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SPARC Enterprise

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

SPARC Enterprise (スパーク・エンタープライズ)シリーズは、 SPARC V9アーキテクチャのUNIXサーバシリーズである。サン・マイクロシステムズげんオラクル)と富士通ふじつう共同きょうどう開発かいはつし、2007ねん導入どうにゅうされた。2004ねん6がつ1にちにサン・マイクロシステムズと富士通ふじつうでSolarisとSPARC搭載とうさいしたサーバの製品せいひんラインを統合とうごうする発表はっぴょうおこない、サンのSun Fire富士通ふじつうPRIMEPOWERのそれぞれの後継こうけいとして「SPARC Enterprise」の共通きょうつうブランドで各社かくしゃから販売はんばいされた。開発かいはつコードめいは APL(Advanced Product Line)。

2010ねん以降いこうあたらしいSPARC CMTプロセッサ(SPARC T3以降いこう)を搭載とうさいしたサーバが、オラクルのSPARC Tシリーズサーバとしてブランドされ、SPARC Enterpriseブランドは廃止はいしされた。富士通ふじつうは2011ねん2がつからSPARC TシリーズのT3-1、T3-2、T3-4、T4-1、T4-2、T4-4についてSPARC Enterprise Tシリーズのラインで販売はんばいつづけたが、2015ねん12月にシリーズぜん製品せいひん販売はんばい終了しゅうりょうした。富士通ふじつうは2013ねんのSPARC M10からブランドをSPARC Servers変更へんこうして、つづきSPARC Mシリーズ、Tシリーズの販売はんばい継続けいぞくした[1]

モデル ラックすう 最大さいだいプロセッサすう プロセッサ周波数しゅうはすう 最大さいだいメモリ 最大さいだいディスク容量ようりょう 一般いっぱん提供ていきょう開始かいし
M3000 2 1x SPARC64 VII、VII+ 2.52、2.75 GHz(VII)または2.86 GHz(VII+) 64 GB 4x2.5インチSAS 2008ねん10がつ(2.52 GHz)、2010ねん2がつ(2.75 GHz)、2011ねん4がつ(VII+)
M4000 6 4x SPARC64 VI、VII、VII+ 2.15 GHz(VI)、2.53 GHz(VII)、または2.66 GHz(VII+) 256 GB 2x2.5インチSAS 2007ねん4がつ(VI)、2008ねん7がつ(VII)、2010ねん12月(VII+)
M5000 10 8x SPARC64 VI、VII、VII+ 2.15 GHz(VI)、2.53 GHz(VII)、または2.66 GHz(VII+) 512 GB 4x2.5インチSAS 2007ねん4がつ(VI)、2008ねん7がつ(VII)、2010ねん12月(VII+)
M8000 該当がいとうなし 16x SPARC64 VI、VII、VII+ 2.28、2.4 GHz(VI)、2.52、2.88 GHz(VII)、または3.0 GHz(VII+) 1024 GB 16x2.5インチSAS 2007ねん4がつ(VI)、2008ねん7がつ(VII)、2010ねん12月(VII+)
M9000 該当がいとうなし 32/64x SPARC64 VI、VII、VII+ 2.28、2.4 GHz(VI)、2.52、2.88 GHz(VII)、または3.0 GHz(VII+) 4096 GB 64x2.5インチSAS 2007ねん4がつ(VI)、2008ねん7がつ(VII)、2010ねん12月(VII+)
T1000 1 1x UltraSPARC T1 1.0 GHz 32 GB 1x3.5インチSATAまたは2×2.5インチSAS 2006ねん3がつ
T2000 2 1x UltraSPARC T1 1.0、1.2、1.4 GHz 64 GB 最大さいだい4x2.5インチSAS 2005ねん12月
T5120 1 1x UltraSPARC T2 1.2、1.4 GHz 128 GB 最大さいだい8x2.5インチSAS 2007ねん11月
T5140 1 2x UltraSPARC T2+ 1.2、1.4 GHz 128 GB 最大さいだい8x2.5インチSAS 2008ねん4がつ
T5220 2 1x UltraSPARC T2 1.2、1.4 GHz 128 GB 最大さいだい16x2.5インチSAS 2007ねん11月
T5240 2 2x UltraSPARC T2+ 1.2、1.4、1.6 GHz 256 GB 最大さいだい16x2.5インチSAS 2008ねん4がつ
T5440 4 4x UltraSPARC T2+ 1.2、1.4、1.6 GHz 512 GB 最大さいだい4x2.5インチSAS 2008ねん10がつ

SPARC64プロセッサベースのモデル(Mシリーズ)

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ミッドレンジおよびハイエンドのSPARC64 VISPARC64 VIISPARC64 VII+プロセッサベースのサーバーは「Mシリーズ」とばれた。 「M」は、メインフレームクラスのマシンと同様どうようRAS機能きのうのことを意味いみしている[2]

Mシリーズは最初さいしょのモデル (M4000-9000)が2007ねん4がつから販売はんばい開始かいしし、2013ねん9がつにシリーズぜん製品せいひん販売はんばい終了しゅうりょうした[1]

  • M3000 - 最大さいだい1CPU/4コア,2コア, ラックマウント(2U)
  • M4000 - 最大さいだい4CPU/16コア, ラックマウント(6U)
  • M5000 - 最大さいだい8CPU/32コア, ラックマウント(10U)
  • M8000 - 最大さいだい16CPU/64コア, フロアスタンド
  • M9000 - 最大さいだい64CPU/256コア, フロアスタンド

プロセッサの種類しゅるい

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SPARC64 VIはデュアルコアプロセッサであり、かくコアは双方向そうほうこう垂直すいちょくマルチスレッド(VMT)をそなえている[3]最大さいだいすうのプロセッサで構成こうせいされたM9000サーバは、256の同時どうじスレッドの実行じっこうをサポートした。 VMTは、きめがあらいマルチスレッド実装じっそうである。 SPARC64 VIのかくコアは、2つのストランドまたはスレッドを処理しょりできる。 VMTは、イベントにもとづいて実行じっこうを1つのストランドからべつのストランドにえる。べつのスレッドから命令めいれい実行じっこうするには、パイプラインを保存ほぞん/フラッシュして、のスレッドのレジスタにえる必要ひつようがある。これらのイベントには、L2キャッシュミス、ハードウェアタイマー例外れいがいみ、またはマルチスレッド関連かんれん制御せいぎょ命令めいれいふくまれる。これは、スイッチオンイベント(SOE)スレッドともばれる。

2008ねん富士通ふじつうクアッドコアプロセッサであるSPARC64 VIIをリリースした。かくコアは、双方向そうほうこう同時どうじマルチスレッディングをそなえていた。それまで利用りようちゅうのMクラスサーバーは、SPARC64 VIIプロセッサにアップグレードすることができた[4]

2010ねん富士通ふじつうSPARC64 VII+ [5]をリリースした。これは、以前いぜんのバージョンよりもたか頻度ひんどで、よりおおきなL2キャッシュで動作どうさした。 SPARC64 VII、SPARC64 VII+プロセッサモジュールには4つの物理ぶつりコアがふくまれており、かくコアは2つのスレッドを実行じっこうできる。かく物理ぶつりコアは、両方りょうほうのスレッドを同時どうじ実行じっこうできる。 同時どうじマルチスレッディング使用しようすると、コンテキスト時間じかんがなく、2つのスレッドが命令めいれいパイプラインをスムーズに共有きょうゆうする。両方りょうほう実行じっこうする準備じゅんびができると、スーパースカラー命令めいれい発行はっこうのためにサイクルを交互こうごえ、必要ひつようおうじて機能きのうユニットを共有きょうゆうする。

Mシリーズの重要じゅうよう機能きのうは、おなじシステムとドメインでプロセッサ世代せだいとクロック速度そくど混在こんざいさせられることである。すべてのMシリーズサーバには、SPARC64 VIとSPARC64 VIIの両方りょうほうのCPUをインストールでき、もっとおそいCPUにあわせてクロックダウンすることなく、ネイティブの速度そくど実行じっこうされる。

ベンチマーク記録きろく

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2007ねん4がつ17にち、Sun SPARC Enterprise M9000はLINPACKベンチマークで1.032T FLOPSを達成たっせいし、当時とうじ最速さいそくのシングルシステムスーパーコンピュータとなった[6]

2008ねん5がつ2にち、Sun SPARC Enterprise M9000サーバーは、Oracle Database使用しようして1テラバイトのスケールファクタでTPC-Hデータウェアハウスベンチマークで世界せかいのパフォーマンス記録きろく達成たっせいした[7]

2009ねん2がつ19にち時点じてんで、SPARC Enterprise M8000は、SPEC OMP2001ベンチマークにて、中型ちゅうがた[8]大型おおがた[9]両方りょうほうで、64スレッドにおける世界せかい記録きろく保持ほじしている。

UltraSPARC Tプロセッサベースのモデル(Tシリーズ)

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Tシリーズは最初さいしょのモデル (T1000)が2007ねん4がつから販売はんばい開始かいしし、2011ねん3がつにシリーズぜん製品せいひん販売はんばい終了しゅうりょうした[1]

UltraSPARC T1採用さいようしていたSun Fire T1000、T2000が、SPARC Enterpriseに名称めいしょう変更へんこうされた。

  • T1000 - 1CPU/8コア, ラックマウント(1U)
  • T2000 - 1CPU/8コア, ラックマウント(2U)

2007ねん10がつ、サンはUltraSPARC T2ベースのサーバーをSPARC Enterpriseラインに追加ついかした。

  • T5120 - 1CPU/8コア, ラックマウント(1U)
  • T5220 - 1CPU/8コア, ラックマウント(2U)

2008ねん4がつ、サンはUltraSPARC T2 PlusベースのサーバーをSPARC Enterpriseラインに追加ついかした。

  • T5140 - 2CPU/16コア, ラックマウント(1U)
  • T5240 - 2CPU/16コア, ラックマウント(2U)

2008ねん10がつ、サンは4-way SMP UltraSPARC T2 Plusベースのサーバーをリリースした。

  • T5440 - 4CPU/32コア, ラックマウント(4U)

オペレーティングシステム

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SPARC EnterpriseモデルはSolaris 10およびSolaris 11実行じっこうをライセンスされている。

パーティショニングと仮想かそう

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Mシリーズは、動的どうてきドメイン動的どうてきさい構成こうせい[10][11][12]をサポートしており、単一たんいつのマシンを複数ふくすう電気でんきてき分離ぶんりされたパーティションに分割ぶんかつできる。

UltraSPARC T1、UltraSPARC T2/T2+モデルは、論理ろんりドメイン使用しようしてシステムを分割ぶんかつする。

MシリーズモデルとTシリーズモデルはどちらもSolarisコンテナをサポートしており、かくダイナミックドメインまたは論理ろんりドメインで最大さいだい8191のグローバルゾーンをサポートする。

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c SPARC Enterprise - いままでに発表はっぴょうした製品せいひん”. 富士通ふじつう. 2017ねん8がつ14にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2021ねん3がつ27にち閲覧えつらん
  2. ^ Community Development Comes to Hardware”. Sun Microsystems. 2009ねん6がつ14にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2007ねん4がつ21にち閲覧えつらん
  3. ^ Improving Application Efficiency Through Chip Multi-Threading”. Sun Microsystems. 2008ねん2がつ20日はつか閲覧えつらん
  4. ^ Sun SPARC Enterprise Server Family Architecture: Flexible, Mainframe-Class Compute Power for the Datacenter”. Sun Microsystems. 2008ねん4がつ21にち閲覧えつらん
  5. ^ Oracle and Fujitsu Enhance SPARC Enterprise M-Series Servers with New Processor”. Oracle. 2011ねん12月21にち閲覧えつらん
  6. ^ Sun SPARC Enterprise M9000 Breaks a Teraflop”. supercomputingonline.com. 2008ねん1がつ14にち閲覧えつらん [リンク]
  7. ^ Sun SPARC Enterprise M9000 server”. Transaction Processing Performance Council. 2008ねん5がつ21にち閲覧えつらん
  8. ^ SPARC Enterprise M8000 server”. SPEC. 2009ねん2がつ18にち閲覧えつらん
  9. ^ SPARC Enterprise M8000 server”. SPEC. 2008ねん2がつ18にち閲覧えつらん
  10. ^ Introduction to Dynamic Reconfiguration and Capacity on Demand for Sun SPARC Enterprise Servers”. Sun Microsystems. 2007ねん4がつ25にち閲覧えつらん
  11. ^ High Availability in the Data Center”. Sun Microsystems. 2007ねん4がつ26にち閲覧えつらん
  12. ^ System and Resource Management”. Sun Microsystems. 2007ねん4がつ26にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク

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