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夜明け前(ヨアケマエ)とは? 意味や使い方 - コトバンク

夜明よあまえみ)ヨアケマエ

デジタル大辞泉だいじせん夜明よあまえ」の意味いみみ・例文れいぶん類語るいご

よあけ‐まえ〔‐まへ〕【夜明よあまえ

よるける直前ちょくぜん。また、苦難くなん雌伏しふく時期じきわり、事態じたい好転こうてんする直前ちょくぜんのたとえ。
[せつ]作品さくひんめい別項べっこう。→夜明よあまえ
[類語るいご]夜明よあがたあけぼの未明みめいあさまだきあかつき黎明れいめい朝明あさあ残夜ざんやかわたれ白白しらじらあさぼらけ有明ありあけ東雲しののめしののめ払暁ふつぎょう早暁そうぎょう薄明はくめい鶏鳴けいめいあした朝方あさがたあさっぱら早朝そうちょうモーニング

よあけまえ【夜明よあまえ】[書名しょめい

島崎しまざき藤村とうそん長編ちょうへん小説しょうせつ昭和しょうわ4~10ねん(1929~1935)発表はっぴょう明治維新めいじいしん前後ぜんご動乱どうらん時代じだい背景はいけいに、木曽きそ馬籠まごめ宿やど旧家きゅうか当主とうしゅ青山あおやま半蔵はんぞう苦難くなん一生いっしょうえがく。モデル作者さくしゃちち昭和しょうわ28ねん(1953)、吉村よしむらこう三郎さぶろう監督かんとく新藤しんどう兼人かねと脚色きゃくしょくにより映画えいがされ、だい8かい毎日まいにち映画えいがコンクール撮影さつえいしょう受賞じゅしょう

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日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)夜明よあまえ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

夜明よあまえ
よあけまえ

島崎しまざき藤村とうそん長編ちょうへん小説しょうせつ。1929~35ねん昭和しょうわ4~10)にかけてとし4かいわりで『中央公論ちゅうおうこうろん』に連載れんさいだい一部いちぶは32ねんだいは35ねん、ともに新潮社しんちょうしゃかん中仙道なかせんどう馬籠まごめ(なかせんどうまごめ)宿やど本陣ほんじん庄屋しょうや(しょうや)、問屋とんや(といや)をねた青山あおやま半蔵はんぞう(モデルは藤村ふじむらちち正樹まさき)の数奇すうき生涯しょうがいじくとして、幕末ばくまつ維新いしん動乱どうらんえがき、抑圧よくあつからの解放かいほうもとめる「わか生命せいめい」のくるしみをかびがらせた歴史れきし小説しょうせつ平田ひらた国学こくがく心酔しんすいし、封建ほうけんせい圧迫あっぱくだっして生命せいめい自由じゆう発展はってんねが半蔵はんぞうは、「このおうみんしかなかつたやうなうえ(かみ)つ(よ)」への復古ふっこゆめみて王政おうせい復古ふっこ実現じつげん狂喜きょうきしたが、維新いしん改革かいかく基調きちょう西洋せいよう一辺倒いっぺんとう文明開化ぶんめいかいかだった。木曽きそ(きそ)山林さんりん問題もんだいにみられる圧政あっせい神道しんとう軽視けいし風潮ふうちょう失望しつぼうしたかれは、西洋せいよう侵食しんしょくうれうる自製じせい和歌わか明治天皇めいじてんのう行列ぎょうれつけんじてつみわれ、しだいに狂気きょうきおちいり、ついに菩提ぼだい(ぼだい)てら放火ほうか座敷牢ざしきろう(ろう)にめられて悶死もんし(もんし)する。藤村ふじむら文学ぶんがく到達とうたつてんとして、藤村ふじむら一貫いっかんして追求ついきゅうしてきた宿命しゅくめいてき家系かけいとその原点げんてん位置いちするちち問題もんだいつうじて、わがくに近代きんだい文化ぶんか連続れんぞくせい問題もんだい考察こうさつし、個人こじん運命うんめいつつむ「おおきな自然しぜん(おのずから)」の存在そんざいかんじさせる大作たいさくである。

 なお、村山むらやま知義ともよし(ともよし)が脚色きゃくしょくした戯曲ぎきょく夜明よあまえ』はだい一部いちぶが1934ねん11月、だい2が36ねん3がつ、それぞれ久保くぼさかえ(さかえ)演出えんしゅつしんきょう劇団げきだん築地つきじ(つきじ)しょう劇場げきじょう初演しょえんぜんまくつうじて伊藤いとう熹朔きさく(きさく)装置そうち本陣ほんじんたくいちはい舞台ぶたい時代じだいながれを表現ひょうげんし、新劇しんげきかざ作品さくひんとなった。

十川そがわ信介しんすけ

『『夜明よあまえぜんよんさつ岩波いわなみ文庫ぶんこ新潮しんちょう文庫ぶんこ)』

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改訂かいてい新版しんぱん 世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん夜明よあまえ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

夜明よあまえ (よあけまえ)

島崎しまざき藤村とうそん長編ちょうへん小説しょうせつ。1929ねんから35ねんにかけてとし4かいのわりで《中央公論ちゅうおうこうろん》に連載れんさいだい1は32ねんだい2は35ねん,ともに新潮社しんちょうしゃかん作者さくしゃちち正樹まさきをモデルとする青山あおやま半蔵はんぞう数奇すうき生涯しょうがいじくとして,1853ねんよしみなが6)の黒船くろふねさわぎから明治めいじ政府せいふ絶対ぜったい主義しゅぎてき性格せいかくつよめる86ねん明治めいじ19)にいたる,近代きんだい日本にっぽん胎動たいどうくるしみをえがいた歴史れきし小説しょうせつ中仙道なかせんどう馬籠まごめ宿やど本陣ほんじん嫡男ちゃくなんとしてまれた半蔵はんぞうは,平田ひらた国学こくがく傾倒けいとうして王政おうせい復古ふっこねがい,封建ほうけんせい抑圧よくあつだっして〈わか生命せいめい〉をばしたいとねんじていた。明治維新めいじいしんによってその希望きぼう実現じつげんするかにえたが,実際じっさいにやってたのは〈復古ふっこ〉ではなく,西洋せいよう一辺倒いっぺんとう文明開化ぶんめいかいか旧幕きゅうばく時代じだいわらない暴政ぼうせいだった。失望しつぼうしたかれ明治天皇めいじてんのう行列ぎょうれつ直訴じきそしてつみわれ,しだいに狂気きょうきにとらわれて青山あおやま菩提寺ぼだいじ放火ほうか座敷牢ざしきろう悶死もんしする。わがくにの〈夜明よあまえ〉の薄暗うすぐらさをえがき,ながれの巨大きょだいさをかんじさせる藤村ふじむら文学ぶんがく到達とうたつてんである。
執筆しっぴつしゃ

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百科ひゃっか事典じてんマイペディア夜明よあまえ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

夜明よあまえ【よあけまえ】

島崎しまざき藤村とうそん長編ちょうへん小説しょうせつ。1929ねん―1935ねん中央公論ちゅうおうこうろん》に断続だんぞく連載れんさい明治維新めいじいしん前後ぜんこう時代じだい変転へんてん背景はいけいに,木曾きそ馬籠まごめ(まごめ)の本陣ほんじん庄屋しょうや問屋とんやねる平田ひらた国学こくがくしゃ青山あおやま半蔵はんぞう作者さくしゃちち正樹まさきがモデル)の生涯しょうがいえがく。封建ほうけんせいから近代きんだい社会しゃかいうつ過渡かと制度せいどじょう思想しそうじょう変革へんかくを,半蔵はんぞうという個性こせいとおしてかれきた時代じだい歴史れきしなかにとらえようとしたもので,藤村ふじむら代表だいひょうさくひとつ。
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山川やまかわ 日本にっぽんしょう辞典じてん 改訂かいてい新版しんぱん夜明よあまえ」の解説かいせつ

夜明よあまえ
よあけまえ

島崎しまざき藤村とうそん長編ちょうへん小説しょうせつ。2よりなる。1929ねん(昭和しょうわ4)より35ねんまで「中央公論ちゅうおうこうろん」に連載れんさい藤村ふじむら晩年ばんねん傑作けっさくであり,また歴史れきし小説しょうせつとしても近代きんだい文学ぶんがく史上しじょうのこ作品さくひんである。木曾きそ馬籠まごめ宿やど(まごめしゅく)の本陣ほんじん問屋とんや庄屋しょうやねる17代目だいめ当主とうしゅ青山あおやま半蔵はんぞう経験けいけんした明治維新めいじいしん前後ぜんこう動乱どうらん時代じだいつづられる。中山道なかせんどう要所ようしょとして,地方ちほうでありながら中央ちゅうおう時勢じせいつたわってくる地点ちてんであり,また民衆みんしゅうにじかにせっする立場たちば設定せっていすることで,独自どくじ視点してんから維新いしん歴史れきしえがいた。半蔵はんぞうのモデルは藤村ふじむらちち正樹まさきであるが,ちち理想りそう挫折ざせつ半生はんせい作者さくしゃ自身じしん思想しそうかさねあわせ,さらにさまざまな歴史れきしてき資料しりょう駆使くしして重厚じゅうこう作品さくひん世界せかいつくげることに成功せいこうしている。

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ブリタニカ国際こくさいだい百科ひゃっか事典じてん しょう項目こうもく事典じてん夜明よあまえ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ

夜明よあまえ
よあけまえ

島崎しまざき藤村とうそん長編ちょうへん小説しょうせつ。 1929~35ねん発表はっぴょう木曾きそ馬籠まごめ (まごめ) 宿やど本陣ほんじん問屋とんや庄屋しょうやねる旧家きゅうか当主とうしゅ青山あおやま半蔵はんぞうは,おりから明治維新めいじいしん動乱どうらんむかえ,宿やど役人やくにん村役人むらやくにんとしての責務せきむ信奉しんぽうする国学こくがく思想しそうとにかれて苦悩くのうし,やがて到来とうらいしたしん時代じだいにも裏切うらぎられ,絶望ぜつぼうして狂死きょうしする。半蔵はんぞうのモデルは作者さくしゃちちであり,その生涯しょうがいえがくことで維新いしん草莽そうもうがわからみるとともに,近世きんせいから近代きんだい貫流かんりゅうした民族みんぞくの「まこと」をたずねようとした力作りきさく近代きんだい歴史れきし文学ぶんがく最高峰さいこうほうみとめられている。

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日本酒にほんしゅ本格ほんかく焼酎しょうちゅう泡盛あわもり銘柄めいがらコレクション夜明よあまえ」の解説かいせつ

よあけまえ【夜明よあまえ

長野ながの日本酒にほんしゅさけめいは、長野ながの出身しゅっしん作家さっか島崎しまざき藤村とうそん小説しょうせつ夜明よあまえ」にちなみ命名めいめいだい吟醸ぎんじょうしゅじゅんべいだい吟醸ぎんじょうしゅじゅんべい吟醸ぎんじょうしゅ吟醸ぎんじょうしゅじゅんべいしゅほん醸造じょうぞうしゅをそろえる。平成へいせい3、4、8、11~13、25、26年度ねんど全国ぜんこく新酒しんしゅかんひょうかい金賞きんしょう受賞じゅしょう原料げんりょうまいおも山田やまだにしき仕込しこすいきりおとずれ(きりとう)やま伏流ふくりゅうすい蔵元くらもとの「小野おの酒造しゅぞうてん」はもと元年がんねん(1864)創業そうぎょう所在地しょざいち上伊那かみいなぐん辰野たつのまち大字だいじ小野おの

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デジタル大辞泉だいじせんプラス夜明よあまえ」の解説かいせつ

夜明よあまえ映画えいが

1953ねん公開こうかい日本にっぽん映画えいが監督かんとく吉村よしむらこう三郎さぶろう原作げんさく島崎しまざき藤村とうそん脚色きゃくしょく新藤しんどう兼人かねと撮影さつえい宮島みやじま義勇よしたけ出演しゅつえん乙羽おとわ信子のぶこ日高ひだか澄子すみこ山内やまうちあきら殿山とのやま泰司やすじ菅井すがい一郎いちろう滝沢たきざわおさむほか。だい8かい毎日まいにち映画えいがコンクール撮影さつえいしょう受賞じゅしょう

夜明よあまえ日本酒にほんしゅ

長野ながのけん株式会社かぶしきがいしゃ小野おの酒造しゅぞうてん製造せいぞうする日本酒にほんしゅ

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夜明よあまえ
よあけまえ

昭和しょうわ初期しょき島崎しまざき藤村とうそん長編ちょうへん小説しょうせつ
1929〜35ねん,『中央公論ちゅうおうこうろん』に連載れんさい

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世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん旧版きゅうばんうち夜明よあまえ言及げんきゅう

久保くぼさかえ】より

…この時期じきさくに《くにせいじい新説しんせつ》《中国ちゅうごく湖南こなみしょう》《五稜郭ごりょうかく血書けっしょ》《吉野よしの盗賊とうぞく》がある。34ねん結成けっせいされたしんきょう劇団げきだん旗揚はたあ公演こうえん夜明よあまえ》(島崎しまざき藤村とうそん原作げんさく)演出えんしゅつでリアリズム演劇えんげき確立かくりつし,その社会しゃかい主義しゅぎリアリズム理論りろん名作めいさく火山灰かざんばい》に具現ぐげんし,評論ひょうろんしゅう新劇しんげきしょ》(1939)をんだが,40ねん新劇しんげき事件じけん検挙けんきょされ公的こうてき活動かつどうとおざかった。戦後せんご評伝ひょうでん小山内おさないかおる》,戯曲ぎきょく林檎りんごえん日記にっき》《日本にっぽん気象きしょう》《博徒ばくとざむらい》,小説しょうせつ《のぼりかま》がある。…

※「夜明よあまえ」について言及げんきゅうしている用語ようご解説かいせつ一部いちぶ掲載けいさいしています。

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