TUGUMI
TUGUMI | ||
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イラスト |
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1989 | ||
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ジャンル |
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ページ | 240 | |
コード | ISBN 978-4-12-001775-9 | |
ウィキポータル | ||
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『TUGUMI』(つぐみ)は、
1990
概要
[あらすじ
[- お
化 けのポスト 叔母 の嫁 ぎ先 である山本 屋 旅館 の離 れにまりあは、母 と二人 で住 んでいた。中学 二 年 の春 、祖父 が亡 くなり、心 の底 から滅入 っていたが、いとこのつぐみが祖父 が書 いた手紙 (筆跡 ・書 き出 しが生前 と同 じ)を持 ってくる。しかし、手紙 はつぐみが書 いたものだった。まりあは激怒 するが、つぐみが謝 ったことにびっくりする。この出来事 をきっかけにまりあとつぐみは、本当 に仲良 くなる。春 と山本 家 の姉妹 - まりあが
東京 に移 り住 むことが決 まり町 で暮 らす最後 の頃 、ポチの散歩 をしに毎朝 浜 へ行 っていた。散歩 へポチとつぐみもついてくる。つぐみの姉 の陽子 ちゃんとケーキ屋 のアルバイトをしていたまりあは、最後 のバイト料 をもらいに行 き陽子 ちゃんと一緒 に帰 ってくる。まりあは、悲 しいくらい懐 かしくなるとき、浜 で犬 と遊 ぶつぐみと自転車 を引 いて夜道 を歩 く陽子 ちゃんの場面 を思 い出 す。 人生 - まりあと
母 と父 とで三 人 で暮 らし始 めた。街 中 で父 を見 かけ、父 の長 い生活 を垣間見 る。海 を恋 しく感 じていたまりあは、銀座 の街 で母 と潮 の匂 いを感 じる。つぐみからの電話 で旅館 がたたまれることを知 り、山本 屋 最後 の夏 に向 かうことになった。 - よそ
者 町 に帰 ってきたまりあだが、ほんの少 しよそ者 の気分 になる。つぐみとポチの散歩 に出 かけた際 に、犬 をきっかけに最後 の夏 を共 にする武内 恭一 と出会 う。夜 のせい- まりあは、
小学校 の高学年 の頃 にまりあ、つぐみ、陽子 ちゃんが夢中 になっていたTV 番組 が終 わり、三 人 で散歩 をした夜 のことを思 い出 す。夜 につぐみに起 こされ、物干 し台 に出 ていると恭一 と再会 する。恭一 に対 して、いつもと同 じしゃべり方 をするつぐみを指摘 するが、「きっと、夜 のせいだろう」とつぐみは言 う。 告白 朝 から降 る雨 の日 、つぐみは寝込 んでいる。本屋 に行 ったまりあは恭一 と会 い、つぐみの見舞 いに誘 う。つぐみと恭一 が互 いに持 つ興味 の集中 を感 じとる。見舞 いに来 た恭一 は、つぐみに「何 かひとつ話 をしてくれ」と言 われ、子供 の頃 の「タオルの話 」をする。そして、つぐみは恭一 に告白 する。父 と泳 ぐ浜 を歩 く、つぐみと恭一 は人目 をひいていた。父 がバスで町 にやってきた。父 が海 で泳 ぐ姿 を遠 い夢 の一部 のように感 じ、翌日 東京 へ帰 る父 を想像 し、帰 るところがあることを実感 する。父 がつぐみに運命 の女神 に語 りかけるように、恋 に関 して語 る。翌日 、父 の見送 りに行 った帰 り、別 れをひとつも忘 れたくないと、まりあは思 う。祭 り祭 りをひかえたある日 、まりあはつぐみと同様 に熱 を出 して寝込 んでいた。祭 りの夜 までに二 人 の身体 の調子 は戻 り、つぐみとまりあと恭一 と陽子 ちゃんの四 人 で出 かけることになる。窮屈 な行列 の中 、つぐみと恭一 の間 を通 って行 った男 を恭一 は下駄 で殴 った。その男 は、ホテルの御曹司 であり、地元 一 の美人 であるつぐみと付 き合 っている、恭一 を恨 み暴行 した内 の一人 だった。その後 、恭一 の泊 まっている宿 に行 き、四 人 は花火 をほとんど無言 のままで、見 ていた。怒 り- つぐみは、
中学 の頃 に最高 に仲 が悪 い女 の子 に皮肉 なことを言 われ、椅子 でガラスを叩 き割 った。止 めに入 ったまりあは、怒 りで熱 を発散 しているつぐみに驚 き、「生命 を持 ち、彼女 の体内 をめぐっていた」ことについて、いつまでも考 えていた。 権 五 郎 がさらわれた。恭一 、陽子 ちゃん、まりあ、つぐみの四 人 で探 し、つぐみが見 つけ出 した。翌日 、恭一 は権 五 郎 をさらった男 のうちの一人 を見 つけ、むちゃくちゃに殴 った。しかし、権 五 郎 は再 び攫 われてしまい四 人 で探 すが見 つけられなかった。穴 恭一 が船 で帰 る際 、まりあとつぐみと陽子 ちゃんは、港 へ見送 りに来 ていた。つぐみは別 れ際 、恭一 の首 に抱 きついた後 、船 の方 へ押 し出 し船 がゆくのを見 ていた。- つぐみは、
権 五郎 とうりふたつの犬 を借 りてきて、まりあに権 五 郎 を殺 した奴 の一人 に見 せて驚 かせてきたと言 う。しかし、その後 陽子 ちゃんにつぐみが庭 に穴 を掘 り、男 を閉 じ込 めていたことを知 らされる。まりあは、体力 の限界 をとっくに超 え自分 の命 を投 げ出 し、ひとりきりの思考 で生 きてきたつぐみに気付 く。 面影 - つぐみはすぐに
入院 してしまう。つぐみが入院 した翌日 、恭一 が帰 ってきた。まりあは、東京 へ戻 る前日 、つぐみのお見舞 いに行 く。そこでつぐみの死 を感 じてしまう。そして、東京 へ戻 り、まりあの夏 が終 わりを向 える。 - つぐみからの
手紙 東京 に帰 って暫 く、まりあはぼんやりとしていた。父 が足 の骨 を折 った日 につぐみの容態 の悪化 の報 せがあった。まりあと母 は翌日 に看病 に行 くことにしたが、翌朝 につぐみが持 ち直 したと連絡 がきた。数日 後 、つぐみから電話 がかかってきた。つぐみは、自分 は死 ぬはずだったこと、まりあへ手紙 を書 いたことを伝 える。以下 、まりあへ宛 てたつぐみの手紙 が記載 される。
登場 人物
[白河 まりあ(私 )- つぐみの1
歳 年上 の従姉 で物語 の語 り手 。大学生 。物語 は全 てまりあの一人称 視点 で描 かれ、冒頭 以外 が全 て過去 の時 系列 として語 られる。 幼 い頃 から頻繁 につぐみの悪戯 の被害 を受 けているが仲 はよく、つぐみのことをよく理解 している。母 とともにつぐみ宅 である山本 旅館 に身 を寄 せていたが、父 と先妻 との離婚 が成立 したため、東京 で親子 3人 で暮 らすことになる。山本 つぐみ- まりあの
母 の妹 の娘 。物語 は主 につぐみが高校 3年生 の時期 を中心 に描 かれる。物語 の中心 人物 だが、物語 自体 はまりあの視点 で描 かれるため、登場 しない章 もある。 生 まれつき病 弱 で入院 や自宅 療養 を繰 り返 してきた少女 だが、甘 やかされて育 ったため、粗野 でわがままで口 が悪 い。一方 で感受性 の高 さを見 せる場面 があったり、努力 家 で成績 は上位 と言 う一 面 もある。容姿 端麗 である上 に外面 がよく、身内 と恭一 以外 には行儀 良 く振 る舞 うため、地元 一 の美人 と人 には言 われる。山本 陽子 (陽子 ちゃん)- つぐみの2
歳 上 の姉 で女子大 生 。性格 はつぐみと違 い温和 で、涙 もろい。ケーキ店 でアルバイトしている。 武内 恭一 新 しく建設 される大型 リゾートホテルの経営 者 の息子 。飼 い犬 同士 の喧嘩 がきっかけでまりあ達 と知 り合 いになる。まりあと同 い年 だが、まりあが「老成 した」と評 するほどその言動 は冷静 で大人 びている。幼少 期 に大病 を患 った経緯 があり、その頃 の経験 談 につぐみは深 く共感 し、やがて恋仲 となる。- まりあの
母 - まりあの
父 の愛人 で、父 と先妻 との離婚 が成立 するまでの間 、妹 である政子 おばさんの嫁 ぎ先 である山本 屋 旅館 で働 きながらまりあを育 ててきた。美 しく気丈 な女性 。 - まりあの
父 先妻 とは気 が合 わず、まりあの母 を一途 に愛 し、山本 旅館 に通 い続 ける。まりあが19歳 の時 についに離婚 を成立 させる。長 らく後妻 や娘 と同居 せずに生活 していたため、同居 してからは熱心 な家族 サービスを行 っていることがまりあによって語 られている。政子 おばさん- まりあの
母 の妹 で、陽子 ちゃんとつぐみの母親 。病弱 で乱暴 なつぐみに振 り回 されつつも必死 に育 ててきた。 正 おじさん政子 おばさんの夫 で、陽子 ちゃんとつぐみの父親 。つぐみにあまり近寄 らない。ペンションを経営 することが夢 だったため、山本 旅館 をたたむことにする。- ポチ
秋田 犬 。山本 旅館 のすぐ裏 の田中 さんの家 で飼 われている。子犬 の頃 、つぐみにいじめられて思 い切 り手 を噛 んだことがあったためお互 いに嫌 いあっていたが、後 に和解 する。権 五 郎 - ポメラニアン。
恭一 が飼 っている犬 。恭一 が泊 まっている中浜 屋 の裏庭 につながれている。
映画
[つぐみ | |
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1990 | |
105 | |
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『つぐみ』というタイトルで1990
映画 あらすじ
[つぐみの
その
キャスト
[- つぐみ -
牧瀬 里穂 - まりあ(つぐみの
従姉妹 ) -中嶋 朋子 陽子 (つぐみの姉 ) -白島 靖代 恭一 -真田 広之 - つぐみの
父 ・正 -安田 伸 - つぐみの
母 ・政子 -渡辺 美佐子 - まりあの
父 - あがた森 魚 - まりあの
母 -高橋 節子 恭一 の兄 ・高橋 -財津 和夫 - ケーキ
屋 店長 -高橋 源一郎 医師 -下條 正巳 不良 グループのリーダー・藤 内 -吹越 満
スタッフ
[監督 ・脚本 -市川 準 製作 -奥山 和由 、後藤 亘 、鍋島 壽夫 原作 -吉本 ばなな『TUGUMI』音楽 -板倉 文 主題歌 -小川 美潮 「おかしな午後 」音楽 プロデューサー -小針 俊郎 、佐々木 麻美子 撮影 -川上 皓 市 美術 -正田 俊一郎 照明 -磯崎 英範 編集 -荒川 鎮雄 - スタイリスト -
下田 眞知子 助監督 -月 野木 隆 、井上 文雄 、七 字 幸久 、清水 徳久 、シーラ・ローエンバーグ- スチール -
笹田 和俊 製作 デスク -片岡 公生 - ドッグトレーナー -
宮 忠臣 技 斗 -金田 治 - MA - にっかつスタジオセンター
現像 -東京現像所 - プロデューサー -
久保 修 、吉田 多喜男 製作 -松竹 富士 、全国 FM放送 協議 会 、山田 洋行 ライトヴィジョン[10]
製作
[撮影
[ロケが
つぐみが
原作 との相違 点
[- つぐみの
実家 の旅館 がたたまれるという設定 はなく、最後 まで旅館 は存在 している。また近隣 に大型 リゾートホテルが新 しく建設 されるという設定 もなくなっている。 - まりあの
母 が、つぐみの母 の姉 から妹 に変更 されている。 犬 の「ポチ」の名前 が「ピンチ」に変更 されている。原作 ではつぐみの実家 の旅館 の裏 の田中 さんの家 で飼 われているという設定 だが、映画 ではそのような描写 はない。恭一 の姓 は高橋 で、つぐみより年上 の社会 人 であり、美術館 に勤 めている。犬 は飼 っていない。彼 を訪 ねてきた兄 がつぐみの実家 の旅館 に宿泊 している。
作品 の評価
[興行 成績
[批評 家 評
[1990
受賞 歴
[第 15回 報知 映画 賞 監督 賞 第 45回 毎日 映画 コンクール監督 賞 第 14回 山路 ふみ子 映画 賞 新人 女優 賞 (牧瀬 里穂 )第 15回 報知 映画 賞 新人 賞 (牧瀬 里穂 )第 3回 日刊 スポーツ映画 大賞 新人 賞 (牧瀬 里穂 )第 45回 毎日 映画 コンクールスポニチグランプリ新人 賞 (牧瀬 里穂 )第 12回 ヨコハマ映画 祭 最優秀 新人 賞 (牧瀬 里穂 )第 33回 ブルーリボン賞 新人 賞 (牧瀬 里穂 )、助演 女優 賞 (中嶋 朋子 )第 64回 キネマ旬報 ベスト・テン新人 女優 賞 (牧瀬 里穂 )第 14回 日本 アカデミー賞 優秀 主演 女優 賞 、新人 俳優 賞 (牧瀬 里穂 )
映像 ソフト
[- 『つぐみ』VHS・LD(1991
年 5月 24日 発売 、松竹 ホームビデオ SA-9122) - 『つぐみ』DVD(2008
年 12月23日 発売 、SHOCHIKU CO,LTD)
同時 上映
[脚注
[- ^ TUGUMI つぐみ|
単行本 |中央公論 新 社 - ^ “
第 二 回 山本 周五郎 賞 ”.新潮社 . 2015年 3月 19日 閲覧 。 - ^ 1989
年 ベストセラー10 (平成 元年 ):【 FAX DM、FAX送信 の日本 著者 販促 センター 】 - ^ 「こんなにイイマニュアルがあった!」
井 狩 春男 『ベストセラーの方程式 』ブロンズ新 社 、1990年 、144頁 。 - ^ 「『TUGUMI』
一 〇〇万 部 突破 に百 合 の花束 を」井 狩 春男 『ベストセラーの方程式 』ブロンズ新 社 、1990年 、18-19頁 。 - ^ 「『TUGUMI』ベストセラー
化 で配 られた大入袋 」井 狩 春男 『ベストセラーの方程式 』ブロンズ新 社 、1990年 、102-103頁 。初出 は『本 の雑誌 』1989年 7月 号 。 - ^ “
試験 には、出 あいがつまっている よしもとばなな”.朝日新聞社 (2013年 12月16日 ). 2015年 5月 27日 閲覧 。 - ^ 『
文藝春秋 (雑誌 )』文藝春秋 、1989年 11月、351頁 。 - ^ a b よる8
銀座 シネマ つぐみ - ^ a b c d e f つぐみ -
国立 映画 アーカイブ - ^ a b c d e 「
邦画 製作 界 松竹 」『映画 年鑑 1992年版 (映画 産業 団体 連合 会 協賛 )』1991年 12月1日 発行 、時事 映画 通信 社 、105–106頁 。 - ^ a b c d 【
作品 データベース】つぐみ、松竹 DVD倶楽部 あの頃 映画 vol.01『つぐみ』 - ^ a b “つぐみ”.
松竹 映画 100年 の100選 . 2024年 4月 7日 閲覧 。 - ^ 『ぴあシネマクラブ
邦画 編 1998-1999』ぴあ、1998年 、448頁 。ISBN 4892159042。 - ^ a b
河出書房新社 編 『市川 準 』河出書房新社 、2009年 、18頁 。 - ^
市川 準 +倉田 剛 『映画 監督 市川 準 追憶 ・少女 ・東京 』ワイズ出版 、2018年 、158頁 。 - ^ a b
冨田 均 『東京 映画 名所 図鑑 』平凡社 、1992年 、109頁 。ISBN 4-582-82857-4。