デジタル大辞泉だいじせん 「通達つうたつ」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご つう‐たつ【通達つうたつ】 [名な](スル)《「つうだつ」とも》1 告つげ知しらせること。特とくに、行政ぎょうせい官庁かんちょうがその所掌しょしょう事務じむについて、所管しょかんの機関きかんや職員しょくいんに文書ぶんしょで通知つうちすること。また、その文書ぶんしょ。古ふるくは通牒つうちょうつうちょう。「通達つうたつを出だす」「厚生こうせい労働省ろうどうしょう通達つうたつ」2 ある物事ものごとに深ふかく通つうじること。「ドイツ語ごに通達つうたつする」3 すみずみまで通つうじること。また、とどこおりなく通つうじること。「事々物々じじぶつぶつ微細びさい緻密ちみつの極きょくにまで―する有様ありさまは」〈福沢ふくさわ・文明ぶんめい論ろん之の概略がいりゃく〉→通知つうち[用法ようほう][類語るいご]知しらせ・通知つうち・案内あんない・通告つうこく・通牒つうちょう・報ほう・告知こくち・連絡れんらく・インフォメーション・伝つたえる・知しらせる・報ほうずる・告つげる・言いい送おくる・申もうし送おくる・申もうし伝つたえる・申もうし越こす・申もうし渡わたす・い渡いわたす・達たっする・伝達でんたつ・下達かたつ・令達れいたつ・口達こうたつ・通つうずる・コミュニケート・取とり次つぐ・伝言でんごんする・宣せんする・知しらす・触ふれる・話はなす 出典しゅってん 小学館しょうがくかんデジタル大辞泉だいじせんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん 「通達つうたつ」の意味いみ・読よみ・例文れいぶん・類語るいご つう‐たつ【通達つうたつ】 〘 名詞めいし 〙 ( 古ふるくは「つうだつ」 )① とどこおりなく通つうずること、通つうじさせること。隅々すみずみにまでゆきわたること、ゆきわたらせること。[初出しょしゅつの実例じつれい]「此波止とまらん処しょ一ひとつの国くにと成なりて、われ仏法ぶっぽうを弘ひろめ通達つうたつすべき霊地れいちたるべしとて」(出典しゅってん:寛永かんえい版ばん曾我そが物語ものがたり(南北なんぼく朝あさ頃ごろ)六ろく)「事々物々じじぶつぶつ微細びさい緻密ちみつの極きょくにまで通達つうたつする有様ありさまは斯の如ごとしと雖ども」(出典しゅってん:文明ぶんめい論ろん之の概略がいりゃく(1875)〈福沢ふくさわ諭吉ゆきち〉五ご)[その他たの文献ぶんけん]〔荘そう子こ‐則すなわち陽ひ〕② 物事ものごとの理りを明あきらかに悟さとり知しること。深ふかくその道みちに達たっすること。熟達じゅくたつ。[初出しょしゅつの実例じつれい]「臣しん頃ごろ将はたレ製せいレ疏。思おもえ二に其義理ぎり一いち。適てき未ひつじ二に通達つうたつ一いち」(出典しゅってん:聖徳太子しょうとくたいし伝でん暦れき(917頃ころか)上じょう)「天地人てんちじんの三さん才さいに通達つうたつ(ツウダツ)するを儒といふ」(出典しゅってん:滑稽本こっけいぼん・風ふう来き六ろく部ぶ集しゅう(1780)放屁ほうひ論ろん後編こうへん)[その他たの文献ぶんけん]〔礼れい記き‐学がく記き〕③ 告つげ知しらせること。通知つうち。〔色いろ葉は字じ類るい抄しょう(1177‐81)〕[初出しょしゅつの実例じつれい]「泉いずみ刕堺の天てん河かわ屋や儀ぎ平方へいほうへも通達つうたつ(ツウダツ)し荷物にもつの工面くめん仕つかまつらん」(出典しゅってん:浄瑠璃じょうるり・仮名かめい手本てほん忠臣蔵ちゅうしんぐら(1748)九きゅう)[その他たの文献ぶんけん]〔周しゅう礼あや‐地ち官かん・掌てのひら節ぶし〕④ 行政ぎょうせい官庁かんちょうが所轄しょかつの諸しょ機関きかんや職員しょくいんなどに対たいしてある指示しじ事項じこうを通知つうちすること。また、その形式けいしき。通牒つうちょう(つうちょう)。[初出しょしゅつの実例じつれい]「八雲やくも町まちの交番こうばんへ通達つうたつ終おわりました」(出典しゅってん:魔ま都と(1937‐38)〈久生ひさお十蘭じゅうらん〉二に一いち)通達つうたつの語かたり誌し「日にち葡辞書しょ」や「易えき林りん本節ほんぶし用よう集しゅう」にツウダツとあり、中世ちゅうせい末期まっきにおいては連濁れんだくしてダと読よまれていたことがわかる。これは明治めいじ中期ちゅうきまで続つづき、「改正かいせい増補ぞうほ和わ英語えいご林りん集成しゅうせい」(一いち八はち八はち六ろく)や「言げん海うみ」(一いち八はち九きゅう一いち)でも濁音だくおんである。しかし明治めいじ時代じだいに多おおく生しょうじた連濁れんだくの消滅しょうめつ現象げんしょうによって清音せいおんに替かわり、「ことばの泉いずみ」(一いち八はち九きゅう八はち)ではツウタツとある。 出典しゅってん 精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてん精選せいせん版ばん 日本にっぽん国語こくご大だい辞典じてんについて 情報じょうほう | 凡例はんれい
改訂かいてい新版しんぱん 世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん 「通達つうたつ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ 通達つうたつ (つうたつ) 上級じょうきゅう行政ぎょうせい機関きかんが下級かきゅう行政ぎょうせい機関きかんに対たいして命令めいれいする一いち形式けいしきで,文書ぶんしょによってなされる場合ばあいをさす。かつては達いたる,示達じたつと呼よばれ,また行政ぎょうせい機関きかんの用もちいる用語ようごとしては通牒つうちょうと呼よばれることもある。国家こっか行政ぎょうせい組織そしき法ほうは,大臣だいじん等とう行政ぎょうせい機関きかんの長ちょうが通達つうたつを発はっしうることを明あきらかにしているが(14条じょう2項こう),必かならずしもこれらの者ものにかぎらず,階かい統すべ的てき行政ぎょうせい組織そしきの上級じょうきゅう機関きかんであれば通達つうたつを発はっする権限けんげんを有ゆうする。上級じょうきゅう機関きかんが下級かきゅう機関きかんの活動かつどうを指揮しき監督かんとくするために発はっする命令めいれいを訓令くんれいというが,訓令くんれいは特別とくべつな形態けいたいをとることを必要ひつようとせず訓令くんれいが文書ぶんしょで発はっせられた場合ばあいは通達つうたつとなる。通達つうたつは行政ぎょうせい機関きかんに対たいする命令めいれいであり,行政ぎょうせい組織そしき上じょう一定いっていの地位ちいを与あたえられた職員しょくいんに対たいする職務しょくむ命令めいれいとは異ことなるが,通達つうたつが有効ゆうこうに発はっせられるための要件ようけんは職務しょくむ命令めいれいと変かわらない。行政ぎょうせい機関きかんは法律ほうりつを実施じっしするに際さいし,行政ぎょうせい立法りっぽうによりその内容ないようを具体ぐたい化かし,その行動こうどうの基準きじゅんを設定せっていするが,さらに具体ぐたい的てき執行しっこうにあたっては,法令ほうれいの解釈かいしゃくや裁量さいりょう基準きじゅんを通達つうたつの形態けいたいで下級かきゅう機関きかんに示達じたつすることが少すくなくない。行政ぎょうせいの対象たいしょうが膨大ぼうだい・複雑ふくざつになるにしたがってこの傾向けいこうは増大ぞうだいし,現実げんじつの行政ぎょうせい活動かつどうは通達つうたつに従したがって行おこなわれ,いわゆる〈通達つうたつによる行政ぎょうせい〉〈通達つうたつ行政ぎょうせい〉という状態じょうたいが生しょうずる。しかし通達つうたつは,下級かきゅう行政ぎょうせい機関きかんのみを拘束こうそくするものであって,直接ちょくせつ国民こくみんを拘束こうそくするものではなく,行政ぎょうせい活動かつどうの通達つうたつへの適合てきごう不適合ふてきごうは,その活動かつどうの適法てきほう性せいと直接ちょくせつ関係かんけいがない。執筆しっぴつ者しゃ:中西なかにし 又また三さん 出典しゅってん 株式会社かぶしきがいしゃ平凡社へいぼんしゃ「改訂かいてい新版しんぱん 世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん」改訂かいてい新版しんぱん 世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてんについて 情報じょうほう
普及ふきゅう版ばん 字じ通どおり 「通達つうたつ」の読よみ・字形じけい・画数かくすう・意味いみ 【通達つうたつ】つうたつ ゆきわたる。事理じりに達たっする。唐とう・韓かん〔柳子りゅうこ厚あつし(宗そう元はじめ)墓誌ぼし銘めい〕子こ厚あつ、少しょう(わか)くして、せざる無なし。其そのの時ときに(およ)んで、少年しょうねんと雖も、已すでに自じ(おのづか)ら人ひとたり。字じ通どおり「通つう」の項目こうもくを見みる。 出典しゅってん 平凡社へいぼんしゃ「普及ふきゅう版ばん 字じ通どおり」普及ふきゅう版ばん 字じ通どおりについて 情報じょうほう
日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ) 「通達つうたつ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ 通達つうたつつうたつ →訓令くんれい 出典しゅってん 小学館しょうがくかん 日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)について 情報じょうほう | 凡例はんれい
ブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん 小しょう項目こうもく事典じてん 「通達つうたつ」の意味いみ・わかりやすい解説かいせつ 通達つうたつつうたつ 「訓令くんれい」のページをご覧らんください。 出典しゅってん ブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん 小しょう項目こうもく事典じてんブリタニカ国際こくさい大だい百科ひゃっか事典じてん 小しょう項目こうもく事典じてんについて 情報じょうほう
世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん(旧版きゅうばん)内うちの通達つうたつの言及げんきゅう 【職務しょくむ命令めいれい】より …職務しょくむ命令めいれいを発はっすることのできる権限けんげんを職務しょくむ命令めいれい権けんという。職務しょくむ命令めいれいは組織そしき上じょうの地位ちいを与あたえられている特定とくていまたは不ふ特定とくていの職員しょくいんに対たいする命令めいれいである点てんにおいて組織そしきまたはその機関きかんそのものに向むけられた訓令くんれいや通達つうたつとは異ことなるが,訓令くんれい・通達つうたつは同時どうじに職務しょくむ命令めいれいの内容ないようをなすことがある。職務しょくむ命令めいれいが有効ゆうこうに発はっせられるためには,上級じょうきゅう者しゃが下級かきゅう者しゃの職務しょくむについて指揮しき監督かんとく権けんを有ゆうし,その内容ないようが下級かきゅう者しゃの職務しょくむに関かんするものであること,憲法けんぽうおよび法令ほうれいに抵触ていしょくしないことが必要ひつようである。… 【通牒つうちょう】より …国内こくない法ほう上じょうでは,行政ぎょうせい官庁かんちょうが所管しょかんの諸しょ機関きかんや職員しょくいんに対たいしてなす一般いっぱん的てき指揮しき処分しょぶんの形式けいしきの一種いっしゅ。訓令くんれいと区別くべつされ,現在げんざいでは通達つうたつと称しょうする。【岡村おかむら 尭たかし】。… ※「通達つうたつ」について言及げんきゅうしている用語ようご解説かいせつの一部いちぶを掲載けいさいしています。 出典しゅってん|株式会社かぶしきがいしゃ平凡社へいぼんしゃ「世界せかい大だい百科ひゃっか事典じてん(旧版きゅうばん)」