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SPARC

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
SPARC64から転送てんそう
SPARC
開発かいはつしゃ サン・マイクロシステムズ
ビットすう 64ビット (32 → 64)
発表はっぴょう 1985ねん
バージョン V9(1993ねん
デザイン RISC
タイプ Register-Register
エンコード Fixed
ブランチ Condition code
エンディアン Bi (Big → Bi)
ページサイズ 8 KiB
拡張かくちょう VIS 1.0, 2.0, 3.0
オープン Yes
レジスタ
汎用はんよう 31 (G0 = 0; non-global registers use レジスタ・ウィンドウ)
浮動ふどう小数点しょうすうてん 32
UltraSPARC IIマイクロプロセッサ
SuperSPARC TMX390Z50GF H359403658C

SPARC(スパーク、Scalable Processor Architecture)は、サン・マイクロシステムズ開発かいはつ製造せいぞうしたRISCベースのマイクロプロセッサであり、その命令めいれいセットアーキテクチャ名称めいしょうである。

現在げんざいSPARCインターナショナル登録とうろく商標しょうひょうであり、複数ふくすうのメーカーがこのアーキテクチャにもとづいたプロセッサを製造せいぞうしている。 オープンソースばんがある。

歴史れきし概要がいよう

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SPARCはサン・マイクロシステムズにより、1985ねん最初さいしょ開発かいはつされた。

SPARCはRISCベースで、とく浮動ふどう小数点しょうすうてん演算えんざんとバイナリレベルの互換ごかんせい注意ちゅういはらわれている。サン・マイクロシステムズは当初とうしょ自社じしゃワークステーションに、モトローラ68000シリーズのMPU利用りようしていたが、のちカリフォルニア大学だいがくバークレーこうのRISC Iをモデルに自社じしゃ開発かいはつ着手ちゃくしゅ。Sun4のSPARC搭載とうさいモデルを発表はっぴょうした。

SPARCは、完全かんぜんビッグエンディアンRISCアーキテクチャで、SPARCインターナショナル (SPARC International, Inc.) の登録とうろく商標しょうひょうである。SPARCインターナショナルは、SPARCアーキテクチャの普及ふきゅう規格きかく検定けんていテストの実施じっし目的もくてきとして1989ねん設立せつりつされた組織そしきであり、SPARCアーキテクチャをオープンにすることで寿命じゅみょうばすことを目的もくてきとしている。テキサス・インスツルメンツサイプレス・セミコンダクタ富士通ふじつう、サン・マイクロシステムズなどの製造せいぞう業者ぎょうしゃがSPARCのライセンス供与きょうよけている。結果けっかとして、SPARCアーキテクチャは完全かんぜんにオープンとなっており、GPLしたオープンソースとして実装じっそうされたLEON英語えいごばん存在そんざいする。

SPARCアーキテクチャの最初さいしょ実装じっそうはサン・マイクロシステムズのワークステーションで使つかわれた。その富士通ふじつうなどでも使つかわれはじめ、やがてさらにおおきなSMPシステムやスーパーコンピュータ制御せいぎょようとしても使つかわれるようになった。SPARCマシンは一般いっぱんSolarisオペレーティングシステム(サンがSPARCよう設計せっけいしたオペレーティングシステム)とむすびつけてかんがえられているが、NEXTSTEPLinuxFreeBSDOpenBSDNetBSDなどのオペレーティングシステムも使用しようできる。

アーキテクチャはなんかい改訂かいていされていて、もっとあたらしいものがバージョン8と9である。1999ねん10がつ富士通ふじつうとサン・マイクロシステムズはバージョン9をベースにハイエンドSPARCプロセッサの共通きょうつう仕様しよう(コモン プログラマ リファレンスモデル)を共同きょうどう開発かいはつすることを発表はっぴょうした。この共通きょうつう仕様しようは、SPARC Joint Programming Specification (JPS1) - Commonalityとして公開こうかいされている。また2005ねん12月、サン・マイクロシステムズはUltraSPARC T1をオープンソースすることを発表はっぴょうした。

SPARCは正統せいとうUNIXうご信頼しんらいせいたかCPUとしてながらく幅広はばひろいシステムでもちいられてきたが、2010年代ねんだいクラウドコンピューティング普及ふきゅう運用うんよう実績じっせき蓄積ちくせきともない、だい多数たすうのシステムが汎用はんようてきなハードウェアでx86仮想かそうもちいてソフトウェアてき定義ていぎして構築こうちくされるようになった結果けっか、SPARCはとく性能せいのう要求ようきゅうきびしいごく一部いちぶのシステムにのみもちいられるようになった[1]

特徴とくちょう

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SPARCアーキテクチャはカリフォルニア大学だいがくバークレーこうのRISC I & II(バークレーRISC英語えいごばん)の設計せっけいおおきな影響えいきょうけている。本来ほんらいのRISC設計せっけい必要ひつよう最小限さいしょうげんのものであり、機能きのう命令めいれい種類しゅるい可能かのうかぎめ、クロックサイクルごと命令めいれい実行じっこうすることを目指めざした。このため、乗除じょうじょさん命令めいれいい、分岐ぶんき遅延ちえんスロット存在そんざいするなど、MIPSアーキテクチャ様々さまざまめん類似るいじしている。

SPARCプロセッサは通常つうじょう128ほん汎用はんようレジスタつ。ただし、任意にんい時点じてんでソフトウェアからえるのは128ほんのうちの32ほんだけである。そのうち8ほん汎用はんようレジスタだが、g0レジスタはつね内容ないようがゼロであり、実質じっしつてき汎用はんようレジスタは7ほんで、つねおな内容ないようえる。の24ほんコールスタック一部いちぶをレジスタしたものである。

これら24ほんのレジスタは、いわゆるレジスタ・ウィンドウ形成けいせいし、関数かんすう呼出よびだしとリターンのさいに、このウィンドウがレジスタスタックじょう上下じょうげ移動いどうする。かくウィンドウは8ほんのローカルレジスタをち、8ほんのレジスタを上下じょうげ隣接りんせつウィンドウのレジスタと共有きょうゆうする。共有きょうゆうされたレジスタは関数かんすうのパラメータわたしと結果けっかもどすために使つかわれ、ローカルレジスタは、かく関数かんすうでのローカルな保持ほじするために使つかわれる。

SPARCの名称めいしょう由来ゆらいにある「Scalable」とは、用途ようとからサーバ用途ようとまでおな仕様しよう実装じっそうし、特権とっけん命令めいれいかんしては完全かんぜん互換ごかん維持いじすることを意味いみしている。アーキテクチャじょう用途ようとわせて規模きぼ変更へんこうできるてんは、実装じっそうするレジスタ・ウィンドウの個数こすうである。仕様しようでは3から32までのウィンドウ実装じっそう許可きょかしていて、実装じっそうしゃは32実装じっそうして関数かんすうコール性能せいのう向上こうじょうさせるか、3だけ実装じっそうしてコンテキスト性能せいのう向上こうじょうさせるか、あるいはそのなかあいだ選択せんたくできる。このため、SPARCのアーキテクチャはC言語げんごなど構造こうぞうプログラミング言語げんごけて最適さいてきされているともわれる。同様どうようなレジスタ・ウィンドウをつアーキテクチャとして、Intel i960AMD 29000がある。

SPARCバージョン8(1987ねん)では、浮動ふどう小数点しょうすうてんレジスタファイルは16ほん倍精度ばいせいどレジスタをつ。かくレジスタは2ほん単精度たんせいどレジスタとしても使用しようでき、全部ぜんぶで32ほん単精度たんせいどレジスタとなる。2ほん倍精度ばいせいどレジスタをよん倍精度ばいせいどレジスタとして使用しようすることもでき、全体ぜんたいで8ほんよん倍精度ばいせいどレジスタとなる。SPARCバージョン9(1995ねん)ではさらに16ほん倍精度ばいせいどレジスタを追加ついかしたが、これらは単精度たんせいどレジスタとしては使用しようできない(よん倍精度ばいせいどレジスタ8ほんとしては使用しよう可能かのう)。

タグ加減算かげんざん命令めいれいLSBの2ビットを無視むしして加減算かげんざんおこなう。これは、MLLISPなどのタグきの整数せいすうフォーマットを使つかうような言語げんご実装じっそう有効ゆうこうおもわれる。

仕様しよう履歴りれき

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アーキテクチャはなんかい改訂かいていされている。ハードウェアによる乗算じょうざん除算じょざんがバージョン8で追加ついかされている。バージョン9ではかなり大幅おおはば改訂かいていくわえられ、64ビットされたSPARC仕様しよう完成かんせいしている。

さらにSPARC Joint Programming Specification (JPS1) では、MMUとうのバージョン9では未定義みていぎとされた部分ぶぶん仕様しよう規定きていされている。

サン・マイクロシステムズ固有こゆうのアーキテクチャ仕様しようであるUltraSPARC Architecture 2005では、命令めいれいとレジスタが追加ついかされ、ちょう特権とっけん (hyperprivileged) モードも追加ついかされた。この仕様しようUltraSPARC T1からはじまるあらたなUltraSPARCシリーズで実装じっそうされる。T1はCPUコアを8そなえ、全体ぜんたいで32スレッド実行じっこうできる。UltraSPARC Architecture 2005にはサンの標準ひょうじゅん拡張かくちょうふくまれるが、それ以外いがいはSPARC V9 Level 1仕様しよう完全かんぜん準拠じゅんきょしている。このアーキテクチャは1987ねんのSPARC V7からのアプリケーションのバイナリ互換ごかんせい維持いじしている。

2005ねん12月にサン・マイクロシステムズはUltraSPARC T1の実装じっそうをオープンソースした(OpenSPARC参照さんしょう)。

SPARCの様々さまざま実装じっそうなかで、サン・マイクロシステムズのSuperSPARCとUltraSPARC-1は非常ひじょう人気にんきがあったことから、SPEC CPU95CPU2000ベンチマークの基準きじゅんシステムとして使つかわれている。

SPARCマイクロプロセッサ仕様しよう
モデル 周波数しゅうはすう
[MHz]
アーキテクチャ
はん
とし コアすう×スレッドすう=スレッドすう合計ごうけい プロセス
[nm]
トランジスタすう
[ひゃくまん]
ダイサイズ
[mm2]
ピンすう 電力でんりょく
[W]
電圧でんあつ
[V]
L1 Dキャッシュ
[k]
L1 Iキャッシュ
[k]
L2キャッシュ
[k]
L3キャッシュ
[k]
SF9010/MB86900 (or L64801) 14.28–25 V7 1988? 1/1
CYC7C601 25–40 V7 1989? 1/1
microSPARC I 40–50 V8 1992 1/1 800 0.8 225 288 2.5 5 2 4 -- --
SuperSPARC I 33–60 V8 1991-1992 1/1 800 3.1 -- -- 14.3 5 16 20 0-2048 --
HyperSPARC A 40–90 V8 1993 1/1 500 -- -- -- -- 5? 0 8 128-256 --
microSPARC II 60–125 V8 1994 1/1 500 2.3 233 321 5 3.3 8 16 -- --
HyperSPARC B 90–125 V8 1994 1/1 400 -- -- -- -- 3.3 0 8 128-256 --
SuperSPARC II 75–90 V8 1994 1/1 800 3.1 299 -- 16 -- 16 20 1024-2048 --
HyperSPARC C 125–166 V8 1995 1/1 350 -- -- -- -- 3.3 0 8 512-1024 --
TurboSPARC 160–180 V8 1995 1/1 350 -- -- 416 7 3.5 16 16 512 --
UltraSPARC I 143–200 V9 1995 1/1 500 5.2 315 521 30 @167 MHz 3.3 16 16 512-1024 --
HyperSPARC D 180–200 V8 1996 1/1 350 -- -- -- -- 3.3 16 16 512 --
UltraSPARC IIs (Blackbird) 250–360 V9 1997 1/1 350 5.4 -- 521 25 @250 MHz 2.5 16 16 1024 or 4096 --
UltraSPARC IIs (Sapphire-Black) 360–480 V9 1999 1/1 250 5.4 156 521 21 @400 MHz 1.9 16 16 1024–8192 --
UltraSPARC IIi (Sabre) 270–360 V9 1997 1/1 350 5.4 148 587 21 1.9 16 16 256–2048 --
UltraSPARC IIi (Sapphire-Red) 333–480 V9 1998 1/1 250 5.4 -- 587 21 @440 MHz 1.9 16 16 2048 --
UltraSPARC IIe (Hummingbird) 400–600 V9 2000 1/1 180 Al -- -- 370 13 max @500 MHz 1.5-1.7 16 16 256 --
UltraSPARC IIi (IIe+) 550–650 V9 2002 1/1 180 Cu -- -- 370 17.6 1.7 16 16 512 --
UltraSPARC III 600–900 V9/JPS1 2001 1/1 130 Al 29 330 1368 53 1.6 64 32 8192 --
UltraSPARC IIIcu 1002–1200 V9/JPS1 2001 1/1 130 Cu 29 -- 1368 -- 1.6 64 32 8192 --
Ultra SPARC IIIi 1064–1593 V9 2003 1/1 130 87.5 206 959 52 1.3 64 32 1024 --
UltraSPARC IV 1050–1350 V9 2004 2/1=2 130 66 356 1368 108 1.35 64 32 16384 --
UltraSPARC IV+ 1500 V9 2005 2/1=2 90 295 336 1368 90 1.1 64 64 2048 32768
UltraSPARC T1 1000–1400 V9/UA 2005 2005 8/4=32 90 300 340 1933 72 1.3 8 16 3072 --
UltraSPARC T2 1200–1400 V9/UA 2007 2007 8/8=64 65 503 342 1831 95 1.1-1.5 8 16 4096 --
SPARC T3 –1670 V9 2010 16/8=128 40 ??? 371 ???? 135 ???? 8 16 6144 --
SPARC T4 2850 - 3000 V9 2011 8/8=64 40 855 403 ???? 240 ???? 16 16 128 4096
SPARC64 101–118 V9 1995 1/1 400 -- -- -- -- -- 128 128 -- --
SPARC64 II 141–161 V9 1996 1/1 340 -- -- -- -- -- 128 128 -- --
SPARC64 GP 250–330 V9 1998 1/1 240 17.6 240 -- -- 2.5 64 64 8192 --
SPARC64 GP 400–810 V9 2000 1/1 180 Cu
150 Cu
30.2 217 -- -- 1.8 128 128 8192 --
SPARC64 V 1100–1350 V9/JPS1 2003 1/1 130 Cu 190 289 269 40 1.2 128 128 2048内蔵ないぞう --
SPARC64 V 1650–2160 V9/JPS1 2004 1/1 90 Cu 400 297 279 65 1 128 128 4096内蔵ないぞう --
SPARC64 VI 2150–2400 V9/JPS1 2007 2/2=4 VMT 90 Cu 540 421 -- 120 -- 128 128 6144内蔵ないぞう --
SPARC64 VII 2400–2520 V9/JPS1? 2008 4/2=8 SMT 65 Cu - 445 -- 135 -- 64 64 6144内蔵ないぞう --
SPARC64 VIIIfx[2] 2000 V9/JPS1/HPC-ACE 2009 8/1=8 45 Cu 760 513 1271 58 -- 32 32 5210内蔵ないぞう --
SPARC64 IXfx[3] 1848 V9/JPS1/HPC-ACE 2011 16/1=16 40 1870 484 1442 110 -- 32 32 12288内蔵ないぞう --
SPARC64 X[4] 3000+ V9/JPS1/HPC-ACE 2012 16x2=32 28 Cu
CMOS
2950 587.5 1500 ? ? 64x16 64x16 24576 --
SPARC T5 3600 V9 / OSA2011? 2013 8×16=128 28 ? ? ? ? ? 16x8 16x8 128x16 8192
SPARC M5 3600 V9 / OSA2011? 2013 8×6=48 28 ? ? ? ? ? 16x6 16x6 128x6 49152
SPARC M6 3600 OSA2011 2013 8×12=96 28 ? ? ? ? ? 16×12 16×12 128×12 49152
SPARC64 X+ (Athena+)[5] 3200–3700 OSA2011 / HPC-ACE 2014 2×16=32 28 2990 600 1500 392 ? 64×16 64×16 24M none
SPARC64 XIfx[6] 2200 OSA2011 / HPC-ACE2 2015? 1×(32+2)=34 20 3750 ? 1001 ? ? 64×34 64×34 12M×2 none
SPARC M7[7][8] 4133 OSA2015 2015 8×32=256 20 >10,000 ? ? ? ? 16×32 16×32 256×24 65536
SPARC S7[9] 4270 OSA2015 2016 8×8=64 20 >10,000 ? ? ? ? 16×8 16×8 256Dx4
256Ix2
16384
SPARC64 XII[10] 4250(>4350) SPARC-V9/JPS HPC-ACE VM / SWoC 2017 12×8=96 20 5,450 795 1860 ? 32×96 64×96 512 32M
SPARC M8[11] 5000 OSA2015 2017 32×8=256 20 >10,000 ? ? ? ? 16×32 32×32 128Dx32
256Ix8
65536
モデル 周波数しゅうはすう
[MHz]
アーキテクチャ
はん
とし コアすう×スレッドすう=スレッドすう合計ごうけい プロセス
[nm]
トランジスタすう
[ひゃくまん]
ダイサイズ
[mm2]
ピンすう 電力でんりょく
[W]
電圧でんあつ
[V]
L1 Dキャッシュ
[k]
L1 Iキャッシュ
[k]
L2キャッシュ
[k]
L3キャッシュ
[k]
きょう」のSPARC64 VIIIfx(大阪おおさか市立しりつ科学かがくかん

SPARC64は、HALコンピュータシステムならびに富士通ふじつう開発かいはつしたプロセッサファミリであり、SPARCシリーズのハイエンドのプロセッサとなっている。

SPARC64 V富士通ふじつうPRIMEPOWERサーバシリーズで、SPARC64 VIおよびSPARC64 VII同社どうしゃとサン・マイクロシステムズのSPARC Enterprise M3000からM9000に使用しようされた。

富士通ふじつうメインフレームようプロセッサおな開発かいはつしゃ設計せっけい開発かいはつしているため、メインフレームようプロセッサのRAS(信頼しんらいせい可用性かようせい保守ほしゅせい技術ぎじゅつをすべて継承けいしょうしている。キャッシュメモリ演算えんざんレジスタひとし、どの回路かいろでエラーが発生はっせいしてもかなら検出けんしゅつできるよう、ECCパリティ保護ほごしている。エラーが発生はっせいすると、ECC、ハードウェア命令めいれいリトライにより訂正ていせいおこなう。

万一まんいち訂正ていせい不可能ふかのうなエラーが発生はっせいしても、正常せいじょうなコア、キャッシュメモリだけで動作どうさつづけることができる。プロセッサの動作どうさ記録きろくする機能きのうち、エラー発生はっせい原因げんいん特定とくてい役立やくだつ。

また、スーパースケーラアウト・オブ・オーダー実行じっこうノンブロッキングキャッシュ制御せいぎょハードウェア・プリフェッチひとし高速こうそく技術ぎじゅつ採用さいようしている。

SPARC64 VIおよびSPARC64 VIIでは、マルチコアマルチスレッド対応たいおうがなされている。

2009ねん発表はっぴょうされたSPARC64 VIIIfxはHPC製品せいひんである。2-Way SMTからシングルスレッドになったが、コアすうは4コアから8コアにえた。また、メモリーコントローラがプロセッサに統合とうごうされ、新規しんき開発かいはつされたHPC命令めいれい拡張かくちょう「HPC-ACE (High Performance Computing - Arithmetic Computational Extensions)」が実装じっそうされ、レジスタ本数ほんすう増加ぞうかし、SIMD命令めいれい強化きょうかされた。

SPARC64 VIIIfxは、2011ねん6がつ同年どうねん11がつと2連続れんぞくTOP500リスト首位しゅい獲得かくとくしたスーパーコンピュータの「きょう」に採用さいようされている[12]

2011ねん発表はっぴょうされたSPARC64 IXfxはSPARC64 VIIIfxとおなじくHPC製品せいひんである。クロック周波数しゅうはすうが2GHzから1.848GHzに低下ていかしたものの、コアすうは8コアから16コアに倍増ばいぞうし、メモリ帯域たいいきも64GB/sから85GB/sと向上こうじょうしている。

SPARC64 IXfxは、富士通ふじつうのスーパーコンピュータPRIMEHPC FX102011ねん11月7にち販売はんばい開始かいし2012ねん1がつより出荷しゅっか[13][14])に採用さいようされている。

SPARC64 Xは、UNIXサーバけプロセッサとしてはじめてHPC-ACEを実装じっそうし、富士通ふじつうのUNIXサーバSPARC M10(2013ねん4がつ10日とおか提供ていきょう開始かいし[15])に採用さいようされた。

SPARC64 X+は、富士通ふじつうのUNIXサーバSPARC M10(2014ねん4がつ8にち提供ていきょう開始かいし[16])に採用さいようされている。SPARC64 Xのクロック周波数しゅうはすうが3.0GHzであるのにたいし、SPARC64 X+はそれを3.7GHzに向上こうじょうさせたうえで、暗号あんごう処理しょりじゅうしん浮動ふどう小数点しょうすうてんすうIEEE 754形式けいしきとOracle NUMBER形式けいしき)・データベース処理しょりをサポートする命令めいれい追加ついかされた。また、従来じゅうらい不可能ふかのうであったcall/returnをまたいだアウトオブオーダー処理しょり可能かのうとしている。

2019ねん8がつ富士通ふじつうは「きょう」の後継こうけいとなるスーパーコンピューター「富岳ふがく」にSPARCとはことなるARMアーキテクチャ使用しようするA64FX開発かいはつしたことを発表はっぴょうした[17]

2022ねん2がつ富士通ふじつうはメインフレームおよびUNIXサーバーの開発かいはつ販売はんばいを2030ねんまでに終了しゅうりょうする方針ほうしん発表はっぴょうした[18]。SPARC64ファミリ搭載とうさい製品せいひんはSPARC64 XIIを搭載とうさいしたUNIXサーバー「SPARC M12」が最後さいごとなる予定よてい

Rockはサン・マイクロシステムズがかつて自社じしゃ開発かいはつしていた、ハイエンドようのマルチコアSPARCモデルの開発かいはつコードめいである。次期じきUltraSPARCともばれた。2007ねん1がつ発表はっぴょうでは、最大さいだいで16コアを搭載とうさいするとされ、2008ねん後半こうはん提供ていきょう予定よていとされた[19]。2008ねん2がつのISSCC 2008では、16コアで最大さいだい32スレッドを並行へいこう実行じっこうし、アウト・オブ・オーダー採用さいようし、動作どうさ周波数しゅうはすう2.3GHzを実現じつげんするとされたが、提供ていきょう時期じき最適さいてきのために2009ねん以降いこう延期えんき発表はっぴょうされた[20][21]さらに2009ねん6がつには、2008ねん提供ていきょう延期えんきされたのは社内しゃない欠陥けっかん発見はっけんされたためであり、開発かいはつ中止ちゅうし決定けっていされたと報道ほうどうされた[22][23]

2010ねん1がつ27にち、サン・マイクロシステムズはオラクル吸収きゅうしゅう合併がっぺいされ、独立どくりつ企業きぎょう法人ほうじんとしては消滅しょうめつしたがそのもSPARCの開発かいはつ人員じんいん補強ほきょうしてつづけられた[24]

参照さんしょう

[編集へんしゅう]
  1. ^ クラウド時代じだいにSPARC/Solarisになにもとめられているのか――x86/Linuxにはない優位ゆういせい使つかつづける意義いぎかんがえる”. @IT. 2024ねん2がつ3にち閲覧えつらん
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  16. ^ 富士通ふじつう株式会社かぶしきがいしゃとオラクル・コーポレーションは、動作どうさ周波数しゅうはすう最大さいだい3.7GHz、16コアのしんプロセッサ「SPARC64 X+」を搭載とうさいし、従来じゅうらいくらやく30%性能せいのう強化きょうかしたUNIXサーバ「SPARC M10-1」、「SPARC M10-4」、「SPARC M10-4S」を4がつ8にちぜん世界せかい販売はんばい開始かいしします。”. 富士通ふじつうホームページ. 2014ねん7がつ29にち閲覧えつらん
  17. ^ PRESS RELEASE (技術ぎじゅつ):ポスト「きょう」のCPUの仕様しよう公表こうひょう”. 富士通ふじつう (2018ねん8がつ22にち). 2023ねん1がつ29にち閲覧えつらん
  18. ^ 玉置たまき, 亮太りょうた (2022ねん3がつ7にち). “富士通ふじつうメインフレーム撤退てったいはいばらのみちくもをつかめるか”. 日経にっけいクロステック(xTECH). 日経にっけいBP. 2023ねん1がつ29にち閲覧えつらん
  19. ^ Sun、「Rock」を2008ねんにリリース
  20. ^ Sunがサーバーけハイエンドプロセッサ「Rock」の概要がいよう公表こうひょう
  21. ^ Sun、Rockのリリースを2009ねん延期えんき
  22. ^ 「SunがサーバプロセッサRockの開発かいはつり」の報道ほうどう
  23. ^ Sun Is Said to Cancel Big Chip Project - The New York Times
  24. ^ 日本にっぽんオラクル、買収ばいしゅう以降いこうのSPARCプロセッサと最新さいしん世代せだいの「M7」を解説かいせつ”. 2020ねん7がつ6にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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