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教科書きょうかしょたい

日本語にほんご[編集へんしゅう]

発音はつおん[編集へんしゅう]

」の濁音だくおん

助詞じょし[編集へんしゅう]

  1. かく助詞じょし
    1. 体言たいげんのちなどにいて文節ぶんせつつくり、その文節ぶんせつがそれをける文節ぶんせつとのかかわりにおいて主格しゅかくであることをあらわ助詞じょし
      1. 現象げんしょう叙述じょじゅつしたぶん主語しゅご
        • うちにかれる。
        • うちにはひろにわある。
        • あめっている。
        • はなけてある。
        • うみえる。
        • 夜景やけいきれいだった。
        • ぞうはなながい。
        1. 再帰さいきてき行為こういにおける依頼いらいしゃ
          • ちち入院にゅういんして切除せつじょした。(実際じっさい切除せつじょしたのは外科医げかい
          • つま美容びよういんかみめた。(実際じっさいかみめたのは美容びよう
          • 着物きものはもらいものですが、ドレスは自分じぶん仕立したてました。(実際じっさい仕立したてたのは業者ぎょうしゃ
        2. 省略しょうりゃくてき表現ひょうげん
          • また政治せいじ失言しつげんだ。
          • 日本にっぽん選手せんしゅ20のメダルです。
          • なんであいつ指定していせきでおれ自由じゆうせきなんだ。
          1. 「〜とは」「〜なんて」といったふし省略しょうりゃくされた表現ひょうげんは、意外いがいせいおどろきをあらわし、感嘆かんたんや、落胆らくたん批判ひはんなどのニュアンスをともなうことがある。にもかかわらず。なのに。
            • えっ、あいつ。(こんなことをするとはおどろいた)
            • まだ小学生しょうがくせい立派りっぱだね。(人助ひとだすけをしたなんて)
            • だいおとこずかしいったらありゃしない。(ぱらってさわぐなんて)
            • 尊敬そんけいしていた先生せんせいどうして。(こんなことをしてしまったのか)
            • 先進せんしんこくいてあきれる。(貧困ひんこん問題もんだい解決かいけつできないとは)
            • せっかくのごちそうなんてこった。(野良猫のらねこらかされるとは)
          2. 「これ」「それ」「あれ」「こいつ」などのかたりけて、漠然ばくぜん事物じぶつなどをあらわし、詠嘆えいたん意外いがいせいなどのニュアンスをともなうことがある。
            • うまいんだなあ、これ
            • それそうでもないんですよ。
            • 一見いっけん簡単かんたんそうなのに、これなかなかけない。
          3. 「つもり」「はず」「予定よてい」「ところ」「の」などのかたりけて、接続せつぞく助詞じょしてき逆接ぎゃくせつあらわすことがある。にもかかわらず。だったのに。
            • 正確せいかくいたつもりあとでたら間違まちがいだらけだった。
            • かける予定よてい/予定よていだったの急用きゅうようけなくなった。
            • きょうおくってるはずまだとどかない。
          4. 「もともと」「そもそも」「だいたい」「土台どだい」「ねっから」「せいぜい」などの副詞ふくしにつく虚辞きょじ
            • 土台どだい無理むり相談そうだんだったんだよ。
            • せいぜい10センチほどのながさだ。
      2. 述語じゅつご主題しゅだいとなっているぶん主語しゅご
        • わたし社長しゃちょうです。(=社長しゃちょうわたしです。)
        • はなぞうながい。(=ながいのはぞうだ。)
        • こういうタイプは案外あんがい男性だんせいおおい。(=おおいのは男性だんせいだ。)
        • こっちのほうみんながよろこぶ。(=みんながよろこぶのはこっちのほうだ。)
        • いましゅはなせないのでわりに山田やまだ対応たいおうします。
        • どれただしいですか。(=ただしいのはどれですか。)
        • 牛丼ぎゅうどん天丼てんどんのお客様きゃくさま。こちらのかた牛丼ぎゅうどんでよろしかったでしょうか」「いえ、わたし牛丼ぎゅうどんで、天丼てんどんこのひとです」(=「牛丼ぎゅうどんわたしで、このひと天丼てんどんです」)
      3. する」をふく熟語じゅくごにおける形式けいしきてき主語しゅご
        • 頭痛ずつうする。
        • へんなする。
      4. 従属じゅうぞくぶしにおける主語しゅご
        • わたし到着とうちゃくしたときはまだだれていなかった。
        1. (「AがAだから、なので、だけに」などのかたちで)Aについての特定とくてい事情じじょう理由りゆうで。こういうAだから。
          • 値段ねだん値段ねだんだし、いますぐにはならない。(=値段ねだんがこんなにたかいので)
          • 仕事しごと仕事しごとなので昼間ひるまいえにいることがおおい。(=こういう夜間やかんはたら仕事しごとをしているので)
    2. 対象たいしょうあらわす。
      1. 体言たいげんのちなどにき、その言葉ことばしめすものがきらいのおもいなどをけられたり、あるいは値踏ねぶみをける相手あいてであることをあらわ助詞じょし。しばしば「好悪こうお」とばれる。
        • 彼女かのじょのやさしいところきだ。
        • 練習れんしゅうきらいで上達じょうたつしない。
      2. ねがい・のぞみ・もとめなどがけられた対象たいしょうであることをあらわす。
        • わたしはごはんべたい。
        • ちゃほしい
      3. 能力のうりょく対象たいしょうす。
        • かれ英語えいごはなせる。
        • ぎゃくがりできるようになった。
        • 彼女かのじょはピアノうまい。
        • 虚辞きょじてきあさきられない。よるぐっすりねむれるようになった。
      4. 行為こうい難易なんい表現ひょうげんにおける対象たいしょうす。
        • 予約よやくりにくい。
        • このペンはきやすい。
    3. 文語ぶんごてきじょう体言たいげんした体言たいげん修飾しゅうしょくする(助詞じょし」とるい地名ちめいにおいてはもちいられることもある)。
      • われ英雄えいゆう
      • この予期よきすべき出来事できごとを、かつららせにたのは、ほどとおからぬ平野ひらのまちんでいる太郎たろう兵衛ひょうえ女房にょうぼうははであった。(もり鴎外おうがい最後さいご一句いっく」)
    4. 文語ぶんごてきじょう用言ようげん連体れんたいがたについてした体言たいげんとう修飾しゅうしょくする(この「が」は現代げんだいでは虚辞きょじてき)。
      • 公使館こうしかんはらい、外人がいじんがいめて、国難こくなんまねごときなみ藉をはたらくとはなにごとかっ。(佐々木ささき味津三みつぞう老中ろうじゅう眼鏡めがね」)
      • わたしが、なに子供こどもたちむかっておはなしをするとしたら、まず、それがどんな子供こどもたちであるかをろうとするでしょう。つぎに、いくつであるかをます。それによってはなしえらび、よくわかるようにしたいためです。(小川おがわ未明みめい童話どうわときしん」)
      • そのみちにのめりみすぎて、自分じぶんりんしみだけを追求ついきゅうするあまり家族かぞく周囲しゅうい不快ふかいにさせたり、嫌悪けんおかんいだかせては迷惑めいわくこのうえない。(田島たじまマナオ「「てつみちつまたち - ツマだけがっている、てつちゃんおっと真実しんじつ」)
  2. 接続せつぞく助詞じょし
    1. 単純たんじゅん接続せつぞくはなし前提ぜんていしめす。
      • 準備じゅんびはしましたつぎなにをすればいいですか。
    2. 逆接ぎゃくせつけれどものに
      • きみはそうわたししんじられない。
    3. 仮定かてい逆接ぎゃくせつてき条件じょうけんぶん構成こうせいし、条件じょうけんぶん帰結きけつぶん影響えいきょうおよぼさないことを意味いみする。肯定こうてい (よう)、否定ひていまい接続せつぞくする。。するかしないかにかかわらず。
      • かれこうくまいぼくくよ。
  3. おわり助詞じょし
    1. 前置まえおきのみをべ、相手あいて対応たいおううながす。
      • すみません、切符きっぷくしてしまったんです
    2. 接続せつぞく助詞じょし使用しようした場合ばあい帰結きけつぶん省略しょうりゃくした用法ようほうおもどおりになるかはっきりしない願望がんぼう
      • 明日あしたれてくれればいいんだ
    3. いかり、不満ふまんなどの表明ひょうめい
      • なん説明せつめいしてるだろう
    4. (方言ほうげん) 強調きょうちょうのニュアンスをあらわす。
      • 「さあ、おつゆかけて。ほん、美味びみ(うま)そうなじゃあろ」(宮本みやもと百合子ゆりこ播州ばんしゅう平野へいや」)
    5. 名詞めいしについて)罵倒ばとうのニュアンスをあらわす。
      • この卑怯ひきょうしゃ

用法ようほう[編集へんしゅう]

かく助詞じょしは、主題しゅだい接続せつぞくするとえる。
かれる。

翻訳ほんやく[編集へんしゅう]

形式けいしき名詞めいしおわり助詞じょし[編集へんしゅう]

  1. 高知こうち富山とやま石川いしかわなど)の、ん、もの。
    • どうにもならんなっちょるやき。(=どうにもならなくなってるんだから)
    • たっすいはいかん。(=手応てごたえのよわいのはだめ)

接続詞せつぞくし[編集へんしゅう]

  1. 逆接ぎゃくせつしかしけれども

用法ようほう[編集へんしゅう]

鼻濁音びだくおんもちいる発音はつおんにおいては、標準ひょうじゅん唯一ゆいいつ鼻濁音びだくおんはじまるかたり

古典こてん日本語にほんご[編集へんしゅう]

語源ごげん[編集へんしゅう]

日本にっぽん祖語そご *-nka接続せつぞく助詞じょし平安へいあん時代じだい末期まっきかく助詞じょし主格しゅかく用法ようほうより派生はせい

助詞じょし[編集へんしゅう]

  1. かく助詞じょし
    1. 主格しゅかくであることをあらわす。〜が。
    2. 所属しょぞく所有しょゆうあらわす。〜
    3. 同格どうかくあらわす。〜、〜であって。
    4. 省略しょうりゃくされた体言たいげん代用だいようとしてもちいる。〜のもの。
    5. 希望きぼう好悪こうおなどの対象たいしょうあらわす。〜が、〜
    6. 類似るいじ比喩ひゆあらわす。〜のような。
  2. 接続せつぞく助詞じょし
    1. 単純たんじゅん接続せつぞくあらわす。〜が、〜したところ。
    2. 逆接ぎゃくせつあらわす。けれどものに
    3. (近世きんせい, 「う」「よう」「まい」にいて) 仮定かてい逆接ぎゃくせつてき条件じょうけんあらわす。〜ても
  3. おわり助詞じょし
    1. 感動かんどうねんしをあらわす。〜だぞ。〜なあ。
    2. 名詞めいしいてののしりをあらわす。〜が。

文字もじコード[編集へんしゅう]

  • Unicode
    • 16しん: 304C が
    • 10しん: 12364 が