デジタル大辞泉だいじせん 「亭主ていしゅ」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご てい‐しゅ【亭主ていしゅ】 1 その家いえの主人しゅじん。特とくに宿屋やどや・茶店ちゃみせなどのあるじ。2 夫おっとおっと。3 茶ちゃの湯ゆで、茶事ちゃじを主催しゅさいする人ひと。主人しゅじん。[類語るいご](2)夫おっと・主人しゅじん・旦那だんな・ハズバンド・ハズ・夫君ふくん・宅たく・内うちの人ひと・宿六やどろく・良人りょうじん・旦だんつく・先夫せんぷ・前夫ぜんふ・亡ほろび夫おっと・男鰥おとこやもめおとこやもめ・寡夫やもめ 出典しゅってん 小学館しょうがくかんデジタル大辞泉だいじせんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん 「亭主ていしゅ」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご てい‐しゅ【亭主ていしゅ】 〘 名詞めいし 〙① 一家いっかの主人しゅじん。あるじ。[初出しょしゅつの実例じつれい]「広博こうはく適てき慰心緒しんしょ、亭主ていしゅ坐すわ二に東方とうほう一いち」(出典しゅってん:明月めいげつ記き‐治ち承うけたまわ四よん年ねん(1180)五ご月がつ二に三さん日にち)「その座ざには亭主ていしゅ夫婦ふうふ、隆たかし弁べん僧正そうじょう、あるじ方かたの人ひとにて座ざせられけり」(出典しゅってん:徒然草つれづれぐさ(1331頃ごろ)二に一いち六ろく)[その他たの文献ぶんけん]〔捜さがせ神かみ記き‐巻まき一八かずや〕② 特とくに、宿屋やどや、茶屋ちゃや、揚屋あげやなどの店主てんしゅ。あるじ。[初出しょしゅつの実例じつれい]「やどの亭主ていしゅ(テイしゅ)が枕まくらをだいて盧のにあたえてちっと御ごやすみあれ」(出典しゅってん:玉たま塵ちり抄しょう(1563)二に四よん)③ 夫おっと(おっと)。主人しゅじん。良人りょうじん。[初出しょしゅつの実例じつれい]「人ひとの妻女さいじょの、櫛くし笄(くしかうがい)に役者やくしゃの紋もんを付ふて頭あたまにいただくを、涎よだれたらして見みて居いる亭主ていしゅ(テイシュ)の鼻毛はなげ」(出典しゅってん:談義だんぎ本ほん・根無草ねなしぐさ(1763‐69)前まえ)④ 茶席ちゃせきで、茶ちゃをたてて客きゃくを接待せったいする人ひと。また、広ひろく、一座いちざの主人しゅじん役やくをつとめる人ひと。[初出しょしゅつの実例じつれい]「判はん者しゃのもとにまうでてまめやかに涙なみだをながしつつなきうらみければ亭主ていしゅいはんかたなく」(出典しゅってん:無名むめい抄しょう(1211頃ごろ)) てい‐しゅう【亭主ていしゅ】 〘 名詞めいし 〙 =ていしゅ(亭主ていしゅ)[初出しょしゅつの実例じつれい]「又またていしうなどか、こなたさまをおともいたひてまひったらは、うれしがって」(出典しゅってん:虎明とらあき本ほん狂言きょうげん・萩はぎ大名だいみょう(室町むろまち末まつ‐近世きんせい初はつ)) てい‐す【亭主ていしゅ】 〘 名詞めいし 〙 「ていしゅ(亭主ていしゅ)」の変化へんかした語かたり。〔明あきら応おう本節ほんぶし用よう集しゅう(1496)〕[初出しょしゅつの実例じつれい]「ていすめでござります。御ごひいきによふこそ。有ゆうがたふござります」(出典しゅってん:滑稽本こっけいぼん・東海道とうかいどう中ちゅう膝栗毛ひざくりげ(1802‐09)八はち) てい‐し【亭主ていしゅ】 〘 名詞めいし 〙 「ていしゅ(亭主ていしゅ)」の変化へんかした語かたり。[初出しょしゅつの実例じつれい]「おのしゃアていしか」(出典しゅってん:洒落本しゃれぼん・寸すん南みなみ破やぶ良よ意い(1775)きおい) 出典しゅってん 精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) 「亭主ていしゅ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ 亭主ていしゅていしゅ 仏教ぶっきょうの『首くび楞厳経けい(しゅりょうごんきょう)』によることばで、客きゃくをもてなす一家いっかの主人しゅじんをいう。鎌倉かまくら時代じだいから一般いっぱんに使つかわれ、茶席ちゃせきで茶ちゃを点てんじて客きゃくを接待せったいする人ひともいう。封建ほうけん時代じだいには「亭主関白ていしゅかんぱく(かんぱく)の位くらい、嚊かかあ左衛門尉さえもんのじょう(かかあさえもんのじょう)」など、夫おっとは絶対ぜったいの権力けんりょく者しゃの関白かんぱくであり、妻つまはほんの左衛門尉さえもんのじょうほどの位くらいであると、しゃれていった。「亭主関白ていしゅかんぱく」ということばは現在げんざいも聞きかれ、このような権力けんりょく者しゃの好このみには家族かぞくも同調どうちょうするというので「亭主ていしゅの好すきな赤あか烏帽子えぼし(えぼし)」などの俗諺ぞくげん(ぞくげん)も生うまれた。反面はんめん「亭主ていしゅは達者たっしゃで留守るすがよい」など女房にょうぼう側がわの願望がんぼうを反映はんえいしたものもある。[佐藤さとう農みのり人じん] 出典しゅってん 小学館しょうがくかん 日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)について 情報じょうほう | 凡例はんれい
普及ふきゅう版ばん 字じ通どおり 「亭主ていしゅ」の読よみ・字形じけい・画数かくすう・意味いみ 【亭主ていしゅ】ていしゆ 主人しゅじん。字じ通どおり「亭ちん」の項目こうもくを見みる。 出典しゅってん 平凡社へいぼんしゃ「普及ふきゅう版ばん 字じ通どおり」普及ふきゅう版ばん 字じ通どおりについて 情報じょうほう
世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん(旧版きゅうばん)内うちの亭主ていしゅの言及げんきゅう 【茶事ちゃじ】より …[演出えんしゅつと作法さほう] 茶事ちゃじをして一座いちざの建立こんりゅうを願ねがう思想しそうは,その場ばに濃密のうみつな芸術げいじゅつ的てき雰囲気ふんいきの醸成じょうせいを期待きたいするものであり,人間にんげんの心しんの交流こうりゅうを前提ぜんていとして,名器めいき名品めいひん,酒食しゅしょくを媒体ばいたいとして一期一会いちごいちえの短みじかい時ときの間あいだを充足じゅうそくさせようとする演出えんしゅつである。したがってその成否せいひは,当日とうじつの客きゃく組ぐみにあるから亭主ていしゅ(主催しゅさい者しゃ)は人選じんせんに腐心ふしんし,あらかじめ親密しんみつな,あるいはその可能かのう性せいを期待きたいしうる既知きちの人々ひとびとを案内あんないし,事前じぜんに参加さんか者しゃ全員ぜんいんに構成こうせい員いんに対たいする了解りょうかいをとらねばならない。当日とうじつ,連れん客きゃくは主催しゅさい者しゃの家いえの寄付きふ(よりつき)(待合まちあわせのための部屋へや。… 【茶道さどう】より …茶道さどうを芸能げいのうと考かんがえるとき,芸能げいのうたる(1)思想しそうと演出えんしゅつ,(2)衣装いしょうと道具どうぐ,(3)所作しょさの型かた,(4)舞台ぶたい,を茶道さどうも備そなえていなければならないが,それぞれ(1)わび茶ちゃの思想しそうと趣向しゅこう,(2)茶道具ちゃどうぐと室むろ礼あや,(3)点前てまえ(てまえ)と作法さほう,(4)茶室ちゃしつと茶庭ちゃてい,としてすべて備そなえている。これらの要素ようそを総合そうごうする茶道さどうは世俗せぞく的てきな日常にちじょう世界せかいを脱却だっきゃくして,客きゃくと亭主ていしゅの新あらたなる紐帯ちゅうたいを求もとめる寄合よりあいの芸能げいのうといえよう。[歴史れきし] 中国ちゅうごく唐とう代だいの社会しゃかいに定着ていちゃくした茶ちゃの文化ぶんかは遣唐使けんとうしたちによって奈良なら時代じだいから平安へいあん時代じだいの初期しょきに日本にっぽんに伝つたえられた。… ※「亭主ていしゅ」について言及げんきゅうしている用語ようご解説かいせつの一部いちぶを掲載けいさいしています。 出典しゅってん|株式会社かぶしきがいしゃ平凡社へいぼんしゃ「世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん(旧版きゅうばん)」