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合同ごうどう会社かいしゃ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

合同ごうどう会社かいしゃ(ごうどうがいしゃ)は、日本にっぽんにおける会社かいしゃ形態けいたいの1つである。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく各州かくしゅう州法しゅうほうみとめられる「LLC (Limited Liability Company) 」をモデルとして導入どうにゅうされたので、日本にっぽんばんLLCともばれる[1]

概要がいよう

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合同ごうどう会社かいしゃのすべての社員しゃいん[注釈ちゅうしゃく 1]は、株式会社かぶしきがいしゃ株主かぶぬし同様どうように、会社かいしゃ債務さいむについて有限ゆうげん責任せきにんである(会社かいしゃほう576じょう4こう参照さんしょう)。このことは、合名ごうめい会社かいしゃぜん社員しゃいんおよび合資ごうし会社かいしゃ無限むげん責任せきにん社員しゃいん会社かいしゃ債務さいむについて無限むげん責任せきにんうこと(どうじょう2こう、3こう参照さんしょう)と対照たいしょうてきである。

出資しゅっし経営けいえい株主かぶぬし取締役とりしまりやく分離ぶんり意思いし決定けってい機関きかん事項じこうによってことなる株式会社かぶしきがいしゃたいし、合同ごうどう会社かいしゃをはじめとする持分もちぶん会社かいしゃ出資しゅっし経営けいえい一体いったいである。そのため、内部ないぶ関係かんけい意思いし決定けってい手続てつづき設計せっけい簡易かんいで、合同ごうどう会社かいしゃ社員しゃいんすべてが有限ゆうげん責任せきにんであることから、新規しんき設立せつりつみとめられなくなった有限ゆうげん会社かいしゃわり小規模しょうきぼ事業じぎょう法人ほうじん利用りようされることがおおい。また、外国がいこく企業きぎょう日本にっぽん法人ほうじん設立せつりつもちいられたり、証券しょうけんさいざらとしても利用りようされたりする[2]

会社かいしゃほう施行しこうによって最低さいてい資本しほんきん制度せいど撤廃てっぱいされ、株式会社かぶしきがいしゃ形態けいたい事業じぎょう法人ほうじんする障壁しょうへきがったが、法人ほうじん登記とうき費用ひようなど設立せつりつ費用ひよう合同ごうどう会社かいしゃ有利ゆうりである(後述こうじゅつ)。

合同ごうどう会社かいしゃ」という名称めいしょうは、会社かいしゃほう制定せいていかんする法制ほうせい審議しんぎかい議事ぎじろくによれば特段とくだん積極せっきょくてき意味いみはなく、たん従来じゅうらいからある合名ごうめい会社かいしゃ合資ごうし会社かいしゃに「ごう」のそろえる意図いとからえらばれたにぎず、社員しゃいん(=出資しゅっししゃ)1めいのみでも設立せつりつ可能かのうである。

以下いか会社かいしゃほうについてはじょうすうのみ記載きさいする。

表記ひょうき方法ほうほう

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合同ごうどう会社かいしゃにおいて、法人ほうじん英文えいぶん表記ひょうきする場合ばあいに「...... LLC」として使用しようされるれいもあり、定款ていかん英文えいぶん社名しゃめい記載きさいするさいにも使用しようできる。

LLC 以外いがいでは、西友せいゆうきゅうEMGマーケティングのように、Godo KaishaのりゃくGK.」や「G.K.」をもちいる法人ほうじんもある。

歴史れきし

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2006ねん平成へいせい18ねん)5がつ1にち施行しこうされた会社かいしゃほうあらたにもうけられた会社かいしゃ形態けいたいで、国税庁こくぜいちょう2014ねん平成へいせい26ねん調査ちょうさやく39,400しゃ存在そんざいする。

2006ねん4がつ30にちまでは、商法しょうほうきゅうだいへん規定きていしていた株式会社かぶしきがいしゃ合名ごうめい会社かいしゃ合資ごうし会社かいしゃと、有限ゆうげん会社かいしゃほう規定きていしていた有限ゆうげん会社かいしゃの4種類しゅるい会社かいしゃ形態けいたいがあったが、あらたな会社かいしゃほうは、旧来きゅうらい株式会社かぶしきがいしゃおよび有限ゆうげん会社かいしゃ(特例とくれい有限ゆうげん会社かいしゃ)を統合とうごうした株式会社かぶしきがいしゃと、合名ごうめい会社かいしゃ合資ごうし会社かいしゃおよび新設しんせつ合同ごうどう会社かいしゃ包含ほうがんする持分もちぶん会社かいしゃ、の2しゅ会社かいしゃ類型るいけい整理せいりした。

制度せいど開始かいしから1ねんやく5,000しゃ設立せつりつされ(合資ごうし会社かいしゃとしやく1,600しゃ合名ごうめい会社かいしゃとしやく100しゃ)、としうごとに設立せつりつすうえ、2014ねん平成へいせい26ねんにはやく19,800しゃ設立せつりつされるまでになった(株式会社かぶしきがいしゃやく86,000しゃ)。

現在げんざい合同ごうどう会社かいしゃ設立せつりつがとても簡単かんたんなので、個人こじん事業じぎょうぬしの「法人ほうじん」だけでなく、だい企業きぎょう大学だいがく研究けんきゅう機関きかんとう参画さんかくするものまで、さまざまな規模きぼ共同きょうどう事業じぎょう子会社こがいしゃ事業じぎょうベンチャー事業じぎょうなどで「合同ごうどう会社かいしゃ」の形態けいたい利用りようされている。

また、Google、Apple、Amazon、ワーナーブラザースジャパン、などの外資がいしけい企業きぎょう日本にっぽん法人ほうじん従来じゅうらいの「株式会社かぶしきがいしゃ」から「合同ごうどう会社かいしゃ」に組織そしき変更へんこうしている。

略記りゃっき

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合同ごうどう会社かいしゃ略記りゃっきは「(どう)」、銀行ぎんこう口座こうざのカナ略称りゃくしょうには「(ド)」が使つかわれる。金融きんゆう機関きかんのシステムによっては法人ほうじん略称りゃくしょう存在そんざいせず、「ゴウドウガイシャ **」として登録とうろくされている法人ほうじん口座こうざ存在そんざいする。

旧来きゅうらい会社かいしゃほうもとで、「(ごう)」は合名ごうめい会社かいしゃ合資ごうし会社かいしゃ区別くべつできないために2文字もじの「()」「()」が使つかわれていたことにならい、合同ごうどう会社かいしゃは「(どう)」となっている。

合同ごうどう会社かいしゃ特徴とくちょう

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合同ごうどう会社かいしゃ特徴とくちょうは、以下いかのとおりである。

持分もちぶん会社かいしゃとしての特徴とくちょう

持分もちぶん会社かいしゃは、相互そうご人的じんてき信頼しんらい関係かんけいゆうし、日常にちじょうてき会合かいごうできるしょう人数にんずうもの出資しゅっしして共同きょうどう事業じぎょういとなむことを予定よていした会社かいしゃ類型るいけいであり、以下いか特徴とくちょうつ。したがって、合名ごうめい会社かいしゃ合資ごうし会社かいしゃ合同ごうどう会社かいしゃ共通きょうつうする。

  • 会社かいしゃ内部ないぶ関係かんけい社員しゃいん相互そうごあいだおよび会社かいしゃ社員しゃいんあいだ法律ほうりつ関係かんけい)の規律きりつは、原則げんそくとして定款ていかん自治じちみとめられ、その設計せっけい自由じゆうである。株式会社かぶしきがいしゃ取締役とりしまりやく執行しっこうやくのような機関きかんかれず、原則げんそくとしてぜん社員しゃいんみずか会社かいしゃ業務ぎょうむ執行しっこうたる(590じょうだい1こう)。定款ていかんさだめによって業務ぎょうむ執行しっこうする社員しゃいんを(さらにそのなか会社かいしゃ代表だいひょうする社員しゃいんを)限定げんていすることも可能かのうである。
  • 株式会社かぶしきがいしゃは、会社かいしゃ最高さいこう意思いし決定けってい機関きかん株主かぶぬし総会そうかい)の構成こうせいいん地位ちい株主かぶぬし)と、会社かいしゃ業務ぎょうむ執行しっこう会社かいしゃ代表だいひょうする機関きかん取締役とりしまりやく代表だいひょう取締役とりしまりやくひとし)は分離ぶんりしているが、両者りょうしゃ原則げんそくてき分離ぶんりしていない所有しょゆう経営けいえい一致いっちしている人的じんてき会社かいしゃが、持分もちぶん会社かいしゃ合名ごうめい会社かいしゃ合資ごうし会社かいしゃ合同ごうどう会社かいしゃ)の社員しゃいんである[3]
  • 原則げんそくとして定款ていかん作成さくせい変更へんこうにはぜん社員しゃいん一致いっちようする(575じょう637じょう)。つまり、社員しゃいんいちにん一人ひとりがこれらの事項じこうについて拒否きょひけんゆうしていることになる(株式会社かぶしきがいしゃ場合ばあい非公開ひこうかい会社かいしゃでも株主かぶぬし総会そうかい特別とくべつ決議けつぎ定款ていかん変更へんこうできる)。
  • 社員しゃいん持分もちぶん譲渡じょうとあらたな社員しゃいん加入かにゅう社員しゃいん全部ぜんぶ同意どうい必要ひつようとする(585じょう604じょう だい2こう)(株式かぶしき譲渡じょうと非公開ひこうかい会社かいしゃでは自由じゆう譲渡じょうと制限せいげん株式かぶしきであっても取締役とりしまりやくかい決議けつぎりる)。
  • 利益りえき分配ぶんぱい議決ぎけつけん分配ぶんぱいも、出資しゅっし割合わりあいとははなして自由じゆうみとめられる(非公開ひこうかい会社かいしゃたる株式会社かぶしきがいしゃでは機関きかん設計せっけい自由じゆうだが、株主かぶぬし平等びょうどう原則げんそくがある。きゅう有限ゆうげん会社かいしゃともことなる)。

合同ごうどう会社かいしゃとして固有こゆう特徴とくちょう

以下いかてんは、合名ごうめい会社かいしゃ合資ごうし会社かいしゃとはことなる。

  • 社員しゃいんすべ有限ゆうげん責任せきにん社員しゃいんであり(576じょうだい4こう)、また社員しゃいん間接かんせつ有限ゆうげん責任せきにんのみをう(580じょうだい2こう株式会社かぶしきがいしゃきゅう有限ゆうげん会社かいしゃ)。
  • かく社員しゃいん出資しゅっし義務ぎむい、信用しんよう労務ろうむ出資しゅっしみとめられておらず、また設立せつりつ登記とうきをするときまでに全額ぜんがくはらみをようする(578じょう株式会社かぶしきがいしゃきゅう有限ゆうげん会社かいしゃ)。
    • 社員しゃいんになろうとするものは、原則げんそくとして定款ていかん作成さくせい合同ごうどう会社かいしゃ設立せつりつ登記とうきをするときまでに、その出資しゅっしかか金銭きんせん全額ぜんがくはらみ、またはその出資しゅっしかか金銭きんせん以外いがい財産ざいさん全部ぜんぶ給付きゅうふしなければならない(578じょう)。
  • 持分もちぶん払戻はらいもどしは請求せいきゅうできず、また、退社たいしゃさいしての払戻はらいもどしは規制きせいされる(632じょう株式会社かぶしきがいしゃきゅう有限ゆうげん会社かいしゃ)。
  • 持分もちぶん全部ぜんぶまたは一部いちぶゆずけることができず、取得しゅとくした場合ばあいには、消滅しょうめつする(587じょう)。
  • 任意にんい清算せいさんみとめられない(668じょう1こう合名ごうめい合資ごうし会社かいしゃことなり無限むげん責任せきにん社員しゃいんがおらず、債権さいけんしゃ保護ほご手続てつづき必要ひつようとなるため)。

設立せつりつ費用ひよう

合同ごうどう会社かいしゃ設立せつりつ費用ひようやく10まんえんである。また「電子でんし定款ていかん」を使つかえば6まんえん設立せつりつできる(定款ていかん認証にんしょう手数料てすうりょう最低さいてい3まんえん[4]登録とうろく免許めんきょぜい最低さいてい6まんえん[5][6]など)。 比較ひかくとして、株式会社かぶしきがいしゃ設立せつりつ費用ひようやく24まんえんである。

資本しほんきん

資本しほんきんは1えんでもみとめられている。また合同ごうどう会社かいしゃには株式かぶしきがない。したがって株式かぶしき上場じょうじょうすることはできない。

合同ごうどう会社かいしゃ代表だいひょうしゃ

合同ごうどう会社かいしゃ代表だいひょうしゃは「代表だいひょう社員しゃいん」である。一方いっぽう株式会社かぶしきがいしゃ場合ばあいは「代表だいひょう取締役とりしまりやく」である。

決算けっさん

合同ごうどう会社かいしゃには決算けっさん公告こうこく義務ぎむがない。一方いっぽう株式会社かぶしきがいしゃ場合ばあい決算けっさん公告こうこく義務ぎむがある。

社会しゃかい保険ほけん

合同ごうどう会社かいしゃ社会しゃかい保険ほけん加入かにゅう義務ぎむである。(株式会社かぶしきがいしゃおなじく社会しゃかい保険ほけん加入かにゅう義務ぎむである)

税金ぜいきん

合同ごうどう会社かいしゃには、法人ほうじんぜい法人ほうじん住民じゅうみんぜい法人ほうじん事業じぎょうぜい消費しょうひぜいがかかる。

法人ほうじん課税かぜい

アメリカでLLCが数多かずおお設立せつりつされるようになったおおきな理由りゆうひとつは法人ほうじん課税かぜいがあげられる、パススルー課税かぜいとは、法人ほうじん所得しょとくではなく出資しゅっししゃ所得しょとく課税かぜいする税制ぜいせいであり、アメリカのLLC米国べいこく合同ごうどう会社かいしゃ)は、法人ほうじん課税かぜいパススルー課税かぜい選択せんたくできる。どう時期じき導入どうにゅうされた類似るいじ制度せいどで、法人ほうじんかくはないがパススルー課税かぜいみとめられるものに、日本にっぽんばんLLPとされる有限ゆうげん責任せきにん事業じぎょう組合くみあいがある。合同ごうどう会社かいしゃでパススルー課税かぜい実現じつげんするために、匿名とくめい組合くみあいわせてGK-TKスキームもちいられる。

米国べいこく税法ぜいほうでは、きゅう有限ゆうげん会社かいしゃおなじくパススルー課税かぜい対象たいしょうとなる法人ほうじんかくであるため、有限ゆうげん会社かいしゃほう廃止はいし以降いこう設立せつりつされた米国べいこく企業きぎょう日本にっぽん法人ほうじんは、法人ほうじんかくとして合同ごうどう会社かいしゃ選択せんたくすることがおおい。すでに株式会社かぶしきがいしゃとして存在そんざいする米国べいこく企業きぎょう日本にっぽん法人ほうじんや、買収ばいしゅうした子会社こがいしゃ関連かんれん会社かいしゃを、合同ごうどう会社かいしゃ改組かいそ新設しんせつ合併がっぺいする事例じれい存在そんざいする。

現在げんざい日本にっぽん税制ぜいせいでは、株式会社かぶしきがいしゃ合同ごうどう会社かいしゃにかかる税金ぜいきんおなじである。

社員しゃいん

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社員しゃいん種類しゅるい

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代表だいひょう社員しゃいん

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合同ごうどう会社かいしゃ経営けいえいトップは「代表だいひょう社員しゃいん」である。代表だいひょう社員しゃいん合同ごうどう会社かいしゃ業務ぎょうむ執行しっこうし、合同ごうどう会社かいしゃ代表だいひょうする。ただし、定款ていかんまたは定款ていかんさだめにもとづく社員しゃいん互選ごせんによって業務ぎょうむ執行しっこうする社員しゃいんなかから会社かいしゃ代表だいひょうする社員しゃいんさだめることも可能かのうである。この代表だいひょう社員しゃいんは、株式会社かぶしきがいしゃにおける「代表だいひょう取締役とりしまりやくけん株主かぶぬし」に相当そうとうする。定款ていかんさだめることによって、代表だいひょう社員しゃいんから法人ほうじん代表だいひょうしゃ会長かいちょう社長しゃちょう理事りじちょうなど)をさだめることができる。

業務ぎょうむ執行しっこう社員しゃいん

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持分もちぶん会社かいしゃ社員しゃいん原則げんそくとして業務ぎょうむ執行しっこうする。ただし、定款ていかんさだめによって業務ぎょうむ執行しっこうする社員しゃいん限定げんていすることも可能かのうである。株式会社かぶしきがいしゃ取締役とりしまりやくかい設置せっち会社かいしゃ)における取締役とりしまりやくけん株主かぶぬし相当そうとうする。

社員しゃいん上記じょうき以外いがい

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定款ていかんさだめによって業務ぎょうむ執行しっこうする社員しゃいん限定げんていした場合ばあいのそれ以外いがい社員しゃいんは、定款ていかんには記載きさいされるが、登記とうき事項じこうではないため登記とうき簿にはらない。株式会社かぶしきがいしゃにおける株主かぶぬし相当そうとうする。

法人ほうじん代表だいひょう社員しゃいんとなることも可能かのうである。この場合ばあい法人ほうじん職務しょくむ執行しっこうしゃかなければならない。これは業務ぎょうむ執行しっこう社員しゃいんたる法人ほうじん実務じつむおこな自然人しぜんじんさだめたものであり業務ぎょうむ執行しっこう社員しゃいんとは別物べつものである。

加入かにゅう退社たいしゃ

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社員しゃいんあたらしく合同ごうどう会社かいしゃ加入かにゅうするときには、出資しゅっしによるものと持分もちぶん譲渡じょうとによるものがある。社員しゃいん退社たいしゃするときは、任意にんい退社たいしゃ法定ほうてい退社たいしゃ類型るいけいがある。

電子でんし定款ていかん活用かつよう

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合同ごうどう会社かいしゃは、設立せつりつ手続てつづきのとき公証こうしょうじんによる認証にんしょう不要ふようで、費用ひようめん負担ふたんやすくすることができる。一方いっぽう株式会社かぶしきがいしゃとう設立せつりつする場合ばあいは、公証こうしょうじんによる認証にんしょう必要ひつようである。

会社かいしゃ設立せつりつするさい最初さいしょ作成さくせいする定款ていかんが「原始げんし定款ていかん」である。通常つうじょう書類しょるいで「定款ていかん」を作成さくせいして法務局ほうむきょく提出ていしゅつすると、印紙いんし税法ぜいほうにより定款ていかん収入しゅうにゅう印紙いんし4まんえん貼付ちょうふようするのが一般いっぱんてきである。しかし、合同ごうどう会社かいしゃ設立せつりつするときは、「電子でんし定款ていかん」で作成さくせいすると収入しゅうにゅう印紙いんし4まんえん全額ぜんがく免除めんじょされる。その結果けっか合同ごうどう会社かいしゃを6まんえん設立せつりつできる。

電子でんし定款ていかん電子でんし署名しょめい必要ひつようである。行政ぎょうせい書士しょし司法しほう書士しょし弁護士べんごし依頼いらいして、定款ていかん電子でんし署名しょめい利用りようする事例じれいおおい。このさい定款ていかん作成さくせい電子でんし署名しょめい登記とうき手続てつづき一括いっかつして依頼いらいすることが一般いっぱんてきだが、自身じしん定款ていかん作成さくせいして電子でんし署名しょめいのみを依頼いらいし、以後いご登記とうき手続てつづき自身じしんおこなうこともできる。電子でんし署名しょめいICカードリーダー電子でんし証明しょうめいしょ住民じゅうみん基本きほん台帳だいちょうカードまたは個人こじん番号ばんごうカードがあれば社員しゃいん本人ほんにん実行じっこう可能かのうで、すべてを自身じしん実行じっこう可能かのうである。

電子でんし定款ていかんは、PDFファイルの形式けいしきで、フロッピーディスクまたはISO9660レベル1で記録きろくしたCD-R提出ていしゅつする。

設立せつりつ登記とうき申請しんせいさいは、定款ていかんそのものに貼付ちょうふする収入しゅうにゅう印紙いんし前述ぜんじゅつとおり、かみベースの定款ていかん場合ばあいのみ)のほかに、登録とうろく免許めんきょぜいとして収入しゅうにゅう印紙いんし6まんえんようするが、電子でんし定款ていかんによる申請しんせい免除めんじょされない。登記とうき申請しんせいをオンラインでおこな場合ばあい2013ねん平成へいせい25ねん)3がつ31にちまでは租税そぜい特別とくべつ措置そちほうだい84じょうの5により3,000えん減額げんがくされた。

株式会社かぶしきがいしゃくら資本しほんきん絶対ぜったいがく低額ていがくであることがおおいので、電子でんし定款ていかん活用かつようする合同ごうどう会社かいしゃ申請しんせい比率ひりつたかい。

合同ごうどう会社かいしゃれい

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日本にっぽんにおける合同ごうどう会社かいしゃは、外資がいしけい企業きぎょう現地げんち法人ほうじんたる単独たんどく出資しゅっし会社かいしゃ完全かんぜん子会社こがいしゃ)におおく、株式会社かぶしきがいしゃとうから改組かいそされた事例じれいおおい。ビジネスモデルじょう単体たんたいでの上場じょうじょう考慮こうりょする必要ひつようがないこと、株式会社かぶしきがいしゃ比較ひかくしてランニングコストが安価あんかであること、本国ほんごく法人ほうじん監査かんさければ日本にっぽん法人ほうじん監査かんさ不要ふようであること、BtoC取引とりひきおおく「株式会社かぶしきがいしゃ形態けいたいであることによる信用しんようりょくにこだわる必要ひつようがないことなどが理由りゆうかんがえられる[7]

また、匿名とくめい組合くみあいわせたGK-TKスキームでSPCとして使つかうこともおおい。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ ここでいう社員しゃいんとは会社かいしゃ出資しゅっししゃ意味いみし、日常にちじょうでいう「社員しゃいん」(会社かいしゃいん従業じゅうぎょういん)とはことなる。

出典しゅってん

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  1. ^ だいいち法規ほうき (2006ねん1がつ12にち). “企業きぎょうっておくべき法律ほうりつ知識ちしき 日本にっぽんばんLLP、日本にっぽんばんLLCとは?”. ITmediaエンタープライズ. 2021ねん8がつ4にち閲覧えつらん
  2. ^ 川井かわい信之のぶゆき 2021(iBooks、371-372/375)
  3. ^ 川井かわい信之のぶゆき 2021(iBooks、370/375)
  4. ^ 公証こうしょう事務じむ”. 日本にっぽん公証こうしょうじん連合れんごうかい. 2024ねん1がつ11にち閲覧えつらん
  5. ^ No.7191 登録とうろく免許めんきょぜい税額ぜいがくひょう”. 国税庁こくぜいちょう (2023ねん4がつ1にち). 2024ねん1がつ11にち閲覧えつらん
  6. ^ 合同ごうどう会社かいしゃ設立せつりつ手続てつづきについて”. 法務省ほうむしょう. 2024ねん1がつ11にち閲覧えつらん
  7. ^ いまさらけない、「GAFA」日本にっぽん法人ほうじんがすべて「合同ごうどう会社かいしゃ」の理由りゆう”. 税理士ぜいりしドットコムトピックス (2018ねん9がつ27にち). 2021ねん8がつ4にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 川井かわい信之のぶゆきにとるようにわかる会社かいしゃほう入門にゅうもん』かんき出版しゅっぱん、2021ねんASIN B08T9BY2R3ISBN 978-4761275297 

関連かんれん書籍しょせき

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  • 図解ずかい いちばんやさしく丁寧ていねいいた合同ごうどう会社かいしゃ設立せつりつ運営うんえいほん」( 中島なかじま よしひさし (ちょ)、成美せいびどう出版しゅっぱん、2020ねん2がつ19にち)
  • 個人こじん事業じぎょう法人ほうじん どっちがいいかかんがえてみた (高山たかやま先生せんせい若手わかてスタッフシリーズ)」(高山たかやま 弥生やよい (ちょ)、税務ぜいむ研究けんきゅうかい出版しゅっぱんきょく、 2021ねん9がつ18にち)
  • 改訂かいてい5はん 個人こじん会社かいしゃにするメリット」(関根せきね 俊輔しゅんすけ (ちょ)、新星しんせい出版しゅっぱんしゃ、2021ねん12月1にち)
  • 法人ほうじんりの活用かつよう留意りゅういてん(だい3はん) 」(柴田しばたともひさし (ちょ), 青木あおき治雄はるお (ちょ)、税務ぜいむ研究けんきゅうかい出版しゅっぱんきょく、2022ねん9がつ9にち)

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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