PATM

PATM（パトム）は、「People（ are） Allergic To Me」の頭文字かしらもじを合あわせた略語りゃくごであり、周囲しゅういの他人たにんに対たいしてアレルギー反応はんのうやそれに近ちかい反応はんのうを引ひき起おこさせる体質たいしつまたは症状しょうじょうを呼よぶための言葉ことばとされる。ただし医学いがく的てきに検証けんしょうされた病名びょうめい・医学いがく用語ようごではない。

仮説かせつ

症状しょうじょう

2020年ねん6月がつ現在げんざい、医学いがく的てきな定義ていぎはなされていない。周囲しゅういの人々ひとびとがアレルギー反応はんのうやそれに近ちかい症状しょうじょうを起おこすといった形かたちで認識にんしきされるとされるが、アレルギーの症状しょうじょうは、咳せきや喉のどの違和感いわかん、くしゃみや鼻水はなみず、鼻はなづまり、目めや皮膚ひふの痒かゆみなどが挙あげられるが、訴うったえる人ひとによって様々さまざまであり、それぞれ細こまかな症状しょうじょうや原因げんいんが別々べつべつのものである可能かのう性せいがある。確立かくりつされた治療ちりょう法ほうは発表はっぴょうされていない。

原因げんいんとされるもの

PATMの研究けんきゅう者しゃからは皮膚ひふガスが原因げんいんとする説せつ、またインターネット上うえなどでは患者かんじゃに付ついたカンジダなどの常つね在ざい菌きんが原因げんいんとする説せつや患者かんじゃ特有とくゆうのタンパク質たんぱくしつが原因げんいんとする説せつ、衣類いるいに付着ふちゃくしたカビや化学かがく物質ぶっしつとする説せつなどが主張しゅちょうされている。

PATM患者かんじゃの皮膚ひふから発はっせられる皮膚ひふガスと呼よばれるものの中なかに通常つうじょうは検出けんしゅつされない化学かがく物質ぶっしつが混まじっているとする結果けっかや、通常つうじょう人体じんたいから検出けんしゅつされにくいカビ菌きんが鼻腔びこうから検出けんしゅつされたという結果けっかも示しめされているが、根本こんぽん的てきな部分ぶぶんの解明かいめいには至いたっていない。

東海大学とうかいだいがく理学部りがくぶ化か学科がっかの関根せきね嘉香かこう教授きょうじゅらの研究けんきゅうグループがPATMの解明かいめいに取とり組くんでいる。

2018年ねん、株式会社かぶしきがいしゃエフシージー研究所けんきゅうじょ（フジサンケイグループ）の川上かわかみ裕司ゆうじらが、PATMを訴うったえる被験者ひけんしゃに対たいし皮膚ひふガス測定そくてい、着用ちゃくようした肌着はだぎからの揮発きはつ性せい化学かがく物質ぶっしつ測定そくてい等とうを実施じっししたところ、皮膚ひふガスからトルエンやキシレンなどの化学かがく物質ぶっしつが対照たいしょう者しゃと比くらべて多おおく検出けんしゅつされ、また被験者ひけんしゃの皮膚ひふから比較的ひかくてき高たかい放散ほうさん量りょうが認みとめられたヘキサン、プロピオンアルデヒド、トルエンなどが着用ちゃくよう後ごの肌着はだぎからも検出けんしゅつされたと発表はっぴょうしている。

2023年ねん、Scientific Reportsに掲載けいさいされた東海大学とうかいだいがくの関根せきね嘉香かこうによる論文ろんぶんによると、自身じしんをPATMだと主張しゅちょうする日本人にっぽんじん患者かんじゃ20人にんの皮膚ひふガスは健康けんこうな人ひとに比くらべてヘキサノールが約やく12倍ばい、トルエンが約やく39倍ばい、m,p-キレシンが約やく4倍ばい程度ていど放出ほうしゅつされていることが突つき止とめられた。加くわえて、αあるふぁ-ピネン、βべーた-ピネン、D-リモネン等ひとしの健康けんこうな人ひとが発はっする皮膚ひふガスは少すくない傾向けいこうにあることもわかった。これがPATMの世界せかい初はつの論文ろんぶんとなった。

マスメディアでの認知にんち

2018年ねん1月がつ31日にち、ダイヤモンド社だいやもんどしゃ『ダイヤモンド・オンライン』で取とり上あげられた。

2018年ねん3月6日にち、日本にほんテレビ系列けいれつで放送ほうそうされた『世界せかい仰天ぎょうてんニュース』で、テレビ番組ばんぐみで初はじめてPATMについて取とり上あげられた。

関連かんれん項目こうもく

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