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GNU

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
GNU
Debian GNU/Hurdコンソールスタートアップとログイン
開発かいはつしゃ コミュニティ
プログラミング言語げんご 多数たすう言語げんごおもCアセンブリ言語げんご
OSの系統けいとう Unixけい
開発かいはつじょうきょう 開発かいはつちゅう
ソースモデル フリーソフトウェア
対象たいしょう市場いちば パーソナルコンピュータ、モバイルデバイス、みデバイス、サーバ、メインフレーム、スーパーコンピュータ
プラットフォーム HurdカーネルのみサポートされるものはIA-32、Linux-libreカーネルのみサポートされるものはAlphaARCARMAVR32英語えいごばんBlackfinC6x英語えいごばんETRAX CRIS英語えいごばんFR-VH8/300Hexagon英語えいごばんItaniumM32Rm68kMETAMicroBlazeMIPSMN103英語えいごばんOpenRISCPA-RISCPowerPCs390S+core英語えいごばんSuperHSPARCTILE64英語えいごばんUnicore32英語えいごばんx86Xtensa
カーネル種別しゅべつ マイクロカーネル (GNU Hurd) または モノリシックカーネルLinuxのフォークであるGNU Linux-libre
ライセンス GNU GPL, GNU LGPL, GNU AGPL, GNU FDL, GNU FSDG[1][2]
ウェブサイト www.gnu.org/home.en.html、https://www.gnu.org/home.fr.html、https://www.gnu.org/home.it.html
テンプレートを表示ひょうじ

GNU(グヌー、[ɡn] ( 音声おんせいファイル)[3][4](Section: The name "GNU"))とはオペレーティングシステム[5][6][7] であり、かつコンピュータソフトウェアの広範囲こうはんいわたるコレクションである。GNUは完全かんぜんフリーソフトウェアから構成こうせいされている[8][9][10]

GNU"GNU's Not Unix!"(「GNUはUNIXではない」)の再帰さいきてき頭字かしらじである。この名称めいしょうえらばれたのは、GNUはUnixけい設計せっけいではあるがUNIXとはちがいフリーソフトウェアでありUNIXに由来ゆらいするソースコードまった使つかっていないことをしめすためである[8][11][12]。GNUの正式せいしき発音はつおんは「グヌー」である[13]一般いっぱんてき英語えいごでは、gnuは「ヌー」と発音はつおんし、ウシカモシカまたはヌーばれる動物どうぶつをさす言葉ことばである。GNUプロジェクトはみずからの名称めいしょうかたについて「it is pronounced g-noo, as one syllable with no vowel sound between the g and the n.(gとnのあいだ母音ぼいんがない1音節おんせつとして、g-nooと発音はつおんする)」と要請ようせいしている。

GNUプロジェクトには、元々もともとフリーソフトウェア財団ざいだん重点じゅうてんいていたオペレーティングシステムのカーネルであるGNU Hurdふくまれている[8][14][15][16]。しかしながらGNU Hurd以外いがいのカーネルもGNUソフトウェアととも利用りようできる。そのようなカーネルとしてもっと有名ゆうめいなものはLinuxカーネルである。GNUのカーネルにLinuxカーネルをもちいるのが一般いっぱんてき理由りゆうは、GNUのカーネルがGNUのなかもっと成熟せいじゅくしていない部分ぶぶんのためである[17][18]。GNUソフトウェアとLinuxカーネルをわせたものが一般いっぱんてきられるLinuxである(あまり一般いっぱんてきではないがGNU/Linuxばれることがある。この呼称こしょうについてはGNU/Linux名称めいしょう論争ろんそう参照さんしょうすること)。

GNUには人間にんげん容易よういにコンピュータにインストールして利用りよう可能かのう完全かんぜんなオペレーティングシステムとするためのコンポーネントである、完全かんぜん機能きのうったカーネルがいまだにけたままである。実際じっさいには、使用しよう可能かのうなGNUベースオペレーティングシステムのほとんどがLinuxディストリビューションである。LinuxディストリビューションにはLinuxカーネル、GNUコンポーネント、およびGNUプロジェクト以外いがいのフリーソフトウェアプロジェクトによるソフトウェアがおおふくまれている。

プロジェクトの創設そうせつしゃであるリチャード・ストールマンは、GNUを「社会しゃかいてき目的もくてきのための技術ぎじゅつてき手段しゅだん」としてかんがえている[19]

歴史れきし

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GNUプロジェクトの創設そうせつしゃであるリチャード・ストールマン

GNUオペレーティングシステムの開発かいはつマサチュまさちゅセッツ工科大学せっつこうかだいがく (MIT) 人工じんこう知能ちのう研究所けんきゅうじょでリチャード・ストールマンによりGNUプロジェクトとして開始かいしされ、1983ねん9がつ27にちにnet.unix-wizardsおよびnet.usoftというニュースグループかれ公式こうしき発表はっぴょうした[20][21]。ソフトウェア開発かいはつはじまったのは1984ねん1がつ5にちであり、このはそれまでストールマンが勤務きんむしていたMIT人工じんこう知能ちのう研究所けんきゅうじょが、GNUの所有しょゆうけん主張しゅちょうすることやフリーソフトウェアとしての配布はいふ干渉かんしょうすることを阻止そしするためにかれどう研究所けんきゅうじょめたでもある[22]。ストールマンがえらんだGNUという名称めいしょうには様々さまざま言葉ことばあそびがふくまれており、そのなかにはThe Gnu英語えいごばんといううたふくまれている[4](00:46:00)

GNUの目標もくひょうは、完全かんぜんにフリーソフトウェアで構成こうせいされるオペレーティングシステムを実現じつげんすることであった。ストールマンは1960年代ねんだい1970年代ねんだいのコンピュータユーザーのように、ユーザーを自由じゆうにしたいとかんがえていた。その自由じゆうとは、使つかっているソフトウェアのソースコードを使つかって研究けんきゅうできる自由じゆうであり、ソフトウェアを人々ひとびと共有きょうゆうできる自由じゆうであり、ソフトウェアを修正しゅうせいできる自由じゆうであり、修正しゅうせいばん配布はいふできる自由じゆうである。この哲学てつがくのちGNU宣言せんげんとして1985ねん3がつ公表こうひょうされた[21]

GNU宣言せんげんなかでストールマンは「基本きほんてきカーネルは存在そんざいするが、Unixをエミュレートするにはよりおおくの機能きのう必要ひつようだ」としている。ここでストールマンが想定そうていしたカーネルは、マサチュまさちゅセッツ工科大学せっつこうかだいがく開発かいはつしたRPCかたカーネルTrix英語えいごばんである[よう出典しゅってん]。これは作者さくしゃがフリーソフトウェアとして配布はいふしており、Version 7 Unix互換ごかんせいがあった。そして1986ねん12月、開発かいはつしゃらはこのカーネルに修正しゅうせいくわえる作業さぎょう開始かいししようとした。しかし、開発かいはつしゃらはこれが出発しゅっぱつてんとしてはふさわしくないと判断はんだんした。何故なぜならTRIXは「不明ふめいかく高価こうかな68000マシン」でしか動作どうさせず、使用しようするにはまずのアーキテクチャへの移植いしょく必須ひっすだったからである。

ストールマンはIncompatible Timesharing System (ITS) にかかわっていた。ITSはPDP-10コンピュータアーキテクチャようアセンブリ言語げんごかれた初期しょきのオペレーティングシステムだが、PDP-10自体じたい開発かいはつ製造せいぞうされなくなったためにえていった。このためストールマンは移植いしょくせいのあるソフトウェアが必要ひつようだとかんがえていた[4](00:43:15)[23]。そのため、GNUの開発かいはつにはシステムプログラミング言語げんごとしてCLISP使用しよう[24]、さらにGNUをUNIX互換ごかんにする決定けっていがなされた[25]当時とうじUNIXはすでプロプライエタリなオペレーティングシステムとしてひろ使つかわれていた。UNIXの設計せっけいはモジュールせいたかく、部分ぶぶんごとにさい実装じっそうすることが可能かのうだった[23]

GNUに必要ひつようなソフトウェアのだい部分ぶぶんいちからかれたが、TeX組版くみはんシステムやX Window System[21]、さらにMachマイクロカーネルといった共有きょうゆう可能かのうサードパーティーフリーソフトウェアコンポーネントは既存きそんのものを流用りゅうようした。なおMachは(GNUの公式こうしきカーネルである)GNU Hurdの、GNU Machコアの基礎きそ形成けいせいしている[26]前述ぜんじゅつしたサードパーティーコンポーネントをのぞくGNUのコードのだい部分ぶぶんはボランティアがいたものであり、具体ぐたいてきには個人こじん余暇よか時間じかんない会社かいしゃ業務ぎょうむないいた部分ぶぶん[27]、および教育きょういく機関きかん営利えいり団体だんたいいた部分ぶぶん構成こうせいされている。1985ねん10がつ、ストールマンはフリーソフトウェア財団ざいだん (FSF) を創設そうせつした。1980年代ねんだい後半こうはんから1990年代ねんだいにはFSFがソフトウェア開発かいはつしゃやとい、GNUで必要ひつようとなるソフトウェア作成さくせいおこなわせた[28][29]

GNUプロジェクトの初期しょき計画けいかくでは、BSD 4.4-Liteのカーネルを採用さいようすることになっていた。しかし、バークレーのプログラマの協力きょうりょくられなかったため[よう出典しゅってん]、ストールマンは1988ねんカーネギーメロン大学だいがく開発かいはつしたMachカーネルを採用さいようすることにした。ただし、MachにはAT&T由来ゆらいのコードが使つかわれていたため、それをのぞいてフリーソフトウェアとして使つかえるようになったのは1990ねんである[よう出典しゅってん]。HurdのアーキテクトだったThomas Bushnellはのちに、BSDカーネルの採用さいよう見送みおくったことでプロジェクトはおおきく後退こうたいしており、そういう意味いみでもBSDカーネルを採用さいようすべきだったとべている[30]

カーネルの設計せっけいは、GNUのなかでもUNIXからもっとおおきくことなる部分ぶぶんである。GNUのカーネルはマルチサーバがたマイクロカーネルであり、従来じゅうらいのUNIXカーネルの機能きのうをサーバとばれる複数ふくすうのプログラムで構成こうせいしている。Machのマイクロカーネルは非常ひじょうていレベルのカーネル機能きのうしか提供ていきょうしていないため、GNUプロジェクトではカーネルの上位じょういレベルの部分ぶぶん一種いっしゅのユーザープログラムの集合しゅうごうたいとして開発かいはつしなければならなかった。この集合しゅうごうたい当初とうしょAlixとんでいたが、Thomas BushnellはHurdとぶことをこのみ、Alixのはそのサブコンポーネントにうつされ、最終さいしゅうてきには使つかわれなくなった[31]。その、Hurdの開発かいはつ技術ぎじゅつてき問題もんだいがいくつも発生はっせいし、なかなか進展しんてんしない状況じょうきょうになった[32](00:51:23)

GNUが有名ゆうめいになるにつれて、GNUに興味きょうみ企業きぎょうあらわれはじめた。それらの企業きぎょう開発かいはつ援助えんじょをしたり、GNUのソフトウェアや技術ぎじゅつサポートをわせて商売しょうばいするようになっていった。そのなかもっと成功せいこうした企業きぎょうとしてはシグナスソリューションズられている[27]同社どうしゃ現在げんざいレッドハット一部いちぶとなっている[33])。

1992ねんさい重要じゅうようコンポーネントであるカーネルのGNU Hurdをのぞすべてのコンポーネントが完成かんせいした。1991ねんにはリーナス・トーバルズ独自どくじにLinuxカーネルの開発かいはつはじめており、1992ねんにはLinuxのバージョン0.12がGNU General Public Licenseライセンスでリリースされ、この最後さいご空白くうはくめた。LinuxとGNUをわせることで、世界せかいはつ完全かんぜんにフリーソフトウェアで構成こうせいされたオペレーティングシステムとなった。LinuxカーネルはGNUプロジェクトの一部いちぶではないが、その開発かいはつにはGCCなどのGNUせいプログラミングツールが使つかわれている[34]

2002ねんにストールマンはGNU/Hurdのリリースについて楽観らっかんてき声明せいめい発表はっぴょうしたが[35]開発かいはつは2016ねん現在げんざいつづいている。Hurdの最新さいしんリリースはバージョン0.9である。動作どうさはそれなりに安定あんていしており、重要じゅうようなアプリケーションを使つかうのでなければ十分じゅうぶん使つかえるレベルである。

コンポーネント

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GNUシステムの基本きほんコンポーネントにはGNUコンパイラコレクション (GCC)、GNU Cライブラリ (glibc) およびGNU Core Utilities (Coreutils) だけでなく、GNUデバッガ (GDB)、GNU Binutils (binutils)[36]GNU Bashシェル[26][37]、およびGNOMEデスクトップ環境かんきょうふくまれる[38]。GNUの開発かいはつしゃはGNUアプリケーションやユーティリティのLinuxへの移植いしょく貢献こうけんしており、それらのアプリケーションやユーティリティはBSD派生はせいSolarisそしてmacOSといったLinux以外いがいのオペレーティングシステムでもひろ利用りようされている[39]

GNUのプログラムのおおくは、Microsoft Windows[40]やmacOS[41]といったプロプライエタリプラットフォームをふくほかのオペレーティングシステムに移植いしょくされている。GNUのプログラムはプロプライエタリUNIXじょう相当そうとうするソフトウェアよりも信頼しんらいせいたかいことがしめされている[42]

2015ねん11月の時点じてんで、公式こうしきGNU開発かいはつサイトにホストされたGNUのパッケージすう合計ごうけいで466存在そんざいする(終了しゅうりょうしたパッケージもふくむ。それらをのぞくと383である)[43]

FSF認定にんていディストリビューションのれいであるgNewSense
ローリングリリースモデルをもちいるFSF認定にんていディストリビューションのれいであるParabola GNU/Linux-libre

GNUの派生はせい

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GNUプロジェクトの公式こうしきカーネルはGNU Hurdマイクロカーネルである。しかしながら、2012ねん時点じてんでLinuxカーネルがLinux-libreというかたち公式こうしきにGNUプロジェクトの一部いちぶとなった。Linux-libreは、Linuxカーネルからすべてのプロプライエタリコンポーネントを削除さくじょした派生はせいぶつである[44]

FreeBSDのカーネルのようなLinux以外いがいのカーネルも、実用じつようてきなオペレーティングシステムを構成こうせいするGNUソフトウェアと連携れんけいして機能きのうする[45]。FSFはGNUツールやユーティリティととも利用りようされるLinuxはGNUの派生はせいとみなすべきであると主張しゅちょうしており、そのようなシステムをGNU/Linuxという用語ようご表現ひょうげんするよう奨励しょうれいしている(なおこのことがGNU/Linux名称めいしょう論争ろんそう原因げんいんとなっている)[46][47][48]。GNUプロジェクトはgNewSenseTrisquelおよびParabola GNU/Linux-libreといったLinuxをもちいた派生はせい支持しじしている[49]。カーネルとしてHurdを使用しようしない派生はせいでLinux以外いがいのカーネルをもちいるものとしては、BSDカーネルじょうにGNUの初期しょき計画けいかく実現じつげんした、Debian GNU/kFreeBSDやDebian GNU/NetBSDがある。さらにGNUをNetBSDOpenSolarisなどのカーネルで動作どうささせる移植いしょくプロジェクトもある。

コピーライト、GNUライセンスと管理かんり

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フリーソフトウェア財団ざいだん既存きそんのプロジェクトへの小規模しょうきぼ変更へんこうのリリースをパブリックドメインとすることが無難ぶなんだとかんがえている[50]が、GNUプロジェクトでは、その貢献こうけんしゃたいしてGNUパッケージの著作ちょさくけんをフリーソフトウェア財団ざいだん譲渡じょうとすることを推奨すいしょうしている[51][52]。ただしこれは必須ひっすではない。パッケージのメンテナは自身じしん維持いじするGNUパッケージの著作ちょさくけん維持いじすることができるが、使用しようされる(GNU GPLのような)ライセンスは著作ちょさくけん保持ほじしゃしか強制きょうせいさせることができないので、この場合ばあいはフリーソフトウェア財団ざいだんではなく著作ちょさくけん保持ほじしゃがライセンスを強制きょうせいする[53]

GNUに必要ひつようなソフトウェアの開発かいはつのため、ストールマンはユーザーがフリーソフトウェアを共有きょうゆう変更へんこうする自由じゆう保障ほしょうすることを目的もくてきとした、GNU General Public Licenseばれるライセンスをいた(最初さいしょはEmacs General Public Licenseとばれた)[54]かれジェームズ・ゴスリンとのUniPressとばれるプログラムにたいするGNU Emacsプログラムにおけるソフトウェアコードの使用しようについての論争ろんそうをめぐる経験けいけんをふまえてこのライセンスをいた[55][56]。1980年代ねんだいのほとんどの期間きかんにおいて、Emacs General Public LicenseやGCC General Public LicenseのようにGNUパッケージごとに個別こべつのライセンスが存在そんざいした。1989ねんにFSFはGNUプロジェクトのソフトウェアだけでなくすべてのソフトウェアに使用しようできる単一たんいつのライセンスであるGNU General Public License (GPL) を発表はっぴょうした[55][57]

現在げんざいGPLはGNUソフトウェアのほとんどで使つかわれており、GNUプロジェクトとは関係かんけいのないフリーソフトウェアでもよく使つかわれている。GPLはもっと一般いっぱんてき使用しようされるフリーソフトウェアライセンスである[58]。GPLでは、著作ちょさくぶつ受領じゅりょうしゃはそれを実行じっこうし、複製ふくせいし、修正しゅうせいし、さい配布はいふできるが、そのさい配布はいふぶつのライセンスに制限せいげんくわえることをゆるさない。この思想しそうコピーレフトばれることがおお[59]

1991ねんGNU CライブラリプロプライエタリソフトウェアとリンクできるようにするためにLibrary General Public LicenseとしてられるGNU Lesser General Public License (LGPL) がかれ[60]、さらにGNU GPLのバージョン2がリリースされた。2000ねんには文書ぶんしょようGNU Free Documentation Licenseかれた[61]。GPLとLGPLは2007ねんにバージョン3に修正しゅうせいされ、ユーザーが自身じしんのデバイスで修正しゅうせいされたソフトウェアの実行じっこうさまたげるハードウェアの制限せいげん英語えいごばんからユーザーを保護ほごするための条項じょうこう追加ついかされた[62]

GNUプロジェクトのライセンスは、GNU独自どくじのソフトウェアパッケージだけではなく、GNUが直接的ちょくせつてきには作成さくせいしていないソフトウェアプロジェクト(あるいはパッケージ)でも使用しようされている。GNUソフトウェアとわせて使用しようされることがおおいソフトウェア、たとえば、Linuxカーネルなどがその代表だいひょうである。一方いっぽう対照たいしょうてきに、UnixけいのGUI環境かんきょう構築こうちくするX Window Systemは、Linuxディストリビューションでも標準ひょうじゅんてき使用しようされてきたソフトウェアパッケージであるが、こちらはGNUライセンスではなく、パーミッシブ・ライセンスもとづいてライセンスされる。前者ぜんしゃ多数たすうであり、後者こうしゃ少数しょうすうである。

GNUのロゴはヌーあたまである。元々もともとはEtienne Suvasaによってえがかれ、現在げんざいではAurelio Heckertがデザインした大胆だいたんでシンプルなバージョンがこのまれている[63][64]。これはGNUソフトウェアや印刷いんさつされたり電子でんしされたGNUプロジェクトの文書ぶんしょ表示ひょうじされ、フリーソフトウェア財団ざいだんのマテリアルにも使つかわれる。

なお本章ほんしょうしめしたGNU30周年しゅうねん記念きねんロゴは公式こうしきロゴの修正しゅうせいバージョンであり、2013ねん9がつにGNUプロジェクト30周年しゅうねん記念きねんとしてフリーソフトウェア財団ざいだんによって作成さくせいされたものである[65]

脚注きゃくちゅう

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  2. ^ GNU FSDG”. 2016ねん1がつ14にち閲覧えつらん
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  7. ^ Neal H. Walfield; Marcus Brinkmann (2007-07-04). “A critique of the GNU hurd multi-server operating system” (PDF). ACM SIGOPS Operating Systems Review (New York, NY, USA: Association for Computing Machinery) 41 (4): 30-39. doi:10.1145/1278901.1278907. オリジナルの2015-11-05時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20151105213752/http://www.walfield.org/papers/200707-walfield-critique-of-the-GNU-Hurd.pdf 2016ねん1がつ11にち閲覧えつらん. 
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  15. ^ Hillesley, Richard (June 30, 2010), “GNU HURD: Altered visions and lost promise”, The H: p. 3, http://www.h-online.com/open/features/GNU-HURD-Altered-visions-and-lost-promise-1030942.html, "Nearly twenty years later the HURD has still to reach maturity, and has never achieved production quality. […] Some of us are still wishing and hoping for the real deal, a GNU operating system with a GNU kernel." 
  16. ^ Lessig, Lawrence. The Future of Ideas: The Fate of the Commons in a Connected World, p. 54. Random House, 2001. ISBN 978-0-375-50578-2. About Stallman: "He had mixed all of the ingredients needed for an operating system to function, but he was missing the core."
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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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