新しん映画えいがレーベル「New Counter Films」誕生たんじょう、第だい1弾だんは二ノ宮にのみや隆太郎りゅうたろうの新作しんさく「若武者わかむしゃ」

コギトワークスが動画どうが配信はいしんサービス「U-NEXT」の協力きょうりょくを受うけて新しん映画えいがレーベル「New Counter Films（ニューカウンターフィルムズ）」を設立せつりつ。第だい1弾だん作品さくひんとして二ノ宮にのみや隆太郎りゅうたろうが監督かんとく・脚本きゃくほんを担当たんとうした映画えいが「若武者わかむしゃ」が5月25日にちに公開こうかいされる。本日ほんじつ3月がつ4日にちに東京とうきょう都内とないで記者きしゃ会見かいけんが行おこなわれ、二ノ宮にのみやのほか、レーベル代表だいひょうの関せき友彦ともひこ、鈴木すずき徳いさお至いたりが出席しゅっせきした。

坂東ばんどう龍りゅう汰、高橋たかはし里さと恩おん、清水しみず尚弥なおやがトリプル主演しゅえんを務つとめる「若武者わかむしゃ」は、幼おさななじみである3人にんの若者わかものが人生じんせいへの疑問ぎもんを問とい続つづけながら未来みらいに抵抗ていこうする物語ものがたり。彼かれらは“世直よなおし” と称しょうして街まちの人間にんげんたちのささいな違反いはんや差別さべつに対たいして牙きばをむいていく。豊原とよはら功補こうすけ、岩松いわまつ了りょう、木野きの花はな、木き越こし明あきら、冴木さえき柚ゆず葉は、宮下みやした今日子きょうこ、大友おおとも律ただし、坂口さかぐち征夫いくおもキャストに名なを連つらねた。

前作ぜんさく「逃にげきれた夢ゆめ」が第だい76回かいカンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさいに出品しゅっぴんされた二ノ宮にのみやは「自分じぶんが映画えいがを志こころざした20年ねん前まえからずっとこの作品さくひんを作つくりたかった。尊敬そんけいする素晴すばらしいキャストといい映画えいがができた」と挨拶あいさつ。本ほん作さくのテーマについて「10代のときの思おもいを描えがいています。自分じぶんの闇やみの部分ぶぶんをすべてさらけ出だしました（笑）」と回想かいそうする。キャストはオーディションで選えらんだそうだが、坂東ばんどうについては「同おなじ事務所じむしょに所属しょぞくしているので、初はじめて出会であったときからご一緒いっしょしたいと思おもっていました」と、高橋たかはし・清水しみずについても「2人ふたりとも素晴すばらしいので、持もっている素敵すてきな部分ぶぶんを作品さくひんで表現ひょうげんしたかった」とコメント。そして新しんレーベルについて「新あたらしい映画えいがを作つくるという自由じゆうな部分ぶぶんがあり、一丸いちがんになって脚本きゃくほん作づくりから撮影さつえいまで行おこなうというやりやすい環境かんきょうがあります」と声こえを弾はずませた。

鈴木すずきは「（このレーベルが）すごい役者やくしゃを発見はっけんできる場所ばしょになればよい。今後こんごも監督かんとくの思おもい描えがいているやり方かたに添そえるよう模索もさくしていきたいですね」と言葉ことばに力ちからを込こめる。「僕ぼくらが観みたい映画えいが、関かかわりたいと思おもえる作品さくひんは作家さっかが輝かがやいているものが多おおい。恒常こうじょう的てきに製作せいさくできる場所ばしょがあると若手わかてが育そだっていくし、自分じぶんたちの観みたい作品さくひんが常つねにある状況じょうきょうにもなる」と言及げんきゅうした。関せきは「脚本きゃくほんから熱量ねつりょうが伝つたわりました。きっと書かいているときに完成かんせいが見みえていたのではないでしょうか」とほほえみ、「鈴木すずきが監督かんとくの想像そうぞうを汲くみ取とり提案ていあんをしていて。できあがった映画えいがも想像そうぞうを超こえていたので、第だい1弾だんの作品さくひんとしてふさわしいと思おもいました」と話はなした。

「New Counter Films」の掲かかげるミッションは「誰だれもが観みたい映画えいがでなく、誰だれかが観みたい映画えいがをつくる」。近年きんねんの邦画ほうが業界ぎょうかいにおいて大だい規模きぼ商業しょうぎょう映画えいがとインディペンデントの二に極きょく化かが進すすみ、邦画ほうがのカルチャーを育そだててきた中規模ちゅうきぼ作品さくひんが生うまれにくい環境かんきょうになりつつあることを背景はいけいに、作家さっか性せいと収益しゅうえき性せいを両立りょうりつした良質りょうしつな映画えいが製作せいさくに着手ちゃくしゅする。関せきは「カウンターカルチャーを意識いしきし、メジャー作品さくひんがあることで飛とび抜ぬけたものが作つくれるということも大事だいじにしながら命名めいめいした」と明あかした。

レーベルとしての製作せいさく・配給はいきゅうのビジョンについて話はなしが及およぶと、自主じしゅ制作せいさくのアートフィルムに関かかわることが多おおかった鈴木すずきは「自主じしゅ映画えいがで収益しゅうえきを上あげるには頭打あたまうちの状況じょうきょうでもあって。ただ、日本にっぽんでは観みたい方ほうが少すくないとしても、海外かいがいではどうだろうと。映画えいが祭さいに行いくと我々われわれと同おなじ熱量ねつりょうを持もった人ひとがたくさんいるんです」と語かたる。関せき曰いわく、本ほんレーベルは映画えいがを観客かんきゃくに直接ちょくせつ届とどける“産地さんち直送ちょくそう型がた”の仕組しくみとなっており、映画えいがは全国ぜんこく約やく60館かんのミニシアターのほか、セールスカンパニーを介かいさずに世界せかい17都市としのアートハウスへも直接ちょくせつ配給はいきゅうが行おこなわれる。関せきは「2020年ねんから配給はいきゅう事業じぎょうを行おこなってきまして、全国ぜんこくのミニシアターに作品さくひんを届とどけてきました。海外かいがいの劇場げきじょうにも直接ちょくせつ連絡れんらくを取とることで、ブッキングもできるのではと思おもった」と打うち明あける。

U-NEXTでは劇場げきじょう公開こうかいと同どうタイミング・同どう価格かかくのTVOD（都度つど課金かきん型がた動画どうが配信はいしん）形態けいたいで配信はいしん。関せきは「都内とないに住すんでいない方ほうと話はなすと、『東京とうきょうで公開こうかいしているというニュースは見みるけど、実際じっさいに映画えいがを観みるのは少すこしあとになるので悔くやしい』という声こえも聞ききます。同どう時期じきに映画えいがを楽たのしめ、体験たいけんを共有きょうゆうできる仕組しくみを作つくりたかった」とその狙ねらいを説明せつめいする。「配信はいしんを観みたあとに劇場げきじょうに行いくこともありますし、（劇場げきじょうと配信はいしんは）食くい合あうのではなく共存きょうぞんできる。それぞれ楽たのしみ方かたも違ちがうので、1つの作品さくひんで楽たのしみを2倍ばいにできれば」と展望てんぼうを語かたった。

トークのテーマが製作せいさく・配給はいきゅうにおける課題かだいに移うつると、関せきは「もちろん商業しょうぎょう性せいは重要じゅうようですが、製作せいさくの第一義だいいちぎは『売うるため』ではなく『いい映画えいがを届とどけるため』になるようにしたい。きっと全ぜん映画えいが人じんが思おもっていること」と説明せつめいする。「映画えいがの興行こうぎょうでは“動員どういん1万まん人にん”という壁かべがあるんですが、そのときの損益そんえき分岐ぶんき点てんでいうと総そう事業じぎょう費ひは2500万まん円えんほど。そこから現場げんばや宣伝せんでんで使つかうお金かねについて検討けんとうすると、現場げんばは1700万まん円えんほど使用しようできる状況じょうきょうになる」と明あかす。この数字すうじを踏ふまえ、鈴木すずきは「低てい予算よさんだとは思おもいます。中規模ちゅうきぼではなく小規模しょうきぼですが、そのかわりリクープできたら成功せいこう報酬ほうしゅうとして（全体ぜんたい収益しゅうえきから）50%が作つくり手しゅに還元かんげんされる。ヒットしたときにモヤモヤせずに関かかわっていただける仕組しくみになりますね」と補足ほそくし、「この仕組しくみを製作せいさく委員いいん会かいで作つくろうとすると、各社かくしゃで意見いけんもありますし前例ぜんれいがないので難むずかしい。『若武者わかむしゃ』は2社しゃだけなのでミニマムに決きめられました」と明あかした。

最後さいごに関せきは「New Counter Films」について「若手わかてのクリエーターに絞しぼらず、あらゆる監督かんとくに暴あばれていただきたい」と呼よびかけ、「いろいろな監督かんとくに声こえをかけたんですが自分じぶんたちで権利けんりを持もてることと、世界せかいのスクリーンにかけてもらえるということで『ぜひやりたい』と言いってくれています。今年ことしは『若武者わかむしゃ』ともう1本ほん製作せいさくしたい」とコメント。一方いっぽうで鈴木すずきは「今いまの映画えいが業界ぎょうかいは教育きょういくシステムが不足ふそくしていて、若わかい才能さいのうが自力じりきで這はい上あがっていくしかない状況じょうきょう」と吐露とろし、「もう少すこし業界ぎょうかいのシステムで支ささえる仕組しくみが必要ひつようだと思おもいます。その答こたえとしてこのレーベルがあるし、やっていく中なかで成功せいこうする仕組しくみを作つくり上あげていきたい」と語かたった。

※高橋たかはし里さと恩おんの高こうは、はしごだかが正式せいしき表記ひょうき

映画えいが「若武者わかむしゃ」予告編よこくへん