「すばらしき世界せかい」西川にしかわ美和みわと役所広司やくしょこうじがトロント映画えいが祭さいで称賛しょうさん受うける、特報とくほうも解禁かいきん

西川にしかわ美和みわ監督かんとく作さく「すばらしき世界せかい」のワールドプレミアが、第だい45回かいトロント国際こくさい映画えいが祭さいでカナダ現地げんち時間じかん9月がつ10日とおかに行おこなわれ、西川にしかわと主演しゅえんの役所広司やくしょこうじが日本にっぽんからリモート参加さんかした。

佐さ木き隆三りゅうぞうの小説しょうせつ「身分みぶん帳ちょう」をもとにした本ほん作さくでは、人生じんせいの大半たいはんを獄中ごくちゅうで暮くらした実在じつざいの男性だんせいをモデルに、出所しゅっしょ後ごに戻もどった社会しゃかいで必死ひっしに生いきる男おとこの姿すがたが描えがかれる。13年ねんの刑期けいきを終おえて出所しゅっしょした元もと殺人さつじん犯はん・三上みかみ正夫まさおを役所やくしょが演えんじた。

これまでオリジナルストーリーの長編ちょうへん作品さくひんを手てがけてきた西川にしかわにとって、「すばらしき世界せかい」は初はじめて自身じしん以外いがいの作家さっかによる小説しょうせつがベースとなっている。佐さ木きの訃報ふほうを新聞しんぶんで知しったという西川にしかわは「記事きじの中なかで、佐さ木きさんをよく知しる作家さっかの方ほうが、佐さ木きさんの真骨頂しんこっちょうは非常ひじょうに有名ゆうめいな『復讐ふくしゅうするは我がにあり』よりも『身分みぶん帳ちょう』ではないかと書かかれていたんです」と原案げんあん小説しょうせつを手てにした理由りゆうを話はなす。「これは自分じぶんで探さがしても見みつけられるテーマではないと思おもいました」と映画えいが化かするに至いたったと説明せつめい。また「17歳さいのときに、役所やくしょさんが連続れんぞく殺人鬼さつじんきの役やくをやられたテレビドラマを観みて、いたくショックを受うけ、それがきっかけでものを書かく仕事しごとに就つきたいと思おもうようになりました」と明あかし、一念いちねん発起ほっきして役所やくしょにオファーしたと続つづけた。

役所やくしょは「原案げんあん小説しょうせつ『身分みぶん帳ちょう』と西川にしかわ監督かんとくが書かいた脚本きゃくほんを比くらべて読よみながら、三上みかみという男おとこを探さがし求もとめていました。しかしこの男おとこがなかなかつかめなかった」と役やく作づくりに苦労くろうした様子ようす。「撮影さつえいが始はじまってから、ワンシーン撮とったものがまた次つぎのシーンのヒントになり、少すこしずつ三さん上じょうという男おとこに近付ちかづいていく感かんじがありました」と撮影さつえいを振ふり返かえった。またトロント国際こくさい映画えいが祭さいのプログラミングディレクター、ジョバンナ・フルピは、本ほん作さくを「脚本きゃくほんが非常ひじょうによく練ねられ、ストーリーが感動かんどう的てき。見事みごとに質感しつかんがありリアルに感かんじられる。役所やくしょは、役やくの解釈かいしゃくがとても素晴すばらしくニュアンスと個性こせいが豊ゆたかでカリスマ性せいを感かんじる」と絶賛ぜっさんしている。

あわせて特報とくほう映像えいぞうがYouTubeで公開こうかいに。優やさしくてまっすぐな性格せいかくだが元もと殺人さつじん犯はんである三上みかみと、それをネタに食くい物ものにしようとするテレビマンの姿すがたが映うつし出だされる。三上みかみにカメラを向むけるテレビマンを仲野なかの太ふとし賀がと長澤ながさわまさみが演えんじたほか、橋爪はしづめ功いさお、梶かじ芽衣子めいこ、六角ろっかく精きよし児じ、北村きたむら有ゆう起おこり哉、安田やすだ成美まさみらも出演しゅつえん。三上みかみのかつての兄弟分きょうだいぶんである組長くみちょう役やくで白はく竜りゅう、その妻つま役やくでキムラ緑子みどりこが出演しゅつえんしていることも発表はっぴょうされた。

「すばらしき世界せかい」は2021年ねん2月がつ11日にちに全国ぜんこくで公開こうかい。