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刈田狼藉(カリタロウゼキ)とは? 意味や使い方 - コトバンク

刈田かりた狼藉ろうぜきみ)カリタロウゼキ

デジタル大辞泉だいじせん刈田かりた狼藉ろうぜき」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

かりた‐ろうぜき〔‐ラウゼキ〕【刈田かりた×おおかみ×藉】

中世ちゅうせい他人たにんいね不法ふほうること。

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精選せいせんばん 日本にっぽん国語こくごだい辞典じてん刈田かりた狼藉ろうぜき」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

かりた‐ろうぜき‥ラウゼキ刈田かりた狼藉ろうぜき

  1. 名詞めいし 鎌倉かまくら室町むろまち戦国せんごく時代じだい他人たにんあるいはてきかたいね不法ふほうること。刈田かりたばたらき。刈田かりた
    1. [初出しょしゅつ実例じつれい]「狛江こまえ入道にゅうどうぞう西にし去月きょげつ廿にじゅうろくにちりつじゅう余人よにん悪党あくとういちらんにゅう寺領じりょういち、及苅田かりた狼藉ろうぜきいち云々うんぬん」(出典しゅってん吾妻あづまきょううけたまわもとねん(1208)なながついちにち)
    2. 「押がいしらんばうし、ここかしこの田畠たばたいたり苅田かりたらうぜきし」(出典しゅってん御伽草子おとぎぞうしからすさぎ合戦かっせん物語ものがたり室町むろまちちゅう))

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日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)刈田かりた狼藉ろうぜき」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

刈田かりた狼藉ろうぜき
かりたろうぜき

刈田かりたともいう。他者たしゃ知行ちぎょう(ちぎょう)する田畑たはたさく実力じつりょく行為こういをいう。この前提ぜんていには、そのさく自己じこ権利けんりありとする暗黙あんもく主張しゅちょうがあったといえる。平安へいあん末期まっきから戦国せんごくにかけておこなわれ、とくに鎌倉かまくら南北なんぼくあさおおい。形態けいたいとしては、さく獲得かくとく目的もくてきとした窃盗せっとう行為こういさかいしょうろん(そうろん)における威嚇いかく所領しょりょう裁判さいばんちゅうでの中間ちゅうかん狼藉ろうぜきなど種々しゅじゅおよぶ。こうした行為こうい鎌倉かまくら幕府ばくふ重視じゅうしし、1310ねんのべけい3)にはけんだん沙汰さた(けんだんざた)の対象たいしょうとして守護しゅごにその鎮圧ちんあつめいじた。その室町むろまち幕府ばくふにより1346ねん正平しょうへい1・貞和さだかず2)には刈田かりた狼藉ろうぜき所領しょりょう3ぶんの1の召放(めしはなち)とさだめられ、やがて取締とりしまりが守護しゅご専権せんけんとされるようになると、守護しゅごはそれを契機けいき国内こくない支配しはい強化きょうかすすめていった。

久保田くぼたあきらまれ

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百科ひゃっか事典じてんマイペディア刈田かりた狼藉ろうぜき」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

刈田かりた狼藉ろうぜき【かりたろうぜき】

鎌倉かまくら時代ときよ訴訟そしょう未済みさいちゅう田地たじいね一方いっぽうてき実力じつりょく行使こうしを,社会しゃかい秩序ちつじょみだ行為こういとして狼藉ろうぜきんだ。以降いこう刈田かりた行為こういたんなる暴力ぼうりょく行為こうい混同こんどうされるようになる。室町むろまち時代じだい足利尊氏あしかがたかうじ(たかうじ)はこれをまる権限けんげん守護しゅごあたえて,守護しゅご権限けんげん拡大かくだいした。戦国せんごくにはてきたいするへいめや味方みかたへい粮米のために刈田かりたおこなわれた。
関連かんれん項目こうもくだいはんさん箇条かじょう

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山川やまかわ 日本にっぽんしょう辞典じてん 改訂かいてい新版しんぱん刈田かりた狼藉ろうぜき」の解説かいせつ

刈田かりた狼藉ろうぜき
かりたろうぜき

ある所領しょりょう知行ちぎょうする正当せいとう権限けんげんをもつとしょうして,他人たにん知行ちぎょうしている土地とち作物さくもつ実力じつりょくりとる行為こうい。これは刈田かりたかりばたけとよばれ,鎌倉かまくら前期ぜんき裁判さいばんでは知行ちぎょう権利けんりあらそところつとむ沙汰さた訴訟そしょうふくめ,刈田かりた自体じたい刑事けいじばつ対象たいしょうとされなかった。ぶんなが弘安ひろやす年間ねんかんから刈田かりた狼藉ろうぜきしょうして特別とくべつ制裁せいさい対象たいしょうにされるようになり,1310ねん(のべけい3)以降いこう刑事けいじ訴訟そしょうであるけんだん沙汰ざた移管いかんされ,さむらいしょろくけんだんかたから諸国しょこく守護しゅごという系列けいれつ処置しょちされた。刈田かりた狼藉ろうぜき発生はっせいすると,守護しゅごはただちに現場げんばおもむいてこうそう鎮圧ちんあつするとともに,実情じつじょう調査ちょうさして中央ちゅうおう報告ほうこくする義務ぎむがあった。室町むろまち幕府ばくふも46ねん(貞和さだかず2・正平しょうへいもと)にけんだん沙汰ざたふくめ,使節しせつ遵行(じゅんぎょう)とともにだいはんさん箇条かじょうくわえて守護しゅご職務しょくむとした。

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