TMPRSS2

TMPRSS2（英語えいご: Transmembrane protease, serine 2、II型がた膜まく貫通かんつう型がたセリンプロテアーゼ）は、膜まく貫通かんつう型がたセリンプロテアーゼをコードする遺伝子いでんし。

特とくに前立腺ぜんりつせんがん特異とくい的てきな融合ゆうごう遺伝子いでんし（下記かき）を形成けいせいしていることが知しられる。

融合ゆうごう遺伝子いでんし

前立腺ぜんりつせんがんの50%以下いかの確かく率りつで、TMPRSS2-ETS融合ゆうごう遺伝子いでんしを形成けいせいする。これは後天こうてん性せいの体からだ細胞さいぼう遺伝子いでんし変異へんい系けいであり、アンドロゲンによってTMPRSS2遺伝子いでんしのプロモーターが刺激しげきされることで発現はつげんする。

融合ゆうごう相手あいての遺伝子いでんしはETSファミリー転写てんしゃ因子いんしをコードする。前立腺ぜんりつせんがんによる遺伝子いでんし変異へんいは、アメリカでは40% - 80%とされているが、日本にっぽんでは40% - 50%と報告ほうこくされている。

他方たほう、PI3K/AKTシグナル経路けいろから、PI3K活性かっせいを抑おさえるPTENの変異へんいが報告ほうこくされているので、抗こうアンドロゲン療法りょうほうによる治療ちりょうは、がん発生はっせいの初期しょきには有効ゆうこうであるが、中期ちゅうき以降いこうには、このような遺伝いでん因子いんしや、環境かんきょう因子いんしに配慮はいりょした治療ちりょうが求もとめられる。さらに、抗こうアンドロゲン治療ちりょうは一時いちじ的てきであり、多数たすうの非ひアンドロゲン依存いぞん型がたがん細胞さいぼうが増殖ぞうしょくすることでも知しられている。

参考さんこう

• 『NEWエッセンシャル病理びょうり学がく』第だい六ろく版はん、p.407-p.438、医歯薬出版いしやくしゅっぱん、2009年ねん