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z/VSE

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
z/VSE
開発元かいはつもと IBM
最新さいしんばん
V6.2 / 2017ねんリリース
プラットフォーム z/ArchitectureSystem zひとし
種別しゅべつ オペレーティングシステム
ライセンス プロプライエタリ (IPLA)
公式こうしきサイト z/VSE
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z/VSE(ゼットブイエスイー、英語えいご: z/Virtual System Environment)は、IBMが2005ねんから発売はつばいしたメインフレームようオペレーティングシステム (OS) の1つ。略称りゃくしょうDOSVSEなど。1964ねん誕生たんじょうしたSystem/360ようDOS/360や、その後継こうけいのDOS/VS、DOS/VSE、VSE/ESAなどのさら後継こうけいだが、2022ねん8がつ最終さいしゅうバージョンのV6.2の2023ねん9がつのサポート終了しゅうりょう発表はっぴょうされた[1][2]

名称めいしょう

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z/VSEは、z/Architecture対応たいおうしたVSEである。起源きげんであるDOS/360からの一連いちれん製品せいひんふくめ、たんに「DOS」または「VSE」とばれることおおい。初期しょき名称めいしょう「DOS」はディスクオペレーティングシステム意味いみし、1980年代ねんだい以降いこうPC DOSMS-DOSとは無関係むかんけいである。

概要がいよう

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IBMメインフレームの中規模ちゅうきぼシステムようOSであり、信頼しんらいせい可用性かようせい保守ほしゅせい (RAS) がたかいとされ、製造せいぞう金融きんゆう流通りゅうつう運輸うんゆなどの中規模ちゅうきぼシステムなどで使用しようされている。

z/ArchitectureをサポートするIBMメインフレーム(eServer zSeries、IBM System zなど)で稼動かどうする。V4まではz/VSE自体じたい64ビットサポートは限定げんていてきであり、じつアドレッシングは64ビットで、アプリケーションから仮想かそうアドレッシングは31ビットアドレッシングだが、V5.1 で64ビット仮想かそうアドレッシングがサポートされた。z/VSEは、System zの物理ぶつり区画くかくPPAR)や論理ろんり区画くかくLPAR)のほかz/VMのゲストOSとしても稼動かどうできる。

おなじIBMメインフレーム専用せんようOSでも、z/OSz/VMとは別物べつものである。しかし起源きげんであるDOS/360は、OS/360(z/OSの起源きげん)とどう時期じき開発かいはつされ、VSE/ESAではMVSとの親和しんわせい向上こうじょうされたため、共通きょうつうてんおおい。z/VSEはz/OSの弟分おとうとぶんともいえる。z/OSと比較ひかくして全体ぜんたいがコンパクトなため、すくないリソース(プロセッサメモリ、ディスク装置そうちさらには設定せっていすべき項目こうもく管理かんりしゃ)で信頼しんらいせいたかトランザクション処理しょりシステムやデータベースシステムを構築こうちくすること可能かのうである。なお「IBMがVSEを中止ちゅうししてz/OSに一本いっぽんするのではないか」という観測かんそくむかしからあるが、実際じっさい継続けいぞくされている。ただしハードウェアやミドルウェアなどの移植いしょくは、z/OSより範囲はんいすくなく、時期じきおそ場合ばあいおおい。このため主流しゅりゅうとはいがたい。

歴史れきし

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  • 1966ねん DOS/360System/360よう中規模ちゅうきぼようOSとして登場とうじょう
  • 1972ねん DOS/VS(System/370仮想かそう記憶きおく対応たいおう
  • 1979ねん DOS/VSE(IBM 4300シリーズで登場とうじょう、プログラムの稼働かどうできる区画くかく最大さいだい12区画くかく
  • 1980年代ねんだい VSE/SPに改名かいめい (1987ねんの VSE/SP V3で基本きほん部分ぶぶん完成かんせいされたとされる)
  • 1991ねん VSE/ESA(ESA/370に対応たいおう、31ビットアドレッシング対応たいおう、MVSとの親和しんわせい動的どうてき区画くかく対応たいおう
  • 2005ねん z/VSE(z/Architectureに対応たいおう最大さいだい稼働かどうVSEタスクは255)
  • 2008ねん8がつ z/VSE V4.2発表はっぴょう出荷しゅっか (最大さいだい稼働かどうVSEタスクは512)
  • 2010ねん10がつ z/VSE V4.3発表はっぴょう仮想かそうストレージの制約せいやく緩和かんわなど)[3]
  • 2011ねん11月 z/VSE V5.1発表はっぴょう(64ビット仮想かそうアドレッシング・サポートなど)[4]
  • 2015ねん10がつ z/VSE V6.1発表はっぴょう [5]
  • 2017ねん4がつ z/VSE V6.2発表はっぴょう [6]

構成こうせい

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z/VSEのおもなコンポーネントには以下いかがある。

  • VSE/POWER(ジョブ制御せいぎょシステム)
  • VTAM通信つうしん
  • TCP/IP通信つうしん
  • ICCF(タイムシェアリング)

z/VSEをサポートするおもなミドルウェアには以下いかがある。

  • CICS Transaction Server for VSE
  • DB2 for VSE
  • DL/I for VSE

なお以下いかのミドルウェアはVSEじょうでは稼動かどうしないため、System zのべつ論理ろんり区画くかく (LPAR) などでLinuxうえ稼動かどうさせ連携れんけいする。

比較ひかく

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z/OSとの共通きょうつうてん

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  • System/360以来いらい互換ごかんせいち、z/ArchitectureをサポートするIBMメインフレームじょう稼動かどうする
  • ネイティブの文字もじコードはEBCDIC
  • SNA標準ひょうじゅんサポート
  • COBOLPL/IC言語げんご0などのプログラミング言語げんごをサポート

z/OSとの相違そういてん

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  • OS自体じたいがコンパクト(サブシステムすう管理かんりすべき項目こうもく必要ひつようなハードウェア資源しげんなど)
  • 多重たじゅう仮想かそう空間くうかん限定げんていてき静的せいてき区画くかく動的どうてき区画くかく
  • V5.1までは64ビット仮想かそうアドレッシングをサポートしなかった
  • OSコマンドやジョブ制御せいぎょ言語げんご(VSEではJCSとぶ)の機能きのう構文こうぶんことなる

参照さんしょう

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  1. ^ 5686-VS6 - IBM Software Support Lifecycle
  2. ^ Software withdrawal and support discontinuance: Select IBM zSystems platform programs - Some replacements available
  3. ^ IBM z/VSE V4.3の発表はっぴょう - 日本にっぽんIBM
  4. ^ IBM z/VSE V5.1 の発表はっぴょう - 日本にっぽんIBM
  5. ^ IBM z/VSE V6.1 extends online capabilities, connectivity, and security
  6. ^ プレビュー: IBM z/VSE V6.2

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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