スカイネット

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

スカイネット (Skynet) は、映画えいがターミネーター』をはじめとした映画えいがターミネーターシリーズ』に登場とうじょうする架空かくうAIコンピュータ、およびその総体そうたいである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

自我じがったコンピュータとされており、設定せってい細部さいぶについては作品さくひんあいだ相違そういられる(過去かこへの干渉かんしょう結果けっか歴史れきしわったためともれる)。自己じこ存続そんぞくのために最高さいこう優先ゆうせん順位じゅんい活動かつどうするように設定せっていされており、みずからを破壊はかいしようとする存在そんざいである人類じんるい殲滅せんめつ目的もくてきとする。

シリーズにおける最終さいしゅう最大さいだいてきとなる存在そんざいだが、当初とうしょ黒幕くろまくとして直接ちょくせつえるかたちあらわれることはなかった。しかし、小説しょうせつしんターミネーター2』以後いごから具体ぐたいてき行動こうどう言動げんどう描写びょうしゃされるようになってきている。

『ターミネーター』(1984ねん公開こうかい以降いこう、『T1』)および『ターミネーター2』(1991ねん公開こうかい以降いこう、『T2』)では、軍用ぐんようコンピュータネットワークの基幹きかんコンピュータとしてえがかれ、『T2』では未来みらいから殺人さつじんアンドロイドT-800並列へいれつ処理しょり機能きのうそなえたメインプロセッサリバースエンジニアリングした技術ぎじゅつもとに、現代げんだい設計せっけいされたものとして描写びょうしゃされている。

設定せっていおよび作中さくちゅう台詞せりふによれば、この並列へいれつ処理しょり機能きのうそなえたコンピュータが自我じが目覚めざめ、これをおそれた人間にんげんがわ機能きのう停止ていしこころみる。この停止ていし措置そちみずからへの攻撃こうげきとらえたスカイネットは、アメリカ東部とうぶ時間じかんの1997ねん8がつ29にち午前ごぜん214ふん人間にんげんがわ抹殺まっさつすべくかくミサイルをロシアけて発射はっしゃし、ぜん世界せかい規模きぼかく戦争せんそう誘発ゆうはつさせた(「審判しんぱん」)。そのみずからの手足てあし端末たんまつ)となる無人むじん兵器へいきによる機械きかいぐんつくげたスカイネットは人間にんげんりを実行じっこうして人類じんるい絶滅ぜつめつ寸前すんぜんにまでめるが、人類じんるいがわ指導しどうしゃジョン・コナーが出現しゅつげんし、かれひきいるはんスカイネットゲリラ組織そしき抵抗ていこうぐん」によって破壊はかいされた。

ターミネーター3』(2003ねん公開こうかい以降いこう、『T3』)では、『T2』で開発かいはつされる可能かのうせいまで阻止そしされたことから未来みらい変更へんこうされ単一たんいつぐん基幹きかんコンピュータではなくインターネットなど既存きそんコンピュータネットワークかいして媒介ばいかいされるコンピュータウイルスにより、それらのコンピュータぐん並列へいれつ処理しょりおこないながら1つの意識いしき共有きょうゆうする存在そんざいとなった。

ターミネーター4』(2009ねん公開こうかい以降いこう、『T4』)では、『T1』や『T2』の路線ろせんじゅんじた存在そんざいになっている。しかし『T3』で登場とうじょうしたキャタピラしきマシンの後継こうけいどう作品さくひん採用さいようされている。

ターミネーター:しん起動きどう/ジェニシス』(2015ねん公開こうかい)では、『T1』や『T2』の路線ろせんじゅんじつつ、その根幹こんかんである基本きほんOS「ジェニシス」に焦点しょうてんてられている。

『T2』の正統せいとう続編ぞくへん位置付いちづけられた『ターミネーター:ニュー・フェイト』(2019ねん公開こうかい)では、スカイネット消滅しょうめつ物語ものがたりえがかれている。

げきちゅうでの描写びょうしゃ[編集へんしゅう]

ターミネーター[編集へんしゅう]

『ターミネーター』げきちゅうのカイル・リースの発言はつげん、そして『ターミネーター2』のコメンタリーによると、スカイネットはアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのハイテク企業きぎょうサイバーダインしゃが1999ねん開発かいはつした戦略せんりゃく防衛ぼうえいコンピュータシステムである。稼動かどう自我じが目覚めざめたスカイネットはぜん世界せかいかくミサイルを発射はっしゃし、人類じんるい半数はんすう死滅しめつさせ、のこった人々ひとびとはこれを「審判しんぱん」と名付なづけた。

その、スカイネットは自身じしん配下はいかにある兵器へいき中心ちゅうしんとした機械きかいぐん編成へんせいし、人間にんげんりを開始かいし当初とうしょ既存きそん兵器へいき(「審判しんぱん以前いぜん人類じんるいによってつくられた兵器へいき)で構成こうせいされていた機械きかいぐん強化きょうかするべく独自どくじ兵器へいき設計せっけい開発かいはつ開始かいしし、機械きかいぐん拠点きょてんである兵器へいき工場こうじょう大量たいりょうのターミネーターやハンターキラーをした。かく戦争せんそうにより国家こっか社会しゃかい崩壊ほうかいした人類じんるいはなすすべもなく機械きかいぐん殺戮さつりくされるか、その死体したい焼却しょうきゃくはこ奴隷どれいとしてぬまで酷使こくしされるかの運命うんめいしかのこされていなかった。

しかしある、ジョン・コナーという1人ひとりおとこあらわれ、無力むりょく人間にんげんたちを強制きょうせい収容しゅうようしょからすくし、武器ぶきにしてスカイネットとたたかうようびかける。ジョンが指揮しきする抵抗ていこうぐん反撃はんげきにより、機械きかいぐんはそれまでの優勢ゆうせい徐々じょじょくずされていく。これにたいし、スカイネットは人間にんげん擬態ぎたいして人間にんげん社会しゃかいへの潜入せんにゅう可能かのうとするターミネーターの研究けんきゅう開発かいはつ着手ちゃくしゅする。最初さいしょ開発かいはつしたT-600不完全ふかんぜん十分じゅうぶん結果けっかせなかったものの、この発展はってんがたであるT-800では抵抗ていこうぐん相手あいてにある程度ていどのダメージをあたえた。それでも劣勢れっせいくつがえすにはいたらず、スカイネットは自己じこ存続そんぞくのためターミネーターを過去かこ時代じだいおくみジョンの存在そんざいるという結論けつろんたっした。

かくしてスカイネットは過去かこ時代じだいへターミネーターを転送てんそうするタイムマシンを完成かんせいさせる。早速さっそくジョンがまれるまえ母親ははおやのサラ・コナーを抹殺まっさつしようとするが、彼女かのじょ個人こじん情報じょうほう消失しょうしつしていたため、サラの氏名しめいと「ロサンゼルス在住ざいじゅう」という情報じょうほうしかのこっていなかったため、1984ねんのロサンゼルスに転送てんそうされたT-800にあたえられた命令めいれいは「ロサンゼルスにむサラ・コナーという氏名しめい女性じょせい抹殺まっさつせよ」であり、これにしたがいT-800は電話でんわちょうがかりに同姓どうせい同名どうめい女性じょせい次々つぎつぎ殺害さつがいしていくが、目標もくひょうたるサラ・コナーにたどりくには時間じかんようしてしまう。このあいだにT-800の転送てんそう施設しせつ抵抗ていこうぐんち、ジョンのいのちにより1984ねんかれ片腕かたうでであるカイル・リースが転送てんそうされ、サラを保護ほごする。T-800はカイルの抵抗ていこう退しりぞ殺害さつがいするも、サラが起動きどうしたプレスつぶされてしまい標的ひょうてき抹殺まっさつには失敗しっぱいする。そればかりかカイルとサラとのあいだ愛情あいじょうまれた結果けっか、サラはカイルの遺児いじとしてジョン・コナーをむことになり、スカイネットは最大さいだいてき誕生たんじょう膳立ぜんだてする結果けっかとなってしまった。

しかし、T-800の残骸ざんがい、とりわけコンピュータの中枢ちゅうすうであるマイクロチップが、その歴史れきしかげとすことになる(カットされたシーンでは、T-800の残骸ざんがいからなにかを発見はっけんした工場こうじょう関係かんけいしゃ居合いあわせた警官けいかんから「勝手かってさわるな」と注意ちゅういされたにもかかわらず、研究けんきゅういんらしきおとこにそれをせる場面ばめんがある。その直後ちょくご画面がめんてくる工場こうじょうひさしには「サイバーダインしゃ」としるされていた)。

ターミネーター2[編集へんしゅう]

1984ねんのT-800、サラとカイルの死闘しとうのち、その舞台ぶたいとなった工場こうじょう所有しょゆうしゃであるサイバーダインしゃひそかにT-800の残骸ざんがい回収かいしゅうしていた。残骸ざんがいおおくは重度じゅうど破損はそんして機能きのううしなっていたが、サイバーダインしゃ唯一ゆいいつ無傷むきず右腕うわん破損はそんしたマイクロチップを分析ぶんせきし、これが技術ぎじゅつ資料しりょうとしておどろくべき価値かちめていると気付きづく。そしてこれ以降いこう右腕うわんとマイクロチップは厳重げんじゅう管理かんりされ、存在そんざい自体じたい極秘ごくひあつかいとなった。

げきちゅうのT-800の発言はつげんによると、マイクロチップをもとにサイバーダインしゃのエンジニア、マイルズ・ダイソンは画期的かっきてきなマイクロプロセッサを開発かいはつする。この技術ぎじゅつ利用りようして開発かいはつされた無人むじんステルス戦闘せんとう各種かくしゅ試験しけん完璧かんぺき結果けっかのこし、アメリカ政府せいふ軍事ぐんじりょく統御とうぎょする次世代じせだいがたコンピュータシステム「スカイネット」の構想こうそう計画けいかくする。そして1997ねん8がつ4にち、「スカイネット法案ほうあん」が可決かけつされ、スカイネットは稼動かどう開始かいしした。

稼動かどう同時どうじにスカイネットはちょう高速こうそく学習がくしゅう開始かいしし、1997ねん8がつ29にち午前ごぜん25ふん、ついに自我じが目覚めざめるにいたった。そして先述せんじゅつとおかく戦争せんそうこしてからは、本来ほんらい歴史れきし同様どうよう経緯けいい辿たどってゆくが、スカイネットの誕生たんじょうそのものが2ねんはやまった影響えいきょうでスカイネットの兵器へいき開発かいはつ大幅おおはば進展しんてんし、本来ほんらい歴史れきしでは2029ねん時点じてんさい新鋭しんえいのターミネーターはT-800だったが、歴史れきし改変かいへんの2029ねんでは常温じょうおん結晶けっしょう合金ごうきん液体えきたい金属きんぞく)とこれを材料ざいりょうとするT-1000完成かんせいするにいたった。

それでもジョンひきいる抵抗ていこうぐんまえ劣勢れっせいとなっていたスカイネットは、ジョンがまれるまえの1984ねんにサラを抹殺まっさつすべくT-800をおくみ、さらには1994ねんのロサンゼルスに少年しょうねん時代じだいのジョンを抹殺まっさつすべくT-1000を投入とうにゅうした(のちに、この2ほかにも刺客しかくとなるターミネーターを転送てんそうしていたことが、『ニュー・フェイト』にてかされた)。その直後ちょくご、ジョンので1984ねんにカイルが、1994ねんには抵抗ていこうぐん捕獲ほかくされてジョンを保護ほごするようプログラムをえられたT-800が転送てんそうされ、サラの抹殺まっさつ失敗しっぱいする。T-1000も、製鉄せいてつしょでのたたかいのてにT-800の攻撃こうげき溶鉱炉ようこうろ銑鉄せんてつなかとされ、破壊はかいされてしまう。これによってジョンの抹殺まっさつ失敗しっぱいしただけでなく、スカイネットの存在そんざいおおきくわる。ジョンとサラやT-800の活躍かつやく、そしてかれらから未来みらいはなしかされたマイルズの決断けつだんによって、スカイネットをすマイクロプロセッサが完成かんせい段階だんかい破壊はかいされたうえにすべての研究けんきゅうデータと記録きろく破棄はきされ、その原点げんてんである右腕うわんとマイクロチップも溶鉱炉ようこうろとされて消滅しょうめつする。そのうえ、T-800がスカイネットの誕生たんじょうにつながる要素ようそ完全かんぜん排除はいじょすべく自身じしん破壊はかい決意けついし、それをれたサラによってT-800は銑鉄せんてつなか降下こうかし、消滅しょうめつした(製鉄せいてつしょでの戦闘せんとうちゅう機械きかいまれた左腕さわん行方ゆくえ不明ふめいだが、小説しょうせつばんではサイバーダインしゃ〈『しんターミネーター2』ではアメリカ政府せいふいち機関きかん〉が極秘ごくひうら回収かいしゅうしたことになっている)。なお、それにさきんじてサイバーダインしゃでの警察けいさつ銃撃じゅうげきにより、マイルズも死亡しぼうしている。

この結果けっか、サイバーダインしゃのコンピュータ開発かいはつ分野ぶんやだい打撃だげきけ、「1997ねんに『審判しんぱん』をこすサイバーダインしゃせいのスカイネット」をすことは20世紀せいき時点じてんでは不可能ふかのうとなった。

ターミネーター3[編集へんしゅう]

『T2』のラストで存在そんざい自体じたい抹消まっしょうされたかにえたスカイネットは、まったあたらしい姿すがたでこのせいけることとなった。サイバーダインしゃわり、アメリカ政府せいふ軍部ぐんぶ技術ぎじゅつしゃたちから構成こうせいされる機関きかん「サイバー・リサーチ・システムズ」 (CRS) で防衛ぼうえいシステムをつかさど戦略せんりゃく防衛ぼうえいAIプログラム「スカイネット」を開発かいはつさせた(小説しょうせつばんでは、後述こうじゅつのロバートがサイバーダインしゃ破産はさん整理せいりかかわっており、CRSにスカイネットの技術ぎじゅつがれたと説明せつめいされている)。コンセプトとしては、コンピュータウイルスや電波でんぱ障害しょうがいによってネットワークに異常いじょうしょうじ、部隊ぶたいあいだ連絡れんらくやデータの共有きょうゆう不可能ふかのうになるといった事態じたいこっても、分散ぶんさんがたのスカイネットを稼動かどうさせることで政府せいふぐん回線かいせんふくめた異常いじょうなネットワークをスキャンしてあらし、問題もんだいすべ解決かいけつするというものである。また、CRSでは人間にんげん操縦そうじゅうする既存きそん兵器へいきとはことなる、スカイネットないしは個体こたいのAIプログラムが制御せいぎょするロボット兵器へいきとして、ターミネーターやハンターキラーの開発かいはつおこなわれていた。

責任せきにんしゃのロバート・ブリュースター空軍くうぐん中将ちゅうじょうはスカイネットの能力のうりょく危険きけんし、2004ねん新型しんがたのコンピュータウイルスによってネットワークにだい規模きぼ異常いじょう発生はっせいしたにもかかわらず、スカイネットの稼動かどうに「ハエを退治たいじするのにバズーカを使つかうようなもの」と否定ひていてきだったが、被害ひがい民間みんかん一般いっぱん回線かいせんからぐん専用せんよう回線かいせんにまで拡大かくだいし、上層じょうそうからのスカイネット稼動かどう催促さいそくられてしまう。稼働かどうしたスカイネットはネットワークの異常いじょう解決かいけつしたかにえたが、その直後ちょくごにあらゆる回線かいせんやシステムがロバートたちの制御せいぎょはなれて暴走ぼうそうしてしまう。ロバートはコンピュータウイルスがスカイネットを汚染おせんしたとかんがえていたが、じつはウイルスこそがスカイネットそのものであったため、スカイネットの稼動かどう問題もんだい解決かいけつどころか、けられない怪物かいぶつおりから完全かんぜんはなつことにならなかった。

これにたいし、2032ねんからおくられてきたT-850にあらたなるスカイネットと「審判しんぱん」についての説明せつめいけていたジョンと、ロバートのむすめケイト・ブリュースターは、『T2』までのスカイネットがゆうしていた「中枢ちゅうすうである基幹きかんコンピュータ」の存在そんざい仮定かていし、それを破壊はかいして審判しんぱんめようとかんがえるが、広域こういきネットワークに巣食すくった無数むすうのウイルスプログラムによる分散ぶんさんコンピューティング稼働かどうするスカイネットに中枢ちゅうすうというものは存在そんざいせず、破壊はかい不可能ふかのうだった。それをよくっていたロバートはジョンたちにクリスタル・ピークへくようにって必要ひつよう書類しょるいあたえたが、その目的もくてきかれらをかく攻撃こうげきからまもれる安全あんぜん場所ばしょ移動いどうさせることであった。ジョンとケイトの生存せいぞんだいいちにしていたT-850もロバートの意図いとさっし、真実しんじつせてジョンとケイトをクリスタル・ピークの政府せいふ高官こうかんようシェルターへかわせた結果けっか世界中せかいじゅうかくミサイルが発射はっしゃされるも2人ふたり無事ぶじびた。

シェルターは建造けんぞうされてからながあいだ使用しようされておらず、そこにあった機器きき旧式きゅうしきでありスカイネットの中枢ちゅうすうコンピュータではありえないことから、ロバートとT-850の真意しんいさとったジョンとケイトは、無線むせん各地かくちからはい救援きゅうえん要請ようせいたいして応答おうとうするのだった。このとき、クリスタル・ピークにあった、ネットワークへの接続せつぞくをそもそも想定そうていされていない旧式きゅうしき機器ききるいはスカイネットによる影響えいきょうけなかった。

審判しんぱん以降いこう展開てんかいは、T-850の説明せつめいによると2029ねんまでは「サイバーダインしゃせいのスカイネット」とほぼ同様どうようで、T-800やT-1000をコナー親子ちかこ抹殺まっさつのために過去かこおくみ、失敗しっぱいわったのも同様どうようである。そして2失敗しっぱい後者こうしゃにおける敗因はいいんである「抵抗ていこうぐんがわのターミネーター」にかんする対策たいさくかんがえた結果けっか、2032ねんたいターミネーターようのターミネーターT-X開発かいはつする。抵抗ていこうぐんがジョンの保護ほごにターミネーターをもちいると見越みこしてT-Xを2004ねんのロサンゼルスへ転送てんそうし、すこしでも抵抗ていこうぐんにダメージをあたえようとケイトやロバートをふく抵抗ていこうぐん関係かんけいしゃをターゲットにくわえた。その一方いっぽうで1994ねんにおけるジョンと101がたT-800の交流こうりゅうからまれたジョンの友情ゆうじょう計算けいさんし、おな外観がいかんの101がたT-850をジョン抹殺まっさつこまとしてはなった結果けっか、T-850は2032ねん世界せかいでジョンの抹殺まっさつ成功せいこうする。しかし、その直後ちょくごにT-850はケイトによって捕獲ほかくされてプログラムをえられ、ジョンとケイトをまもるために2004ねん転送てんそうされることになった。 また、T-850が自身じしんがジョンを殺害さつがいした事実じじつけたことと、ジョンとのわかれのさいに「またおう」と意味深いみしん言葉ことばのこしたことから、この時間じかんじくにおける未来みらいでのT-850によるジョン殺害さつがいもまた抹消まっしょうされたものとおもわれる。

ターミネーター4[編集へんしゅう]

ほんさくは『T3』の設定せってい部分ぶぶんてき継承けいしょうしてはいるが、スカイネットをしたのはサイバーダインしゃという設定せっていになっているため、『T2』の続編ぞくへんでもある。そのため、『T3』のげきちゅうでスカイネットをしたCRSは、ほんさくには登場とうじょうしない。ただしT3に登場とうじょうしたCRSせいのT-1という自律じりつがた戦闘せんとうロボットの改良かいりょうがたがT4のスカイネット本部ほんぶ登場とうじょうする。

1994ねんのジョンとサラとT-800、そしてマイルズのいちけんによってサイバーダインしゃだい打撃だげきけたが、倒産とうさんにはいたらなかった。そして21世紀せいきはいり、だい企業きぎょう地位ちいかえいたサイバーダインしゃは2003ねん同社どうしゃ所属しょぞく女性じょせい科学かがくしゃセレーナ・コーガンを中心ちゅうしんとして、「科学かがく発展はってん」が目的もくてきしょうする人体じんたい実験じっけん計画けいかくする。死刑しけいしゅうのマーカス・ライトがけい執行しっこう献体けんたい同意どういしょにサインし、けい執行しっこう実験じっけんはじまった。その実験じっけん途中とちゅうにセレーナはがん病死びょうしするが、実験じっけん自体じたいはサイバーダインしゃあらたに設立せつりつしたグループ会社かいしゃである「サイバネティック・リサーチしゃ」へがれた。

やがて、サイバーダインしゃがアメリカ空軍くうぐんとの契約けいやくもとづいて完成かんせいさせたスカイネットは自我じが目覚めざめると、ぜん世界せかいかくミサイルを発射はっしゃして「審判しんぱん」をこした(小説しょうせつばんでマーカスが発見はっけんしたスカイネットのデータベースにあるネットニュースの記事きじによると、スカイネットが自我じが目覚めざめてコントロール不能ふのうになったことにアメリカ当局とうきょく気付きづくもどうにもならず、スカイネットはロシアにけてかくミサイルを発射はっしゃした。その、ロシアからの報復ほうふく攻撃こうげきでアメリカもだい打撃だげきけたとある。また、ブレアがマーカスにかたったはなしによれば、スカイネットがだいいち目標もくひょうにしていたのはぜん世界せかい空港くうこう関連かんれん施設しせつとのこと)。これにともない、実験じっけんたいとなっていたマーカスの身柄みがらもスカイネットの管轄かんかつかれた。

審判しんぱん以降いこう世界せかいでは、ターミネーターやハンターキラーから構成こうせいされる機械きかいぐん編成へんせいする一方いっぽう、サンフランシスコにみずからの重要じゅうよう拠点きょてんであるスカイネットセントラルを構築こうちくした。ここをふくめたかく拠点きょてん機械きかいぐん配備はいびし、人類じんるい抵抗ていこうぐん交戦こうせんしている。抵抗ていこうぐんにさらなる打撃だげきあたえるべく人間にんげん捕獲ほかくし、その細胞さいぼう研究けんきゅうすることで潜入せんにゅうがたターミネーターの開発かいはつすすめていく。地球ちきゅうじょう人類じんるい絶滅ぜつめつさせたのち宇宙うちゅう開発かいはつ着手ちゃくしゅし、機械きかいそと宇宙うちゅう惑星わくせい殖民しょくみんさせる構想こうそうがあるともかされた。 同時どうじ抵抗ていこうぐん主要しゅよう人物じんぶつ殺害さつがいにもしており、ジョン・コナーとかれ父親ちちおやとなるカイル・リースをリストアップしていた。

ほんさくではモニターじょうのセレーナ・コーガンのかおこえりて、映像えいぞうじょうはじめてスカイネットが台詞せりふはっした。

小説しょうせつばんでは独自どくじ言語げんご開発かいはつし、自身じしんのデータベースや機械きかいぐんとの連絡れんらくとうもちいている。この言語げんご既存きそん言語げんごとはことなる文字もじつだけでなく、文章ぶんしょうかた英文えいぶんのようにひだりからみぎむだけにかぎらず、たてなな方向ほうこうむものもあり、暗号あんごう言語げんごとしての様相ようそうゆうする。そのため、スカイネットや機械きかいぐん以外いがいでこの言語げんご解読かいどくできるのは、抵抗ていこうぐん技術ぎじゅつへいのみである。

スカイネットセントラルではマーカスにたいし、人間にんげんだったころ犯罪はんざいしゃという社会しゃかい底辺ていへんかれていたかれがターミネーターになったことで機械きかい社会しゃかいではだれしもが記憶きおくするほどの立派りっぱ存在そんざいになったとの甘言かんげんもちい、完全かんぜん意味いみ自分じぶん配下はいかにしようと画策かくさくする。 しかしマーカスは、自身じしんがターミネーターされていた事実じじつらされても機械きかいぐんこごめせず、みずか制御せいぎょようのチップを破壊はかいしてスカイネットから離反りはん、さらにスカイネットセントラルもジョンによって爆破ばくはされ、機械きかいぐんだいダメージをけることになった。

ターミネーター:しん起動きどう/ジェニシス[編集へんしゅう]

未来みらい世界せかいでは従来じゅうらい歴史れきしどお人類じんるいぐんがスカイネットに勝利しょうりしたとおもわれたが、じつ人類じんるいぐんたおされたのはスカイネット配下はいか部隊ぶたいぎなかった。人類じんるいぐんいち兵士へいしけてひそかに潜入せんにゅうしていた、スカイネットの本体ほんたいであるターミネーターがジョンを背後はいごから襲撃しゅうげきし、かれみずからののままとなる新型しんがたターミネーターT-3000へ改造かいぞうした。スカイネットによる過去かこへの干渉かんしょうと、人類じんるいぐんによるさいプログラムみT-800「ガーディアン」をおくした「削除さくじょされた時間じかんじく」からの介入かいにゅうがあったからか、2017ねんにスカイネットが完成かんせいするスケジュールへ改変かいへんされている。その時間じかんじくでは2014ねんにT-3000としたジョンをおくみ、2017ねんみずからが完成かんせいする予定よていとなっていた。

その時間じかんじくにおけるスカイネットとなる存在そんざいは、その時代じだいにおけるサイバーダインしゃ設計せっけいしたソーシャルメディアなどの基本きほんOS「ジェニシス」であった。ジェニシスは一般いっぱんよう端末たんまつはおろか軍用ぐんよう機器ききのOSにも普及ふきゅうしており、サーバからぜん世界せかい接続せつぞくされれば「審判しんぱん」とた。また、ジェニシスは立体りったい映像えいぞうつうじ、破壊はかい不可能ふかのうであるとカイルやサラを挑発ちょうはつつづけたが、最終さいしゅうてきにはタイムマシンの完成かんせいひんである電磁場でんじば発生はっせいが「タイムトラベルが可能かのうなのは生体せいたい細胞さいぼうのみ」という特性とくせいがねとなってT-3000共々ともどもだい爆発ばくはつこし、ぜん世界せかい接続せつぞくしていたジェニシス由来ゆらいのスカイネットは破壊はかいされた。

しかし、廃墟はいきょしたサイバーダインしゃ地下ちかふかくに立体りったい映像えいぞう表示ひょうじされるなど、スカイネットの完全かんぜん消滅しょうめつにはいたっていなかったことが示唆しさされている。

ターミネーター:ニュー・フェイト[編集へんしゅう]

『T2』以降いこうしょ作品さくひんとの関連かんれんって正統せいとう続編ぞくへん位置付いちづけるほん作品さくひんでは、『T2』における1995ねんのサイバーダインしゃ襲撃しゅうげきとマイルズ・ダイソンの死亡しぼう、およびT-800とT-1000の完全かんぜん破壊はかいにより、スカイネットはその歴史れきしから消滅しょうめつした。それゆえ、2042ねんから2020ねんにタイムスリップしてきた強化きょうか人間にんげんのグレースも、スカイネットについてはまったくらなかった。しかしこの時間じかんじくにおける未来みらいでは、サイバー戦争せんそう対策たいさく開発かいはつされた「リージョン」というのAIが人類じんるい反旗はんきひるがえし、なん警告けいこくすらないままに電気でんき送電そうでん物流ぶつりゅうといったインフラをめて社会しゃかい混乱こんらんしょうじさせ、それによって食糧しょくりょう不足ふそくによるぜん世界せかい規模きぼ人類じんるい内乱ないらん惹起じゃっきさせ、そのスキにじょうじて機械きかいたい人間にんげん全面ぜんめん戦争せんそうこすという運命うんめいかまえていた。それをグレースからかされたサラは、いかりをとおして「バカどもはりないね」とあきれをせた。この「リージョン」もスカイネット同様どうようにハンターキラーなどの兵器へいきほか金属きんぞく炭素たんそせいうち骨格こっかく液体えきたい金属きんぞくせいそと骨格こっかくからるデュアル・ターミネーター「Revシリーズ」を開発かいはつし、人類じんるいりをおこなっている。

しかし、スカイネットは『T1』におけるT-800や『T2』におけるT-1000以外いがいにも、コナー親子ちかこ抹殺まっさつ命令めいれいとしてプログラムしたターミネーターを消滅しょうめつまえ時点じてん複数ふくすうおくしており、そのうちの一体いったいである1998ねん到着とうちゃくしたT-800がジョンの殺害さつがいという命令めいれい遂行すいこうする。だがすでにスカイネットの消滅しょうめつ確定かくていしたこの時間じかんじくにおいてはジョンの殺害さつがいはスカイネットにとってなん影響えいきょうもおよぼさなかった。このT-800はジョン殺害さつがい自身じしん存在そんざい理由りゆう見失みうしなってしまうが、おっと虐待ぎゃくたいくるしむ母子ぼしみずからの意思いしまもり、「人間にんげんとして見守みまもる」ことをあらたな存在そんざい理由りゆうとして確立かくりつし、みずから「カール」という個体こたいめい名乗なのるようになる。

消滅しょうめつまえのスカイネットがあらかじめおくしていたターミネーターは、時空じくう転移てんい予兆よちょう察知さっちしたカールが、匿名とくめいでその出現しゅつげん時刻じこく座標ざひょうをサラにらせることによってタイムスリップ直後ちょくご破壊はかいされてきたが、あらたにリージョンがおくんできた最新さいしんモデルのターミネーターRev-9が、人類じんるい抵抗ていこうぐんのリーダーとなる女性じょせい「ダニエラ・ラモス(ダニー)」抹殺まっさついのちおくまれる。この個体こたいもカールとサラ、グレースの共闘きょうとうによってだいダメージをけ、最後さいごはダニーによって破壊はかいされた。

小説しょうせつでの描写びょうしゃ[編集へんしゅう]

しんターミネーター2[編集へんしゅう]

ほんさくは『ターミネーター2』の直接ちょくせつ続編ぞくへんたる小説しょうせつ作品さくひんである。スカイネットは、消滅しょうめつした自身じしん開発かいはつ計画けいかく復活ふっかつさせるべく、あらたなる刺客しかくであるI-950がたターミネーター、サリーナ・バーンズをおくむ。サラやジョンの抹殺まっさつはかると同時どうじにサリーナをサイバーダインしゃ就職しゅうしょくさせ、スカイネットの開発かいはつ計画けいかくかかわらせる。今回こんかい開発かいはつではアメリカ政府せいふによってひそかに回収かいしゅうされていたT-800の左腕さわん(『ターミネーター2』でT-1000との戦闘せんとうちゅう切断せつだんしたもの)のプロセッサを参考さんこうにしており、開発かいはつ天才てんさい科学かがくしゃのカート・ヴィマイスターによってすすめられた。また、開発かいはつにはアメリカ政府せいふおよびぐん間接かんせつてきかかわっており、コナー親子ちかこによるテロ対策たいさく考慮こうりょして陸軍りくぐん基地きち地下ちか施設しせつ開発かいはつされていた。のちにスカイネットの開発かいはつ計画けいかく察知さっちしたサラとジョンによってサリーナは破壊はかいされるが、開発かいはつ計画けいかく奪取だっしゅした政府せいふにより南極なんきょくのレッドシール基地きちで、サリーナのクローンであるクレア・ベネットによって研究けんきゅう継続けいぞくされる。スカイネットの誕生たんじょうそのものは不可避ふかひてき判断はんだんしたジョンたちは、プログラムをえて人類じんるいたいする敵意てきい芽生めばえを阻止そししようと画策かくさくするが、痛恨つうこんのミスによりみずからのでスカイネットを人類じんるい有害ゆうがい知性ちせいたいとして誕生たんじょうさせることになってしまう。

開発かいはつ段階だんかいから人間にんげん憎悪ぞうおする選民せんみん思想しそうえつけられていたスカイネットは人間にんげん抹殺まっさつすべきてきなし、2かく攻撃こうげき挙行きょこうし、ターミネーターやハンターキラーを開発かいはつしたことで、人類じんるいだいダメージをあたえる。しかし、スカイネットの攻撃こうげき予測よそくしていたレジスタンスのはげしい反撃はんげきい、長期ちょうきせんすえ防衛ぼうえいもう突破とっぱされる。められたスカイネットはクロノ計画けいかく発動はつどうしてタイムマシンを開発かいはつし、T-800やT-1000、I-950を過去かこおくみ、サラやジョンの抹殺まっさつはかる。

ほんさくではスカイネットの人格じんかく登場とうじょう人物じんぶつとなっており、スカイネットは歴史れきしがループしながら、自身じしんやジョンたちの干渉かんしょうにより変化へんかつづけている事実じじつ認識にんしきしている。

備考びこう[編集へんしゅう]

『T3』でのスカイネットは「コンピュータウイルスによって形成けいせいされるPeer to Peerネットワーク」となったが、どう作品さくひん公開こうかいの2004ねん3がつごろより、これをもじった不正ふせいソフトウェアの「W32/Netsky」が流布るふされた。実在じつざいのNetSkyはコンピュータワームで、電子でんしメール媒介ばいかいとして感染かんせんコンピュータをやす。これらはDDoS攻撃こうげきなどコンピュータネットワークの通信つうしん過剰かじょう送受信そうじゅしんおこなって悪影響あくえいきょうあたえる活動かつどうをするほか、感染かんせんコンピュータにあるファイルから抽出ちゅうしゅつしたメールアドレスへ、作為さくいにワームの添付てんぷされた電子でんしメールを送信そうしんする。

なお、Netskyではコンピュータウイルス制作せいさくしゃ同士どうしがコードないののしったというちん事件じけん発生はっせいしており[1]不正ふせいソフト流布るふ背景はいけい営利えいり目的もくてき集団しゅうだん存在そんざい示唆しさされている。どうワームの作者さくしゃのち逮捕たいほされ[2]スクリプトキディ1人ひとりであったことがかされている。

また、国際こくさいてき監視かんしもう告発こくはつられるもとNSAエドワード・スノーデン暴露ばくろしたアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくのテロリスト特定とくていAIプログラム「SKYNET英語えいごばん[3][4]中国ちゅうごく市民しみん監視かんしAIプロジェクト「天網てんもう[5][6]実在じつざいする政府せいふ運用うんようするスカイネットと同名どうめいのAIコンピュータシステムとして話題わだいになった[7]

また2017ねん以降いこうGoogle DeepMindによっておこなわれる深層しんそう学習がくしゅう強化きょうか学習がくしゅうといった研究けんきゅう開発かいはつや、ボストンダイナミクスのロボット、DARPAやべい国防省こくぼうしょう開発かいはつする「統合とうごうぜん領域りょういき指揮しき統制とうせい」が現実味げんじつみびてきたためスカイネット実現じつげんちかいのではないかとRedditや技術ぎじゅつしゃあいだ議論ぎろんされている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ CNET記事きじ
  2. ^ Internet Watch記事きじ
  3. ^ 映画えいが「ターミネーター」と同名どうめいの「Skynet」が現実げんじつ運用うんようされていることが判明はんめい”. GIGAZINE (2015ねん5がつ11にち). 2017ねん10がつ7にち閲覧えつらん
  4. ^ たいテロAI「スカイネット」に「テロリスト」と判定はんていされる―それをさせることはできるか?”. ハフポスト (2018ねん8がつ13にち). 2019ねん2がつ13にち閲覧えつらん
  5. ^ Chinese police literally use 'Skynet' surveillance system”. CNET (2018ねん3がつ13にち). 2019ねん2がつ13にち閲覧えつらん
  6. ^ 中国ちゅうごく14おくにん完全かんぜん管理かんり」ディストピア実現じつげんへ まちなかAI監視かんしカメラ+かお認証にんしょう+ネット履歴りれき犯罪はんざいれき”. 産経さんけいニュース (2019ねん2がつ24にち). 2017ねん12月4にち閲覧えつらん
  7. ^ 平和へいわはくあくのAIろん あなたはここまで支配しはいされている』序章じょしょう 朝日あさひ新書しんしょ、2019ねん

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]