpenVMS filesystem参照さんしょうのこと。

時刻じこく管理かんり

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VMSは、エポックからの経過けいかナノびょうを64ビット保持ほじすることで時刻じこく管理かんりしている。OpenVMSのエポックは、修正しゅうせいユリウスが0となる1858ねん11月17にち真夜中まよなかである。

OpenVMS ホビイスト・プログラム

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商用しょうようオペレーティングシステムでありながら、1997ねんにはOpenVMSホビイスト・プログラムの一環いっかんとして、OpenVMSと複数ふくすうのレイヤされた製品せいひん(レイヤード・ソフトウェア)が、ホビイストの商用しょうよう利用りようについては無料むりょう利用りよう可能かのうとなった。それ以降いこう、OpenVMSようソフトウェア生産せいさんしている複数ふくすう会社かいしゃが、自社じしゃ製品せいひん同様どうよう条件じょうけん利用りよう可能かのうとした。

脚注きゃくちゅう

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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