東京とうきょうフィルメックスのラインナップ計けい18本ほんが解禁かいきん、各国かっこく映画えいが祭さいでの受賞じゅしょう作さくが多数たすう初はつ上映じょうえい

第だい23回かい東京とうきょうフィルメックスのラインナップ発表はっぴょう記者きしゃ会見かいけんが本日ほんじつ10月がつ4日にちにオンラインで開催かいさい。コンペティション作品さくひんを含ふくむ計けい18本ほんの上映じょうえいが明あきらかになった。

アジアを中心ちゅうしんに世界せかい各国かっこくの独創どくそう的てきな作品さくひんを紹介しょうかいし、創造そうぞう性せいあふれる映画えいが作家さっかを育そだててきた同どう映画えいが祭さい。今年ことしは10月29日にちから11月5日にちにかけて東京とうきょう・有楽町ゆうらくちょう朝日あさひホールにて開催かいさい予定よていで、例年れいねん通どおりの9日間にちかんで実施じっしするためのクラウドファンディングがSyncable（シンカブル）で10月がつ18日にちまで行おこなわれる。就任しゅうにん2年ねん目めとなる神谷かみや直ただし希まれがプログラムディレクターを務つとめた。ビジュアルのデザインはグラフィックデザイナーの小林こばやし一はじめ毅あつしが担当たんとう。

コンペティションにはパレスチナ、レバノン、カンボジア、インドネシア、タイ、中国ちゅうごく、韓国かんこく、日本にっぽんという8カ国かこくにルーツを持もつ監督かんとくたちが制作せいさくした計けい9作品さくひんをラインナップ。第だい75回かいカンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさいある視点してん部門ぶもんで最優秀さいゆうしゅう脚本きゃくほん賞しょうを受賞じゅしょうした「地中海ちちゅうかい熱ねつ」、神谷かみやが「今年ことしのアジア映画えいがを代表だいひょうする1本ほん」と推おす「ソウルに帰かえる」、ホアン・ジーと大塚おおつか竜治りゅうじの夫婦ふうふが中国ちゅうごくを舞台ぶたいに撮とりあげた日本にっぽん資本しほんの映画えいが「石門せきもん（せきもん）」、「私わたしの少女しょうじょ」の監督かんとくチョン・ジュリと主演しゅえんペ・ドゥナが再ふたたびタッグを組くんだ「Next Sohee（英えい題だい）」、「アイムクレイジー」の工藤くどう将すすむ亮あきらが沖縄おきなわで暴力ぼうりょくと隣となり合あわせに暮くらす若わかい母親ははおやの姿すがたを描えがいた「遠とおいところ」などが並ならんだ。

いずれもジャパンプレミアで、そのうち4本ほんが長編ちょうへん監督かんとくデビュー作さく。最優秀さいゆうしゅう作品さくひん賞しょうと審査しんさ員いん特別とくべつ賞しょうを選えらぶ国際こくさい審査しんさ員いんには、「消きえた画が クメール・ルージュの真実しんじつ」で知しられる映画えいが監督かんとくリティ・パン、香港ほんこん国際こくさい映画えいが祭さいやウーディネ・ファーイースト映画えいが祭さいに関かかわる映画えいがプログラマーのキキ・ファン、「グレープ・キャンディ」を手てがけた韓国かんこくの映画えいが監督かんとくキム・ヒジョンが名なを連つらねている。

特別とくべつ招待しょうたいは全ぜん4作品さくひん。映画えいが監督かんとくジャファル・パナヒの新作しんさくでイラン当局とうきょくに拘束こうそくされている中なか、ヴェネツィア国際こくさい映画えいが祭さいで審査しんさ員いん特別とくべつ賞しょうを受賞じゅしょうした「No Bears（英えい題だい）」がオープニング作品さくひんに選えらばれた。クロージングはリティ・パンが動物どうぶつが人間にんげんたちを奴隷どれいとして支配しはいするディストピアを描えがいた、ベルリン国際こくさい映画えいが祭さいの銀ぎん熊ぐま賞しょう（芸術げいじゅつ貢献こうけん賞しょう）受賞じゅしょう作さく「すべては大丈夫だいじょうぶ」。また「在ありし日ひの歌うた」のワン・シャオシュアイが実際じっさいに2020年ねんの旧きゅう正月しょうがつを過すごしたホテルを舞台ぶたいに、コロナ禍かで足止あしどめされた宿泊しゅくはく客きゃくたちの間あいだに巻まき起おこる波紋はもんを描えがいた「ホテル」、「ユニ」のカミラ・アンディニが1960年代ねんだいのインドネシアを舞台ぶたいに、紛争ふんそうで家族かぞくを失うしなった女性じょせいの思おもいがけない友情ゆうじょうと解放かいほうを紡つむぐ「ナナ」が上映じょうえいされる。

2021年ねんに新設しんせつされた日本にっぽんの新作しんさく映画えいがを紹介しょうかいするメイド・イン・ジャパンでは、高橋たかはし泉いずみと廣末ひろすえ哲あきら万まんによる映像えいぞう制作せいさくユニット・群ぐん青あおいろの最新さいしん作さく「彼女かのじょはなぜ、猿さるを逃のがしたのか？」、「ブンデスリーガ」でPFFアワード2017に入選にゅうせんした太田おおた達成たつなりの長編ちょうへん2作さく目め「石いしがある」をワールドプレミア。「彼女かのじょはなぜ、猿さるを逃のがしたのか？」は、動物どうぶつ園えんから猿さるを逃にがして逮捕たいほされた女子高じょしこう生せいと、彼女かのじょを取材しゅざいするルポライターの女性じょせい、映像えいぞう制作せいさくを行おこなうライターの夫おっとを中心ちゅうしんとした物語ものがたりだ。神谷かみやは「取材しゅざいを進すすめるライターが次第しだいに精神せいしんの均衡きんこうを崩くずしてしまう姿すがたをある種しゅのメディア批評ひひょうを交まじえて描えがいた心理しんり劇げき。人間にんげんの悪意あくいや底そこ知しれなさを描えがく部分ぶぶんは、これまでの作品さくひんと共通きょうつうしていますが、今回こんかいは一気いっきに違ちがう地平ちへいに向むかっているような印象いんしょうを受うけた」と紹介しょうかい。「石いしがある」は見知みしらぬ街まちを訪おとずれた女性じょせいが河原かわらで水切みずきり遊あそびをしている男おとこと出会であい、遊あそびながら半日はんにちを過すごすさまを描えがいた一いち編へん。神谷かみやは「たったそれだけの話はなしなんですが、そのたわいのない時間じかんが何なにか特別とくべつな、すごく豊ゆたかな時間じかんに見みえてくる作品さくひん。何なにもないところに、映画えいがの風かぜを吹ふかせる、さざなみを起おこしていくさまが本当ほんとうに見事みごと。特別とくべつなことは起おきないけれど、とてもスリリング」と評ひょうした。

また台湾たいわん文化ぶんかセンターと東京とうきょう国際こくさい映画えいが祭さいとの共催きょうさいで、ツァイ・ミンリャンの監督かんとくデビュー30周年しゅうねんを記念きねんした特集とくしゅう上映じょうえいを実施じっし。「ふたつの時とき、ふたりの時間じかん」「西瓜すいか」「ヴィザージュ」の3作品さくひんを、ツァイ・ミンリャンとリー・カンションを迎むかえたQ&A付つきで上映じょうえいする予定よていだ。「ふたつの時とき、ふたりの時間じかん」「西瓜すいか」は35mmフィルムでの上映じょうえいとなる。

2020年ねんと2021年ねんに実施じっししていたオンライン配信はいしんは、予算よさんや昨年さくねんの売上うりあげを考慮こうりょして今年ことしは行おこなわず、有楽町ゆうらくちょう朝日あさひホールでのリアル開催かいさいに重点じゅうてんを置おく形かたちに。神谷かみやは「昨年さくねんまではオンライン配信はいしんの実施じっしが世界せかい的てきな流ながれではあったんですが、今年ことしに入はいってからはなくなってきた。権利けんり元もとの交渉こうしょうなども（配信はいしんは）ないことが前提ぜんていになってきている」と理由りゆうを説明せつめいした。

チケットは10月16日にち10時じの発売はつばいを予定よてい。上映じょうえいスケジュールは最終さいしゅう調整ちょうせい中ちゅうで後日ごじつ公式こうしきサイトにて発表はっぴょうされる。映画えいが分野ぶんやの人材じんざい育成いくせい事業じぎょう「タレンツ・トーキョー2022」の詳細しょうさいは公式こうしきサイトで確認かくにんを。公開こうかいプレゼンテーションは11月3日にちに行おこなわれる。またNPO法人ほうじん独立どくりつ映画えいが鍋なべとの共催きょうさいで「〈世界せかい〉は思おもったより近ちかい!? 国境こっきょうをこえる映画えいが人じん育成いくせいプログラム（仮題かだい）」と題だいした関連かんれんイベントも開催かいさい。

第だい23回かい 東京とうきょうフィルメックス

2022年ねん10月がつ29日にち（土ど）～11月がつ5日にち（土ど） 東京とうきょう都と 有楽町ゆうらくちょう朝日あさひホール

コンペティション

「地中海ちちゅうかい熱ねつ」
「ダム」※長編ちょうへん監督かんとくデビュー作さく
「ソウルに帰かえる」
「自叙伝じじょでん」※長編ちょうへん監督かんとくデビュー作さく
「アーノルドは模範もはん生せい」※長編ちょうへん監督かんとくデビュー作さく
「石門せきもん」
「同おなじ下着したぎを着きるふたりの女おんな（原題げんだい）」※長編ちょうへん監督かんとくデビュー作さく
「Next Sohee（英えい題だい）」
「遠とおいところ」

特別とくべつ招待しょうたい作品さくひん

「No Bears（英えい題だい）」※オープニング作品さくひん
「すべては大丈夫だいじょうぶ」※クロージング作品さくひん
「ホテル」
「ナナ」

メイド・イン・ジャパン

「彼女かのじょはなぜ、猿さるを逃のがしたのか？」
「石いしがある」

ツァイ・ミンリャン監督かんとくデビュー30周年しゅうねん記念きねん特集とくしゅう

「ふたつの時とき、ふたりの時間じかん」
「西瓜すいか」
「ヴィザージュ」

タレンツ・トーキョー2022

2022年ねん10月がつ31日にち（月つき）～11月がつ5日にち（土ど） 東京とうきょう都と ゲーテ・インスティトゥート東京とうきょう

メイン講師こうし

アンソニー・チェン（映画えいが監督かんとく）
レイモンド・パッタナーウィラクーン（プロデューサー）
シエ・モン（ワールドセールス）
フロリアン・ウェグホルン（プログラムマネージャー）

参加さんか監督かんとく

Lomorpich Rithy aka. YoKi（カンボジア）
XIAO Baer（中国ちゅうごく）
Aldo Swastia（インドネシア）
慶野けいの優ゆう太郎たろう（日本にっぽん）
奥野おくの俊作しゅんさく（日本にっぽん）
SON Heui Song（韓国かんこく）
Ananth Subramaniam（マレーシア）
Maung San（ミャンマー）
Charlotte HONG Bee Her（シンガポール）
Siyou TAN（シンガポール）
Cheryl WONG（シンガポール）
LIM Lungyin（台湾たいわん）

参加さんかプロデューサー

宮瀬みやせ佐知子さちこ（日本にっぽん）
KUO Ming-Jung（台湾たいわん）
Joshua LEVY（ベトナム）

関連かんれんイベント

第だい23回かい東京とうきょうフィルメックス＆NPO法人ほうじん独立どくりつ映画えいが鍋なべ 共催きょうさい
「〈世界せかい〉は思おもったより近ちかい!? 国境こっきょうをこえる映画えいが人じん育成いくせいプログラム（仮題かだい）」
＜登壇とうだん予定よてい＞
谷たに元もと浩之ひろゆき（VIPO Film Lab） / 木下きのした雄介ゆうすけ（ファシリテーター）ほか

※高橋たかはし泉いずみの高こうは、はしごだかが正式せいしき表記ひょうき