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創業社長が明かす、仮想歌手「初音ミク」にかける想い - (page 2) - CNET Japan

創業そうぎょう社長しゃちょうかす、仮想かそう歌手かしゅ初音はつねミク」にかけるおもい - (page 2)

島田しまだのぼる編集へんしゅう2007ねん10がつ23にち 1428ふん

自由じゆう不自由ふじゆう

--「初音はつねミク」は発売はつばいから2カ月かげつじゃくで1まん5000ほん以上いじょうれており、2まんほん大台おおだいえています。前作ぜんさくくらべ、機能きのう向上こうじょう以外いがいでヒットした理由りゆうおしえてください。

 まず、プロの音楽家おんがくか実際じっさい人間にんげん歌声うたごえくらべて利用りようするかどうかを判断はんだんされるので、当初とうしょからプロシューマたちに商品しょうひん訴求そきゅうしていくべきだとかんがえていたことがげられます。

 その具体ぐたいさくとして、こうしたニッチな商品しょうひん効果こうかてき認知にんちしてもらうためには、ネットをつうじて商品しょうひんつくっていく過程かていしていく戦略せんりゃくがいいだろうと判断はんだんしました。前作ぜんさくのときとことなり、ブログも普及ふきゅうしていたことから、当社とうしゃのブログをつうじて「人間にんげんがあれこれかんがえながら商品しょうひんつくっている」ということを前面ぜんめんしていったわけです。

 また、今回こんかいはきちんとキャラクター設定せっていおこないました。なぜかというと、自由じゆう不自由ふじゆうだとかんがえているからです。

 人間にんげんというのはある程度ていど制限せいげんもうけてあげないと、そこでなにをしたらいいのかからないとおもうんです。たとえば、砂漠さばくりにされて「きなところにっていいよ」とわれるようなイメージです。目印めじるしがなければ、どこにったらいいかからないですよね。

 ですから、のイメージや年齢ねんれい体重たいじゅうなどといったある程度ていどのキャラクターの情報じょうほう提示ていじすることで、それが弊社へいしゃのプロダクションと利用りようしゃのクリエイションがマッチするための目印めじるしになったとおもうんです。この目印めじるしがあったからこそ、うたうたわせるのはもちろん、そこに画像がぞう動画どうがなどもくわわり、利用りようしゃたちのによってキャラクターのふかみがし、さらにさまざまなうたうたわせるというこう循環じゅんかんかったのではないでしょうか。

 正直しょうじき、コンピュータにうたうたわせることがこれほど一般いっぱんひとたちにひびくというのは、新鮮しんせんおどろきです。ヴァーチャル・シンガーはヴァーチャル・インストゥルメントの延長線えんちょうせんじょうにあるわけですが、一般いっぱんひとたちをふくめて、この分野ぶんやがこれほどの興味きょうみってれられたということはなかったとおもいます。

--成功せいこうのポイントはブログと利用りようしゃ協力きょうりょくということですか。

 人間にんげんはそもそもプロシューマだとおもうんです。原始時代げんしじだいから、自分じぶんたちでモノをつくり、消費しょうひしているわけですから。しかし、個人こじんですべてをおこなうのは効率こうりつわるいので、分業ぶんぎょうすすみ、都市とし形成けいせいされ、経済けいざいシステムが構築こうちくされました。

 ただ、この一連いちれん人間にんげん社会しゃかい発展はってんは、CGM(消費しょうひしゃ生成せいせいメディア)の登場とうじょうがったような印象いんしょうっています。そもそもプロシューマだった人間にんげんが、生産せいさんしゃ消費しょうひしゃかれ、なぜかそこにはおおきなみぞまでできてしまっています。

 その違和感いわかん顕在けんざいはじめており、CGMの登場とうじょうをきっかけとして、人類じんるい歴史れきしをさかのぼるというようなうごきがまれているのではないでしょうか。たとえば、著作ちょさくけんというテーマでかんがえれば、「クリエイティブコモンズ」のようなものができ、生産せいさんしゃ消費しょうひしゃけをにせずに著作ちょさくぶつ活用かつようしていこうというようなながれです。

 こうしたながれは都市とし見直みなおし、さらには経済けいざいシステムの見直みなおしというところまですすむのではないでしょうか。おそらくCGMの本質ほんしつは、「みんなでなにかをつくってたのしいよね」というところにあるのではなく、社会しゃかい全体ぜんたいかたえていくというところにあると、わたしはおもっています。

「ネットの住人じゅうにんった」

--今後こんご事業じぎょう展開てんかいについておしえてください。

 当社とうしゃ位置いちはメタクリエータだとかんがえています。つまり、クリエータとはえがひと音楽おんがくつくひと文章ぶんしょうひともすべてクリエータだとおもうのですが、こうしたクリエータが創作そうさくしやすい環境かんきょうすということです。

 「初音はつねミク」もそうですし、音楽家おんがくか声優せいゆうなどにけて録音ろくおんした楽曲がっきょく自分じぶんこえをブログにけたりQRコードにして名刺めいしけるサービス「VOON」もそうです。こうしたCGMの加速かそく後押あとおしするサービスを提供ていきょうしていくことで、会社かいしゃとしての収益しゅうえきせい向上こうじょうありきではなく、利用りようしゃよろこんでもらった結果けっか間接かんせつてき収益しゅうえきいてくるという「収穫しゅうかくる」というかんがかたでビジネス展開てんかいしていきたいとかんがえています。

 また、音楽おんがく活動かつどうをしているひとのほとんどは、本質ほんしつてきにはおかねもうけたいから音楽おんがくをしているわけではなく、音楽おんがくきで、自分じぶんつくった音楽おんがくひとみとめてもらいたいから音楽おんがく活動かつどうをしているんだとおもうんです。ですから、もうかるかかという評価ひょうかじくのプロの音楽おんがく業界ぎょうかいでもはいろうとかんがえるのではなく、ネットじょうでも音楽おんがく活動かつどうをするっこの欲求よっきゅうたせるという環境かんきょうを、つくっていきたいというおもいもあります。

--CGMを加速かそくさせていきたいというおもいの一方いっぽうで、東京とうきょう放送ほうそう(TBS)がバラエティー番組ばんぐみないげた「初音はつねミク」の放送ほうそうは、批判ひはんとも誹謗ひぼう中傷ちゅうしょうともめられる内容ないようでした。率直そっちょく感想かんそうをおかせください。

 結局けっきょくのところ、「ネットの住人じゅうにんった」とかんじています。たとえ影響えいきょうりょくたかいテレビで報道ほうどうされたとしても、偏見へんけんめいた内容ないようはネットをつうじた民意みんいにより調整ちょうせいしうるということを実感じっかんできたからです。

 今回こんかいけんつうじて、ひと本質ほんしつてき事実じじつりたがっているだけではなく、つたえたがってもいるということもあらためてかりました。ネット社会しゃかいにおいてはすでに、報道ほうどう機関きかん政治せいじも、つねにその行動こうどう是非ぜひわれる環境かんきょうになったとおもっています。

--すべてのCGMにえることですが、著作ちょさくけんという問題もんだいがあり、これを無視むししたコンテンツが多数たすう見受みうけられるという、目下もっか課題かだいもあります。

 たしかに、そういった課題かだいはあります。ただし、あるギタリストが著作ちょさくけん違反いはんをしていたとしても、使つかわれたギターのメーカーにつみわれるということはありませんよね。「初音はつねミク」もそれとおなじことだとおもっています。使つかっていただくほうのモラルの問題もんだいとしかえません。それとさきほどれた、現行げんこう著作ちょさくけんビジネスがいま時流じりゅうっているのかどうかという問題もんだいもあるかとおもいます。

 ただ、そういった問題もんだい一方いっぽうで、非常ひじょうしつたかいオリジナルきょく多数たすう制作せいさくしていただいております。こうしたしつたかいものがどんどんえていき、それがあたらしい秩序ちつじょつくり、モラルの問題もんだい是正ぜせいしていくということも、CGMの世界せかいではこりうることだとかんがえています。

--直近ちょっきんでは「初音はつねミク」をふくめ3キャラクターを発売はつばいする予定よていですが、それぞれどのようなコンセプトでつくられているのですか。

 それはちょっと(笑)。ただ、12月まつ発売はつばいする次回じかいさくは11月の上旬じょうじゅんから告知こくちしていく予定よていなので、それまでおちいただければ。

訂正ていせい

 TBSの「初音はつねミク」にかんする放送ほうそう内容ないよう言及げんきゅうしたくだりで、TBSが謝罪しゃざいのコメントを発表はっぴょうしたと記載きさいしましたが、事実じじつことなるため削除さくじょしました。おびして訂正ていせいします。

追記ついき

 あらためてTBSに「初音はつねミク」の放送ほうそうについてコメントをもとめたところ、「謝罪しゃざいのコメントを予定よていはない。具体ぐたいてきにどのあたり問題もんだいなのか指摘してきしてもらいたい」とした。

 TBSは10月14にち、「アッコにおまかせ」の放送ほうそうなかで「初音はつねミク」を紹介しょうかい商品しょうひん内容ないようよりも利用りようしゃ言動げんどう注目ちゅうもくし、番組ばんぐみ終了しゅうりょう間際まぎわには職業しょくぎょう差別さべつともれるTBSがわのコメントがあったとして、ネットじょう批判ひはん相次あいついでいた。

 これをけてクリプトン・フューチャー・メディアは10月15にち自社じしゃのブログで「10月14にちのテレビ放映ほうえいかんしましてご報告ほうこくとお」とのコメントをしていた。

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