香取かとり慎吾しんごは役やく作づくりしない!?『凪なぎ待まち』監督かんとくが明あかす、香取かとりの魅力みりょくとフレキシブルさ

こんなにも薄うす汚よごれた香取かとり慎吾しんご（42）、見みたことがない。演えんじるのは、人生じんせいにつまずいた優男やさおとこの木き野本のもと郁男いくお。内縁ないえんの妻つまの地元じもと・石巻いしのまき市しで再起さいきを図はかるが、愛あいする人ひとを裏切うらぎり、闇やみギャンブルに手てを染そめ、破滅はめつへの坂道さかみちを転ころがり落おちていく。血ちを滲にじませて土埃つちぼこりにまみれる。スクリーン上じょうに国民こくみん的てきアイドルの“慎吾しんごちゃん”はいない。

仕掛しかけたのは映画えいが『凶悪きょうあく』『孤こ狼おおかみの血ち』『麻雀まーじゃん放浪ほうろう記き2020』など“日本にっぽんで一番いちばん期待きたい値ちを超こえてくる監督かんとく” 白石しらいし和彌かずや（44）。6月28日にち公開こうかいの映画えいが『凪なぎ待まち』で香取かとりとガッチリ初はつタッグを組くんだ。そして驚愕きょうがくした。役者やくしゃの新しん境地きょうちを切きり開ひらく手腕しゅわんに定評ていひょうのある白石しろいし監督かんとくが「トップアイドルであると同時どうじにトップレベルの俳優はいゆう」と賛辞さんじを惜おしまない、凄すさまじき俳優はいゆう・香取かとり慎吾しんごの魅力みりょくとは？

リリー・フランキー、蒼あおい井い優ゆう、松坂まつさか桃李とうり、音おと尾お琢みがく真しん…。白石しらいし監督かんとくとの出会であいを通とおしてジャンプアップした役者やくしゃは数すう知しれず。「起用きようの際さいに重要じゅうよう視しするのは、その俳優はいゆうが持もつ人生じんせい経験けいけんからくる人間にんげん的てき魅力みりょく。お芝居しばいには演えんじるその人ひと自身じしんの人間にんげん的てき経験けいけん値ちが必かならず影響えいきょうすると思おもっているので、リリーさんら様々さまざまな人生じんせい経験けいけんを積つんでいる人ひとと好このんで一緒いっしょにお仕事しごとをしてきた」とキャスティングのポイントを挙あげる。

幼少ようしょう期きから芸能げいのう界かいに身みを置おき、日本にっぽんのカルチャーに大おおきな足跡あしあとを残のこしてきた香取かとりには、白石しらいし監督かんとくが好このむ要素ようそが申もうし分ぶんのないほどに備そなわっている。白石しらいし監督かんとくも「香取かとりさんのここまで生いきてきた人生じんせいの濃密のうみつ度どは、誰だれがどう見みたってハンパじゃない」と認みとめるところだ。しかし今回こんかい演えんじた郁男いくおのようなキャラクターは、香取かとりのパブリックイメージにはないもの。しかも香取かとりは事前じぜんに役やく作づくりをしないという。「その話はなしを聞きいたときは『え？どういうこと!?』と。正直しょうじき不安ふあんになりました」と述懐じゅっかいする。