歌舞伎かぶき「NARUTO」原作げんさく好すきの巳之助みのすけ＆隼人はやと、同おなじファンに応こたえるアクション披露ひろう

岸本きしもと斉ひとし史し原作げんさくによる「新作しんさく歌舞伎かぶき『NARUTO-ナルト-』」が、本日ほんじつ8月がつ4日にちに東京とうきょう・新橋しんばし演舞えんぶ場じょうにて開幕かいまく。これに先さきがけ、去さる8月がつ3日にちに公開こうかい舞台ぶたい稽古けいこと囲かこみ取材しゅざいが行おこなわれた。

会見かいけんにはうずまきナルト役やくの坂東ばんどう巳之助みのすけ、うちはサスケ役やくの中村なかむら隼人はやとが、本番ほんばんでの衣装いしょうを身みにまとって登場とうじょう。記者きしゃからビジュアルの再現さいげん度どを絶賛ぜっさんされると、巳之助みのすけは「（ポスターを）見みて知しってたでしょ？」と切きり返かえして笑わらいを誘さそう。隼はやぶさ人じんは衣装いしょうについて「帯おびや縄なわだったり、歌舞伎かぶきでも使つかうものを利用りようしているのでマンガとは違ちがう魅力みりょくも出でたかなと」とコメントし、役やく作づくりにあたって初はじめてコンタクトレンズを使用しようしたことを明あきらかに。「写うつし輪わ眼めのために初はじめて（コンタクトを）着つけましたが、こんな異物いぶつを着つけてるなんて、世よの中なかのコンタクトユーザーすべてを尊敬そんけいします！」と話はなすと、普段ふだんからコンタクトを使用しようしているという巳之助みのすけが「もっと俺おれを尊敬そんけいしろ！」と返かえして会場かいじょうを大おおきな笑わらいで包つつんだ。

話題わだいは公演こうえん内容ないようへと移うつり、巳之助みのすけは「全ぜん72巻かんという原作げんさくの物語ものがたりを3時じ間あいだ弱じゃくの上演じょうえん時間じかんに収おさめなければならないので、『ここをやらねばなるまい』という選えりすぐりの場面ばめんをやっています。冗談じょうだん抜ぬきでノンストップで進すすみます」と解説かいせつ。隼人はやとが「今回こんかいはアクション部ぶさんに何人なんにんも入はいっていただき、歌舞伎かぶきではなかなかないようなアクションが多おおい」と述のべる。その発言はつげんに巳之助みのすけも同意どういし「我々われわれ2人ふたりも原作げんさくを好すきで読よんでいた身みなので、ファンの方々かたがたにがっかりして欲ほしくないという気持きもちでやっています」と率直そっちょくに語かたった。

演出えんしゅつをG2が手てがけることに関かんし、隼人はやとは「歌舞伎かぶきは演出えんしゅつ家かさんがいる舞台ぶたいってなかなかないので、事細ことこまかに観みてくださるのが心強こころづよいです」と、巳之助みのすけは「僕ぼくはG2さんとは2度目どめですが、今回こんかいは『歌舞伎かぶきを作つくりたい』という思おもいが強つよくおありなので、できることには協力きょうりょくさせていただいております」とコメント。また隼人はやとは劇げき中ちゅう音楽おんがくについて「今回こんかい、和楽わらく器きバンドさんが楽曲がっきょく提供ていきょうしてくださって、歌舞伎かぶきの和わのテイストの中なかにロックが混まざるというのが新あたらしいのではないかなと。書かき下おろしていただいた曲きょくがエンディングで流ながれます」と明あかす。さらに巳之助みのすけは、マダラ役やくで交互こうご出演しゅつえんする猿之助えんのすけと愛之助あいのすけに触ふれ「おふたりの個性こせいも強つよく出でていますし、それぞれにこだわりポイントや色いろも違ちがう。どちらのバージョンも観みていただきたいです」と呼よびかけた。

ここで記者きしゃから、大盛おおもり況きょうで幕まくを閉とじた「スーパー歌舞伎かぶきII（セカンド）『ワンピース』」の話題わだいが持もち出だされる。巳之助みのすけは「極端きょくたんに言いえば、『ワンピース』の作風さくふうが“陽ひ”なら、『NARUTO』は少すこし“陰かげ”の部分ぶぶんがある作品さくひんで、じっくり濃密のうみつな物語ものがたりを楽たのしんでいただける作品さくひんに仕上しあがったと思おもいます。まったく違ちがう作品さくひんとして観みていただけたら」とアピールする。また「もし本当ほんとうに忍者にんじゃになったらやってみたいことは？」という質問しつもんが飛とぶと、巳之助みのすけは「多重たじゅう影かげ分身ぶんしんですかね（笑）。ナルトの影かげ分身ぶんしんの特徴とくちょうは分身ぶんしんが元もとに戻もどったときに、分身ぶんしんが経験けいけんしてきたことが自分じぶんに還元かんげんされるんです。1000人にんに分身ぶんしんして1時じ間あいだ稽古けいこしたら1000時じ間あいだ稽古けいこしたことになるという」と回答かいとう。その答こたえに、隼人はやとも「いいですよね。セリフ覚おぼえるのも楽らくになりますよ（笑）」と乗のっかった。

最後さいごに巳之助みのすけは「始はじまったら終おわるまですべてが見みどころで、スピーディかつ濃密のうみつな作品さくひんです。原作げんさくをご存知ぞんじない方ほうにも楽たのしんでいただけると思おもいます、ぜひ足あしをお運はこび下ください」と挨拶あいさつ。隼はやぶさ人じんは「暑あつい時期じきですが、舞台ぶたいに水みずが流ながれて涼すずしいシーンもありますので、どうぞよろしくお願ねがいします！」と呼よびかけ、囲かこみ取材しゅざいを終おえた。

公開こうかい舞台ぶたい稽古けいこでは巳之助みのすけや隼人はやとのほか、綱手つなで役やくの市川いちかわ笑也えみや、春野はるのサクラ役やくの中村なかむら梅うめ丸まる、大蛇おろち丸まる役やくの市川いちかわ笑三郎えみさぶろう、うちはイタチ役やくの市瀬いちのせ秀和ひでかず、はたけカカシ役やくの嘉島かしま典俊のりとし、自じ来らい也役の市川いちかわ猿弥えんや、そして本日ほんじつはマダラ役やくで愛之助あいのすけの姿すがたがお目見めみえ。公演こうえんは三さん幕まく構成こうせいで、序幕じょまくに忍しのべ五ご大国たいこくの1つ、火ひの国くにを襲おそった巨大きょだいな狐きつねの化ばけ物もの“九尾つづらお”が、木この葉は隠がくれの里さとの長ちょうである四よん代目だいめ火影ほかげとその妻つまによって、生うまれたての赤あか児じの腹中ふくちゅうに封印ふういんされたことが語かたられる。

その十じゅう数すう年ねん後ご、忍者にんじゃ学校がっこうを卒業そつぎょうした下忍しもおしのナルト、サスケ、サクラは、上うえ忍しのぶであるカカシのもと、里さとの転覆てんぷくを狙ねらう宿敵しゅくてき・大蛇おろち丸まるの陰謀いんぼうを阻止そしする任務にんむに就ついた。危険きけんな禁きん術じゅつを習得しゅうとくしている大蛇おろち丸まるとの戦たたかいに苦戦くせんするナルトたちだったが、大蛇おろち丸まると同様どうように“伝説でんせつの三さん忍にん”と呼よばれた自じ来らい也、綱手つなでが参戦さんせんし、勝負しょうぶは拮抗きっこう。また三さん者しゃの口寄くちよせの術じゅつによって、城壁じょうへきの裏うらに巨大きょだいな蛇へびや蝦蟇がま（がま）、蛞蝓なめくじ（なめくじ）が出現しゅつげんした。

第だい二に幕まくではナルトは自じ来らい也に、サクラは綱手つなでにそれぞれ師事しじし、忍にんとして強つよくなるための鍛錬たんれんを開始かいし。この場面ばめんでは修行しゅぎょうの様子ようすが舞まいによって表現ひょうげんされる趣向しゅこうが凝こらされる。一方いっぽうのサスケは大蛇おろち丸まるを利用りようして、一族いちぞくを滅ほろぼした実みの兄あに・イタチへの復讐ふくしゅうを実行じっこうに移うつそうとしていた。

その後ご、各かく里さとの“抜ぬけ忍にん”など、猛者もさが集あつめられた組織そしき・暁あかつきを率ひきいるマダラが登場とうじょう。復讐ふくしゅう心しんに取とり憑つかれたサスケをなんとか奪回だっかいしようとするナルトと、それを食くい止とめようと立たちふさがる暁あかつきメンバーの干柿ほしがき鬼おに鮫さめ、そしてイタチとサスケの因縁いんねんの兄弟きょうだい対決たいけつが展開てんかいされる。ナルトが得意とくいとする“多重たじゅう影かげ分身ぶんしんの術じゅつ”は複数ふくすうの役者やくしゃが登場とうじょうする演出えんしゅつによって再現さいげんされ、ナルトの螺旋らせん丸まるやサスケの千鳥ちどりといった必殺ひっさつ技わざやサクラによる医療いりょう忍術にんじゅつは俳優はいゆうが手てに持もった発光はっこうする小道具こどうぐで表現ひょうげん。また大掛おおがかりな忍術にんじゅつや、ナルトが怒おこった際さいに力ちからの制御せいぎょが効きかなくなる“九尾つづらお化か”にはプロジェクションマッピングが用もちいられた。

第だい三さん幕まくの大詰おおづめでは、超越ちょうえつ的てきな力ちからを得えたマダラ、そしてナルトとサスケとの死闘しとうが繰くり広ひろげられる。スピーディな大立おおたち廻まわりと3人にんによる見み得とくが披露ひろうされ、さらに演出えんしゅつに本ほん水みずが使つかわれた熾烈しれつなバトルを見みることができる。

全ぜん三さん幕まくを通とおし、巳之助みのすけは禍々まがまがしい九きゅう尾びの力ちからに取とり込こまれそうになりながらも、“己おのれの忍にん道どう”を貫つらぬき通とおす熱血漢ねっけつかんのナルトをまっすぐに、ときにコミカルに演えんじきった。隼はやぶさ人じんは自みずからの復讐ふくしゅうのために心しんを殺ころすサスケの陰かげの部分ぶぶんをスマートに演えんじてみせ、サスケがうちは一族いちぞくの隠かくされた真実しんじつに翻弄ほんろうされるさまを体現たいげんした。