Alpha 開発 かいはつ 者 しゃ
DEC ビット数 すう
64ビット 発表 はっぴょう
1992年 ねん デザイン
RISC タイプ
レジスタ-レジスタ エンコード
固定 こてい エンディアン
バイエンディアン 拡張 かくちょう
バイト/ワード拡張 かくちょう (BWX)、平方根 へいほうこん と浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん 数 すう 変換 へんかん 拡張 かくちょう (FIX)、カウント拡張 かくちょう (CIX)、マルチメディア拡張 かくちょう (MVI) オープン
Yes[1] レジスタ 汎用 はんよう
32本 ほん 浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん
32本 ほん
DEC Alpha AXP 21064 のダイ
DEC Alpha AXP 21064 のパッケージ
Alpha AXP 21064 のダイを埋 う め込 こ んだ名刺 めいし
Compaq Alpha 21264C
Alphaを複数 ふくすう のチップで実装 じっそう した初期 しょき のマルチチップモジュール
DEC Alpha は、Alpha AXP としても知 し られ、ディジタル・イクイップメント・コーポレーション (DEC) の64ビット RISC 命令 めいれい セットアーキテクチャ (ISA) であり、32ビット VAX CISC ISA とその実装 じっそう を置換 ちかん すべく設計 せっけい された。AlphaはDECがマイクロプロセッサ として実装 じっそう し生産 せいさん した。Alphaマイクロプロセッサは特 とく にDECのワークステーション やサーバ に使用 しよう され、ミッドレンジ以上 いじょう のあらゆるコンピュータで採用 さいよう された。サードパーティもAlphaを使 つか ったシステムを製造 せいぞう しており、PCのフォームファクタ のマザーボード なども作 つく られた。
オペレーティングシステム (OS) としてはDEC版 ばん UNIX (Tru64 UNIX ) やVMS をサポートした。後 のち に、Linux (Debian GNU/Linux , Gentoo Linux , Red Hat Linux ) や一部 いちぶ のBSD (NetBSD , OpenBSD , FreeBSD ) のようなオープンソース のOSもAlpha上 じょう で動作 どうさ するようになった。マイクロソフト もWindows NT 4.0 SP6までAlphaをサポートしたが、Windows 2000 RC2を最後 さいご にサポートは打 う ち切 き られた。
1998年 ねん 、DECがコンパック に買収 ばいしゅう されると、Alphaアーキテクチャもコンパックのものとなった。コンパックはインテル の顧客 こきゃく でもあり、予定 よてい されていたHP /インテルのItanium アーキテクチャを採用 さいよう するためAlphaを徐々 じょじょ にフェーズアウトさせることにし、Alpha関連 かんれん の知的 ちてき 財産 ざいさん 権 けん を2001年 ねん にインテルに売却 ばいきゃく し、実質 じっしつ 的 てき に製品 せいひん として見切 みき りをつけた。2002年 ねん HPがコンパックを買収 ばいしゅう し、2004年 ねん まで既存 きそん 製品 せいひん の開発 かいはつ を継続 けいぞく し、既存 きそん 顧客 こきゃく 向 む けに2006年 ねん 10月 がつ までAlphaベースのシステムの販売 はんばい 継続 けいぞく を約束 やくそく した(その後 ご 2007年 ねん 4月 がつ に延長 えんちょう )[2] 。
Alphaは、それ自体 じたい 以前 いぜん の複数 ふくすう のプロジェクトの最終 さいしゅう 生成 せいせい 物 ぶつ である、PRISM (英語 えいご 版 ばん ) という初期 しょき のRISCプロジェクトから生 う まれた。パロアルトの設計 せっけい チームが MIPS R2000 を使 つか ったUnix専用 せんよう ワークステーション (DECstation 2100) を提案 ていあん し、そちらの方 ほう が早 はや く市場 いちば に出 だ せることから PRISM はキャンセルされた。PRISMと他 た のRISCプロセッサの違 ちが いの中 なか でも、Epicode と呼 よ ばれるユーザープログラム可能 かのう なマイクロコード のサポートがPRISMの特徴 とくちょう である。PRISMは Mica と呼 よ ばれる新 しん オペレーティングシステム が動作 どうさ するよう設計 せっけい されていた。Micaは「ネイティブ」なプログラムはフルスピードで実行 じっこう でき、同時 どうじ にVAX 向 む けの既存 きそん のVMS プログラムを若干 じゃっかん 変換 へんかん して実行 じっこう することができる。DEC経営 けいえい 陣 じん は既存 きそん の稼 かせ ぎ頭 あたま を新 あたら しいマシンで置 お き換 か える必要 ひつよう 性 せい を理解 りかい せず、結局 けっきょく 1988年 ねん にプロジェクトは中止 ちゅうし された。
しかし、中止 ちゅうし の時点 じてん でより新 あたら しいSPARC やMIPSといった第 だい 2世代 せだい のRISCチップはすでにVAXシリーズよりずっと良 よ い価格 かかく 性能 せいのう 比 ひ を誇 ほこ っていた。第 だい 3世代 せだい のチップは価格 かかく だけでなく、全 すべ ての面 めん においてVAXを完全 かんぜん に上回 うわまわ るであろうことは明 あき らかだった。そのため、VMSを直接 ちょくせつ サポートする新 あたら しいRISCアーキテクチャが可能 かのう かどうかを調 しら べる別 べつ の研究 けんきゅう が始 はじ まった。新 あたら しいデザインはほとんどのPRISMの基本 きほん コンセプトを踏襲 とうしゅう したが、VMSとVMSのプログラムを適度 てきど なスピードで全 まった く変換 へんかん せずに実行 じっこう できるように、方針 ほうしん が転換 てんかん された。主 おも なRISCベンダと同様 どうよう に、PRISMの32ビット から完全 かんぜん な64ビットの実装 じっそう に設計 せっけい を変更 へんこう する決定 けってい もなされた。結果 けっか として、新 あたら しいアーキテクチャがAlphaとなった。Alphaの命令 めいれい セットのアーキテクトはリチャード・L・サイツとリチャード・T・ウィテクである。PRISMのEpicodeは、AlphaのPALcode (英語 えいご 版 ばん ) となった。PALcodeはプラットフォーム固有 こゆう およびプロセッサ実装 じっそう 固有 こゆう の機能 きのう への抽象 ちゅうしょう 化 か されたインタフェースを提供 ていきょう する。PALcodeは、表面 ひょうめん 的 てき にはマイクロコードそのものであるが、実体 じったい は「割 わ り込 こ み不可能 ふかのう なサブルーチン 」であり、特権 とっけん モードの生成 せいせい などに使 つか われた。VMSはCPU の動作 どうさ モードとしてカーネル、エグゼクティブ、スーパバイザ、ユーザーの4種類 しゅるい を必要 ひつよう とするが、UNIXはカーネルとユーザーの2つでよい。モード切 き り替 か えの機能 きのう をPALcodeとして分離 ぶんり することで、RISCの単純 たんじゅん さを保 たも ちつつ、アーキテクチャ の異 こと なるOSのサポートを可能 かのう にしたのである。
Alphaのマイクロプロセッサ業界 ぎょうかい への主 おも な貢献 こうけん と、その優秀 ゆうしゅう な性能 せいのう の主 おも な理由 りゆう は、アーキテクチャというよりはむしろ優 すぐ れた実装 じっそう によるものである。当時 とうじ (現在 げんざい も同 おな じだが)、マイクロチップ産業 さんぎょう は自動 じどう 化 か された設計 せっけい およびレイアウトツールが中心 ちゅうしん となっていた。DECのチップ設計 せっけい 陣 じん は過度 かど に複雑 ふくざつ なVAXアーキテクチャを扱 あつか うために、人手 ひとで による洗練 せんれん された回路 かいろ 設計 せっけい を追求 ついきゅう し続 つづ けた。シンプルでクリーンなアーキテクチャに適用 てきよう された人手 ひとで による回路 かいろ 設計 せっけい は、自動 じどう 化 か された設計 せっけい システムによるものよりもずっと高 たか い動作 どうさ 周波数 しゅうはすう を可能 かのう にするということを、Alphaチップは示 しめ した。これらのチップは、マイクロプロセッサ設計 せっけい コミュニティにカスタム回路 かいろ 設計 せっけい というルネッサンスをもたらした。
Alphaのプロセッサは当初 とうしょ DECchip 21x64 シリーズと呼 よ ばれていたが、1990年代 ねんだい 中 ちゅう ごろに "DECchip" から "Alpha" に変更 へんこう した。番号 ばんごう の先頭 せんとう 2桁 けた である "21" は21世紀 せいき を意味 いみ し、最後 さいご の2桁 けた "64" は64ビットであることを意味 いみ している。Alphaは当初 とうしょ から64ビットとして設計 せっけい されており、32ビットのバージョンは存在 そんざい しない。真 ま ん中 なか の数字 すうじ はAlphaアーキテクチャの世代 せだい を表 あらわ す。社内 しゃない では EV 番号 ばんごう でも識別 しきべつ され、EVは公式 こうしき には "Extended VAX" の略 りゃく とされていた。
Alphaチップの最初 さいしょ の頃 ころ の世代 せだい のものは、当時 とうじ もっとも革新 かくしん 的 てき なものであった。最初 さいしょ のバージョンである 21064 (EV4 ) は、より高性能 こうせいのう なECL ミニコンピュータ やメインフレーム に匹敵 ひってき する動作 どうさ 周波数 しゅうはすう を誇 ほこ る最初 さいしょ のCMOS マイクロプロセッサである。2代目 だいめ の21164 (EV5 ) は、大 だい 容量 ようりょう の2次 じ キャッシュ をチップの中 なか に持 も つ最初 さいしょ のマイクロプロセッサであった。3代目 だいめ の21264 (EV6 ) は、高 たか い動作 どうさ 周波数 しゅうはすう とより複雑 ふくざつ なアウト・オブ・オーダー実行 じっこう を組 く み合 あ わせた最初 さいしょ のマイクロプロセッサであった。21364 (EV7 ) はオンチップのメモリコントローラ を持 も つ最初 さいしょ の高性能 こうせいのう プロセッサだった。21464 (英語 えいご 版 ばん ) (EV8 ) は初 はつ の同時 どうじ マルチスレッディング をサポートしていたが、コンパック によるDEC買収 ばいしゅう 後 ご にキャンセルされた。コード名 めい Tarantula はEV9 と呼 よ ばれるはずの研究 けんきゅう プロジェクトで、ベクターユニット をAlphaに搭載 とうさい する計画 けいかく だった[3] 。
Alphaのコード名 めい はEVAX (Extended VAX) であったが、実際 じっさい の製品 せいひん 名 めい の決定 けってい は難航 なんこう した。最後 さいご に「ARA (Advance RISC Architecture)」が残 のこ ったが、一部 いちぶ の国 くに で「不適切 ふてきせつ な言葉 ことば 」とされたため白紙 はくし に戻 もど った。最終 さいしゅう 的 てき に「Alpha」という名前 なまえ が決 き まってからも、商標 しょうひょう 上 うえ の問題 もんだい からAlpha AXPとなった。実際 じっさい には、この追加 ついか は必要 ひつよう なかったようで、最終 さいしゅう 的 てき にAlphaに戻 もど ったようである。AXPの意味 いみ には諸説 しょせつ あるが、真相 しんそう は商標 しょうひょう コンサルティング会社 かいしゃ が考 かんが えたもので意味 いみ はないそうである。DEC社内 しゃない に流 なが れた文書 ぶんしょ によると「覚 おぼ えやすい3文字 もじ 」「Xを含 ふく むと先進 せんしん 的 てき なイメージがある」「他社 たしゃ の商標 しょうひょう 権 けん を侵害 しんがい しない」ということで決 き まったということだ。DEC社内 しゃない では "Acronym eXpert is Paid too much"(略語 りゃくご の専門 せんもん 家 か に多額 たがく の金 かね が払 はら われた)の略 りゃく というジョークがささやかれていた。
余談 よだん だがAMD 社 しゃ のAthlon プロセッサで採用 さいよう されたEV6バス は21264 (EV6 )のバスと同 おな じものであり、信号 しんごう レベルでは互換 ごかん 性 せい がある。実際 じっさい にAthlonプロセッサ用 よう チップセット をAlphaプロセッサ用 よう マザーボードに使用 しよう した例 れい もある。
Alphaアーキテクチャは性能 せいのう を最 さい 重要 じゅうよう として設計 せっけい されている。DECは25年 ねん で1000倍 ばい の性能 せいのう 向上 こうじょう を達成 たっせい することを意図 いと していた。そのため、複数 ふくすう 命令 めいれい の発行 はっこう 、クロック周波数 しゅうはすう 向上 こうじょう 、マルチプロセッシングといった方向 ほうこう 性 せい を妨 さまた げるアーキテクチャ上 じょう の特質 とくしつ は徹底的 てっていてき に取 と り除 のぞ かれた。結果 けっか としてAlphaでは、以下 いか のような特質 とくしつ を持 も たない。
分岐 ぶんき 遅延 ちえん スロット
命令 めいれい の抑制 よくせい
バイト単位 たんい のロード/ストア命令 めいれい 。ただし後 のち にバイト/ワード拡張 かくちょう (BWX) として追加 ついか した。
Alphaでは整数 せいすう 命令 めいれい に条件 じょうけん コードが存在 そんざい せず、ステータスレジスタ の条件 じょうけん コードがボトルネックとなる可能 かのう 性 せい を排除 はいじょ している。例 たと えば加算 かさん 命令 めいれい でオーバーフローとなるような場合 ばあい 、和 わ の下位 かい 64ビット(あるいは32ビット加算 かさん なら下位 かい 32ビット)をレジスタに書 か き込 こ み、あふれた部分 ぶぶん を無視 むし する。キャリーが発生 はっせい したかどうかが必要 ひつよう なら、加算 かさん 結果 けっか と加算 かさん 前 まえ の2つの数値 すうち を符号 ふごう なし数値 すうち として比較 ひかく する。
アーキテクチャでは整数 せいすう 用 よう レジスタ が32本 ほん 、浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん 用 よう レジスタが32本 ほん 定義 ていぎ されており、さらにプログラムカウンタ 、2本 ほん のロックレジスタ、1本 ほん の浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん コントロールレジスタ (FPCR) がある。他 ほか にも実装 じっそう 上 じょう 必要 ひつよう な場合 ばあい にのみ実装 じっそう されるオプションのレジスタ群 ぐん が定義 ていぎ されている。また、PALcode (英語 えいご 版 ばん ) 用 よう のレジスタ群 ぐん が定義 ていぎ されている。
整数 せいすう レジスタは R0 から R31 と表記 ひょうき され、浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん レジスタは F0 から F31 と表記 ひょうき される。R31とF31は常 つね にゼロであり、それらに書 か き込 こ もうとしても無視 むし される。DECは統合 とうごう レジスタファイル も検討 けんとう したが、整数 せいすう レジスタファイルと浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん レジスタファイルを分離 ぶんり した方 ほう が実装 じっそう の自由 じゆう 度 ど が上 あ がり、FPU を別 べつ チップにすることも可能 かのう になるということで、分離 ぶんり することにした。また、複数 ふくすう 命令 めいれい を同時 どうじ 発行 はっこう する場合 ばあい 、分離 ぶんり した方 ほう がレジスタファイルのリード/ライトのポート数 すう を減 へ らせるという利点 りてん もある。レジスタファイル内 ない のレジスタ本数 ほんすう も32本 ほん と64本 ほん を候補 こうほ として検討 けんとう した。DECは32本 ほん の方 ほう がチップ上 じょう の面積 めんせき が小 ちい さくなり、クロック周波数 しゅうはすう を上 あ げやすいということでそちらを選択 せんたく した。32本 ほん のレジスタがあれば少 すく なくとも8命令 めいれい 同時 どうじ 発行 はっこう までサポートできるため、このレジスタ本数 ほんすう は性能 せいのう や将来 しょうらい の発展 はってん の観点 かんてん からも大 おお きな問題 もんだい とはならないと考 かんが えられた。
プログラムカウンタ は64ビットでロングワード(32ビットのこと。データ型 がた も参照 さんしょう のこと)境界 きょうかい の仮想 かそう バイトアドレスを保持 ほじ する。従 したが って、下位 かい 2ビットは常 つね にゼロであり、逐次 ちくじ 的 てき に命令 めいれい を実行 じっこう する際 さい は4ずつインクリメントされる。マルチプロセッシング をサポートするため、ロックフラグとロックされた物理 ぶつり アドレスを格納 かくのう するレジスタを使 つか い、load-locked/store-conditional 命令 めいれい を実装 じっそう している。浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん コントロールレジスタ (FPCR) は64ビットのレジスタで、IEEE 754 準拠 じゅんきょ の浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん 演算 えんざん 機能 きのう をハードウェアで実装 じっそう するのに使 つか われる。
Alphaでは1バイト が8ビット データとして定義 ていぎ されており、16ビット データを1ワード 、32ビット データをロングワード 、64ビット データをクワッドワード 、128ビット データをオクタワード と称 しょう する。
Alphaアーキテクチャには当初 とうしょ から以下 いか の6種類 しゅるい のデータ型 がた が定義 ていぎ されていた。
クワッドワード(64ビット)整数 せいすう
ロングワード(32ビット)整数 せいすう
IEEE 倍精度 ばいせいど 浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん 数 すう (T-floating-point、64ビット)
IEEE 単精度 たんせいど 浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん 数 すう (S-floating-point、32ビット)
VAX との互換 ごかん 性 せい のため、次 つぎ の2種類 しゅるい も含 ふく まれる。
VAX 倍精度 ばいせいど 浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん 数 すう (G-floating point、64ビット)
VAX 単精度 たんせいど 浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん 数 すう (F-floating point、32ビット)
命令 めいれい セットの将来 しょうらい の拡張 かくちょう で128ビットのデータ型 がた をサポートすることが考慮 こうりょ されていた。
64ビットの平坦 へいたん な仮想 かそう アドレス空間 くうかん を持 も つ。実装 じっそう においては仮想 かそう 空間 くうかん を小 ちい さく実装 じっそう してもよいことになっていて、最小 さいしょう 仮想 かそう アドレス幅 はば は43ビットとされている。未 み 使用 しよう ビットはTLB などのハードウェアでは実装 じっそう されないが、ソフトウェアの互換 ごかん 性 せい を保証 ほしょう するため、未 み 使用 しよう ビットがゼロであることをハードウェアでチェックすることを要求 ようきゅう している。
31
30
29
28
27
26
25
24
23
22
21
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
種類 しゅるい
オペコード
Ra
Rb
未 み 使用 しよう
0
機能 きのう
Rc
整数 せいすう 演算 えんざん
オペコード
Ra
リテラル
1
機能 きのう
Rc
リテラル付 つ き整数 せいすう 演算 えんざん
オペコード
Ra
Rb
機能 きのう
Rc
浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん 演算 えんざん
オペコード
Ra
Rb
ディスプレースメント
ロード/ストア
オペコード
Ra
ディスプレースメント
分岐 ぶんき
オペコード
機能 きのう
CALL_PAL
Alpha ISA の命令 めいれい 長 ちょう は32ビット固定 こてい である。命令 めいれい フォーマットは6種類 しゅるい ある。
整数 せいすう 演算 えんざん 命令 めいれい のフォーマットでは、オペコード6ビットの後 のち に第 だい 1オペランド を指定 してい するRaフィールドと第 だい 2オペランドを指定 してい するRbフィールドがある。続 つづ く3ビットは未 み 使用 しよう で予約 よやく されている。その次 つぎ の1ビットは常 つね に "0" で、リテラルを使用 しよう する整数 せいすう 演算 えんざん 命令 めいれい のフォーマットとの区別 くべつ に使 つか われている。次 つぎ に7ビットの機能 きのう フィールドがあり、オペコードとの組 く み合 あ わせで具体 ぐたい 的 てき に何 なに をするのかを指定 してい する。最後 さいご のRcフィールドは演算 えんざん 結果 けっか を書 か き込 こ むレジスタを指定 してい する。レジスタを指定 してい するフィールドはそれぞれ5ビットで、32種類 しゅるい の値 ね が32本 ほん の整数 せいすう レジスタに対応 たいおう している。
リテラル整数 せいすう 演算 えんざん フォーマットでは、オペランドの一方 いっぽう にリテラル を使用 しよう する。整数 せいすう 演算 えんざん 命令 めいれい のフォーマットのうち、5ビットのRbフィールドと3ビットの未 み 使用 しよう フィールドを合 あ わせた8ビットをリテラルフィールドとして使用 しよう し、リテラルは符号 ふごう 拡張 かくちょう ではなくゼロ拡張 かくちょう で64ビットの値 ね に変換 へんかん して使用 しよう する。
浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん 演算 えんざん フォーマットは整数 せいすう 演算 えんざん フォーマットと似 に ているが、機能 きのう フィールドが11ビットに拡大 かくだい している。
ロード/ストア用 よう フォーマットでは、16ビットのディスプレースメント・フィールドで命令 めいれい の後半 こうはん が占 し められている。
分岐 ぶんき 用 よう フォーマットには21ビットのディスプレースメント・フィールドがある。Raフィールドは条件 じょうけん 分岐 ぶんき の際 さい に調 しら べるレジスタを指定 してい する。条件 じょうけん が成立 せいりつ している場合 ばあい 、プログラムカウンタにディスプレースメントを加算 かさん して更新 こうしん する。ディスプレースメントは符号 ふごう 付 つ き整数 せいすう であり、正 せい の場合 ばあい は前方 ぜんぽう への分岐 ぶんき 、負 まけ の場合 ばあい は後方 こうほう への分岐 ぶんき となる。分岐 ぶんき 可能 かのう な範囲 はんい は 1,048,576 である。設計 せっけい 原則 げんそく に従 したが い、分岐 ぶんき 可能 かのう 範囲 はんい を広 ひろ くとってある。
CALL_PALフォーマットはCALL_PAL
命令 めいれい で使 つか うもので、PALcode (英語 えいご 版 ばん ) サブルーチン呼 よ び出 だ しに使 つか われる。オペコード以外 いがい は26ビットの機能 きのう フィールドとなっており、PALcodeサブルーチンを指定 してい する整数 せいすう を示 しめ す。
制御 せいぎょ 命令 めいれい とは、条件 じょうけん 分岐 ぶんき /無条件 むじょうけん 分岐 ぶんき とジャンプ命令 めいれい である。条件 じょうけん 分岐 ぶんき 命令 めいれい と無条件 むじょうけん 分岐 ぶんき 命令 めいれい は分岐 ぶんき 用 よう フォーマットを使 つか い、ジャンプ命令 めいれい はロード/ストア用 よう フォーマットを使 つか っている。
条件 じょうけん 分岐 ぶんき では、指定 してい されたレジスタの最下位 さいかい ビット が1か0か(奇数 きすう /偶数 ぐうすう )の判定 はんてい 、あるいは指定 してい されたレジスタとゼロとの大小 だいしょう 比較 ひかく の判定 はんてい を行 おこな い、指定 してい された条件 じょうけん が成立 せいりつ していれば分岐 ぶんき する。分岐 ぶんき する場合 ばあい は、21ビットのディスプレースメントを符号 ふごう 拡張 かくちょう し、4倍 ばい してロングワード境界 きょうかい にし、プログラムカウンタに加算 かさん する。このときのプログラムカウンタは実行 じっこう 中 ちゅう 命令 めいれい の次 つぎ の命令 めいれい を指 さ している(更新 こうしん 済 ず み)。
無条件 むじょうけん 分岐 ぶんき では、条件 じょうけん 分岐 ぶんき と同様 どうよう に計算 けいさん したアドレスでプログラムカウンタを更新 こうしん する。また、このとき実行 じっこう 中 ちゅう の無条件 むじょうけん 分岐 ぶんき 命令 めいれい の次 つぎ にある命令 めいれい のアドレスをRaフィールドで指定 してい したレジスタにセーブする。分岐 ぶんき 予測 よそく ハードウェアに提供 ていきょう するヒントが異 こと なる2種類 しゅるい の無条件 むじょうけん 分岐 ぶんき 命令 めいれい がある。
ジャンプ命令 めいれい は4種類 しゅるい ある(正確 せいかく にはオペコードは1種類 しゅるい で、ディスプレースメント・フィールドに4種類 しゅるい の値 ね を設定 せってい する)。Raフィールドが指定 してい するレジスタに次 つぎ の命令 めいれい のアドレスをセーブし、Rbフィールドが指定 してい するレジスタの内容 ないよう をプログラムカウンタに書 か き込 こ む。ディスプレースメント・フィールドに書 か き込 こ むのは分岐 ぶんき 予測 よそく ハードウェアに提供 ていきょう するヒント情報 じょうほう である。
整数 せいすう 演算 えんざん 命令 めいれい としては、ロングワードおよびクワッドワードの加算 かさん /乗算 じょうざん /減算 げんざん 、クワッドワードの比較 ひかく がある。除算 じょざん 命令 めいれい は存在 そんざい せず、ハードウェアの単純 たんじゅん さを優先 ゆうせん している。加算 かさん /減算 げんざん 命令 めいれい にはスケール版 ばん があり、第 だい 2オペランドを2ビットまたは3ビット左 ひだり にシフトしてから加減算 かげんざん を行 おこな う。乗算 じょうざん 命令 めいれい は積 せき の下位 かい 64ビット(または32ビット)を指定 してい されたレジスタに書 か き込 こ む。64ビット乗算 じょうざん で積 せき の上位 じょうい 64ビットを得 え るための命令 めいれい Unsigned Multiply Quadword High (MULH) もあり、任意 にんい 精度 せいど 演算 えんざん の実装 じっそう や除算 じょざん アルゴリズムで使用 しよう する。積 せき の上位 じょうい 半分 はんぶん を得 え る命令 めいれい という考 かんが え方 かた は PRISM (英語 えいご 版 ばん ) で生 う まれた。
ロングワード(32ビット)の整数 せいすう 演算 えんざん 命令 めいれい は、レジスタの上位 じょうい 32ビットを無視 むし して演算 えんざん を行 おこな い、計算 けいさん 結果 けっか を符号 ふごう 拡張 かくちょう してレジスタに書 か き込 こ む。UMULH命令 めいれい とスケール版 ばん 加減算 かげんざん 命令 めいれい 以外 いがい の加算 かさん /乗算 じょうざん /減算 げんざん 命令 めいれい はデフォルトではオーバーフローを検出 けんしゅつ しない。オーバーフローを検出 けんしゅつ するバージョンの命令 めいれい も用意 ようい されている。
比較 ひかく 命令 めいれい はレジスタ同士 どうし を比較 ひかく するか、レジスタとリテラルを比較 ひかく し、指定 してい された条件 じょうけん が成立 せいりつ する場合 ばあい はRcフィールドで指定 してい したレジスタに '1' を、条件 じょうけん が成立 せいりつ しない場合 ばあい は '0' を書 か き込 こ む。条件 じょうけん としては、等 ひと しい、小 ちい さいか等 ひと しい、小 ちい さい、の3種類 しゅるい がある。等 ひと しいか否 ひ かの判定 はんてい 以外 いがい には符号 ふごう 付 つ き数値 すうち として比較 ひかく するか符号 ふごう なし数値 すうち として比較 ひかく するかでさらに2種類 しゅるい に分 わ かれる。
論理 ろんり 演算 えんざん 命令 めいれい としては、ビット単位 たんい の論理 ろんり 演算 えんざん と整数 せいすう レジスタ間 あいだ の条件 じょうけん 付 つ き転送 てんそう 命令 めいれい がある。ビット単位 たんい の論理 ろんり 演算 えんざん には、AND 、NAND 、NOR 、OR 、XNOR 、XOR があり、レジスタ間 あいだ またはレジスタとリテラル間 あいだ で演算 えんざん を行 おこな う。条件 じょうけん 付 つ き転送 てんそう 命令 めいれい はRaレジスタの内容 ないよう について条件 じょうけん が成立 せいりつ する場合 ばあい 、Rbレジスタの内容 ないよう をRcで指定 してい したレジスタに書 か き込 こ む。条件 じょうけん としては、ゼロとの比較 ひかく (等 ひと しい、大小 だいしょう )と最下位 さいかい ビット の値 ね (奇数 きすう /偶数 ぐうすう )がある。シフト命令 めいれい には、算術 さんじゅつ 右 みぎ シフトと論理 ろんり 左 ひだり シフトがある。シフトするビット数 すう はレジスタまたはリテラルで指定 してい できる。論理 ろんり 演算 えんざん 命令 めいれい とシフト命令 めいれい は整数 せいすう 演算 えんざん 用 よう フォーマットを使用 しよう する。
バイト/ワード拡張 かくちょう (byte-word extensions, BWX) は8ビットおよび16ビットのデータ型 がた を操作 そうさ する命令 めいれい セットである。21164A (EV56) マイクロプロセッサで初 はじ めて導入 どうにゅう され、その後 ご の実装 じっそう では必 かなら ず存在 そんざい している。BWXがない実装 じっそう では複数 ふくすう の命令 めいれい を必要 ひつよう としていた操作 そうさ を1命令 めいれい で実現 じつげん 可能 かのう となり、コード密度 みつど を高 たか め、用途 ようと によっては性能 せいのう も向上 こうじょう している。BWXによってx86 の機械 きかい 語 ご コードのエミュレーションを可能 かのう にし、デバイスドライバ も書 か きやすくなった[4] 。
ニーモニック
命令 めいれい
LDBU
Load Zero-Extended Byte from Memory to Register
LDWU
Load Zero-Extended Word from Memory to Register
SEXTB
Sign Extend Byte
SEXTW
Sign Extend Word
STB
Store Byte from Register to Memory
STW
Store Word from Register to Memory
Alpha ISA のマルチメディア拡張 かくちょう またはSIMD 拡張 かくちょう を Motion Video Instructions (MVI) と呼 よ ぶ[5] 。MVIを搭載 とうさい した実装 じっそう としては、時 とき 系列 けいれつ 順 じゅん に Alpha 21164PC (PCA56, PCA57)、Alpha 21264 (EV6)、Alpha 21364 (EV7) がある。同 どう 時期 じき の他 ほか のISAのSIMD拡張 かくちょう としてMIPSのMDMXやサン・マイクロシステムズ の Visual Instruction Set などとは異 こと なり、MVIは整数 せいすう データ型 がた を既存 きそん の整数 せいすう レジスタに格納 かくのう して処理 しょり する単純 たんじゅん な少数 しょうすう の命令 めいれい セットである。
MVIの単純 たんじゅん さには2つの理由 りゆう がある。第 だい 一 いち に、DECは 21164 で既 すで にDVD のデコード処理 しょり をソフトウェアで実行 じっこう 可能 かのう だと判断 はんだん していたため、そのためにSIMD命令 めいれい を追加 ついか する必要 ひつよう はないと考 かんが えていたが、MPEG-2 のエンコードにはSIMD命令 めいれい が必要 ひつよう だと判断 はんだん した。第 だい 二 に に、実装 じっそう におけるサイクルタイムの高速 こうそく 性 せい を保持 ほじ しようとした。多数 たすう の命令 めいれい を追加 ついか すると命令 めいれい デコード論理 ろんり 回路 かいろ が複雑 ふくざつ 化 か ・巨大 きょだい 化 か するので、クロック周波数 しゅうはすう の低下 ていか にもつながる。
MVIには13の命令 めいれい が含 ふく まれる。
ニーモニック
命令 めいれい
MAXSB8
Vector Signed Byte Maximum
MAXSW4
Vector Signed Word Maximum
MAXUB8
Vector Unsigned Byte Maximum
MAXUW4
Vector Unsigned Word Maximum
MINSB8
Vector Signed Byte Minimum
MINSW4
Vector Signed Word Minimum
MINUB8
Vector Unsigned Byte Minimum
MINUW4
Vector Unsigned Word Minimum
PERR
Pixel Error
PKLB
Pack Longwords to Bytes
PKWB
Pack Words to Bytes
UNPKBL
Unpack Bytes to Longwords
UNPKBW
Unpack Bytes to Words
浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん 拡張 かくちょう (FIX)[ 編集 へんしゅう ]
浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん 拡張 かくちょう (floating-point extensions, FIX) は Alpha ISA の拡張 かくちょう であり、平方根 へいほうこん を計算 けいさん する命令 めいれい と整数 せいすう レジスタと浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん レジスタの間 あいだ の転送 てんそう 命令 めいれい を含 ふく む。21264 (EV6) で初 はじ めて実装 じっそう した。
ニーモニック
命令 めいれい
FTOIS
Floating-point to Integer Register Move, S_floating
FTOIT
Floating-point to Integer Register Move, T_floating
ITOFF
Integer to Floating-point Register Move, F_floating
ITOFS
Integer to Floating-point Register Move, S_floating
ITOFT
Integer to Floating-point Register Move, T_floating
SQRTF
Square root F_floating
SQRTG
Square root G_floating
SQRTS
Square root S_floating
SQRTT
Square root T_floating
カウント拡張 かくちょう (Count Extensions, CIX) とは、ビット数 すう をカウントする3種類 しゅるい の命令 めいれい からなる拡張 かくちょう である。それらの命令 めいれい は整数 せいすう 演算 えんざん 命令 めいれい に分類 ぶんるい される。21264A (EV76) で初 はじ めて実装 じっそう された。例 たと えばCTLZ命令 めいれい は、指定 してい したレジスタの最 さい 上位 じょうい ビット から"0"となっている連続 れんぞく ビットをカウントし、ビット数 すう を別 べつ の指定 してい したレジスタに書 か き込 こ む。CTPOP命令 めいれい は"1"になっているビットをカウントし、CTTZは最下位 さいかい ビット から"0"となっている連続 れんぞく ビットをカウントする。
ニーモニック
命令 めいれい
CTLZ
Count Leading Zero
CTPOP
Count Population
CTTZ
Count Trailing Zero
最初 さいしょ の発表 はっぴょう 時 じ 、Alphaは今後 こんご 25年間 ねんかん 続 つづ くアーキテクチャになるとされた。これは真実 しんじつ にはならなかったが、Alphaはそれなりに長寿 ちょうじゅ 命 いのち だったと言 い える。最初 さいしょ のバージョンであるAlpha 21064 (EV4 ) は1992年 ねん 11月に導入 どうにゅう され、192MHzで動作 どうさ し、(0.75μ みゅー mから0.675μ みゅー mへ)ダイを若干 じゃっかん 縮小 しゅくしょう した EV4S は数カ月 すうかげつ 後 ご に登場 とうじょう し、200MHzで動作 どうさ した。64ビットプロセッサであるAlphaは、他 た のRISC設計 せっけい と同様 どうよう にスーパーパイプライン 化 か されスーパースケーラ であったが、にもかかわらずそれらの性能 せいのう を凌駕 りょうが し、DECは世界 せかい 最速 さいそく のプロセッサと喧伝 けんでん した。Hudson設計 せっけい チームのお家芸 いえげい である回路 かいろ 設計 せっけい へのこだわりにより、他 た のRISCチップとよく似 に たマイクロアーキテクチャであったにもかかわらず、Alphaはより高速 こうそく で動作 どうさ することができた。比較 ひかく すると、次 つぎ の春 はる に発売 はつばい されたインテル Pentium は66MHzで動作 どうさ した。
Alpha 21164 (EV5 ) は333MHzで1995年 ねん に市販 しはん された。1996年 ねん 7月 がつ には500MHzに引 ひ き上 あ げられ、1998年 ねん 3月 がつ には666MHzとなった。また、1998年 ねん に450MHzで登場 とうじょう した Alpha 21264 (EV6 ) は、2001年 ねん には1.25GHz版 ばん (21264C /EV68CB ) がリリースされた。2003年 ねん に登場 とうじょう した Alpha 21364 (EV7 ) は、EV68コアに1.6GB/sのインターコネクトを4本 ほん 追加 ついか したもので、マルチプロセッシング のためのプロセッサ間 あいだ 通信 つうしん 機能 きのう を強化 きょうか している。クロック周波数 しゅうはすう は1GHzまたは1.15GHzである。
1996年 ねん 、Alphaチップの生産 せいさん はサムスン電子 でんし にライセンスされた。コンパック によるDEC の買収 ばいしゅう により、Alphaの資産 しさん の大 だい 部分 ぶぶん はサムスンとコンパックが出資 しゅっし したAPI NetWorks, Inc. (以前 いぜん はAlpha Processor Inc.) に移管 いかん された。
2001年 ねん 6月 がつ 25日 にち 、コンパックはインテル Itanium に移行 いこう するため2004年 ねん までにAlphaチップの開発 かいはつ を終了 しゅうりょう すると発表 はっぴょう し、計画 けいかく されていた EV8 (英語 えいご 版 ばん ) はキャンセルし、Alphaの知的 ちてき 資産 しさん をインテル に売却 ばいきゃく するとした[6] 。コンパックを買収 ばいしゅう したヒューレット・パッカード (HP) は、Alphaシリーズのサポートは数 すう 年間 ねんかん 継続 けいぞく し、1.3GHz版 ばん のEV7であるEV7zチップをリリースするが、これが最後 さいご のAlphaシリーズになることを発表 はっぴょう した。0.13μ みゅー mルールを予定 よてい していた EV79 もキャンセルとなった。HPは Tru64 UNIX のメンテナンスと販売 はんばい を2006年 ねん まで継続 けいぞく し、サポートは2011年 ねん まで延長 えんちょう された。
皮肉 ひにく にも、Alphaがフェイズアウトする間際 まぎわ の2003年 ねん 中盤 ちゅうばん に、米国 べいこく で1番 ばん と2番 ばん に速 はや いコンピューターは共 とも にAlphaプロセッサを使用 しよう していた。前者 ぜんしゃ は4096個 こ のAlphaプロセッサのクラスタである。
2004年 ねん 8月 がつ 16日 にち に、HPは1.3GHzのEV7zのリリースを発表 はっぴょう し、これが生産 せいさん される最後 さいご のAlphaモデルとなった。
モデル名 めい
モデル番号 ばんごう
登場 とうじょう 年 ねん
周波数 しゅうはすう [MHz]
プロセス [µm]
トランジスタ数 すう [百 ひゃく 万 まん ]
ダイサイズ [mm2 ]
ピン数 すう
電力 でんりょく [W]
電圧 でんあつ
一 いち 次 じ データキャッシュ [KB][7]
一 いち 次 じ 命令 めいれい キャッシュ [KB]
内蔵 ないぞう 二 に 次 じ キャッシュ
外 そと 付 づ けキャッシュ
ISA
EV4
21064
1992
100–200
0.75
1.68
234
290
30
3.3
8
–
128 KB–16 MB
EV4S
1993
0.675
186
27
EV45
21064A
1994
200–300
0.5
2.85
164
33
16
256 KB–16 MB
LCA4
21066
1993
100–166
0.675
1.75
209
21
8
LCA4
21068
1994
66
9
LCA45
21066A
100–266
0.5
1.8
161
23
LCA45
100
1.8
EV5
21164
1995
266–500
9.3
299
296
56
3.3/2.5
96 KB
最大 さいだい 64 MB
R
EV56
21164A
1996
366–666[8]
0.35
9.66[8]
209
31–55[8]
3.3/2.5[8]
R,B
PCA56
21164PC
1997[9]
400–533[9]
3.5[9]
141
264
26–35
3.3/2.5
8[9]
16[9]
–
512 KB–4 MB
R,B,M
PCA57
600–666
0.28
5.7
101
283
18–23
2.5/2.0
16
32[8]
EV6
21264
1998
450–600
0.35
15.2
314
389
73
2.0
64
2–8 MB
R,B,M,F
EV67
21264A
1999
600–750
0.25
210
R,B,M,F,C
EV68AL
21264B
2001
800–833
0.18
125
1.7
R,B,M,F,C,T
EV68CB
21264C
1000–1250
65–75
1.65
EV68CX
21264D
EV7
21364
2003
1000–1150
0.18
130
397
125
1.5
1.75 MB
–
EV7z
2004
1300
キャンセルされたモデル
EV78/EV79
21364A
2004(予定 よてい )
1700
0.13
152
300
120
1.2
64
1.75 MB
–
R,B,M,F,C,T
EV8
21464 (英語 えいご 版 ばん )
2003(予定 よてい )
1200–2000
0.125
250
420
1800
??
3 MB
モデル名 めい
モデル番号 ばんごう
登場 とうじょう 年 ねん
周波数 しゅうはすう [MHz]
プロセス [µm]
トランジスタ数 すう [millions]
ダイサイズ [mm2 ]
ピン数 すう
電力 でんりょく [W]
電圧 でんあつ
一 いち 次 じ データキャッシュ [KB]
一 いち 次 じ 命令 めいれい キャッシュ [KB]
内蔵 ないぞう 二 に 次 じ キャッシュ
外 そと 付 づ けキャッシュ
ISA
ISA 拡張 かくちょう
R – 正負 せいふ の無限 むげん 大 だい 方向 ほうこう への丸 まる めをハードウェアでサポート[10]
B – BWX、バイト/ワード拡張 かくちょう 。8ビットと16ビットの操作 そうさ 命令 めいれい を追加 ついか
M – MVI、マルチメディア拡張 かくちょう
F – FIX、平方根 へいほうこん を求 もと める命令 めいれい と整数 せいすう レジスタと浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん レジスタ間 あいだ の転送 てんそう 命令 めいれい
C – CIX、ビットをカウントしビット位置 いち を求 もと める命令 めいれい
T – ロック獲得 かくとく の試 こころ みにおける性能 せいのう 改善 かいぜん のためのプリフェッチサポート
Alphaベースのシステムでの性能 せいのう を比較 ひかく するため、以下 いか にSPEC 性能 せいのう 値 ち (SPECint95, SPECfp95) の一覧 いちらん を示 しめ す。SPECはコンピュータシステム全体 ぜんたい (CPU、バス、メモリ、コンパイラ)の性能 せいのう を測定 そくてい するものとされていて、CPUだけの性能 せいのう を示 しめ すものではない。また、1992年 ねん から1995年 ねん にかけて、このベンチマーク には変更 へんこう が加 くわ えられている。それでも、Alphaアーキテクチャ(64ビット)と同 どう 時代 じだい のHP-PA(64ビット)やインテルベースのシステム(32ビット)との相対 そうたい 的 てき な性能 せいのう を大 おお まかに比 くら べることができる。最 もっと も明 あき らかな傾向 けいこう は、インテルとAlphaの整数 せいすう 演算 えんざん 性能 せいのう は肩 かた を並 なら べているが、浮動 ふどう 小数点 しょうすうてん 演算 えんざん 性能 せいのう は大 おお きな差 さ があるという点 てん である。一方 いっぽう 、PA-RISC とAlphaはほぼ似 に たような性能 せいのう だが、クロック周波数 しゅうはすう (MHz) はHPの方 ほう がずっと低 ひく い。
システム
CPU
MHz
SPECint95
SPECfp95
1995年 ねん の性能 せいのう 比較 ひかく (SPEC CPU95[11] )
AlphaServer 8400 5/350
21164 (EV5)
350
10.1
14.2
Intel Alder System (200 MHz, 256KB L2)
Pentium Pro
200
8.9
6.75
HP 9000 C160
PA 8000
160
10.4
16.3
システム
CPU
MHz
SPECint95
SPECfp95
2000年 ねん の性能 せいのう 比較 ひかく (SPEC CPU95)
AlphaServer ES40 6/833
21264 (EV6)
833
50.0
100.0
Intel VC820 マザーボード
Pentium III
1000
46.8
31.9
HP 9000 C3600
PA-8600
552
42.1
64.0
DEC Alpha ベースのシステムの第 だい 一 いち 世代 せだい として、DEC 3000 AXP (英語 えいご 版 ばん ) シリーズのワークステーションおよびサーバ、DEC 4000 AXP (英語 えいご 版 ばん ) シリーズのミッドレンジ・サーバ、DEC 7000 AXP および 10000 AXP (英語 えいご 版 ばん ) シリーズのハイエンド・サーバがある。DEC 3000 AXP システムでは以前 いぜん のMIPS ベースのDECstation でも使 つか っていたTURBOchannel を採用 さいよう しているが、4000 ではFutureBus+ (英語 えいご 版 ばん ) を採用 さいよう し、7000/10000ではVAX と似 に たようなアーキテクチャを採用 さいよう している。
PC 風 ふう のAlphaワークステーション DECpc AXP 150 (英語 えいご 版 ばん ) もあり、EISA バスを採用 さいよう していた。Windows NT をサポートした最初 さいしょ のAlphaシステムである。また、インテルベースのワークステーションのCPUをAlphaに置 お き換 か えたもの(Digital Personal Workstation (英語 えいご 版 ばん ) や Alpha XL/Alpha XLT)もある。
DECは組 く み込 こ み用 よう としてVMEバス 向 む けのワンボードマイコン も用意 ようい した。第 だい 一 いち 世代 せだい は21068ベースの AXPvme 64 と AXPvme 64LC、21066ベースの AXPvme 160 で、1994年 ねん 3月 がつ 1日 にち に登場 とうじょう した。その後 ご 21066Aベースの AXPvme 100、AXPvme 166、AXPvme 230、21064Aベースの Alpha VME 4/224 と Alpha VME 4/288 と続 つづ いた。最後 さいご のモデルは21164ベースの Alpha VME 5/352 と Alpha VME 5/480 である。
21066はコンパクト・ワークステーションと称 しょう した DEC Multia (英語 えいご 版 ばん ) VX40/41/42 や、Tadpole Technology のラップトップ機 き ALPHAbook 1 にも採用 さいよう された。
1994年 ねん 、DECは新 あら たなファミリとして AlphaStation (英語 えいご 版 ばん ) と AlphaServer (英語 えいご 版 ばん ) を立 た ち上 あ げた。21064または21164を使 つか い、PCI バス、VGA 互換 ごかん フレームバッファ 、PS/2 接続 せつぞく のキーボードとマウスを採用 さいよう している。AlphaServer 8000 シリーズは DEC 7000/10000 AXP の後継 こうけい で、XMIとFutureBus+を採用 さいよう している。
AlphaStation XP1000 でワークステーションとして初 はじ めて21264を採用 さいよう 。その後 ご 21264を採用 さいよう した AlphaServer/Station は DS (departmental server)、ES (enterprise server)、GS (global server) の3つに分類 ぶんるい された。
最後 さいご の21364は AlphaServer ES47/ES80/GS1280 という3モデルと AlphaStation ES47 で採用 さいよう された。
DECはOEM 用 よう マザーボード もいくつか製造 せいぞう した。21066および21068ベースの AXPpci 33 "NoName" がOEM市場 いちば 向 む けに出荷 しゅっか され[12] 、21164ベースの AlphaPC 164 と AlphaPC 164LX、21164PCベースの AlphaPC 164SX と AlphaPC 164RX、21264ベースの AlphaPC 264DP が続 つづ いた。SamsungやAPIといったサードパーティも API UP1000/UP2000 といったOEM用 よう マザーボードを生産 せいさん した。
サードパーティでのハードウェアおよびソフトウェア開発 かいはつ を助 たす けるため、DECは EB64+ や EB164 といった評価 ひょうか ボードをプロセッサのモデル毎 ごと に製造 せいぞう した。
ネットアップ は21164と21264を様々 さまざま なネットワークアタッチトストレージ システムで採用 さいよう した。また、クレイ は超 ちょう 並列 へいれつ 型 がた スーパーコンピュータ T3D と T3E でAlphaを採用 さいよう している。
Alphaプロセッサを採用 さいよう した最 もっと も高性能 こうせいのう なスーパーコンピュータ は、ロスアラモス国立 こくりつ 研究所 けんきゅうじょ の ASCI Q である。AlphaServer SC45/GS のクラスタ構成 こうせい で、CPUは 21264 (EV68) 1.25GHz を4096個 こ 使用 しよう し、7.727TFLOPS (Rmax) という性能 せいのう だった[13] 。
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