T-600

T-600は、映画えいが『ターミネーターシリーズ』に登場とうじょうする架空かくうのアンドロイド兵器へいきの一種いっしゅである。『ターミネーター』のマイケル・ビーン演えんじるカイル・リースの会話かいわや、『ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ』および『ターミネーター4』で確認かくにんできる。

設定せってい

ターミネーターは、スカイネットによって作つくられた人間にんげん抹殺まっさつ用ようのアンドロイドで、正確せいかくには「サイバーダインシステムズ・モデルXXXシリーズXXX」という型番かたばんを与あたえられている。T-600のボディを覆おおうゴム製せいのカバー(皮膚ひふ)にモデルがあるかは不明ふめいなので、サイバーダインシステムズ・(モデルXXX)シリーズ600という型番かたばんだと推測すいそくされる。

特徴とくちょう

T-600は人ひと型がたターミネーターとしては初はつの量産りょうさん機きであり、生身なまみの人間にんげんを模もした外見がいけんを持もっている。また、一部いちぶのT-600はチタン合金ごうきん製せいの金属きんぞく骨格こっかくをゴム製せいのカバー（皮膚ひふ）で覆おおっているが、ゴム製せいであるが故ゆえに容易よういに識別しきべつ可能かのうである。更さらに、身長しんちょうは2メートル以上いじょうで声こえも機械きかい的てき、加くわえて稼動かどう部ぶの発はっする駆動くどう音おんは骨格こっかくをカバーや衣服いふくで覆おおっても防音ぼうおんしきれないほど大おおきく、明あきらかに擬態ぎたいとしては甘あまく、その後ごの潜入せんにゅうタイプのターミネーター開発かいはつにおける過渡かと期きの機体きたいともいうべき存在そんざいとも言いえる。

ただし、人間にんげんにとっては大おおきな脅威きょういであることに違ちがいはない。普通ふつうの人間にんげんを遥はるかに凌駕りょうがするほどのパワーを持もち、ミニガン及およびグレネードランチャー等ひとしの重火器じゅうかきで重じゅう武装ぶそうしている。主おもに壊滅かいめつした市街地しがいちに潜伏せんぷくする人間にんげんを掃討そうとうするため、また機械きかい軍ぐんの重要じゅうよう拠点きょてんであるスカイネットセントラルやその他たの拠点きょてん施設しせつを守備しゅびするために多数たすうが配備はいびされている。なお、後者こうしゃは単たんなる機械きかい軍ぐんの兵士へいしとしての役割やくわりだけが必要ひつようなことから、人間にんげんに擬態ぎたいせずエンドスケルトン形態けいたいである（擬態ぎたいしない状態じょうたいのターミネーターは、『ターミネーター2』の未来みらいでの戦闘せんとうシーンや『ターミネーター3』のジョンの悪夢あくむで登場とうじょうする。なお、映像えいぞうで判断はんだんする限かぎりこのターミネーターはT-800である）。

機能きのう、及および能力のうりょく

外そと骨格こっかくボディは対人たいじん小しょう火器かきでも防弾ぼうだん可能かのうなチタン合金ごうきん製せいながらも後発こうはつのT-800と比較ひかくして耐久たいきゅう性せいは低ひくく、劇げき中ちゅうでは近距離きんきょりからの銃撃じゅうげき等とうで容易よういに破壊はかいされており、関節かんせつ部ぶを小しょう火器かきで集中しゅうちゅう的てきに掃射そうしゃ、破壊はかいし一いち時じ的てきに動うごきを鈍なまらせる事ことが可能かのうだが、各かく部位ぶいに小型こがたの電磁でんじコアが内蔵ないぞうされており、爆発ばくはつなどの衝撃しょうげきで吹ふき飛とんだ四肢ししを磁力じりょくにより引ひき寄よせ、応急おうきゅう的てきな接合せつごうや自己じこ修復しゅうふく等とうを行おこない活動かつどうを継続けいぞくする。走はし力ちからや瞬発しゅんぱつ力りょく等とうの身体しんたい能力のうりょくは人間にんげんに劣おとるものの、全ぜんTシリーズに共通きょうつうする利点りてんを活いかして、物理ぶつり的てきに機能きのうが停止ていしするまで索敵さくてき、戦闘せんとうを行おこなう。また頭部とうぶが弱点じゃくてんなのか、半壊はんかいした個体こたいが頭部とうぶに銃撃じゅうげきを受うけて機能きのうを停止ていしするシーンがあるが、これがT-800と同おなじく頭部とうぶにシステムの中枢ちゅうすうであるチップが内蔵ないぞうされていることに起因きいんしているのかは不明ふめい。後のちに開発かいはつされるT-800には生体せいたい反応はんのうを感知かんちするセンサーが備そなえられているが、本ほん型がたにはそれが見みられず武装ぶそうグループらを掃射そうしゃした後のち、布袋ほていを被こうむって隠かくれていたカイルとスターに気付きづかず、彼かれらの目前もくぜんで自己じこ修理しゅうりする様子ようすを目撃もくげきされている。

頭部とうぶにある視覚しかくセンサーはT-800と同様どうようの形状けいじょうをしており、作動さどう中ちゅうは赤あかく発光はっこうし、機能きのうを停止ていしすると赤あかい光ひかりが消きえるのもT-800と同おなじである。一方いっぽうで視覚しかくセンサーの捉とらえたデータを処理しょりするソフトウェアはT-800系統けいとうのものとは異ことなり、全体ぜんたい的てきに色合いろあいの薄うすい白黒しろくろに近ちかい可視かし光線こうせんによる画像がぞうに、赤色あかいろの文字もじやターゲットカーソル等とうが表示ひょうじされる。なお、このソフトウェアは『ターミネーター4』の舞台ぶたいとなる2018年ねん時点じてんでは機械きかい軍ぐんのターミネーターの標準ひょうじゅん的てきなものであり、劇げき中ちゅうではエアロスタットとハーヴェスター、モト・ターミネーターそしてT-700が同様どうようのソフトウェア（若干じゃっかんの違ちがいもある）を搭載とうさいしている。

目標もくひょうの追尾ついび機能きのうを担になうチップの一部いちぶが頚部けいぶの後のち側がわに露出ろしゅつしており、ここを破壊はかいされると追跡ついせき機能きのうが短時間たんじかん停止ていしする（実際じっさいに本ほん機きと同様どうようの構造こうぞうをしているT-700がカイル・リースにより破壊はかいされ、目標もくひょうを定さだめられず銃じゅうを乱射らんしゃしているシーンがある。また、ジョンがラジオでこの弱点じゃくてんの事ことを語かたっている）。一方いっぽう、小説しょうせつ版ばん『ターミネーター4』ではジョンがラジオ放送ほうそうで「T-600は危険きけんだが、関節かんせつ部ぶを狙ねらえば小ちいさな銃じゅうでも有効ゆうこう打だを与あたえられる。また、首くびの後うしろは唯一ゆいいつモーターが露出ろしゅつしており、ここをナイフで攻撃こうげきすると短時間たんじかんだが動うごきを鈍なまらせる」と語かたっており、実際じっさい劇げき中ちゅうでカイルはT-600の首くびの後うしろをナイフで攻撃こうげきして難なんを逃のがれている。

その他た

なお、T-600の生産せいさんにあたり、プロトタイプであるT-500が存在そんざいする。この機体きたいは設定せっていのみであり、本編ほんぺんには登場とうじょうしない。また、T-600の小型こがた化かバージョンとしてT-700が存在そんざいし、こちらは『ターミネーター4』に登場とうじょうする。

『ターミネーター』で初はじめて現代げんだいに送おくり込こまれてきた機体きたいは、T-600およびT-700の改良かいりょう型がたにして量産りょうさん機きとしては史上しじょう初はつの潜入せんにゅう型がたターミネーターのT-800である。この機体きたいはT-600およびT-700と同様どうようのチタン合金ごうきん製せいの骨格こっかくを人間にんげんと同おなじ生体せいたい細胞さいぼうで覆おおい、サイズも小型こがた化かされた上うえに、動作どうさも格段かくだんに滑なめらかになり、音声おんせいも機械きかい的てきな声こえから、人間にんげんと全まったく同様どうようの声こえに改良かいりょうされ、更さらに発汗はっかん作用さように加くわえて臭くさい息いきまで吐はける様ようになったことでより人間にんげんに近ちかくなり、もはや識別しきべつは非常ひじょうに困難こんなんとなった。またこれに伴ともない、旧式きゅうしき機きとなったT-600はその価値かちが大おおきく低下ていかしたと思おもわれるが小説しょうせつ版ばん『ターミネーター3』では未来みらい世界せかいの戦場せんじょうにおいて、本ほん機きよりもさらに旧式きゅうしきの戦車せんしゃ型がたターミネーターであるT-1と共ともに依然いぜんとして実戦じっせん投入とうにゅうされており、またビデオゲーム版ばんの『Terminator Resistance』においても登場とうじょうし、レジスタンスから未いまだ稼働かどうしていることを驚おどろかれる場面ばめんもある。