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サン・マイクロシステムズ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
サン・マイクロシステムズ
Sun Microsystems
サン・マイクロシステムズ本社ほんしゃ
本社ほんしゃ所在地しょざいち アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
メンローパーク (カリフォルニアしゅう)
設立せつりつ 1982ねん2がつ24にち
外部がいぶリンク https://www.oracle.com/sun/
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サン・マイクロシステムズえい: Sun Microsystems)は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくカリフォルニアしゅうサンタクララ本社ほんしゃいていたコンピュータ製造せいぞうソフトウェア開発かいはつITサービス企業きぎょうである。2010ねん1がつ27にちオラクルにより吸収きゅうしゅう合併がっぺいされ、独立どくりつ企業きぎょう法人ほうじんとしては消滅しょうめつした。

概要がいよう

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サンの名前なまえは、Stanford University Networkの頭文字かしらもじ SUN からており、スタンフォード大学だいがく校内こうないのネットワークようワークステーション独自どくじ開発かいはつしたアンディ・ベクトルシャイムが、スコット・マクネリビノッド・コースラらとともに会社かいしゃ創立そうりつしたのがはじまり。創立そうりつさいしてカリフォルニア大学だいがくバークレーこうBSD UNIX開発かいはつしていたビル・ジョイ創立そうりつメンバーにまねいた。創立そうりつした1982ねんからすうねん世界せかい企業きぎょうへと成長せいちょうした。以下いか、その中心ちゅうしんてき製品せいひんであった、Sunワークステーションについてすこべる。

マイクロプロセッサには、当初とうしょ68000けい使つかっていた(これはどう時代じだいほかにも多数たすうあらわれた「JAWS」とばれるワークステーションと同様どうようで、手堅てがた選択せんたくえる)。のち自社じしゃ開発かいはつSPARCえ、たか性能せいのうたい価格かかく他社たしゃ製品せいひんたいつよ競争きょうそうりょく確保かくほした。

やはりどう時代じだいほかおおくのワークステーションと同様どうよう主要しゅようオペレーティングシステム (OS) としてUnixけい採用さいようしたが、サンはとくBSDつよいメーカとして、BSDの著名ちょめい開発かいはつしゃ一人ひとりであったビル・ジョイ特別とくべつ待遇たいぐうやとったことなどがられる。そのSunOSは、のちに、UNIX戦争せんそうUNIX InternationalとしてAT&T共同きょうどうしたため「System Vベースに変更へんこうされたSolaris」というように市場いちばけには宣伝せんでんされたが、実際じっさいのところはOS添付てんぷのGUIなどをふくめたシステム全体ぜんたい商品しょうひんめいが「Solaris」で、そのベース部分ぶぶんはSunOSそのものである。psコマンドのオプションなどわかりやすい部分ぶぶんにおいて、デフォルトではSystem Vふう改修かいしゅうされた動作どうさをするが、実際じっさいところはBSDであった(コマンドなどは両方りょうほう実際じっさいには用意よういされていて、PATHでそちらをさき指定していするだけでえられた)。SunOSもまた、Sunワークステーションの魅力みりょくであった。

自社じしゃ技術ぎじゅつ公開こうかいしたりライセンスしたりすることがおおく、それ以前いぜんの(あるいは一部いちぶのメーカにはいま蔓延はびこる)閉鎖へいさ主義しゅぎやぶった「オープンシステム」の旗手きしゅであった。

日本にっぽんでは富士通ふじつう提携ていけいメーカとしてられ、とくSPARCかんしては製造せいぞう請負うけおいのみならず、独自どくじ拡張かくちょうISAとマイクロアーキテクチャによる製品せいひんまでもをつくっており、「きょう」のプロセッサコアとう著名ちょめいである。

Javaはビル・ジョイを中心ちゅうしんとしたチームにより開発かいはつされた。

2000ねん9がつには、インテルけいのCPUとLinux組合くみあわせのサーバを販売はんばいしていたコバルトシステムを買収ばいしゅうし、インテルけいのCPUとLinuxをわせたサーバが2001ねんからサンから販売はんばいされた[1]2005ねんにはStorageTek (STK)、2008ねん1がつにはMySQL買収ばいしゅう発表はっぴょうした[2]

歴史れきし

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UNIXでの一人ひとりちの状況じょうきょう

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UNIX戦争せんそうともなかくベンダとの競合きょうごう状態じょうたいにおいて、ビル・ジョイなどのUNIX神話しんわのこしたスーパーエンジニアの功績こうせきやいちはやインターネットけたサーバぐんみによりアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく中心ちゅうしんとする世界せかい市場いちばにおいて、1990年代ねんだい前半ぜんはん、サンは一人ひとりちの様相ようそうていした。

日本にっぽん市場いちばでは富士通ふじつう東芝とうしばCTCなどと提携ていけいし、通信つうしんけい企業きぎょう基幹きかんけい浸透しんとうしつつあったUNIX市場いちばにおいて、その価格かかく性能せいのう知名度ちめいど進出しんしゅつした。その結果けっか日本にっぽん市場いちばでは競合きょうごうするHP日本電気にほんでんき陣営じんえいや、IBM日立ひたち陣営じんえいなどとならび、有力ゆうりょく商用しょうようUNIXけいベンダーとなった。

90年代ねんだいまつ市場いちば変化へんかとサンの対応たいおう

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90年代ねんだい後半こうはんまでの一人ひとりちの状況じょうきょう以降いこう元々もともと企業きぎょう規模きぼがそれほどおおきくなく、先進せんしんせいげをげるにも研究けんきゅう開発かいはつだい規模きぼ調達ちょうたつができないてん、 Javaなどのべつ技術ぎじゅつへの投資とうし集中しゅうちゅうしたてんなどもあり、そののUNIXによるエンタープライズけいへの対応たいおう処理しょり速度そくど改善かいぜんにおいて、いくつか決定的けっていてきおくれをってしまう。

CPU開発かいはつ競争きょうそうでのおく

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インテルせいCPUの動作どうさ周波数しゅうはすう向上こうじょう開発かいはつ資源しげんへのだい規模きぼ投資とうしにより高性能こうせいのうしたPCにUNIX陣営じんえいまれつつあった。とくに、RISC陣営じんえいでもMIPSテクノロジーと同様どうよう自社じしゃでのCPU製造せいぞうおこなわないサンは、急速きゅうそく開発かいはつ期間きかん短縮たんしゅく新規しんきテクノロジーの適用てきようにおいて、おくれをはじめる。

その結果けっか、UltraSPARC IIが主力しゅりょくであったころ、IBMやHPDECといったRISC陣営じんえい競合きょうごうCPU比較ひかくして、UltraSPARC IIがいちじるしくおそく、他社たしゃのメインストリームサーバとの比較ひかくによる受注じゅちゅう大量たいりょう減少げんしょうをさけるため、業界ぎょうかい標準ひょうじゅんベンチマークとなっていたTCPベンチマーク公開こうかいりやめている。

また、基本きほん比較ひかくとしてのこさざるをなかったSPECといった基本きほんベンチマークにおいても、インテルのXeon比較ひかくされたさい同等どうとうレベルを維持いじするのがやっとの状態じょうたいにまでまれていた。

エンタープライズ分野ぶんやでの足踏あしぶみとLinux対応たいおう

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UNIXのエンタープライズ分野ぶんやにおいては、唯一ゆいいつ対応たいおうはやかったサーバの仮想かそう技術ぎじゅつ延長線えんちょうせんじょうにある論理ろんり区分くぶんによるどういち筐体きょうたいない複数ふくすうパーティションの機能きのうも、HPやIBMは1ねんもせずに同等どうとう以上いじょう機能きのう提供ていきょうしてきたため、基幹きかんけいにおける導入どうにゅうシェアをおおきくげる要因よういんにはならなかった。

これにより、だい規模きぼなエンタープライズ市場いちばにおいて、当初とうしょはHPに、近年きんねんはIBMにかえされ、商用しょうようUNIXとの横並よこならしくはそれ以下いかとなっている(くわしくは、CIRCUSSolaris論理ろんりボリュームマネージャ項目こうもく参照さんしょう)。

また、オープンソースOSであるGNU/Linuxによるネットワークけいサーバのえ、および比較的ひかくてき安価あんか基幹きかんようサーバの需要じゅようにさらされ、商用しょうようUNIXでもっともダメージをけたOSとひょうされており、火急かきゅう対処たいしょ必要ひつようとされていた。

かえしと評価ひょうか

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一旦いったんおくれをったCPUの高性能こうせいのうやエンタープライズ分野ぶんやへのあらたな訴求そきゅうとしてSolaris自体じたいのオープンソースすすめられている。また、CPUにかんしても、NiagaraというSPARC III相当そうとうのCoreを複数ふくすう搭載とうさいしたCPUが登場とうじょうしてきている。

この2てんにおいて、現状げんじょうつぎのように評価ひょうかされている。

  • SolarisやJavaのオープンソース再度さいど技術ぎじゅつしゃもどしており、結果けっかとしてサーバ販売はんばい台数だいすう(サンの利益りえき源泉げんせん)の増加ぞうかむすびつき業績ぎょうせき回復かいふくはじめている。
  • マルチコアCPUによる性能せいのう強化きょうか/消費しょうひ電力でんりょく低減ていげんといったITの環境かんきょう問題もんだいへのアプローチはCPU業界ぎょうかい全体ぜんたいへと波及はきゅう、IT企業きぎょう社会しゃかいてき責任せきにん(CSR)をたして方向ほうこうせいしめした。

このような状況じょうきょううえ新規しんきCPUのUltraSPARC Vの開発かいはつ中止ちゅうしし、おおくのエンジニアをレイオフしており、英語えいごばんWikipediaにおけるSUNの項目こうもく記載きさいにあるように、ITバブル崩壊ほうかいうごきにおいて非常ひじょう曖昧あいまい模糊もことした状態じょうたいえる。この状態じょうたいすため、NECからSI・HPC分野ぶんやのアライアンスをけ、富士通ふじつうとの関係かんけいもさらにふかめようとしている。しかし、グリッドにたいするスタンスのちがいや汎用はんようきょうそく計算けいさんなど国内こくないプロジェクトへの国産こくさんベンダの方向ほうこうせいあきらかにサンとたもとかつ方向ほうこうけられており、おおくの識者しきしゃからは非常ひじょうきびしい見方みかたをされている。

サンの革新かくしんせいは、IT業界ぎょうかいのビジネスモデルの変更へんこうせま内容ないようおおいことからつね風当かぜあたりがつよいが、おおくの革新かくしんてきエンドユーザーやITの本質ほんしつ追究ついきゅうする研究けんきゅうしゃ技術ぎじゅつしゃからはたか評価ひょうかけており、IT業界ぎょうかいにおいてあらたなテクノロジーの創作そうさくによりIT業界ぎょうかい市場いちば社会しゃかいおおきな変革へんかく影響えいきょうをもたらした企業きぎょうとして認識にんしきされている。サンという企業きぎょう自体じたいのファンがいることも、のITベンダーとはことなるところである。

2004ねん4がつには長年ながねん宿敵しゅくてきとされたマイクロソフトとの和解わかい提携ていけい発表はっぴょうし、以後いご相互そうご運用うんようせい向上こうじょうはかっている [3]さら2004ねん6がつには富士通ふじつうとの提携ていけい拡大かくだいし、次期じきSPARC/Solarisサーバの共同きょうどう開発かいはつ発表はっぴょうした。今後こんごのハードウェア開発かいはつ富士通ふじつう、ソフトウェア開発かいはつはサンという役割やくわり分担ぶんたんとされる[4]

オラクルによる買収ばいしゅう

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2009ねん3月18にちにはIBMによるサンの買収ばいしゅう交渉こうしょうちゅう報道ほうどうされた[5][6]が、2009ねん4がつ20日はつかには、オラクルによる74おくドルでの買収ばいしゅう発表はっぴょうされた[7][8]同年どうねん9がつ、オラクルはSPARCSolarisについて「より一層いっそう投資とうし確約かくやく」する広告こうこくした[9]とう買収ばいしゅうによるデータベース市場いちばなどへの独占どくせん禁止きんしほううえ調査ちょうさおこなわれたが、べい司法省しほうしょうは8がつ欧州おうしゅう委員いいんかい2010ねん1がつ21にちに、とう買収ばいしゅう承認しょうにん[10]同月どうげつ27にち買収ばいしゅう完了かんりょうした[11]買収ばいしゅう、オラクルの完全かんぜん子会社こがいしゃとしてわずかのあいだ存在そんざいしたが、同年どうねん2がつにオラクルの子会社こがいしゃであるオラクルUSA (Oracle USA, Inc.) と合併がっぺいしオラクル・アメリカ (Oracle America, Inc.) となった。

そもそもサンはかずあるITベンダーのなかでも、多額たがく投資とうしによって開発かいはつした先進せんしんてき技術ぎじゅつ独占どくせんてき使用しようしようとするのではなく「業界ぎょうかい全体ぜんたい進歩しんぽのため」という理由りゆうしげもなく公開こうかいしてしまうというきわめてオープンなスタンスをっていた。また、オープンソースけいのコミュニティにたいする支援しえんにもきわめて積極せっきょくてきであり、そのような姿勢しせいおおくの技術ぎじゅつしゃから支持しじけていたことが同社どうしゃ経営けいえいじょう資産しさんでもあった。しかしながらそれらの技術ぎじゅつしゃたちは、比較的ひかくてきクローズドな戦略せんりゃく目立めだ合併がっぺいさきのオラクルにたいしてけっしていい印象いんしょうっているものばかりとはえない。実際じっさいに、OSであるSolaris本体ほんたい、パッチの有償ゆうしょうなどのおおきな方針ほうしん転換てんかんおこなわれたことや、競合きょうごうとなったヒューレット・パッカードしゃのハイエンドサーバーけのCPU、Itaniumたいするすべてのソフトウェアの開発かいはつ中止ちゅうし発表はっぴょうされる[12]など、IT企業きぎょうとしてけっして非常識ひじょうしきではないものの、従来じゅうらいのサンではまずかんがえられないような戦略せんりゃく次々つぎつぎ展開てんかいされていることから、従来じゅうらいからのファンの「サンばなれ」が懸念けねんされる状況じょうきょうとなっている。

また一方いっぽうで、サンの強力きょうりょくなハードウェアじょうにそのアーキテクチャに高度こうどにチューニングされたOracleデータベースをすでにインストールした状態じょうたい出荷しゅっかされるデータベース専用せんようハードウェア、Exadata英語えいごばんシリーズが発表はっぴょうされ、きわめて好調こうちょうげを記録きろくしているなど、合併がっぺいによる相乗そうじょう効果こうか着実ちゃくじつがっており、市場いちば関係かんけいしゃからはこの合併がっぺいたか評価ひょうかするこえおおい。

フリーソフトウェアとの関係かんけい

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SunOSは、BSDばんUNIXをもとにしたもので、このBSDばんUNIXのライセンスはGPLのもとになったフリーソフトウェアライセンスであった。

当初とうしょのBSD UNIXはAT&Tのライセンスを必要ひつようとしたが、独自どくじのコードと実装じっそうすすめ、そののAT&Tとのライセンス交渉こうしょうにおいて、AT&TのUNIXライセンスにしばられないものとなった。そのさいにカリフォルニア大学だいがくバークレーこう拡張かくちょう互換ごかんUNIX開発かいはつチームがいたコードは、おおくのUNIXの実装じっそう影響えいきょうあたえている。

この開発かいはつチームにて実装じっそうやソースのレビューとレベルチェックやリポジトリを管理かんりしていたのが、Cshの開発かいはつやUNIXの実装じっそうおおきな影響えいきょうあたえ、スーパーエンジニアとしても有名ゆうめいなビル・ジョイであった。

つまり、フリーソフトウェアを中心ちゅうしんとしたLinuxやGNU思想しそうは、サンの遺伝子いでんし色濃いろこのこしたもので、サンとフリーソフトウェアの親和しんわせいたかさは、こういった歴史れきしてき経緯けいいからている。

また、NFSはサンによりつくられたネットワーク・ファイルシステムの規格きかくであるが、サンからNFSのライセンスをけるとSunOSのソースコードがおくられてていた。現在げんざいのLinuxなどで使つかわれているNFSは独自どくじのフリーな実装じっそう使つかわれている。

NISもサンにより開発かいはつされ、アカウントなどの集中しゅうちゅう管理かんりようとして他社たしゃUNIXやLinuxにも採用さいようされている。

Solarisのデスクトップ環境かんきょうとして 以前いぜんから利用りようしていたCDEからGNUプロジェクトフリーソフトウェアであるGNOME変更へんこうするなど、既存きそんのオープンソースソフトウェアと連携れんけいしたうごきもおおい。GNOMEの開発かいはつ中心ちゅうしんにいる企業きぎょうXimian出資しゅっししていた。また、以前いぜんはLinuxにたいして協力きょうりょくてきであったが、最近さいきん自社じしゃ製品せいひんにLinuxを搭載とうさいしている。

OpenOffice.orgを、フリーソフトウェアかつコピーレフトGNU LGPL公開こうかいしている。OpenOffice.orgは豊富ほうふ機能きのうったオフィススイートで、おおくのプラットフォーム (OS) をサポートしオープンソース運動うんどう加速かそくしている。サンはOpenOffice.orgの成果せいかをもとに、ソース非公開ひこうかいStarOffice日本にっぽんではNECすで商標しょうひょうをとっていたためStarSuite)を開発かいはつ販売はんばいしている。なお、StarOfficeは教育きょういく機関きかんなどにけての無料むりょうライセンスもある。

OpenOffice.orgのベースとなったStarOfficeは当初とうしょ、ドイツのソフトウェア会社かいしゃStarDivisionで開発かいはつされていたソフトウェアで、サンは同社どうしゃ買収ばいしゅうしたのちすぐにオープンソースプロジェクトとして公開こうかい注目ちゅうもくあつめた。当初とうしょはSun業界ぎょうかい基準きじゅん使用しよう許諾きょだく(SISSL)とばれるサン独自どくじのオープンソースライセンスとGNU LGPLとのデュアルライセンスであったが、2005ねん9がつ2にちにSISSLを廃止はいしし、GNU LGPLに一本いっぽんした。

Sun ONE - One : Open Network Environment[1]

オラクルによる買収ばいしゅう、サンのMySQL創業そうぎょうしゃがスピンオフしてMariaDBげたほか[13]、OpenOffice.orgも開発かいはつしゃ一部いちぶ離脱りだつしてLibreOfficeげるなど、プロジェクトの分裂ぶんれつ相次あいついでいる。そのJavaなど今後こんごへの懸念けねん報道ほうどうされている[14]。これにたいしてはオラクルも、2011ねん6がつにOpenOffice.orgをApacheソフトウェア財団ざいだん寄贈きぞうするなど(現在げんざいApache OpenOffice)、一部いちぶプロジェクトについてオープンソースコミュニティへの移管いかんおこなうことで、懸念けねん解消かいしょうつとめている。

シンクライアントベンダとして

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サンはシンクライアントはやくからんでおり、1996ねんごろにJavaStation(2004ねん~2006ねん販売はんばいされていたJava Workstationとまったことなる)を発売はつばいした。そして1999ねん[15]からSun Rayシリーズを販売はんばいしていたが、2013ねん開発かいはつ終了しゅうりょう[16]、2017ねんにサポートを終了しゅうりょうした[17]

Sun Rayシリーズでは、特筆とくひつすべきこととして、ICカードをしするだけで自分じぶんのデスクトップ環境かんきょう即座そくざ表示ひょうじされる「ホットデスク」をサポートしていたことである。サンは2004ねんごろから(日本にっぽん法人ほうじんふくめた)自社じしゃ社内しゃないのほとんどの業務ぎょうむようはしまつがSun Rayになっているとのことであり、たとえば日本にっぽん法人ほうじん勤務きんむするひと国内こくないのほかのオフィスや米国べいこく本社ほんしゃ出張しゅっちょうおもむくときにせき予約よやくしておき、出張しゅっちょうさきせきにあるSun Ray端末たんまつにICカードをむだけでどこでも自分じぶんのデスクトップが表示ひょうじされるのである。ある社員しゃいんは(シリコンバレーから日本にっぽんへのリモート接続せつぞくであるにもかかわらず)あまりに快適かいてき動作どうさするので「本当ほんとうに(自分じぶんのデスクトップ環境かんきょうがおいてある)日本にっぽんのサーバにつながっているのか?」と最初さいしょ混乱こんらんしたむね吐露とろしている[2]

さらに2006ねんにはSun Rayサーバ経由けいゆでリモート デスクトップないしターミナル サービス使つかえるWindowsとも接続せつぞく可能かのうになった[18]。2007ねん1がつには無線むせんLAN搭載とうさいしたノートPCタイプの「2N」を発売はつばいした。消費しょうひ電力でんりょく通常つうじょうのノートPCの半分はんぶんだという。徐々じょじょにではあるが、Sun Rayは国防総省こくぼうそうしょうでも採用さいようされるほどセキュリティがたかいため自治体じちたい大学だいがくなどの教育きょういく機関きかん官公庁かんこうちょう中心ちゅうしん納入のうにゅう実績じっせきがあった[19][20][21][22]

日本にっぽん法人ほうじん

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“Sun”のロゴがいたSBSビル(2008ねん

日本にっぽん法人ほうじんサン・マイクロシステムズ株式会社かぶしきがいしゃ東京とうきょう世田谷せたがや用賀ようがよん丁目ちょうめ10ばん1ごうSBSビル所在しょざいしていた。日本にっぽん法人ほうじんも、2010ねん6月1にちづけ日本にっぽんオラクル株式会社かぶしきがいしゃ兄弟きょうだい会社かいしゃである日本にっぽんオラクルインフォメーションシステムズ株式会社かぶしきがいしゃ2012ねん合同ごうどう会社かいしゃ改組かいそ[23])に統合とうごうされた[24]

F1では1995ねんから2005ねんにかけて、マクラーレンにテレメトリーシステムを供給きょうきゅうしていた。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ サンから、買収ばいしゅうはじめてのCobalt Qubeが登場とうじょう
  2. ^ 米国べいこくサンがMySQLとの買収ばいしゅう合意ごうい発表はっぴょう
  3. ^ マイクロソフトとサンが包括ほうかつ提携ていけいをし、係争けいそう和解わかい合意ごうい
  4. ^ 富士通ふじつうとサンが提携ていけい関係かんけい拡大かくだい
  5. ^ IBMがサンと買収ばいしゅう交渉こうしょうべい報道ほうどう
  6. ^ IBMがサン買収ばいしゅうか、IT市場いちばはどうわる?
  7. ^ Oracle、Sunを買収ばいしゅう
  8. ^ Sun and Oracle
  9. ^ SPARC/Solarisへの投資とうし継続けいぞく表明ひょうめい、オラクル
  10. ^ オラクルのサン買収ばいしゅう欧州おうしゅう委員いいんかい承認しょうにん
  11. ^ Oracle Completes Acquisition of Sun
  12. ^ オラクル、Itaniumチップ対応たいおうソフトウェア開発かいはつ中止ちゅうし決定けってい
  13. ^ MySQLがフォークか、オープンアライアンスが誕生たんじょう
  14. ^ 中国ちゅうごくOSS】Javaはここいちねんリーダー不在ふざい状態じょうたい
  15. ^ COMDEX/Fall '99現地げんちレポート”. pc.watch.impress.co.jp. 2022ねん11月16にち閲覧えつらん
  16. ^ べいOracle、Sun仮想かそうプロダクトの開発かいはつ終了しゅうりょう”. TECH+(テックプラス) (2013ねん7がつ16にち). 2022ねん11月16にち閲覧えつらん
  17. ^ Sun Ray製品せいひん”. Oracle. 2022ねん11月16にち閲覧えつらん。 “Sun Ray製品せいひんはすべて、生産せいさん終了しゅうりょうしています。”
  18. ^ 日経にっけいクロステック(xTECH). “シン・クライアント端末たんまつSun RayでWindows操作そうさ標準ひょうじゅん可能かのう”. 日経にっけいクロステック(xTECH). 2022ねん11月16にち閲覧えつらん
  19. ^ KKSブログ: 大阪大学おおさかだいがく、SunRayシンクライアントを事務じむよう端末たんまつ採用さいよう”. www.kknews.co.jp. 2022ねん11月16にち閲覧えつらん
  20. ^ 阪大はんだい情報じょうほう科学かがく演習えんしゅうシステムをOracle VDIに刷新さっしん--Sun Ray 2を100だい導入どうにゅう”. ZDNet Japan (2012ねん1がつ26にち). 2022ねん11月16にち閲覧えつらん
  21. ^ 1まんにん利用りようするITシステムの利便りべんせい向上こうじょうするため、シンクライアントの刷新さっしんやインフラの強化きょうか実現じつげんしたい。 | NTTデータ カスタマサービス株式会社かぶしきがいしゃ”. www.nttdatacs.co.jp. 2022ねん11月16にち閲覧えつらん
  22. ^ @IT Special: よりセキュアに、より環境かんきょうやさしく、 ――シンクライアントSun Rayの実像じつぞう”. atmarkit.itmedia.co.jp. 2022ねん11月16にち閲覧えつらん
  23. ^ Oracle Japan / オラクルについて / 沿革えんかく”. Oracle. 2023ねん12月3にち閲覧えつらん
  24. ^ 日本にっぽんオラクル株式会社かぶしきがいしゃ (2010ねん6がつ2にち). “サン製品せいひんあつか開始かいしかんするおらせ” (PDF). Oracle. 2023ねん12月3にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク

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