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誰よりも元気だった大林宣彦監督 伝説的な映画プロデューサー・奥山和由が語る|まいどなニュース

だれよりも元気げんきだった大林おおばやし宣彦のぶひこ監督かんとく 伝説でんせつてき映画えいがプロデューサー・奥山おくやま和由かずよしかた

石井 隼人 石井いしい 隼人はやと
奥山和由プロデューサー
奥山おくやま和由かずよしプロデューサー

今年ことし4がつ10日とおか大林おおばやし宣彦のぶひこ監督かんとく(82)が逝去せいきょされた。しくもその新作しんさく映画えいが海辺うみべ映画えいがかん-キネマの玉手箱たまてばこ』の公開こうかい予定よていだった。しかし新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょう公開こうかい延期えんきされ、おおくの大林おおばやし監督かんとくファンが上映じょうえい心待こころまちにしていた。

それから2カ月かげつちにったあらたな劇場げきじょう公開こうかいが7がつ31にち決定けっていした。ここでは3がつ初旬しょじゅんったプロデューサー・奥山おくやま和由かずよし(65)へのインタビューを掲載けいさいする。

3あいだちょう大作たいさく海辺うみべ映画えいがかん-キネマの玉手箱たまてばこ』は常盤貴子ときわたかこ稲垣いながき吾郎ごろう浅野あさの忠信ただのぶ武田たけだ鉄矢てつやだたる役者やくしゃじんはいしながら、大林おおばやし監督かんとく平和へいわ自由じゆう反戦はんせんへの思想しそう若々わかわかしいセンスとけたテンションでえがされる。

しかも舞台ぶたいは、大林おおばやし監督かんとく20ねんぶりの尾道おのみち。“映像えいぞう魔術まじゅつ”という異名いみょういつわりなしのそう決算けっさんてき作品さくひんになった。こんなにも「作家さっかせい」と「自由じゆう」を保証ほしょうされたメジャーな日本にっぽん映画えいがめずらしい。だが製作せいさくそう指揮しきしるされている人物じんぶつ名前なまえ合点がてんがいった。奥山おくやま和由かずよしである。

「ある意味いみ、ドーパミンがっぱなしの映画えいがですよね。でもそれでいいんです。企画きかく意図いとそのものが“大林おおばやしさん、きにやってよ!”ですから」。満面まんめんみでねらいをかす奥山おくやまは、かつてだいヒット映画えいがハチ公はちこう物語ものがたり』や『そのおとこ凶暴きょうぼうにつき』『GONIN』『うなぎ』などの名作めいさく手掛てがけたことでられるレジェンダリープロデューサー。ビートたけしを北野きたのたけし監督かんとくとして映画えいがかいにデビューさせた張本人ちょうほんにんであり、保守ほしゅてき日本にっぽん映画えいがかい風穴かざあなけようと孤軍こぐん奮闘ふんとうした革新かくしんてき人物じんぶつだ。

ただ3あいだというちょうじゃくには、奥山おくやま自身じしんおどろいた。これまで100ほん以上いじょう映画えいがをプロデューサーとしてしてきたが、大林おおばやし監督かんとくのアナーキーな自由じゆうさにはしたく。「契約けいやく段階だんかいでは上映じょうえい時間じかん2あいだという約束やくそくだったので、ことあるごとにぼくは『2あいだおさめてくださいね!』とつたえていました。大林おおばやしさんも『かならずそうする!』とうんだけれどえてくる。それによって予算よさん超過ちょうかしますから、大林おおばやしさんに冗談じょうだんめかして『自宅じたくりましたか!?』とくと、おくさんの恭子きょうこさんが『おくちゃん、わたしたち薬代くすりだいもないのよぉ』とってくる。そんなことをわれたらこっちはなにえなくなっちゃう」と苦笑にがわらい。

困惑こんわくよそおいつつも、奥山おくやま確信かくしんはんてきちょうしゃく作品さくひんとして完成かんせいさせたふしもある。「3あいだ映画えいがはプロデューサーとして通常つうじょう、ノーマルな仕事しごととしてはありえません。しかし放題ほうだいにやるというエネルギーだけでまれる映画えいがもあるとおもうんです。たとえば深作ふかさく欣二きんじ監督かんとく傑作けっさく仁義じんぎ墓場はかば』。ダメもと放題ほうだいにやったからこそ、あそこまでけた作品さくひんになった。ぼく今回こんかい大林おおばやしさんにとっての『仁義じんぎ墓場はかば』をやってほしかったんです」。

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