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一口(ヒトクチ)とは? 意味や使い方 - コトバンク

一口ひとくちみ)ヒトクチ

デジタル大辞泉だいじせん一口ひとくち」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

ひと‐くち【一口ひとくち

飲食いんしょくぶつを1かいこうれること。また、そのりょう。「一口ひとくちべてしまう」「一口ひとくちがりください」
まとめて手短てみじかうこと。「一口ひとくちえばこうなる」
すこぶつうこと。一言ひとことひとこと。「一口ひとくちくちはさむ」
かぶ寄付きふなどのいち単位たんい。「一口ひとくちせんえん寄付きふ
多人数たにんずうんでする仕事しごとなどの、一人ひとりぶん割当わりあて。「一口ひとくちる」
[類語るいご]一言ひとことひとこといちげんいちごん一声いっせい一言半句いちごんはんく片言かたこと隻語せきごいちいち

いっ‐こう【一口ひとくち

ひとつのくちおなこう。また、一人ひとりひと。いっく。
刀剣とうけんくちのあいている器物きぶつひとつ。
ろうぬりあきらきらめく―の短刀たんとうなり」〈紅葉こうよう金色きんいろ夜叉やしゃ
おなじようにくちをそろえてうこと。
「おいえはしらをかぶりくらふ佞人ねいじんねいじんと、此の和田わだ兵衛ひょうえを―の、挨拶あいさつこそ心外しんがいなれ」〈きよしみなもとよりゆき源実朝みなもとのさねとも鎌倉かまくらさんだい
ひとくち。
「―のしょく」〈地蔵じぞう菩薩ぼさつ霊験れいけん

いっ‐く【一口ひとくち

ひとつのくちてんじて、ひとひとり、また、もの1ひき。いっこう。
がまなどくちのあいている器物きぶつや、刀剣とうけんなど刃物はものひとつ。→くち

出典しゅってん 小学館しょうがくかんデジタル大辞泉だいじせんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい

精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん一口ひとくち」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

ひと‐くち【一口ひとくち

  1. 名詞めいし
  2. いち全部ぜんぶくちれること。かなりの分量ぶんりょうをひとのみにすること。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「おにはやひとくちにしょくひてけり」(出典しゅってん伊勢物語いせものがたり(10Cまえろく)
  3. いちかいくちれること。また、その分量ぶんりょう。また、すこしばかりいすること。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「一口ひとくちふくきゅうひて」(出典しゅってん栂尾つがお明恵あきえ上人しょうにん伝記でんき(1232‐50ごろした)
  4. ( かたちどう ) さけこのんでよくむこと。また、そのさま。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「一口ひとくち(ヒトクチ)なる末社まっしゃあつめして、下戸げこならぬこそおのこはよけれと」(出典しゅってん浮世草子うきよぞうし・けいせいでん受紙(1710)いち)
  5. まとめて簡単かんたん表現ひょうげんすること。また、異質いしつのものをどういち次元じげんあつかうこと。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「あなあさましや。ひとくちにてもはた。ひとくらいかは。有様ありさま、すること、するわざなどこそ」(出典しゅってん宇津うつたもつ物語ものがたり(970‐999ごろこくゆずるじょう)
    2. たかんなうしいちくち(ヒトクチ)にはいはれまい」(出典しゅってん雲形くもがたほん狂言きょうげんたけ室町むろまちまつ近世きんせいはつ))
    3. 売文ばいぶん根性こんじょう堕落だらく文士ぶんしおおいために真摯しんし操觚そうこしゃまでがいち(ヒ)ぐち(クチ)軽蔑けいべつされるは迷惑めいわく沙汰さたで」(出典しゅってん:嚼氷ひや(1899)〈内田魯庵うちだろあん〉)
  6. ひとつのことば。みじかい、ちょっとした文句もんく一区切ひとくぎりの文句もんく。ひとこと。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「ただいちくちのたまはせよかし」(出典しゅってん閑居かんきょとも(1222ごろじょう)
  7. くら(くら)くつわ(くつわ)がま(かま)などひとつ。〔にち葡辞しょ(1603‐04)〕
  8. かぶ寄付きふなどの単位たんいひとつのまとまり。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「一口ひとくち一法いっぽう以上いじょうはやくおください」(出典しゅってん:ブルジョア(1930)〈芹沢せりざわ光治こうじりょうよん)
  9. 一部分いちぶぶんまえ割当わりあて
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「這般しゃはん(こん)たくみもうかがあるもんでねエから、おれ土師はじくんいち(ヒ)ぐち(クチ)らねエかと」(出典しゅってん:落紅(1899)〈内田魯庵うちだろあんいち)

いっ‐こう【一口ひとくち

  1. 名詞めいし
  2. ひとつのくちおなこうてんじて、ひとひとり。一人ひとり。〔にち葡辞しょ(1603‐04)〕〔こう漢書かんしょおそれ詡伝〕
  3. 一語いちご一言ひとこと
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「ざつてのひら以不一口ひとくちひねいちこれうえしゃ承伏しょうふくじょう勿論もちろん」(出典しゅってん高野山こうのやま文書ぶんしょ建治けんじ元年がんねん(1275)いちがつおもね氐河しょう地頭じとう湯浅ゆあさはじめしんひねじょうあん)
    2. [その文献ぶんけん]〔ひだりおもえ
  4. くちをそろえてうこと。おなくちぶりでうこと。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「おいえはしらをかぶりくらふ佞人ねいじん(ねいじん)と、此和田わだ兵衛ひょうえいちくちの、挨拶あいさつこそ心外しんがいなれ」(出典しゅってん浄瑠璃じょうるりみなもとよりゆき源実朝みなもとのさねとも鎌倉かまくらさんだい(1781)さん)
  5. 食物しょくもつなどのひとくち。ちょっとくちにすること。〔はじめ郊‐すすむぜんぎん
  6. 刀剣とうけんや、くちのある器具きぐなどのひとつ。いっく。〔漢語かんごるい(1869)〕〔すすむしょさんりゅう曜〕

いっ‐く【一口ひとくち

  1. 名詞めいし
  2. ひとつのくち。てんじて、ひとひとり。または、ものいちひき。いっこう。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「仍今度こんど闕分口内こうない一口ひとくちかしこわが僧都そうず」(出典しゅってん東寺とうじひゃくごう文書ぶんしょ‐る・おうながさんいちねん(1424)いちがつよんにちさい勝光かつみついんかた評定ひょうじょう引付ひきつけ)
  3. 一人ひとりぶん給料きゅうりょう
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「一口ひとくち半分はんぶんあてゆかり」(出典しゅってん東寺とうじひゃくごう文書ぶんしょ‐る・おうながななねん(1400)きゅうがつろくにちさい勝光かつみついんかた評定ひょうじょう引付ひきつけ)
  4. くちのあいている器物きぶつなどひとつ。いちごう
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「たんおんなはい、盞各いちくち」(出典しゅってん延喜えんぎしき(927)いち)
  5. 武器ぶき農具のうぐなどの刃物はものいちちょう
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「だていちまいやりほこさきいちくちいさおぬのいちたけよんしゃく」(出典しゅってん延喜えんぎしき(927)いち)

ひとつ‐くち【一口ひとくち

  1. 名詞めいし
  2. いちしょくち
  3. はなが、ききて対等たいとうであるかのような物言ものいをすること。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「とうとひとつくちに、なぞいふは」(出典しゅってん:落窪物語ものがたり(10Cいち)
  4. くちをそろえてうこと。異口同音いくどうおんうこと。それぞれうことがちがわないこと。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「而とは人々ひとびとひとこううんぞ」(出典しゅってん古文こぶんたからえみくもしょう(1525)なな)
  5. 同列どうれつあつかっていうこと。ひっくるめていうこと。ひとくち。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「ひとつくちにて、おんなどう衆道しゅどうさるごとのもったいなし」(出典しゅってん浮世草子うきよぞうし男色なんしょく大鑑たいかん(1687)いち)

いもあらいいもあらひ一口ひとくち

  1. 京都きょうと南西なんせい久御山くみやままち地名ちめい干拓かんたくまえきょむく(おぐら)いけみず淀川よどがわかうところで、渡船場とせんばとしてられ、淀川よどがわさんわたしのひとつだった。たてたけしさんねんいちさんさんろく足利尊氏あしかがたかうじ天皇てんのうがわたたかった。三方さんぽうぬま一方いっぽう入口いりくちがあったのでいちくちとあてられたか。
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「よどみ、いもあらい、河内かわちをば」(出典しゅってん平家ひらか物語ものがたり(13Cまえいち)

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日本にっぽん歴史れきし地名ちめい大系たいけい一口ひとくち」の解説かいせつ

一口ひとくち
いもあらい

[現在地げんざいちめい]久御山くみやままち大字だいじ東一口ひがしいもあらい大字だいじ西一口にしいもあらい

御牧みまきみまき北部ほくぶきょむくおぐらいけ西岸せいがんだい堤防ていぼうあたりをさす地名ちめい中世ちゅうせいにはいもあらいしるした。用字ようじわる時期じき不明ふめいだが、近世きんせいにはもっぱら一口ひとくちもちいられており、「山城やましろ名勝めいしょうこころざし」は地名ちめい由来ゆらいを「古老ころううんむかしさんぽうぬまニシテ一方いっぽうヨリ入口いりくちゆういちくちト書とがきうん」としるす。しかしこれはいちくち用字ようじもとづいてのものである。

いもあらいはつは「吾妻あづまきょううけたまわひさしさんねんいちいち六月ろくがつななにちじょう

資料しりょう省略しょうりゃくされています>

とあり、承久じょうきゅうらんさいし、幕府ばくふかた軍勢ぐんぜい配置はいちされている。たからおさむ元年がんねんいちよんななぼっした浄土宗じょうどしゅう西山にしやましょうそら書状しょじょうとしかけがつにちづけ誓願寺せいがんじ文書ぶんしょには

資料しりょう省略しょうりゃくされています>

とみえる。また「平家ひらか物語ものがたりまきよんはし合戦かっせんに、宇治橋うじばしでのせんとき平家へいけ侍大将さむらいだいしょう上総かずさまもる忠清ただきよ大将軍だいしょうぐん平知盛たいらのとももり

資料しりょう省略しょうりゃくされています>

進言しんげん、これをうけた下野げやこく住人じゅうにん足利あしかがまた太郎たろう忠綱ただつなが「よどみ・いもあらひ」へかうべく宇治川うじがわ渡河とかしたことがしるされている。

出典しゅってん 平凡社へいぼんしゃ日本にっぽん歴史れきし地名ちめい大系たいけい日本にっぽん歴史れきし地名ちめい大系たいけいについて 情報じょうほう

日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)一口ひとくち」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

一口ひとくち
いもあらい

京都きょうと南部なんぶ久世くぜ(くせ)ぐん久御山くみやま(くみやま)まちいち地区ちく中世ちゅうせいにはいもあらいしるされた。干拓かんたくまえきゅうきょむく(おぐら)いけ排水はいすいこう位置いちし、三方さんぽうぬまかこまれていたので、一口ひとくちもちいたという。集落しゅうらくきゅうきょむく西岸せいがん堤防ていぼう片側かたがわ東西とうざい細長ほそながならび、特色とくしょくある家並いえなみをのこしている。かつては淡水たんすい漁業ぎょぎょうさかんで、江戸えど時代じだいにはよどみ(よど)かわ一帯いったい漁業ぎょぎょうけんゆうしていた。きょむく排水はいすい幹線かんせん前川まえかわつつみりょうきしには200ほんのサクラ並木なみきがあり、開花かいかには花見はなみひとでにぎわう。また、だい二京阪道路巨椋池インターチェンジがある。

織田おだ武雄たけお

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