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Web 2.0

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

Web 2.0(ウェブ にーてんぜろ)とは、2000年代ねんだい中頃なかごろ以降いこうにおける、ウェブあたらしい利用りようほう流行りゅうこうである。Darcy DiNucciにより1999ねんつくられ、2004ねんのWeb 2.0 Conferenceによりひろまり、その3年間ねんかんほど流行りゅうこうした。

ティム・オライリーによって提唱ていしょうされた概念がいねんであり、狭義きょうぎには、旧来きゅうらい情報じょうほうおくしゅ固定こていされおくしゅからへの一方いっぽうてきながれであった状態じょうたいが、おくしゅ流動りゅうどうし、だれもがウェブサイトとおして、自由じゆう情報じょうほう発信はっしんできるように変化へんかしたウェブの利用りよう状態じょうたいのことである。

定義ていぎ

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ティム・オライリー初期しょき定義ていぎは『旧来きゅうらい情報じょうほうおくしゅ固定こていされおくしゅからへの一方いっぽうてきながれであった状態じょうたいが、おくしゅ流動りゅうどうだれでもがウェブをとおして情報じょうほう発信はっしんできるように変化へんかしたウェブを「Web 2.0」とする』としていた。

しかし、かれ範囲はんい限定げんていしないためにあえて定義ていぎ明確めいかくにしなかったとブログで説明せつめいしている[1]。また、かれ翌日よくじつどうブログでWeb 2.0とは「すべての関連かんれんするデバイスにひろがる、プラットフォームとしてのネットワーク」であり、Web 2.0アプリケーションを「ネットワークが本質ほんしつてき長所ちょうしょ最大限さいだいげん活用かつようするもの」であるとしている[2]

また、日本にっぽんのITコンサルタントである梅田うめだのぞむおっとは、著書ちょしょ『ウェブ進化しんかろん』で、Web 2.0の本質ほんしつを「ネットじょう特定とくてい多数たすう人々ひとびと(や企業きぎょう)を、受動じゅどうてきなサービス享受きょうじゅしゃではなく能動のうどうてき表現ひょうげんしゃみとめて、積極せっきょくてきんでいくための技術ぎじゅつやサービス開発かいはつ姿勢しせい」としている[3]

概念がいねん

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Web 2.0バズワードのタイムバー。[4] この画像がぞうはWeb 2.0の専門せんもん用語ようごとそれに依存いぞんしている用語ようごでよく使つかわれたバズワードの時期じきしめす。

情報じょうほうおくしゅ固定こていされ、おくしゅからへの一方いっぽうてきながれであった従来じゅうらい状態じょうたいが、おくしゅ流動りゅうどうし、だれでもがウェブをとおして情報じょうほう発信はっしんできるように変化へんかしたということである。この変化へんか象徴しょうちょうするかたりとして、変化へんか状態じょうたいを「Web 2.0」、それに対応たいおうするかたち従来じゅうらい状態じょうたいが「Web 1.0」とばれるようになったという(提唱ていしょうしゃしょう)。2001ねんドットコムバブル崩壊ほうかい以降いこう、ウェブの使つかかた変化へんかしてきたというかんがえが根底こんていにある。なお「Web 1.0」、さらにそれ以前いぜんの「Web 0.x」の定義ていぎされておらず不明ふめい

代表だいひょうてきなサービスとして、ロボットがた検索けんさくエンジンソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、ウィキメディアはじめとするウィキ電子でんし掲示板けいじばんブログなどがげられる。旧来きゅうらい消費しょうひしゃ情報じょうほう発信はっしんげんになったものは、すべて狭義きょうぎのWeb 2.0の定義ていぎをみたす。

Web 2.0においては、情報じょうほうそのもの、あるいは中核ちゅうかくにある技術ぎじゅつよりも、周辺しゅうへん利用りようしゃへのサービスが重視じゅうしされる。そして、利用りようしゃえればえるほど、提供ていきょうされる情報じょうほうりょうえ、サービスのしつたかまる傾向けいこうにあるとされる。

具体ぐたいてき技術ぎじゅつ明確めいかくしめ用語ようごではなく、マーケティング・ネットサービス業界ぎょうかい一人ひとりあるきしてかたられるため、バズワードとくくられる。それゆえ、たんなる宣伝せんでん文句もんくとして使用しようされることがおおく、みみにする機会きかいおおくとも、その実態じったい理解りかい日本にっぽんでは浸透しんとうしなかった。2009ねんごろにはすで日本にっぽんでもアメリカでも廃語はいごとなっていた。

梅田うめだのぞむおっとによると、Web 2.0という用語ようごそのものは2005ねんごろからもちいられてきたが、2002ねん〜2003ねんにかけてのAmazon.com検索けんさくアプリケーションプログラミングインタフェース公開こうかいが、その端緒たんしょであるとしている[5]

商標しょうひょう問題もんだい

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アメリカのCMPメディアしゃ(この会社かいしゃオライリーメディアしゃと「Web 2.0 Conference」を共催きょうさいしている)が同国どうこく欧州おうしゅう連合れんごう域内いきないにおける「Web 2.0」の商標しょうひょう登録とうろく出願しゅつがんしており、2006ねん5がつには同名どうめい催事さいじ開催かいさいしようとした営利えいり団体だんたいに「CMPの独占どくせんけん侵害しんがいする」と警告けいこくおこなっている[6]日本にっぽんにおいても、CMPメディアしゃ子会社こがいしゃであるメディアライブジャパンしゃ商標しょうひょう登録とうろく出願しゅつがんしている。

この営利えいり団体だんたいによると、催事さいじが6がつせまっていたため、今回こんかい催事さいじかんしては「Web 2.0」の名称めいしょう使用しようみとめ、今後こんご使用しようしないようにもとめられたという。CMPメディアしゃは、商標しょうひょう登録とうろく催事さいじ開催かいさい限定げんていしたものだとしている。

リリース(公開こうかい)されたばかりのソフトウェアやウェブサービスは「バージョン1.0」(だいいちはんだいいち世代せだい)としょうされ、小規模しょうきぼ改良かいりょうかさねるとバージョンは1.1、1.2、1.3…とえてゆく。根本こんぽんてき改良かいりょうほどこされ別物べつものになったソフトウェアはバージョンの数字すうじがり、バージョン2.0(だい世代せだい)になる[7]。「Web 2.0」とは、従来じゅうらいのウェブがソーシャルともな根本こんぽんてき改造かいぞうされ、従来じゅうらい一方いっぽう通行つうこうのウェブとは別物べつものになったことを表現ひょうげんしている。

しん世代せだいのものをあらわ冗談じょうだんとして、本来ほんらい規格きかくやバージョンとは無関係むかんけいであるものの名称めいしょうに「2.0」を付与ふよする流行りゅうこうつくった[7]小数点しょうすうてん以下いか1けたまでふくめた表記ひょうきであるが、そのことにもとく意味いみい。

おれ2.0」など日常にちじょう生活せいかつ刷新さっしんすることを目標もくひょうかかげたものから、DoCoMo2.0など商業しょうぎょうてきなキャッチコピーまで幅広はばひろ浸透しんとうしている。2009ねんには「民主みんしゅ主義しゅぎ2.0」、またやはりオライリーによって「ガバメント2.0」[8][9]提唱ていしょうされた。2017ねんには「おかね2.0」なるかたり登場とうじょうした。さら2020ねん小池こいけ百合子ゆりこ東京とうきょう都知事とちじ選挙せんきょ出馬しゅつば表明ひょうめいたって「東京とうきょう大改革だいかいかく2.0」をかかげた[10]

関連かんれん書籍しょせき

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  • ちょう図解ずかい日本語にほんごばんWeb2.0最前線さいぜんせん』、2006ねん8がつ25にち.、加藤かとう智明ともあき/永島ながしま穂波ほなみちょ
  • ちょう図解ずかいWeb2.0がわかる! 100のキーワード』、2006ねん8がつ25にちUNIZONちょ
  • 梅田うめだのぞむおっと『ウェブ進化しんかろん
  • 図解ずかいでわかる Web2.0マーケティング』、2006ねん7がつ20日はつか宮崎みやざき哲也てつやちょ
  • Bradley, Jones Web 2.0 Heroes, Wiley Publishing, 2008

以下いか小川おがわひろし後藤ごとう康成やすなりによる。

  • 『Web2.0 Book』、2006ねん3がつ1にち
  • 図解ずかいWeb2.0 Book』、2006ねん8がつ11にち
  • 『web2.0が面白おもしろいほどわかるほん』、2006ねん10がつ7にち

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ What is Web 2.0?(O'REILLY RADAR、2005ねん9がつ30にちのブログ投稿とうこう
  2. ^ Web 2.0: Compact Definition?(O'REILLY RADAR、2005ねん10がつ1にちのブログ投稿とうこう)で原文げんぶん英語えいご確認かくにんできる。
  3. ^ 梅田うめだのぞむおっと『ウェブ進化しんかろん』(2006ねん2がつ、ちくま新書しんしょISBN 4-480-06285-8)、120ページより引用いんよう
  4. ^ Jürgen Schiller García (2006ねん9がつ21にち). “Web 2.0 Buzz Time bar”. 2006ねん10がつ29にち閲覧えつらん
  5. ^ 梅田うめだのぞむおっと、『ウェブ進化しんかろん』、112〜119ページ。
  6. ^ ITmedia、2006ねん5がつ30にちづけ記事きじ参照さんしょう
  7. ^ a b ひとにはけない2.0>2.0って なんでしょうか 東京とうきょう新聞しんぶん 2022ねん10がつ9にち 0731ふん
  8. ^ ガバメント2.0 市民しみん英知えいち社会しゃかいえる』、NHKテレビ「クローズアップ現代げんだい」、2013ねん4がつ1にち放送ほうそう
  9. ^ ガバメント2.0―政府せいふはプラットフォームになるべきだティム・オライリー特別とくべつ寄稿きこう、TechCrunch Japan2009ねん9がつ5にち
  10. ^ 東京とうきょう大改革だいかいかく2.0」小池こいけ知事ちじ都知事とちじせん出馬しゅつば表明ひょうめい対抗たいこうは?コロナ対策たいさく五輪ごりん運営うんえい小池こいけ都政とせい4ねんをどう評価ひょうかする? FNN 2020ねん6がつ12にち

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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