足あしに血栓けっせん、熱中ねっちゅう症しょう…テレワーク中ちゅうの労災ろうさい申請しんせい　認定にんていされたケースは？

　新型しんがたコロナウイルスの感染かんせんが拡大かくだいした今春こんしゅん以降いこう、テレワーク（在宅ざいたく勤務きんむ）の間あいだにけがをし、労働ろうどう災害さいがい（労災ろうさい）となる事例じれいが出で始はじめている。毎日新聞まいにちしんぶんが主要しゅよう企業きぎょう126社しゃにアンケート調査ちょうさをしたところ、少すくなくとも8社しゃで労災ろうさいの手続てつづきを申請しんせいし、このうち1社しゃで2件けんの労災ろうさいが認定にんていされていたことが確認かくにんされた。テレワークは各かく企業きぎょうで急速きゅうそくに導入どうにゅうが進すすむが、労務ろうむ管理かんり上じょうの課題かだいが改あらためて浮うき彫ぼりとなった形かたちだ。厚生こうせい労働省ろうどうしょうは年内ねんないにも企業きぎょう向むけのガイドラインを見直みなおす方針ほうしんだ。

　アンケートは10月がつに126社しゃを対象たいしょうに実施じっし。約やく9割わりにあたる114社しゃから回答かいとうを得えた。自宅じたくなどでのテレワーク中ちゅうの労災ろうさいに該当がいとうする事例じれいを聞きいたところ、8社しゃに該当がいとうする事例じれいが9件けんあった。業務ぎょうむ上じょうでのけががほとんどで、社員しゃいんが労災ろうさい保険ほけん給付きゅうふを請求せいきゅうするのに必要ひつような「事業主じぎょうぬし証明しょうめい」を出だした。

　労災ろうさいは、①仕事しごと中ちゅうであること（業務ぎょうむ遂行すいこう性せい）②仕事しごとが原因げんいんであること（業務ぎょうむ起因きいん性せい）――が認定にんてい要件ようけんのカギとなる。就業しゅうぎょう場所ばしょが自宅じたくやサテライトオフィスなどでも事業じぎょう主ぬしの支配しはい・管理かんり下かで業務ぎょうむ命令めいれいに従したがっている状態じょうたいであれば認みとめられる。

　とりわけ自宅じたくでテレワークをする場合ばあい、仕事しごとと私的してきな行為こういが混在こんざいしがちだ。例たとえば、業務ぎょうむを中断ちゅうだんして食事しょくじをしたり、保育園ほいくえんに子こどもを迎むかえに行いったりするなど進すすんで私的してき行為こういをした際さいの事故じこを労災ろうさい申請しんせいすれば認みとめられない可能かのう性せいがある。

　アンケートの具体ぐたい的てきな回答かいとうをみると、総合そうごう化学かがく大手おおて「旭化成あさひかせい」では、30代だいの男性だんせい社員しゃいんがオンライン会議かいぎの準備じゅんびのために自宅じたくの部屋へやから廊下ろうかに出でた際さい…