(Translated by https://www.hiragana.jp/)
KVD-1 - Wikipedia コンテンツにスキップ

KVD-1

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
（RD-56Mから転送てんそう）
KVD-1 (12KRB)
原はら開発かいはつ国こくUSSR/ロシア
初はつ飛行ひこう2001-04-20, GSAT-1 ミッション, GSLV 初はつ打うち上あげ
最終さいしゅう（最新さいしん）飛行ひこう2010-12-25, GSAT-5P 打うち上あげ, GSLV Mk I final flight
設計せっけい者しゃA.M. イサーエフ記念きねん化学かがく技術ぎじゅつ設計せっけい局きょく（英語えいご版ばん）
目的もくてき上段じょうだん
搭載とうさいGSLV Mk 1
前身ぜんしんRD-56
現況げんきょう引退いんたい
液体えきたい燃料ねんりょう
構成こうせい
燃焼ねんしょう室しつ1 + 2 バーニア
性能せいのう
推力すいりょく (vac.)69.6 kN (15,600 lbf)
燃焼ねんしょう室しつ圧力あつりょく5.6 MPa (810 psi)
Isp (vac.)462秒びょう
燃焼ねんしょう時間じかん800秒間びょうかん (1回かいの燃焼ねんしょうでは600秒間びょうかん)
脚注きゃくちゅう; 姿勢しせい制御せいぎょのために2基きのバーニアを使用しようする[1]
寸法すんぽう
全長ぜんちょう2.14 m (7 ft 0 in)
直径ちょっけい1.58 m (5 ft 2 in)
乾燥かんそう重量じゅうりょう282 kg (622 lb)
リファレンス
出典しゅってん[2][3][4]

KVD-1はソビエト連邦れんぽうのイサーエフ設計せっけい局きょく(現在げんざいの A.M. イサーエフ記念きねん化学かがく技術ぎじゅつ設計せっけい局きょく（英語えいご版ばん）)で1960年代ねんだい初頭しょとうに開発かいはつされた液体えきたい水素すいそ/液体えきたい酸素さんそを推進すいしん剤ざいとする二に段だん燃焼ねんしょうサイクルの上段じょうだん用よう極ごく低温ていおん液体えきたい燃料ねんりょうロケットエンジンである。ソビエトの月面げつめん有人ゆうじん着陸ちゃくりく計画けいかくで使用しようされたN-1ロケットの上段じょうだんとして開発かいはつされた極きょく低温ていおん燃料ねんりょうロケットエンジンであるRD-56の改良かいりょう版ばんである。[5] KVD-1は7.5トンの推力すいりょくを生うみ出だす事ことが出来できた。

1960年代ねんだいに開発かいはつされたエンジンではあるが、ロケットエンジンの性能せいのうの指標しひょうである、比ひ推力すいりょく、推力すいりょく、推力すいりょく重量じゅうりょう比ひを比較ひかくしてもその水準すいじゅんは1990年代ねんだい以降いこうに他国たこくで開発かいはつされた液体えきたい水素すいそ/液体えきたい酸素さんそを推進すいしん剤ざいとする上段じょうだんエンジンと比較ひかくしても遜色そんしょくない水準すいじゅんである。

初期しょきの開発かいはつ

[編集へんしゅう]

KVD-1はソビエトの月面げつめん有人ゆうじん着陸ちゃくりく計画けいかくで使用しようされたRD-56を原型げんけいとして開発かいはつされた。[6] RD-56 別名べつめい11D-56エンジンはN1ロケット用ようとして開発かいはつされたが、4回かいの打うち上あげ失敗しっぱいに伴ともない廃棄はいきされた。[7] 後のちにこのエンジンの設計せっけいはインド宇宙うちゅう研究けんきゅう機関きかん(ISRO)に"KVD-1"の名称めいしょうで$12000万まんドルで売却ばいきゃくされ[8] ソビエトのグラブコスモス(Glavcosmos)とISROは2基きのKVD-1 エンジンの輸入ゆにゅうとロシアからの技術ぎじゅつの移転いてんに合意ごういした。[9]

ISRO での計画けいかく

[編集へんしゅう]

エンジンは推力すいりょく/重量じゅうりょう比ひが低ひくいので非ひ効率こうりつだった。後のちにロシアの機関きかんはエンジンを離陸りりく重量じゅうりょうが2.5トンの人工じんこう衛星えいせいの打うち上あげに最適さいてき化かした。その結果けっか、2007年ねんに離陸りりく重量じゅうりょうが2,140 kgのINSAT-4CR人工じんこう衛星えいせいが打うち上あげられた。[7]

アメリカによる抗議こうぎ

[編集へんしゅう]

1991年ねんにインドとロシアはインド国内こくないでエンジンを製造せいぞうできるようにKVD-1エンジンの技術ぎじゅつ移転いてんに合意ごういした。しかし、後のちに1993年ねん7月がつ、アメリカはISROとグラブコスモスに対たいしてミサイル技術ぎじゅつ管理かんりレジュームに抵触ていしょくするとして抗議こうぎした。この抗議こうぎの後のち、ISROは独自どくじの極きょく低温ていおんエンジンの開発かいはつ計画けいかくを強しいられ、CE-7.5を開発かいはつした。[10]

特徴とくちょう

[編集へんしゅう]

エンジンは単体たんたいの燃焼ねんしょう室しつで極ごく低温ていおんエンジンとして宇宙うちゅう機きの打うち上あげにおいて楕円だえん軌道きどうや静止せいし軌道きどうへの投入とうにゅうに使用しようされる。

  • 燃料ねんりょうを含ふくまない重量じゅうりょう: 282 kg (621 lb).
  • 全高ぜんこう  : 2.14 m
  • 直径ちょっけい  : 1.56 m
  • サイクル  : 二に段だん燃焼ねんしょうサイクル
  • 比ひ推力すいりょく  : 462秒びょう
  • 推力すいりょく  : 69.60 kN (15,647 lbf)
  • 燃焼ねんしょう時間じかん  : 800 秒びょう[11]

用途ようと

[編集へんしゅう]

KVD-1 は以下いかの打上うちあげ機きに使用しようされる

各国かっこくのエンジンの比較ひかく

[編集へんしゅう]
主要しゅよう諸しょ元もと一覧いちらん
　 RL-10 HM7B Vinci KVD-1 CE-7.5 CE-20 YF-75 RD-0146 ES-702 ES-1001 LE-5 LE-5A LE-5B
燃焼ねんしょうサイクル エキスパンダーサイクル ガス発生はっせい器きサイクル エキスパンダーサイクル 二に段だん燃焼ねんしょうサイクル ガス発生はっせい器きサイクル ガス発生はっせい器きサイクル ガス発生はっせい器きサイクル エキスパンダーサイクル ガス発生はっせい器きサイクル ガス発生はっせい器きサイクル ガス発生はっせい器きサイクル エキスパンダブリードサイクル
（ノズルエキスパンダ） 		エキスパンダブリードサイクル
（チャンバエキスパンダ）
真空しんくう中ちゅう推力すいりょく 66.7 kN (15,000 lbf) 62.7 kN 180 kN 69.6 kN 73 kN 200 kN 78.45 kN 98.1 kN (22,054 lbf) 68.6 kN (7.0 tf)[13] 98 kN (10.0 tf)[14] 102.9 kN (10.5 tf) r121.5 kN (12.4 tf) 137.2 kN (14 tf)
混合こんごう比ひ 5.2 6.0 5.5 5 5
膨張ぼうちょう比ひ 40 100 40 40 140 130 110
真ま空中くうちゅう比ひ推力すいりょく (秒びょう) 433 444.2 465 462 454 443 437 463 425[15] 425[16] 450 452 447
燃焼ねんしょう圧力あつりょく MPa 2.35 3.5 6.1 5.6 5.8 6.0 3.68 7.74 2.45 3.51 3.65 3.98 3.58
LH2ターボポンプ回転かいてん数すう min-1 125,000 41,000 46,310 50,000 51,000 52,000
LOXターボポンプ回転かいてん数すう min-1 16,680 21,080 16,000 17,000 18,000
全長ぜんちょう m 1.73 1.8 2.2~4.2 2.14 2.14 1.5 2.2 2.68 2.69 2.79
質量しつりょう kg 135 165 280 282 435 558 550 242 255.8 259.4[17] 255 248 285

関連かんれん項目こうもく

[編集へんしゅう]

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ Brügge, Norbert. “Geosynchronous Satellite Launch Vehicle (GSLV)”. B14643.de. 2015年ねん6月がつ1日にち閲覧えつらん。
  2. ^ Wade, Mark. “RD-56”. astronautix.com. Encyclopedia Astronautica. 2014年ねん1月がつ7日にち閲覧えつらん。
  3. ^ “Двигатель КВД1. Кислородно-водородный блок 12КРБ” [Engine KVD-1. Hydrogen Oxygen unit 12KRB] (Russian). kbhmisaeva.ru. KB KhIMMASH. 2015年ねん8月がつ3日にち閲覧えつらん。
  4. ^ “KVD-1 & S5.92 Brochure”. KB KhIMMASH (1998年ねん10月がつ13日にち). 2015年ねん8月がつ3日にち閲覧えつらん。
  5. ^ Simha, Rakesh Krishnan (2013年ねん12月4日にち). “How India’s cryogenic programme was wrecked”. indrus.in. 2014年ねん1月がつ7日にち閲覧えつらん。
  6. ^ V. Rachuk , and N. Titk ov. “The First Russian LOX-LH 2 Expander Cycle LRE: RD0146”. LPRE Germany. pp. 15. 2014年ねん1月がつ7日にち閲覧えつらん。
  7. ^ a b “The long road to cryogenic technology”. The Hindu (Chennai). (2011年ねん4月がつ21日にち). http://www.thehindu.com/opinion/lead/the-long-road-to-cryogenic-technology/article397441.ece 2014年ねん1月がつ7日にち閲覧えつらん。 
  8. ^ “Cryogenic Upper Stage (CUS)”. justthe80.com. 2014年ねん1月がつ7日にち閲覧えつらん。
  9. ^ “ISRO Cryogenic Engine: Cryogenic Upper Stage (CUS) , Videos and Report”. Anant. defence.pk (2013年ねん3月がつ30日にち). 2014年ねん1月がつ7日にち閲覧えつらん。
  10. ^ Laxman, Srinivas (2014年ねん1月がつ6日にち). “India overcame US sanctions to develop cryogenic engine”. Times of India. http://articles.timesofindia.indiatimes.com/2014-01-06/india/45918024_1_cryogenic-engine-cryogenic-technology-liquid-propulsion-systems-centre 2014年ねん1月がつ22日にち閲覧えつらん。 
  11. ^ “Encyclopedia Astronautica RD-56”. astronautix.com. 2014年ねん1月がつ7日にち閲覧えつらん。
  12. ^ “India's GSLV cryogenic upper stage (CUSP) and its relationships”. b14643.de. 2014年ねん1月がつ7日にち閲覧えつらん。
  13. ^ 開口かいこう比ひ40のノズルスカートを未み装着そうちゃく時じの推力すいりょくは48.52kN (4.9 tf)
  14. ^ 開口かいこう比ひ40のノズルスカートを未み装着そうちゃく時じの推力すいりょくは66.64kN (6.8 tf)
  15. ^ 開口かいこう比ひ40のノズルスカートを未み装着そうちゃく時じの比ひ推力すいりょくは286.8
  16. ^ 開口かいこう比ひ40のノズルスカートを未み装着そうちゃく時じの比ひ推力すいりょくは291.6
  17. ^ 計算けいさん値ち

外部がいぶリンク

[編集へんしゅう]
「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=KVD-1&oldid=84440948」から取得しゅとく