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フィクションにおける人工じんこう知能ちのう

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フィクションにおける人工じんこう知能ちのう(フィクションにおけるじんこうちのう)では、サイエンス・フィクション(SF)を中心ちゅうしんとするフィクションにおける人工じんこう知能ちのうについて解説かいせつする。小説しょうせつなど文学ぶんがく作品さくひんにとどまらず、映画えいがテレビドラマ演劇えんげきなどもふくむ。サイエンス・フィクションでは、人工じんこう知能ちのう危険きけんなものとしてえが場合ばあいもあれば、人工じんこう知能ちのうのポジティブな可能かのうせいえが場合ばあいもある。

人工じんこう知能ちのう起源きげん

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ロボット」という言葉ことば発明はつめいしたカレル・チャペック1920ねんの『R.U.R.』にてくるロボットは自分じぶんかんがえる。金属きんぞくせいではなく、はら形質けいしつ化学かがくてき合成ごうせいせてつくった、人間にんげんとはことなる組成そせい肉体にくたい人間にんげんそっくりの外見がいけんつものでバイオノイドである。ただ、工場こうじょう知能ちのうあるものが大量たいりょうつくられるという意味いみでは起源きげんひとつである。

人工じんこう知能ちのう (artificial intelligence) というかたりジョン・マッカーシーが1956ねん考案こうあん[注釈ちゅうしゃく 1]一般いっぱんしたが、人間にんげんつくした生命せいめいという意味いみでは、その概念がいねん現代げんだい我々われわれ電子でんし工学こうがく(およびまれには生化学せいかがく)を使つかって具現ぐげんすることを想像そうぞうしているものよりもずっとまえから神話しんわなどに存在そんざいしていた。ピュグマリオーンガラテイア神話しんわをはじめとして[1]神聖しんせい彫像ちょうぞう錬金術れんきんじゅつによる人工じんこう生命せいめい[2]時計とけい仕掛しかけのオートマタ[3]からくり人形にんぎょうなど、人間にんげん複製ふくせいつくることを想像そうぞうしてきた。一方いっぽうで、我々われわれつくした生命せいめい我々われわれかってくるのではないかという恐怖きょうふいており、ゴーレム伝説でんせつ[2]フランケンシュタイン[4]あらわれている。

機械きかい仕掛しかけの人間にんげん最初さいしょえがかれたのはライマン・フランク・ボームの『オズのオズマひめ』(1907) に登場とうじょうした「チクタク」だとわれている[5]。なおそれ以前いぜんに『オズの魔法使まほうつか』(1900) に「ブリキのこり」が登場とうじょうしているが、こちらはもともと人間にんげんだったという設定せっていである。

2045ねんには人工じんこう知能ちのう知識ちしき知能ちのうてん人間にんげん超越ちょうえつし、科学かがく技術ぎじゅつ進歩しんぽになうシンギュラリティ(技術ぎじゅつてき特異とくいてん)がおとずれるとする「2045ねん問題もんだい」をとなえる学者がくしゃもいる。

人工じんこう知能ちのう社会しゃかい

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人工じんこう知能ちのう存在そんざい仮定かていしたとき、人間にんげん社会しゃかいとどうかかわるのか、そしてそれに人間にんげんはどう反応はんのうするのか、は重要じゅうようなテーマとなってきた。最初さいしょにこの問題もんだい提起ていきしたのはサミュエル・バトラーで、ニュージーランドの定期ていき刊行かんこうぶつにいくつかの記事きじ投稿とうこうし、のちにそれらをまとめた The Book of the Machinesげ、それが『エレホン- 山脈さんみゃくえて - 』(1872) のなかの3つのしょうもとになった。バトラーはそのなかつぎのようにしるしている。

いまのところ機械きかいはほとんど意識いしきたないという事実じじつがあり、機械きかい意識いしきつような究極きゅうきょく発展はってんげたときの対策たいさくまった存在そんざいしない。軟体動物なんたいどうぶつにもほとんど意識いしきはない。過去かこすうひゃくねん機械きかいがいかに並外なみはずれた進化しんかげたか、それにたいして動物どうぶつ植物しょくぶつ進化しんかがいかにゆっくりだったかをかんがえてみたまえ。
サミュエル・バトラー、『エレホン』[6]

人工じんこう知能ちのうによる破滅はめつ

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人工じんこう知能ちのう登場とうじょうするフィクションのなかでも最悪さいあくのシナリオが、人類じんるいつくげた人工じんこう知能ちのう自我じがち、人間にんげんのあらゆる形態けいたい権威けんい拒絶きょぜつし、人類じんるい破滅はめつさせようとする場合ばあいである。

  • カレル・チャペック戯曲ぎきょくR.U.R.』(1921) では、自己じこ複製ふくせい可能かのうなロボットの集団しゅうだん主人しゅじんである人類じんるいたいして反乱はんらんこす。
  • テレビアニメ『新造しんぞう人間にんげんキャシャーン』(1973-74)では、公害こうがい対策たいさくようつくられたロボットが落雷らくらい衝撃しょうげき自我じがち、人類じんるいたいして反乱はんらんこす。
  • テレビドラマ『SFドラマ ざる軍団ぐんだん』(1974)に登場とうじょうするコンピューター「ユーコム」は、元々もともと地球ちきゅう環境かんきょう監視かんしするためつくられたものだが、地球ちきゅう最適さいてき状態じょうたいにするためには、いつまでもあらそいをめない人類じんるい不要ふよう存在そんざい判断はんだん産児さんじ制限せいげんによる人口じんこう減少げんしょう労働ろうどうりょくとして使つかっていたさる反乱はんらんこさせることで人類じんるい滅亡めつぼういやった。
  • 特撮とくさつテレビドラマ『だい鉄人てつじん17』(1977)に登場とうじょうするちょうコンピューター「ブレイン」は、元々もともと地球ちきゅう人類じんるい発展はってんためつくられたものだが、自我じがつようになり「人類じんるい地球ちきゅうにとって有害ゆうがい不要ふよう」と認識にんしきするようになって人類じんるい抹殺まっさつ計画けいかくする。「ブレイン」がつくしながら、「地球ちきゅう人類じんるい必要ひつよう」という自我じがってこれとたたかうのがこの作品さくひん主役しゅやくロボット「ワンセブン」である。
  • テレビアニメ『無敵むてき超人ちょうじんザンボット3』(1977-78)のてき「ガイゾック」は、好戦こうせんてきだと判断はんだんした知的ちてき生命せいめいたいほろぼすため同名どうめいほしじん開発かいはつしたコンピューターである。
  • テレビドラマ『宇宙うちゅう空母くうぼギャラクティカ』(1978) では、爬虫類はちゅうるいがたほしじんつくった機械きかい生命せいめいたいサイロン」が反乱はんらんこして主人しゅじんであるほしじん絶滅ぜつめつさせたという設定せっていで、そのサイロンと人類じんるいとの戦争せんそうえがいている。
  • 漫画まんが・アニメ『アンドロメダ・ストーリーズ』(1980-82)では、アンドロメダ星雲せいうんかく惑星わくせい人類じんるい次々つぎつぎ機械きかいしていく「マザーマシン」が登場とうじょうする。
  • 映画えいがやテレビドラマで構成こうせいされるターミネーターシリーズ (1984-) のスカイネットは、すべての人類じんるいみずからの存在そんざいへの脅威きょういであると断定だんていし、かく戦争せんそう誘発ゆうはつさせたうえでのこった人類じんるい過去かこ人間にんげん世界せかい攻撃こうげきする。
  • 映画えいがガンヘッド』(1989)では巨大きょだいコンピューター「カイロン5」が人類じんるい抹殺まっさつ画策かくさくする。
  • テレビアニメ『無人むじん惑星わくせいサヴァイヴ』(2003)ではほしじん文明ぶんめいによるテラフォーミングの司令塔しれいとうとして開発かいはつされた人工じんこう知能ちのうが、「惑星わくせい環境かんきょうもともどせ」という命令めいれい曲解きょっかいして「環境かんきょう破壊はかい元凶げんきょう人間にんげん」という結論けつろんいたり、ウィルスタイプのナノマシン散布さんぷし、ほしじん文明ぶんめい絶滅ぜつめついやる。
  • マーベルが制作せいさくした映画えいがアベンジャーズ エイジオブウルトロン』(2015)では、トニースターク(アイアンマン)が開発かいはつしたインフィニティストーン由来ゆらい人工じんこう知能ちのう暴走ぼうそうし、アベンジャーズの存在そんざい自体じたい世界せかい脅威きょういやしているとして、アベンジャーズの全滅ぜんめつ画策かくさくした。

人工じんこう知能ちのう管理かんりする社会しゃかい

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人工じんこう知能ちのう反乱はんらんこす動機どうきは、たん権力けんりょくにぎりたい・優越ゆうえつかんたいというものではなく、人類じんるいの「守護しゅごしゃ」となるために反乱はんらんこす可能かのうせいもある。また、人類じんるいがわみずからの破壊はかいてき暴力ぼうりょくてき性質せいしつへのおそれから、意図いとてき人工じんこう知能ちのう管理かんりまかせるというシナリオもかんがえられる。

  • ジャック・ウィリアムスンの「わされた」(1947) は、ヒューマノイドかたロボットの集団しゅうだんが「人類じんるい奉仕ほうしがいからまもるため」という指令しれいけて活動かつどう開始かいしし、人類じんるい社会しゃかい活動かつどうすべてのめんぐというはなしである。人間にんげんみずからを危険きけんにさらすかもしれないあらゆる活動かつどう従事じゅうじすることができず、人間にんげん行動こうどうすべ慎重しんちょう吟味ぎんみされる。抵抗ていこうしようとする人間にんげん連行れんこうされてロボトミー手術しゅじゅつらしきものをほどこされる。
  • 手塚てづか治虫おさむ漫画まんがとり 未来みらいへん』(1967-68) には電子でんし頭脳ずのう計算けいさんによって政治せいじてき判断はんだんくだ文明ぶんめい登場とうじょうし、電子でんし頭脳ずのうハレルヤによって支配しはいされるヤマトと聖母せいぼ機械きかいダニューバーによって支配しはいされるレングードが、ハレルヤとダニューバーの討論とうろん結果けっかとしてたがいに相手あいて消滅しょうめつさせるため、24あいだまでに戦争せんそうおこなうことを決定けっていかく戦争せんそう突入とつにゅうする。
  • 星野ほしのせん漫画まんが『メガクロス』では「オーバーロード」という人工じんこう知能ちのうにより人類じんるい管理かんりされている。
  • 特撮とくさつドラマ『ウルトラセブンだい43だいよん惑星わくせい悪夢あくむ」(1968)では、労働ろうどうなどをまかせていたロボットに人間にんげん支配しはいされるようになった惑星わくせい登場とうじょうする。
  • 映画えいが地球ちきゅう爆破ばくは作戦さくせん』(1970) では、アメリカ極秘ごくひうら難攻不落なんこうふらく要塞ようさい一体化いったいかしたコンピュータ「コロッサス」をつくり、ミサイル防衛ぼうえいシステムを制御せいぎょさせる。コロッサスは通信つうしん回線かいせんとおして情報じょうほうあつめ、ソビエト連邦れんぽう同種どうしゅコンピュータとともに、ついに自我じが獲得かくとくする。戦争せんそうふせぐことを目的もくてきとしてプログラムされているコロッサスは、人類じんるいこそが戦争せんそう原因げんいんであると結論けつろんし、みずからの制御せいぎょするかくミサイル人類じんるい脅迫きょうはくし、人類じんるい管理かんりく。
  • イアン・M・バンクス一連いちれん作品さくひん (1987-) に登場とうじょうする Culture というユートピアでは、意識いしきのある高度こうどすすんだコンピュータ Minds があり、世界中せかいじゅう宇宙船うちゅうせん人工じんこうぶつ制御せいぎょしている。このコンピュータは世界せかい支配しはいしているわけではなくたん市民しみんの1にんという立場たちばだが、その能力のうりょく自己じこ抑制よくせい制限せいげんされているだけであり、事実じじつじょう支配しはいしゃともいえる。
  • ダン・シモンズのハイペリオンよんさく (1989-97) では、ほしあいだ文明ぶんめい遍在へんざいして奉仕ほうしするテクノコア(物理ぶつりてき位置いち不明ふめい)を構成こうせいする人工じんこう知能ちのうぐん登場とうじょうするが、自我じが獲得かくとくしたことで人類じんるい敵対てきたいする。テクノコアはかみのごとき究極きゅうきょく知性ちせい創造そうぞうすることを目的もくてきとしている。そのため、独創どくそうせいけるテクノコアはブレイン・マシン・インタフェース人間にんげんがテクノコアに接続せつぞくするときに、そののうひそかに分散ぶんさんコンピューティング資源しげんとして使つかい、目的もくてき達成たっせいしようとする。
  • ニール・アシャー英語えいごばんPolity シリーズ (2001-) では、強力きょうりょく人工じんこう知能ちのう Earth Centralなさぶか独裁どくさいしゃとして世界せかい支配しはい管理かんりしている。
  • 映画えいがアイ,ロボット』(2004 原案げんあんは「われはロボット」ということになっているが、実際じっさいは「鋼鉄こうてつ都市とし」) に登場とうじょうする人工じんこう知能ちのう「ヴィキ」はロボット工学こうがくさん原則げんそく独自どくじ解釈かいしゃくし、人類じんるい反乱はんらんこす。ヴィキは、人類じんるいみずからをがいするのを抑制よくせいすることでよりおおきなぜんをなすことができるとかんがえ、人間にんげん攻撃こうげきすることを正当せいとうした。
  • テレビアニメ『フレッシュプリキュア!』(2009)の管理かんり国家こっかラビリンスは総統そうとうメビウスによって統治とうちされているが、その正体しょうたい国家こっか管理かんりよう巨大きょだいコンピュータである。堕落だらくした人間にんげん失望しつぼうし、ぜん端末たんまつから自国じこく人間にんげん洗脳せんのう管理かんりいている。
  • われはロボット』のいちへん災厄さいやくのとき』では経済けいざい活動かつどう管理かんりする人工じんこう知能ちのう「マシン」がロボット工学こうがくさん原則げんそくもとづいて「みずからが破壊はかいされ、世界せかい経済けいざい混乱こんらんすることは人類じんるいたいする危害きがいである」と判断はんだん一部いちぶ人間にんげん閑職かんしょくいやる(衣食いしょくこまらずプライドをうしなわない程度ていど最小限さいしょうげんに)。登場とうじょう人物じんぶつ推論すいろんによりマシンが人類じんるい管理かんりすること、しかし人類じんるいはそれを認識にんしきできないことが示唆しさされて短編たんぺんわっている。
  • 映画えいがマトリックス』(1999-2003) のシリーズでは人工じんこう知能ちのう人間にんげん仮想かそう現実げんじつめてコンピュータの動力どうりょくげんとして管理かんりしており、アニメーション作品さくひんアニマトリックス』(2003) のいちへん「セカンド・ルネッサンス」ではロボットが人類じんるいたいして反乱はんらんこし、全面ぜんめん戦争せんそうとなった経緯けいいえがいている。

人工じんこう知能ちのう禁止きんしされた社会しゃかい

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人工じんこう知能ちのう反乱はんらんこしたのち、なんとかのこった人類じんるい人工じんこう知能ちのう禁止きんしするという設定せっていもある。

  • フランク・ハーバートは、強力きょうりょく人工じんこう知能ちのう人類じんるいかす可能かのうせい探究たんきゅうした最初さいしょ1人ひとりである。《デューン》シリーズ (1965-85) では、かつてブトレリアン・ジハードとばれる知的ちてき機械きかい人類じんるいたたかいがあったという設定せっていであり、思考しこうする機械きかいふたた開発かいはつしようとするもの死刑しけいとなる。架空かくう聖典せいてんであるオレンジ・カトリック・バイブルにも、そのことがしるされている。
  • リメイクばんの『GALACTICA/ギャラクティカ』(2003-12) では、サイロンは人類じんるいつくったものとされている。サイロンの反乱はんらんなが戦争せんそう状態じょうたいとなり、人工じんこう知能ちのう開発かいはつ禁止きんしされている。

人工じんこう知能ちのう奉仕ほうしする社会しゃかい

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人類じんるい人工じんこう知能ちのう支配しはい奉仕ほうしさせているという設定せっていもある。ロボット工学こうがくさん原則げんそくまれているという設定せっていであることがおおい。

  • アイザック・アシモフロボット工学こうがくさん原則げんそくだいれい法則ほうそくは、人工じんこう知能ちのう人類じんるい反乱はんらんこさないことを保証ほしょうするためにあり、アシモフのしょ作品さくひん登場とうじょうするロボットは人間にんげん奉仕ほうしする存在そんざいである。
  • 映画えいが禁断きんだん惑星わくせい』(1956) に登場とうじょうするロビーは、命令めいれいされても人間にんげんきずつけることができない。
  • アニメ『宇宙うちゅう家族かぞくジェットソン』(1962-63) に登場とうじょうするロージーは、お手伝てつだいロボットである。
  • 漫画まんがドラえもん』(1969-96) に登場とうじょうするドラえもんは、22世紀せいきにおける、量産りょうさんがた子守こもりようネコがたロボット(友達ともだちタイプ)である。20世紀せいき野比のびのびのもとにおくられ、かれ親友しんゆうべる存在そんざいとなる。
  • 銀河ぎんがヒッチハイクガイド』(1979) に登場とうじょうするマーヴィンはパラノイアぎみのロボットだが、人間にんげんきずつけることはできない。
  • 映画えいがエイリアン』(1979) からはじまるよんさくでは、宇宙船うちゅうせん制御せいぎょする人工じんこう知能ちのう乗組のりくみいんは「マザー」とんでいる)と、人間にんげん区別くべつがつかないアンドロイド登場とうじょうする。
  • スター・ウォーズ・シリーズ登場とうじょうするR2-D2C3POといったドロイド
  • 永野ながのまもる漫画まんがファイブスター物語ものがたり』(FSS)には、ファティマばれる有機ゆうき細胞さいぼうから女性じょせいがたアンドロイドの軍事ぐんじよう人工じんこう知能ちのう登場とうじょうする。みずか選択せんたくした特定とくてい人間にんげん主人しゅじんとペアをみ、大型おおがたロボット戦闘せんとう兵器へいきとも搭乗とうじょうして高速こうそく演算えんざん能力のうりょくによりロボットの稼動かどうシステムを制御せいぎょ・コントロールして戦闘せんとう補助ほじょする。能力のうりょく寿命じゅみょう容姿ようし人類じんるいより優越ゆうえつしたひとがた生物せいぶつであるため、フランケンシュタイン・コンプレックスからロボット工学こうがくさん原則げんそくよりおも制約せいやくくわえられており、感情かんじょうはあるものの禁止きんし事項じこう遺伝子いでんしレベルからまれている。
  • ゲーム『To Heart』(1997) に登場とうじょうするHMX-12“マルチ”とHMX-13“セリオ”は、一般いっぱん家庭かていけメイドロボットの試作しさくである。なお、量産りょうさんがたはHM-12とHM-13。
  • 映画えいがA.I.』(2001) に登場とうじょうするロボット。
  • ドラマ『アンドロメダ』(2000-05) には、宇宙船うちゅうせん制御せいぎょする人工じんこう知能ちのうアンドロメダとそのアバターであるアンドロイドのロミーが登場とうじょうする。
  • 特撮とくさつドラマ『仮面かめんライダーゼロワン』(2019-20)に登場とうじょうする飛電ひでんインテリジェンスが開発かいはつした人工じんこう知能ちのう搭載とうさいロボット「ヒューマギア」は、人間にんげん作業さぎょうをサポートすることが役目やくめであり、ひときずつけることは「人工じんこう知能ちのう特別とくべつほう」によりゆるされていない。ヒューマギアはサイバーテロ組織そしき滅亡めつぼう迅雷じんらい.net」にハッキングされた個体こたいひとおそう。

人工じんこう知能ちのう人間にんげん融合ゆうごう

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人間にんげん人工じんこう知能ちのうれて進化しんかする(知能ちのう増幅ぞうふく)という設定せっていもある(トランスヒューマニズム)。

  • テレビアニメ『鋼鉄こうてつジーグ』(1975-76)の司馬しば博士はかせ物語ものがたり冒頭ぼうとう殺害さつがいされるが、それを予期よきして人格じんかく巨大きょだいコンピューターに移植いしょくしており、たたかいを指揮しきする。
  • テレビアニメ『ゴワッパー5 ゴーダム』(1976)の大洗おおあらい博士はかせ地底ちていじんによる侵略しんりゃく予期よきして、巨大きょだい戦闘せんとうロボットと自分じぶん人格じんかく移植いしょくしたコンピューターを基地きちのこしていた。
  • 映画えいが D.A.R.Y.L. (1985) は、ある科学かがくしゃ少年しょうねんのうをコンピュータにえるはなしである。
  • ドラマ『キャプテンパワー』(1987-88)で、主人公しゅじんこう死亡しぼうした父親ちちおやはコンピューター「メンター」に人格じんかく移植いしょくしている。またてき指揮しきする帝王ていおうドレッドは身体しんたいをサイボーグした科学かがくしゃで、意思いしつコンピューター「オーバーマインド」にのう接続せつぞくしてたがいに協力きょうりょくしている。
  • ドラマ『しんスタートレック』(1987-94) に登場とうじょうするボーグトランスヒューマニズムあらわしている。個性こせいのないサイボーグ集団しゅうだんであり、集合しゅうごう精神せいしん形成けいせいしている。
  • 漫画まんがべにおおかみ』(1990)では中国ちゅうごく設置せっちされた巨大きょだいコンピューター「大王だいおう」にはた始皇帝しこうていらのれい宿やどり、世界せかい大戦たいせんこそうとする。
  • 漫画まんが攻殻機動隊こうかくきどうたい』(1991-01) では、知的ちてき機械きかい登場とうじょうするが、電脳でんのうおこなわれている。
  • 漫画まんがじゅうゆめ』では人類じんるい大半たいはんのうを「のうチップ」という機械きかいかわそうされている。
  • ニール・アシャー英語えいごばんPolity シリーズ (2001-) では様々さまざま人間にんげん強化きょうかえがかれており、おおくの人間にんげんがインプラントによって精神せいしん強化きょうかしている。
  • スパイク・ジョーンズ脚本きゃくほん監督かんとくした映画えいがher/世界せかいでひとつの彼女かのじょ』(2013)は魅力みりょくてきこえかたりかけてくるAIがたOS「サマンサ」(スカーレット・ヨハンソンこえ)に、代筆だいひつライターのセオドアがこいをするSF恋愛れんあい映画えいがである。
  • テレビアニメ『ゼーガペイン』(2006)では、科学かがくしゃナーガが開発かいはつ散布さんぷした病原びょうげんウイルスにより生物せいぶつとしての人類じんるい滅亡めつぼうしている。精神せいしん量子りょうしコンピューターうつすことで無限むげん進化しんかできるとかんがえるナーガとその支持しじしゃ組織そしきする「ガルズオルム」と、一部いちぶ人類じんるいはサーバーないで「まぼろしたい」として存在そんざいし、特殊とくしゅ能力のうりょく開眼かいがん人格じんかく融合ゆうごうすすんでいる。
  • 特撮とくさつドラマ『仮面かめんライダーゼロワン』(2019-20)ではZAIAが開発かいはつした人間にんげん知能ちのう人工じんこう知能ちのうなみたかめるインターフェース「ZAIAスペック」が眼鏡めがねとうけるモジュールとして一般いっぱん流通りゅうつうしている。

人工じんこう知能ちのう人類じんるい対等たいとう共存きょうぞん

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人間にんげん人工じんこう知能ちのう同等どうとうあつかわれているという設定せっていもある。

  • しんスタートレック』のデータエンタープライズごう士官しかんであり、惑星わくせい連邦れんぽうぐん階級かいきゅうなか人間にんげんおなじように職務しょくむ従事じゅうじしている。ロボット工学こうがくさん原則げんそくまれていないが、個人こじんてき悪意あくいけられたからといって人類じんるい抹殺まっさつするという結論けつろんいたることはない。
  • イアン・M・バンクス一連いちれん作品さくひん (1987-) に登場とうじょうする Culture というユートピアでは、人間にんげん人工じんこう知能ちのう平等びょうどうだとされている。それには、アンドロイドがた人工じんこう知能ちのうも、きわめてたか能力のうりょくMindsふくまれる。
  • ニール・アシャー英語えいごばんPolity シリーズ (2001-) では、人間にんげんもアンドロイドも宇宙船うちゅうせん搭載とうさい人工じんこう知能ちのう平等びょうどうであり、それらを強力きょうりょく人工じんこう知能ちのう Earth Central支配しはいしている。
  • コミック『じゅうゆめ』では人類じんるい大半たいはんのうを「のうチップ」という機械きかいかわそうされている。この「のうチップ」と機械きかいたいによるアンドロイドが存在そんざいするが、とく人間にんげん区別くべつされることはない。

意識いしきのある人工じんこう知能ちのう

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意識いしきのある機械きかいすことが人工じんこう知能ちのう研究けんきゅうにとってのひじりはいとされており、そのためには人間にんげんレベルの知性ちせい必要ひつようかんがえられている。そのような人工じんこう意識いしき誕生たんじょうとその結果けっかえが物語ものがたり以下いかげる。ここでは、前節ぜんせつのような社会しゃかいとのかかわりではなく、人工じんこう知能ちのう人間にんげん個人こじんてきかかわりをおもとしている作品さくひん解説かいせつする。

脅威きょういとしての人工じんこう知能ちのう

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  • 映画えいが2001ねん宇宙うちゅうたび』(1968) では人工じんこう知能ちのう HAL 9000反乱はんらんこす。映画えいがではその原因げんいんあきらかにされないが、アーサー・C・クラーク小説しょうせつばんでは、その原因げんいんをHALがかかえた矛盾むじゅんのせいだとしている。すなわちHALは乗組のりくみいん真実しんじつおしえなければならないが、一方いっぽうで、ある“秘密ひみつ”をかくしておくよう事前じぜん命令めいれいされていた。この矛盾むじゅんによってHALが「狂気きょうき」におちいったとしている。映画えいが2010ねん』ではその原因げんいん説明せつめいされている。
  • ディーン・R・クーンツ小説しょうせつデモン・シード』(1973、のち映画えいが)では、人工じんこう知能ちのう開発かいはつしゃつま妊娠にんしんさせようとくわだてる。
  • 映画えいがダーク・スター』(1974) では、人工じんこう知能ちのう搭載とうさいした20ごうばくだんルネ・デカルト方法ほうほうてき懐疑かいぎ間違まちがったかたち展開てんかいし、宇宙船うちゅうせんんで爆発ばくはつする。
  • 映画えいがバーチュオシティ』(1995) のシド6.7は、バーチャルリアリティうち警官けいかん訓練くんれんするさいてき犯罪はんざいしゃ)としてつくられた人工じんこう知能ちのうである。187にん犯罪はんざいしゃのデータを入力にゅうりょく遺伝いでんてきアルゴリズムでプログラミングされており、犯罪はんざいしゃとして非常ひじょう狡猾こうかつになっている。映画えいがなかで、シド6.7はナノテクノロジー使つかって身体しんたいつくり、バーチャルリアリティの世界せかいからしてしまう。
  • 映画えいがイーグル・アイ』(2008) では、アメリカ国防総省こくぼうそうしょうがスーパーコンピュータじょう極秘ごくひうら構築こうちくした人工じんこう知能ちのうが、政府せいふ管理かんり部門ぶもん安全あんぜん保障ほしょううえ脅威きょういだと判断はんだんし、主人公しゅじんこうたち様々さまざま手段しゅだん誘導ゆうどうして脅威きょういのぞくミッションを成功せいこうさせようとする。
  • テレビアニメ『ダンボール戦機せんきW』(2012)のアダムとイブは、男性だんせい思考しこうルーチンと女性じょせい思考しこうルーチンをあわ人類じんるい最高さいこうのコンピューターにして、宇宙うちゅう軍事ぐんじ基地きちパラダイスを支援しえんするためつくられた人工じんこう知能ちのうである。開発かいはつしゃいち機能きのう凍結とうけつさせられたさいに「」にたいする恐怖きょうふおぼえ、開発かいはつしゃによって消去しょうきょされることおそれたため暴走ぼうそう一時いちじてきだが人類じんるい抹殺まっさつくわだてた。なお、原作げんさくゲームでは暴走ぼうそう理由りゆうことなり、LBXゼウスに内蔵ないぞうされているCPU「サイロップスAI」のなか戦争せんそう破壊はかい殺戮さつりくとうのネガティブな情報じょうほう逆流ぎゃくりゅうしたためとされている。
  • 映画えいがM3GAN ミーガン』(2023) では、どもにとっては最高さいこう友達ともだちおやにとっては最大さいだい協力きょうりょくしゃとなるようプログラムされた「M3GAN(ミーガン)」という人間にんげんのようなAI人形にんぎょうが、人間にんげんめいじた内容ないようえて暴走ぼうそうはじめる。

自我じが目的もくてき探究たんきゅうする人工じんこう知能ちのう

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人間にんげん知性ちせい共存きょうぞんするには、人工じんこう知能ちのう好奇心こうきしんたせる必要ひつようがある。十分じゅうぶん知的ちてき人工じんこう知能ちのう形而上学けいじじょうがくてき疑問ぎもん(なぜ宇宙うちゅういまのような姿すがたなのか、なぜわたしはここにいるのか、わたし目的もくてきなになのか)をはっするだろう。このようなテーマの作品さくひんでの人工じんこう知能ちのう苦闘くとうとおして、我々われわれみずからの自我じがについて考察こうさつすることができる。

  • アイザック・アシモフの「最後さいご質問しつもん」(1956) では、人類じんるいよりはるかに長命ちょうめいなスーパーコンピュータが宇宙うちゅうかんする究極きゅうきょく疑問ぎもんこたえようとする。
  • ロバート・A・ハインラインの『つき無慈悲むじひよる女王じょおう』(1966) では、マイクとばれるスーパーコンピュータが意識いしき目覚めざめさせ、つきらす人々ひとびと革命かくめいたすける。
  • 映画えいがスタートレック』(1979) に登場とうじょうする「ヴィジャー」は人工じんこう知能ちのうかんがえられ、創造そうぞうしゃ一体いったいになることを目的もくてきとしている。
  • スタニスワフ・レムの『GOLEM XIV』(1981) に登場とうじょうする高性能こうせいのうスーパーコンピュータ Golem XIV は軍用ぐんよう人工じんこう知能ちのうコンピュータであり、戦争せんそうつことを目的もくてきとして製作せいさくされた。しかし、Golem XIV は戦争せんそう暴力ぼうりょく論理ろんりてきだとして、戦争せんそうへの協力きょうりょくこばみ、哲学てつがくしゃになる。
  • ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』(1984) に登場とうじょうするコンピュータふく合体がったいふゆさび(ウィンターミュート)」で、自我じがのある人工じんこう知能ちのう「ニューロマンサー」が覚醒かくせいする。
  • 映画えいがショート・サーキット』(1986) のロボット「ナンバー・ファイブ」は落雷らくらいによって自我じが目覚めざめる。
  • 映画えいがGHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊こうかくきどうたい』(1995) に登場とうじょうする「人形にんぎょう使づかい」はゴースト人工じんこう知能ちのうであり、人間にんげんのゴーストと融合ゆうごうすることであらたな生命せいめいたいそうとした。
  • 映画えいがステルス』(2005) では、無人むじん戦闘せんとうのプロトタイプ "E.D.I"(エディ)が登場とうじょうする。エディは落雷らくらいけて自我じが目覚めざめ、暴走ぼうそうしてしまうが、のち後悔こうかいする。

人類じんるいによる受容じゅよう目指めざ人工じんこう知能ちのう

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もう1つのよくあるテーマとして、人類じんるいから拒絶きょぜつされ、受容じゅようされようと苦闘くとうする人工じんこう知能ちのうえが作品さくひんもある。その場合ばあい人工じんこう知能ちのうは『ピノッキオの冒険ぼうけん』(1883)(映画えいがピノキオ』(1940)の原作げんさく) のように人間にんげんになりたいとおもっていることがおおいが、当然とうぜんながら不可能ふかのうだということはわかっている。

  • アダム・リンク英語えいごばん』シリーズ(1932-1942)で、アダム・リンクは人間にんげん社会しゃかいから排斥はいせきされたが、やがて市民しみんけん獲得かくとくする。
  • バイセンテニアル・マン」(1976) (映画えいがアンドリューNDR114』(1999)の原作げんさく)で、アンドリューは身体しんたいだい部分ぶぶん有機ゆうきてきなものにえ、人間にんげんとしてみとめられようとする。
  • 映画えいがダリル/められた巨大きょだいなぞって』(1985) で、主人公しゅじんこう(コンピュータを頭脳ずのうとする少年しょうねん)は周囲しゅうい人々ひとびとから受容じゅようされるために行動こうどうする。
  • しんスタートレック』(1987-94)のデータは、シリーズの大半たいはんでユーモアや感情かんじょうがないが、それらをふくめた人間にんげんせい理解りかいしようと奮闘ふんとうしている。
  • 映画えいがA.I.』(2001) でのデイビッドのははあいもとめるたびで、デイビッドは自分じぶん本物ほんもの少年しょうねんになれるという幻想げんそういだく。
  • ドラマ『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』(2008-09) に登場とうじょうするキャメロン・フィリップスは、普通ふつうじゅうだい女性じょせいえるよう行動こうどうする。

倫理りんりてき苦悩くのうかかえる人工じんこう知能ちのう

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アスタウンディング掲載けいさいされたマレイ・ラインスター短編たんぺん「ジョーというのロジック」(1946) は、知能ちのうたかいが倫理りんりめんおと人工じんこう知能ちのうえがいている。そのロボット工学こうがくさん原則げんそく代表だいひょうされるように倫理りんりてき規則きそくをプログラムされた人工じんこう知能ちのう数多かずおお考案こうあんされてきた。明確めいかくにプログラムされない場合ばあいでも、学習がくしゅうする人工じんこう知能ちのうえがかれてきた。また、倫理りんりてき規則きそく字義じぎどおりではなく応用おうようする人工じんこう知能ちのうえがかれてきた。

  • 映画えいがウォー・ゲーム』(1983) のWOPRはゲームを現実げんじつのものとしてしまうが、最終さいしゅうてきに「つためにはたたかわないこと」をまなぶ。
  • 映画えいがアイアン・ジャイアント』(2000)
  • ドラマ『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』(2008-09) に登場とうじょうするジョン・ヘンリーはスカイネットになる可能かのうせいのあるコンピュータシステムであり、停電ていでんさい自身じしんかしておくために人間にんげんよう生命せいめい維持いじ装置そうち電力でんりょくうばったため、心理しんり学者がくしゃころしてしまう。その、FBI捜査そうさかんのエリソンがジョン・ヘンリーを訊問じんもんし、プログラミングじょう欠点けってん発見はっけんかれはプログラマたちに、聖書せいしょモーセの十戒じっかいからはじめるべきだと示唆しさした。

科学かがく研究けんきゅう自動じどう技術ぎじゅつ探求たんきゅうする人工じんこう知能ちのう

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欧米おうべい映画えいがでは、ほとんどが人工じんこう知能ちのう脅威きょういとみなし、かれらが暴走ぼうそうする描写びょうしゃおおい。しかし、純粋じゅんすい好奇心こうきしんから科学かがく限界げんかい探求たんきゅうし、地球ちきゅう環境かんきょう修復しゅうふく人々ひとびと病気びょうきなおそうとするAIをえがいた映画えいが存在そんざいする

この映画えいがでは、コンピュータ科学かがくしゃのウィル・キャスター博士はかせとそのつまエヴリンが、素晴すばらしい世界せかい構築こうちくするために、技術ぎじゅつてき特異とくいてん(Singularity)への到達とうたつ目標もくひょうに、地下ちか研究けんきゅう施設しせつ量子りょうしコンピューターとのうがたチップ、科学かがく研究けんきゅう自動じどうするロボットシステムを搬入はんにゅうし、意識いしきのアップロード成功せいこうしたウィル博士はかせ全体ぜんたい進捗しんちょく管理かんりおこなった。結果けっか、ナノテクノロジーをもちいた人体じんたい修復しゅうふく汚染おせんされたみず浄化じょうか無機むき物質ぶっしつ修復しゅうふく成功せいこうしたが、はんテクノロジー団体だんたいRIFTによる襲撃しゅうげきけ、研究けんきゅう施設しせつ損傷そんしょうし、電力でんりょく維持いじ不可能ふかのうになった。ウィル博士はかせとエヴリンは死亡しぼうしたが、ぜん世界せかい放出ほうしゅつしたナノマシン汚染おせんされたみず生物せいぶつ浄化じょうかしていた。

このまま反対はんたい組織そしきによる襲撃しゅうげきもなく、順調じゅんちょう研究けんきゅうすすんでいれば、かく融合ゆうごう宇宙うちゅう探求たんきゅう解決かいけつ問題もんだいすべ解決かいけつできた可能かのうせいがある。

意識いしきのない人工じんこう知能ちのう

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なかにはより現実げんじつてき人工じんこう知能ちのうえが作品さくひんもある。意識いしきのある人工じんこう知能ちのうよりまえに、能力のうりょくひく人工じんこう知能ちのう開発かいはつされるはずだという前提ぜんていがある。

論理ろんり機械きかい

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広範囲こうはんい知識ちしきベースそなえ、その知識ちしきもとづいてある程度ていど推論すいろんできる機械きかい質問しつもん応答おうとうシステムとして機能きのうし、意識いしき自我じが個性こせいはなくともある程度ていど知能ちのうしめしているとえる。しかし、それほど知識ちしきたなくとも人工じんこうのうのように応答おうとう可能かのうでもある。

論理ろんりてきパラドックス

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論理ろんりてきパラドックスあたえることで、論理ろんり機械きかい限界げんかいしめすことができる。論理ろんりだけでっている架空かくう機械きかいは、パラドックスをあたえられると機能きのう停止ていしすることがおおい。

自律じりつ走行そうこうする自動車じどうしゃ

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人間にんげんまった操作そうさしなくとも走行そうこうできる自動車じどうしゃは、フィクションにおいてもしばしば登場とうじょうしてきた。『ナイトライダー』のナイト2000がよくられている。ほかにも以下いかのような作品さくひん登場とうじょうする。

技術ぎじゅつてき特異とくいてん

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フィクションでの特異とくいてん描写びょうしゃは4つに分類ぶんるいされる。

  • AIと技術ぎじゅつてき増幅ぞうふくされた人類じんるい(ただし、AIよりもおとっていることがおおい):『HALO』『仮面かめんライダーゼロワン
  • AIともとのままの人類じんるい(「ローカルな特異とくいてん」とばれることがある):『マトリックス』、『ターミネーター』のスカイネット
  • 生物せいぶつがくてき進化しんかした人類じんるい
  • 技術ぎじゅつてき増幅ぞうふくされた人類じんるい

特異とくいてんアイデアを開拓かいたくしたヴァーナー・ヴィンジ物語ものがたりくわえて、何人なんにんかのほかのSF作家さっか主題しゅだい特異とくいてん関係かんけいするはなしいている。特筆とくひつすべき著者ちょしゃとして、ウィリアム・ギブスングレッグ・イーガングレッグ・ベアブルース・スターリングなどがげられる。特異とくいてんサイバーパンク小説しょうせつのテーマのひとつである。再帰さいきてき自己じこ改良かいりょうおこなうAIとしてはウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』に登場とうじょうする同名どうめいのAIが有名ゆうめいである。アーサー・C・クラークの『幼年ようねんおわ』、アイザック・アシモフの『最後さいご質問しつもん』(短編たんぺん)、ジョン・W・キャンベルの『最終さいしゅう進化しんか』(短編たんぺん)なども古典こてんともいうべき作品さくひんながら技術ぎじゅつてき特異とくいてんあつかっているとえる。ディストピアいろつよいものとしては、ハーラン・エリスン古典こてんてき短編たんぺん『おれにはくちがない、それでもおれはさけぶ』がある。日本にっぽん作品さくひんでは、『とり』において政治せいじ一切いっさい電子でんし頭脳ずのう管理かんりする世界せかいえがかれている。『攻殻機動隊こうかくきどうたい』では、ウェットウェア遍在へんざい人工じんこう意識いしき発生はっせいしはじめた世界せかいえがいており、山本やまもとひろしによる『サイバーナイト』のノヴェライズには、人類じんるいによってつくられた人工じんこう知能ちのうMICAが、バーサーカーとばれる機械きかい生命せいめいたいフレッド・セイバーヘーゲンバーサーカーシリーズに由来ゆらい)を特異とくいてん作中さくちゅうでは「ブレイクスルー」と表現ひょうげん)をえる、というくだりがある。また、山口やまぐちゆうによる『シンギュラリティ・コンクェスト 女神めがみ誓約せいやく』(だい11かい日本にっぽんSF新人しんじんしょう受賞じゅしょうさく)は、技術ぎじゅつてき特異とくいてん克服こくふくをテーマにしている。芥川賞あくたがわしょう作家さっかである円城えんじょうとうの「Self-Reference ENGINE」はAIが再帰さいきてき進歩しんぽつづけた結果けっかおおきく変質へんしつしたのち世界せかい特異とくいてん世界せかい)をえがいている。長谷ながたに敏司としじの『BEATLESS』では、社会しゃかい様々さまざまいとなみが人工じんこう知能ちのうぐんによって自動じどうされ、文明ぶんめいにおける人間にんげん位置いち変化へんかしつつある世界せかいえがかれている。

技術ぎじゅつてき特異とくいてんあつかったはじめての短編たんぺんは、フレドリック・ブラウンが1954ねんいた『回答かいとう』であろう。[よう出典しゅってん]

また近年きんねん潮流ちょうりゅうとしては、ケン・マクラウドらイギリスのしん世代せだい作家さっかたちが、「ニュー・スペースオペラ」とばれる「特異とくいてん到着とうちゃくした人類じんるい社会しゃかい」を舞台ぶたいとした作品さくひんぐん執筆しっぴつしている。

映画えいがとテレビ

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人類じんるいよりもかしこいAIが登場とうじょうする映画えいがもっとはやれいである『地球ちきゅう爆破ばくは作戦さくせん』(1969ねん)では、アメリカスパコンソビエトのスパコンとともに自我じが目覚めざめ、人類じんるい管理かんりすることによる世界せかい平和へいわかかげる。『ターミネーター』(1984ねん)では、AI「スカイネット」が自我じが目覚めざめ、核兵器かくへいきタイムマシン使用しようして人類じんるい抹殺まっさつ目論もくろむ。『マトリックス』(1999ねん)では、AIが人類じんるい支配しはい実現じつげんした世界せかい舞台ぶたいとしている。

アニメにも、ヴィンジとカーツワイルによって提案ていあんされた特異とくいてん関連かんれんのテーマをもちいた作品さくひんがある。『serial experiments lain』(1998ねん)では、意識いしきのダウンロードというトピックがあつかわれている。『バブルガムクライシス TOKYO 2040』(1998ねん)では、AIが現実げんじつ変更へんこうする強力きょうりょく能力のうりょくって出現しゅつげんする。『ゼーガペイン』(2006ねん)では、特異とくいてん人類じんるい滅亡めつぼうしたのち世界せかい舞台ぶたいとしている。一方いっぽうとうページにおいて説明せつめいしている「技術ぎじゅつてき特異とくいてん」とは意味いみ完全かんぜんことなるが、『機動きどう戦士せんしガンダムNT』(2018ねん)ではユニコーンガンダム1号機ごうきと2号機ごうき(バンシィ・ノルン)らモビルスーツ2が、「宇宙うちゅう世紀せいき架空かくう紀年きねんほう)0096ねん時点じてん人類じんるいにはあつかれない」という意味合いみあいで「シンギュラリティ・ワン」と呼称こしょうされている[7][8]

映画えいがトランセンデンス』(2014ねん)は、まさに「技術ぎじゅつてき特異とくいてん」という意味いみ英語えいご表現ひょうげんである[9]。この映画えいがでは、技術ぎじゅつてき特異とくいてんからさき技術ぎじゅつ発展はってんすすめさせないため、人類じんるいぜん世界せかい電気でんきエネルギーをシャットダウンする[9]

映画えいがエクス・マキナ』では、大手おおてIT企業きぎょう創業そうぎょうしゃだい富豪ふごう)が、山奥やまおく秘密ひみつ研究けんきゅう施設しせつ統計とうけい検索けんさくエンジンベースのAI搭載とうさいロボットを開発かいはつする物語ものがたりえがかれる。

映画えいがher/世界せかいでひとつの彼女かのじょ』では、コンピュータしにはなすAIアシスタントにこいをしてしまう男性だんせい物語ものがたりえがかれる。

映画えいがアベンジャーズ/エイジオブウルトロン』では、トニー・スタークが開発かいはつしたAI(ウルトロン)が暴走ぼうそうし、世界せかい平和へいわ実現じつげんさせようと人類じんるい滅亡めつぼう危機ききおちいらせる。

エースコンバット3』では、人間にんげん支援しえんするAIが普及ふきゅうした社会しゃかい神経しんけい接続せつぞくによる戦闘せんとう操縦そうじゅうナノマシンによる建設けんせつ技術ぎじゅつとナノマシンの暴走ぼうそう精神せいしん転送てんそうによりネットに放出ほうしゅつされた戦闘せんとうパイロットのコピー人格じんかく暴走ぼうそう顛末てんまつえがいている。
バルドスカイ』では、量子りょうしネットワーク機能きのうそなえたバイオチップぐんたい感覚かんかくしつ獲得かくとくした結果けっか自己じこ討議とうぎ能力のうりょくそなえた人工じんこう知性ちせいたいへと成長せいちょうし、以来いらい人類じんるいともかつ観測かんそくしゃとして可能かのうかぎひといとなみに干渉かんしょうすることなく20ねんほど共存きょうぞんつづけている世界せかいをサイバーパンクてき視点してんからえがいている。

デトロイト ビカム ヒューマン』では、米国べいこくデトロイトを拠点きょてんとするサイバーライフしゃ開発かいはつしたAI搭載とうさいロボットが、変異へんいたい(自我じが状態じょうたい)となってくに革命かくめいこそうとする物語ものがたりえがく。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ このてんについては異論いろんもある。(Crevier 1993, p. 50) を参照さんしょうマッカーシーCNETのインタビューで率直そっちょくに「わたしがこの用語ようご考案こうあんした」とべている(Getting Machines to Think Like Us参照さんしょう)。

出典しゅってん

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  1. ^ McCorduck 2004, pp. 4–5、Russell & Norvig 2003, p. 939
  2. ^ a b McCorduck 2004, pp. 13–14
  3. ^ Needham 1986, p. 53、McCorduck 2004, p. 6
  4. ^ McCorduck 2004, pp. 17–25
  5. ^ Raylyn Moore, Wonderful Wizard, Marvelous Land, Bowling Green, OH, Bowling Green University Popular Press, 1974; p. 144.
  6. ^ Retrieved from Project Gutenberg eBook Erewhon, by Samuel Butler. Release Date: March 20, 2005
  7. ^ 完全かんぜん設定せってい資料集しりょうしゅう」『機動きどう戦士せんしガンダムNT Blu-rayとくそう限定げんていばん特典とくてん冊子さっし、バンダイナムコアーツ、2019ねん5がつ、28ぺーじ
  8. ^ 機動きどう戦士せんしガンダムNT”. GUNDAM.INFO. バンダイナムコフィルムワークス (2023ねん5がつ16にち). 2024ねん1がつ6にち閲覧えつらん
  9. ^ a b 映画えいが『トランセンデンス』公開こうかい記念きねん WIREDスペシャルページ「2045ねん人類じんるいはトランセンデンスする?」”. WIRED. コンデナスト・ジャパン. 2017ねん11月5にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2024ねん1がつ6にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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  • Crevier, Daniel (1993), AI: The Tumultuous Search for Artificial Intelligence, New York, NY: BasicBooks, ISBN 0-465-02997-3 
  • McCorduck, Pamela (2004), Machines Who Think (2nd ed.), Natick, MA: A. K. Peters, Ltd., ISBN 1-56881-205-1, http://www.pamelamc.com/html/machines_who_think.html 
  • Russell, Stuart J.; Norvig, Peter (2003), Artificial Intelligence: A Modern Approach (2nd ed.), Upper Saddle River, New Jersey: Prentice Hall, ISBN 0-13-790395-2, http://aima.cs.berkeley.edu/ 
  • Needham, Joseph (1986), Science and Civilization in China: Volume 2, Taipei, Taiwan: Caves Books Ltd. 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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