三島みしま由紀夫ゆきおの没後ぼつご50年ねん、「三島みしま由紀夫ゆきおvs東大とうだい全共闘ぜんきょうとう」監督かんとくが“楯だての会かい”秘話ひわなど語かたる

「三島みしま由紀夫ゆきおvs東大とうだい全共闘ぜんきょうとう 50年ねん目めの真実しんじつ」のトークイベントが、三島みしま由紀夫ゆきおの命日めいにちにあたる11月25日にちに東京とうきょう・WHITE CINE QUINTOで行おこなわれ、監督かんとくの豊島としま圭介けいすけとプロデューサーの刀根とね鉄てつ太ふとしがトークイベントに登壇とうだんした。

本ほん作さくは1969年ねん5月がつ13日にちに東京とうきょう・東京大学とうきょうだいがく駒場こまんばキャンパスで行おこなわれた三島みしまと東大とうだい全共闘ぜんきょうとうの討論とうろん会かいの様子ようすを切きり取とったドキュメンタリー。当時とうじの映像えいぞうを用もちいながら、関係かんけい者しゃをはじめとする13人にんの証言しょうげんから全貌ぜんぼうに迫せまっていく。東出ひがしで昌あきら大だいがナビゲーターを務つとめた。3月20日にちに封切ふうぎられ、現在げんざいもロングラン上映じょうえい中ちゅうだ。

刀根とねは「放送ほうそうでは流ながれて埋うずもれてしまう。映画えいがというパッケージにして残のこさないと、50年ねん後ごまで残のこらないんじゃないかと。今こん自分じぶんにできる残のこし方かたで正直しょうじきにさらけ出だそうと思おもった」と制作せいさくの動機どうきを語かたる。三島みしまが自決じけつした翌年よくねん、1971年ねん生うまれの豊島としまに監督かんとくをオファーした意図いとについては「豊島としま監督かんとくは（東大とうだい出身しゅっしんで）駒場こまばで4年間ねんかん学まなんでいて、構かまえずにこの討論とうろんを解読かいどくしてくれると思おもって。監督かんとくの映画えいがは登場とうじょう人物じんぶつがチャーミングなので、三島みしまや全共闘ぜんきょうとうのメンバーの魅力みりょくも明確めいかくに伝つたえてくれると考かんがえました」と明あかした。

豊島としまは、東京とうきょう・市ヶ谷いちがやでの割腹かっぷく事件じけん（三島みしま事件じけん）に触ふれつつ「問題もんだいが大おおきすぎて、自分じぶんが臨のぞめるわけないなと。でも（討論とうろん会かいの）三島みしま由紀夫ゆきおが生いき生いきと輝かがやいている映像えいぞうを観みて、このとき彼かれはどういう状況じょうきょうだったのか？とたどるのであればできると思おもい、制作せいさくに踏ふみ切きれました」と振ふり返かえる。インタビューは豊島としま自みずから行おこなったが、全共闘ぜんきょうとうの論客ろんかく・芥あくた正彦まさひこへの取材しゅざいは最後さいごの最後さいごに実施じっし。「三島みしまと対等たいとうに話はなしができて、三島みしまも認みとめているような人ひとで、写真しゃしんを見みると怖こわい！ すごく叱しかられるだろうなと思おもってたんですが、案あんの定じょう叱しかられました……」と苦笑くしょうした。

イベントでは、本編ほんぺんからカットした内容ないようにも言及げんきゅう。三島みしまが結成けっせいした「楯だての会かい」のメンバーだった3名めいへのインタビューについて、豊島としまは「楯だての会かいと言いうと、制服せいふくで行進こうしんして敬礼けいれいする、保守ほしゅ反動はんどうというイメージで。どんだけ怖こわいんだろう……と思おもっていたのですが、皆みなさん非常ひじょうに紳士しんし的てきでした。11月25日にちの事件じけんについて『もし自分じぶんが呼よばれていたら（割腹かっぷくした三島みしまを介錯かいしゃくし自みずからも自決じけつした）森田もりた必勝ひっしょうのようにできただろうか？』と50年ねんずっと問とい続つづけている人ひともいれば、『なぜ自分じぶんは（市ヶ谷いちがやでの決起けっきに）呼よばれなかったのか？』という悔くやしさを持もち合あわせていたり、その思おもいの重おもさが印象いんしょう的てきでした」と述のべる。「ただやはり全共闘ぜんきょうとうとの討論とうろんとは直接ちょくせつ関係かんけいないので、泣なく泣なく本編ほんぺんから落おとしました」と残念ざんねんがった。

そして豊島としまは「討論とうろんの様子ようすは書籍しょせきでも記録きろくに残のこっていますが、それを読よんだ人ひとが映像えいぞうで観みると『そういうことだったのか！』と思おもえるはず。つまり、文字もじでは残のこせないことが残のこっている。例たとえば三島みしま由紀夫ゆきおがこう言いったとき、観客かんきゃくはどう笑わらうのか？ 三島みしまが何なにを見みて笑わらっていたのか？が見みえてきます」と“映像えいぞう”が持もつ力ちからをアピール。刀根とねは「あの場ばにいて、あの熱あつい空間くうかんを作つくった皆みなさん、それを記録きろくとして残のこした皆みなさんに本当ほんとうに敬意けいいを表あらわしたいですし、私わたしたちもこの熱量ねつりょうを下したの世代せだいに受うけ継ついで、日々ひびがんばらなきゃと思おもいます」と語かたった。