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VP2000

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

VP2000は、富士通ふじつうベクトルがたスーパーコンピュータだいだんのシリーズ。 1988ねん12月に発表はっぴょうされ[1]富士通ふじつう以前いぜんFACOM VPモデルEシリーズの後継こうけいとなった。 VP2000の後継こうけいとして、1995ねんに、最大さいだい256のベクトルプロセッサをそなえたちょう並列へいれつスーパーコンピュータであるVPP300が登場とうじょうした。

VP2000は、パフォーマンス向上こうじょうのためにレジスタベースのベクトルプロセッサを使用しようしており、以前いぜん設計せっけいおおくのてん類似るいじしており、Cray-1とも類似るいじしていた。パフォーマンスを向上こうじょうさせるために、ベクトルユニットは、クロックサイクルごとに2つの結果けっかをリタイアできる特別とくべつ乗算じょうざんおよび加算かさん命令めいれいをサポートしていた。この命令めいれい「チェーン」は、おおくのスーパーコンピューターアプリケーションで一般いっぱんてき採用さいようされている。

もう1つのちがいは、プロセッサのメインスカラーユニットがベクトルユニットの半分はんぶん速度そくど実行じっこうされたことである。アムダールの法則ほうそくによれば、コンピュータはもっとおそいユニットの速度そくど実行じっこうされる傾向けいこうがあり、この場合ばあい、プログラムがほとんどの時間じかんをベクトルユニットでついやさないかぎり、スカラーのパフォーマンスがおそいと、おな速度そくどでもCray-1のパフォーマンスの1/2になってしまう。

以前いぜんのVPシリーズにかんするおも不満ふまんの1つは、メモリ帯域たいいきはばかぎられていたことだった。マシン自体じたいはプロセッサですぐれたパフォーマンスを発揮はっきしたが、データが不足ふそくすることがよくあった。 VP2000シリーズの場合ばあい、これは、2番目ばんめのロード/ストアユニットをスカラーユニットに追加ついかし、メモリ帯域たいいきはばを2ばいにすることで対処たいしょされた。

マシンのいくつかのバージョンは、ことなる価格かかく販売はんばいされた。ローエンドVP2100は8 nsサイクルタイムで実行じっこうされ、0.5 GFLOPS(Crayのやく4〜8ばいのパフォーマンス)であったのにたいし、 VP2200およびVP2400はサイクルタイムを4 nsに短縮たんしゅくして、ピークに1.25〜2.5 GFLOPSを記録きろくした。ハイエンドのVP2600は3.2 nsで動作どうさし、5 GFLOPSを記録きろくした。すべてのモデルは、スカラープロセッサを1つだけそなえた/10バージョン、または2つそなえた/20提供ていきょうされ、2200および2400も4つをそなえた/40構成こうせい提供ていきょうされた。ロード/ストアユニットが追加ついかされたため、スカラーユニットを追加ついかすると、メモリ帯域たいいきはば増加ぞうかし、複数ふくすうのプログラムを同時どうじ実行じっこうできるため、ベクターユニットでなにかが処理しょりされる可能かのうせいたかくなり、パフォーマンスが向上こうじょうした。かくユニットのパフォーマンスは1.5ばいになるとわれており、VP2400/40は以前いぜんのVP2600/20のパフォーマンスと一致いっちする。

マシンには、 UNIX互換ごかんUXP/MまたはMVS互換ごかんVSP/Sオペレーティングシステム付属ふぞくしており、どちらもアムダールから提供ていきょうされた。後者こうしゃFORTRANプログラムに使用しようされ、前者ぜんしゃ通常つうじょうC使用しようされ、ベクトルコンパイラーは両方りょうほう言語げんご提供ていきょうされた。

企業きぎょう同様どうように、富士通ふじつう次世代じせだいちょう並列へいれつ処理しょり採用さいようし、VP2000ファミリが市場いちば販売はんばいされていた時間じかんながくはなかった。それにもかかわらず、100だい以上いじょう販売はんばいされ、1993ねん7がつには180だいがインストールされた。

記録きろく
先代せんだい
Cray Y-MP/832
2.144 G FLOPS
スーパーコンピュータの世界せかい記録きろく
(富士通ふじつう VP2600/10)

1990–1991[2]
次代じだい
NEC SX-3/44
20.0 G FLOPS

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Historical Computers in Japan: Fujitsu VP2000 Series”. Information Processing Society of Japan Computer Museum (2015ねん). 11 October 2015閲覧えつらん
  2. ^ Dongarra, Jack (2007ねん). “Frequently Asked Questions on the Linpack Benchmark and Top500”. Netlib. 14 January 2014閲覧えつらん