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3年目を迎えた三菱地所のCVC「BRICKS FUND TOKYO」--2%を見つけ出す投資戦略とは - CNET Japan

3ねんむかえた三菱地所みつびしじしょのCVC「BRICKS FUND TOKYO」--2%をつけ投資とうし戦略せんりゃくとは

 三菱地所みつびしじしょ運営うんえいするコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)「BRICKS FUND TOKYO」が3ねんむかえた。投資とうし実績じっせきしゃすうは15しゃかぞえ、CVCやVC出資しゅっしによる投資とうし総額そうがくは、2020年代ねんだいなかばまでに累計るいけい500おくえん見込みこむ。「既存きそん事業じぎょうとの協業きょうぎょうやシナジー効果こうか前提ぜんていとしない」としてんできたCVCは、この2ねんでどんな効果こうかをもたらしたのか。スタートから BRICKS FUND TOKYOをリードする三菱地所みつびしじしょ しん事業じぎょう創造そうぞうイノベーション推進すいしん・CVCユニット主事しゅじ橋本はしもと雄太ゆうたいた。

三菱地所 新事業創造部 イノベーション推進・CVCユニット 主事の橋本雄太氏
三菱地所みつびしじしょ しん事業じぎょう創造そうぞう イノベーション推進すいしん・CVCユニット 主事しゅじ橋本はしもと雄太ゆうた
  1. シナジー効果こうか前提ぜんていとしなくても協業きょうぎょうまれる理由りゆう
  2. カテゴリーリーダーとなるスタートアップをさが
  3. 2%をつけだすために必要ひつようなことは「アクティブ」と「コンスタント」
  4. CVCのみをいかに社内しゃないつたえるか

シナジー効果こうか前提ぜんていとしなくても協業きょうぎょうまれる理由りゆう

――現在げんざい注目ちゅうもくしている事業じぎょうジャンルはどんなところでしょうか。

 クライメートテックや生成せいせいAIというトレンドはよりつよくなってきているとおもうので、そのあたりを有望ゆうぼうなインパクト領域りょういきとらえています。直近ちょっきん投資とうし実績じっせきでは、2.5次元じげんIPのプロデュースを手掛てがける「ウタイテ」あらたに出資しゅっしした一方いっぽう開始かいしから2ねんて、投資とうしさきつぎのラウンドへ移行いこうしているケースもありますので、積極せっきょくてき追加ついか出資しゅっしもしています。

 実際じっさい出資しゅっししているのはDXやSaaSといったB2B領域りょういきおおいのですが、ウタイテはB2C領域りょういきのビジネスですし、ポートフォリオのバランスはつねこころがけています。当初とうしょから3わり程度ていど海外かいがい企業きぎょう投資とうししていきたいとかんがえていたのですが、現状げんじょう日本にっぽん企業きぎょうが8、海外かいがいが2といったバランスなので、このあたりは想定そうていどおりという印象いんしょうです。

「BRICKS FUND TOKYO」の実績
「BRICKS FUND TOKYO」の実績じっせき

――BRICKS FUND TOKYOは数少かずすくない、出資しゅっしさきたいして協業きょうぎょうやシナジー効果こうか前提ぜんていとしないCVCです。2ねんてこのコンセプトに変化へんかはありませんか。

 コンセプト自体じたい変化へんかはありませんが、実務じつむベースでは協業きょうぎょうやシナジーをつくれています。スタートアップのほうのプロダクトをわたしたち三菱地所みつびしじしょ使つかうケースもありますし、よりんで事業じぎょう一緒いっしょつくるといううごきもいくつかでてきました。

 過去かこには三菱地所みつびしじしょが、エレベーターない広告こうこく手掛てがける「spacemotion」というスタートアップを東京とうきょうという会社かいしゃとともにげたことがありますが、こうしたジョイントベンチャーてきうごきもがりつつあります。最終さいしゅうてきにはあたらしい事業じぎょうはしらつくっていくというのがわたしたちのミッションの1つでもありますから、事業じぎょうげといったうごきもしていきたいとおもっています。

――スタートアップへの出資しゅっし実績じっせき着実ちゃくじつげる一方いっぽうで、だい企業きぎょうしん事業じぎょう創出そうしゅつ支援しえんやスタートアップとのオープンイノベーションを促進そくしんするプラットフォーム「TMIP」(Tokyo Marunouchi Innovation Platform)連携れんけいし、投資とうしさきだい企業きぎょう連携れんけいもサポートされていますね。

 三菱地所みつびしじしょにはコワーキングスペースを手掛てがける部門ぶもんがあり、大手おおて企業きぎょうしん事業じぎょう担当たんとうしゃのコミュニティなども運営うんえいしています。その方々かたがたとスタートアップの関係かんけいづくりもサポートしていきたいなとおもっています。

 わたしたちのゴールは、三菱地所みつびしじしょみずからの変化へんかし、つぎ時代じだいゆたかさにつながる価値かち創造そうぞうのためのビジネスモデルの革新かくしん、「ビジネストランスフォーメーション」を実現じつげんすることだとおもっていますし、その結果けっかとして産業さんぎょうまれわる、あたらしい成長せいちょう産業さんぎょうまれることだとおもっていますので、そこをしっかりとつくっていきたいですね。

カテゴリーリーダーとなるスタートアップをさが

――出資しゅっしめるさい、どのあたりを重視じゅうししていますか。

 カテゴリーリーダーになっていけるようなスタートアップかどうかを重視じゅうししていますね。

 すでに出資しゅっしさせていただいている「Mellow」は、キッチンカーなど移動いどうがた店舗てんぽ事業じぎょうしゃ出店しゅってんスペースをマッチングする日本にっぽん最大さいだいきゅうのモビリティビジネス・プラットフォーム「SHOP STOP」を運営うんえいしていますが、移動いどうがた店舗てんぽのプラットフォームはMellowが圧倒的あっとうてきなポジションをきずいている。また、ウェブシステムの画面がめんじょう操作そうさガイドを表示ひょうじしてサポートするSaaS「テックタッチ」は、DAP(デジタルアダプションプラットフォーム)の領域りょういきでは国内こくないでほぼ唯一ゆいいつのプレーヤーです。

 カテゴリーリーダーになれるポテンシャルをち、かつ、社会しゃかいおおきなインパクトをつくっていけるようなスタートアップへの投資とうし機会きかいられるよう、徹底てっていしてやっています。いきおいのあるスタートアップにしっかりと投資とうしできているところが、結果けっかとして協業きょうぎょうしているのかなとおもっています。

――カテゴリートップになれるようなちからのあるスタートアップのほううポイントというのは。

 基本きほんてきにはご紹介しょうかいわせがおおいのですが、ベンチャーキャピタル(VC)のほうとのリレーションなど、スタートアップ・エコシステムにはいむことが大事だいじですね。あとは業界ぎょうかい動向どうこうをきちんと勉強べんきょうすること。ファンドを共同きょうどう運営うんえいするプライムパートナーズと勉強べんきょうかいなどを定期ていきてき実施じっししていて、つねにテクノロジーなどのトレンド情報じょうほうをアップデートしています。

 初回しょかい面談めんだんから投資とうしまで実現じつげんできたスタートアップは、おいしたなかの2%くらいなんです。現在げんざい15しゃ投資とうししていますから、大体だいたい600しゃにはっています。

 結果けっかとして投資とうしいたらなかったケースも多々たたありますが、つぎのラウンドで投資とうし実現じつげんできることもありますし、投資とうし見送みおくっても協業きょうぎょうにつながるスタートアップもあります。そういった意味いみでも、おおくのスタートアップのほう出会であえるよう努力どりょくすることが大事だいじだとおもいます。

2%をつけだすために必要ひつようなことは「アクティブ」と「コンスタント」

――2%をつけだすのはかなり大変たいへんそうですね。

 たくさんの出会であいのなかわたしたちの議論ぎろんしつたかまってきますし、チームとしてのクオリティもがってきているとおもっていて、アクティブに、そしてコンスタントにやりつづけるというのがCVCには大事だいじかなとおもっています。

 このアクティブさ、というのはスタートアップだけではなく、VCのほうにもひろまりますので、投資とうしさきをご紹介しょうかいいただけるなどあらたなうごきにもつながってきますね。

――橋本はしもとさんご自身じしんでは、スタートアップのほうとおいしたとき重視じゅうしするポイントはありますか。

 わたしたちはシリーズA、Bのスタートアップのほうをメインにしているので、プロダクトやソリューションが産業さんぎょうにどのくらいインパクトをあたえていけそうかを重視じゅうししていますね。このソリューションだったらどの程度ていど市場いちばがとれるか、またよこにどうひろがるのかという部分ぶぶんですね。

 たとえば、モビリティSaaSを手掛てがける「ニーリー」という会社かいしゃ出資しゅっししているのですが、月極つきぎめ駐車ちゅうしゃじょう管理かんり会社かいしゃけのSaaSの競争きょうそうりょくたかく、この市場いちばのNo.1プレーヤーとなっています。さらに管理かんり会社かいしゃつデータがとれるので、駐車ちゅうしゃじょうがどのくらいいているかという情報じょうほう取得しゅとくできる。今後こんご自動じどう運転うんてん時代じだいにはモビリティ・プラットフォームとしてさまざまなソリューションにつながっていくかもしれません。このように、将来しょうらいてきなインパクトまでかんがえることを、チームないでも議論ぎろんしています。

主な出資先
おも出資しゅっしさき

CVCのみをいかに社内しゃないつたえるか

――CVCは社内しゃないほうにお仕事しごと内容ないようつたえることがむずかしい部分ぶぶんもあるとおもいます。社内しゃないてき環境かんきょう変化へんかしていますか。

 わってきているとおもいます。当初とうしょは、既存きそん事業じぎょうとのシナジーを前提ぜんていとしないというコンセプトから、理解りかいされづらいめんもありました。現在げんざいとしに1かい経営けいえいじんたいして実績じっせき報告ほうこくし、年度ねんどのプランをつたえているのですが、2023年度ねんどは、もっとこういうジャンルをてほしい、こういうスタートアップとつながってほしいという前向まえむきなコメントがえ、探索たんさく必要ひつようせいつたわってきているようながしています。また、シナジーを前提ぜんていとしなくてもなにまれないわけではなく、さまざまな戦略せんりゃくリターンがつくれるという理解りかい大分だいぶすすみました。

――社内しゃないてきにアプローチしていきたい部分ぶぶんは。

 事業じぎょうですね。社内しゃない我々われわれみがまだ浸透しんとうしきれていない部分ぶぶんもあるので、そこをこしていきたい。CVCだけではなく、しん事業じぎょう創造そうぞう全体ぜんたい課題かだいでもありますが、社内しゃない事業じぎょうほうちからしていただかないとあらたな事業じぎょうつくれないので、事業じぎょうをもっとみたいとおもっています。

 CVCファンドをやっているといろいろな情報じょうほうあつまってきます。そしてわたしたち自身じしん目利めきりょくたかまってくる。そうなると、M&Aなど経営けいえいたいするインパクトをせる可能かのうせいたかまるとおもうので、そのなかでいいごえんがあって、おおきなディールにつながっていくと、CVCをふくめたイノベーション部門ぶもんとしての成功せいこうになるのだろうなとおもっています。

「BRICKS FUND TOKYO」

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