「アナウンサーたちの戦争せんそう」を妻夫木つまぶき聡さとし、土屋つちや太ふとし鳳おおとり、宮藤くどう官かん九郎くろう、塚本つかもと晋すすむ也、大友おおとも啓史ひろしら絶賛ぜっさん

「劇場げきじょう版ばん アナウンサーたちの戦争せんそう」の本編ほんぺん映像えいぞうがYouTubeで公開こうかい。あわせて本ほん作さくを鑑賞かんしょうした妻夫木つまぶき聡さとし、土屋つちや太ふとし鳳おおとり、宮藤くどう官かん九郎くろう、大友おおとも啓史ひろし、塚本つかもと晋すすむ也ら9名めいからのコメントが到着とうちゃくした。

本ほん作さくでは戦時せんじ中ちゅうの日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかいとそのアナウンサーたちの活動かつどうをもとに、放送ほうそうと戦争せんそうの知しられざる関かかわりが描えがかれる。戦意せんい高揚こうようのため、ラジオを通とおしてプロパガンダの先頭せんとうに立たたされた和田わだ信しん賢けんを森田もりた剛つよしが演えんじ、橋本はしもと愛あい、高良こうら健吾けんご、安田やすだ顕あらわ、浜野はまの謙太けんた、大東おおひがし駿介しゅんすけ、水上みずかみ恒ひさし司し、藤原ふじわらさくら、中島なかじま歩あゆみ、渋川しぶかわ清彦きよひこ、眞島まじま秀和ひでかず、降くだ谷たに建けん志こころざし、古舘ふるたち寛治かんじ、小日向おびなた文ぶん世よがキャストに名なを連つらねた。

映像えいぞうには和田わだが全国ぜんこく放送ほうそうで「母かあさん、元気げんきかい」と温あたたかく語かたりかける様子ようすが収録しゅうろく。電気でんき屋やに集あつまりその声こえを聴きく者ものや、静しずかに耳みみを傾かたむけ涙なみだを流ながす人ひと、戦死せんしした息子むすこの遺影いえいを抱かかえる人ひとなどの姿すがたも収おさめられた。森田もりたは「和田わださんは、とにかく調しらべて自分じぶんの言葉ことばで表明ひょうめいする人ひとだったので、そこにすごく魅力みりょくを感かんじた。僕ぼくらの仕事しごとにも通つうじると思おもった」と振ふり返かえっており、演出えんしゅつを担になった一木いちき正恵まさえは「舞台ぶたいで張はったときの声こえの通とおり方かたや、ラジオで話はなすときのまさにあなたにだけ話はなしていると思おもわせる甘あまい声こえ。さらに森田もりたさんが本来ほんらい持もっている朴訥ぼくとつとした雰囲気ふんいきとか、そういったものが和田わださんにはまると思おもった」と語かたっている。

妻夫木つまぶきは「使命しめい感かん、責任せきにん感かん、自分じぶんの存在そんざい意義いぎ、色々いろいろな思おもいが錯綜さくそうするなか、お前まえはどう生いきるんだ？と最後さいごにつきつけられた」と、土屋つちやは「凛りんとした映像えいぞうに包つつまれたこの覚悟かくごが、ひとりでも多おおくの人ひとに届とどいてほしい。そして共有きょうゆうし続つづけたいと、心しんから願ねがいます」とコメント。さらに塚本つかもとは「これは、過去かこのことではない。今こん現在げんざい起おこりつつあること。そう思おもって映画えいがに、現実げんじつに目めを凝こらさなければならない」とつづった。

「劇場げきじょう版ばん アナウンサーたちの戦争せんそう」は8月がつ16日にちより全国ぜんこくロードショー。脚本きゃくほんは倉光くらみつ泰子やすこが手てがけ、脚本きゃくほん協力きょうりょくとして山下やました澄人すみとが参加さんかした。

※塚本つかもと晋すすむ也の塚づかは旧きゅう字体じたいが正式せいしき表記ひょうき

「劇場げきじょう版ばん アナウンサーたちの戦争せんそう」本編ほんぺん映像えいぞう

妻夫木つまぶき聡さとし（俳優はいゆう）コメント

魂たましいのこもった皆みなさんの芝居しばいに心こころ揺ゆさぶられた。
情熱じょうねつだけではどうにもならない現実げんじつ。
使命しめい感かん、責任せきにん感かん、自分じぶんの存在そんざい意義いぎ、色々いろいろな思おもいが錯綜さくそうするなか、
お前まえはどう生いきるんだ？と最後さいごにつきつけられた。
現代げんだいを生いきる僕ぼくたちが必かならず観みるべき作品さくひんです。
最後さいごの最後さいごまで目めを背そむけず向むき合あってもらいたい。

土屋つちや太ふとし鳳おおとり（俳優はいゆう）コメント

思おもいを伝つたえるはずの「声こえ」、事実じじつを伝つたえるはずの「報道ほうどう」。
そのどちらも人ひとの心しんから生うまれていて、生うみ出だす人ひとたちの心しんが歪いがめば、
こんなにもたやすく歪いがんでしまう。
でも同時どうじに「その歪ゆがみに立たち向むかうのも人ひとの心しんなのだ」と、胸むねの奥おくに小ちいさな希望きぼうが灯ともるのを感かんじました。この作品さくひんは時代じだいを超こえて、アナウンサーたちと共ともに闘たたかい続つづけるために…
もしかしたら、もう始はじまっているかもしれない何なにかを止とめるために…産声うぶごえをあげようとしているのかもしれません。凛りんとした映像えいぞうに包つつまれたこの覚悟かくごが、ひとりでも多おおくの人ひとに届とどいてほしい。
そして共有きょうゆうし続つづけたいと、心しんから願ねがいます。

宮藤くどう官かん九郎くろう（脚本きゃくほん・演出えんしゅつ家か）コメント

即時そくじ描写びょうしゃの場面ばめん、本当ほんとうに素晴すばらしかった。
森田もりた剛つよしさん、橋本はしもと愛あいさんら俳優はいゆう陣じんの「声こえ」に、ここまで耳みみを持もって行いかれる映像えいぞう作品さくひんを初はじめて観みた気きがします。その「声こえ」が、放送ほうそう技術ぎじゅつの発展はってんが、国威こくい発揚はつように利用りようされてしまった。
同おなじようなことが、今いまも世界せかいのどこかで起おこっていることを見過みすごしちゃいけませんね。
僕ぼくは「いだてん」で一いち度ど、完全かんぜんに燃もえ尽つきましたが、演出えんしゅつの一木いちきさんはその後ごもメラメラと燃もえ続つづけ、
さらに「アナウンサー」と「戦争せんそう」を、深ふかく掘ほり下さげたんだなぁ。頭あたまがさがります。

大友おおとも啓史ひろし（映画えいが監督かんとく）コメント

言葉ことばは諸刃もろはの剣けんだ。この映画えいがで描えがかれる”言葉ことばを生業せいぎょう（なりわい）にする者ものたち”の葛藤かっとうと反芻はんすうは、センセーショナルな言葉ことばだけが拡散かくさんされていく現代げんだいのSNS社会しゃかいにこそ、より必要ひつようなものであるだろう。「龍馬りょうま伝でん」「スパイの妻つま」等とうの撮影さつえい、佐々木ささき達之たつゆき介かいのエモーショナルなショットの数々かずかずに目めを見張みはる。

塚本つかもと晋すすむ也（映画えいが監督かんとく）コメント

報道ほうどうとは何なにか。熱狂ねっきょうとは何なにか。報道ほうどうが戦意せんいを煽あおり、戦争せんそうに加担かたんしてしまう。
民衆みんしゅうが熱狂ねっきょうし便乗びんじょうする。
これは、過去かこのことではない。今こん現在げんざい起おこりつつあること。
そう思おもって映画えいがに、現実げんじつに目めを凝こらさなければならない。

笠井かさい信しん輔（アナウンサー）コメント

戦時せんじ中ちゅうに武器ぶきを持もたない兵士へいしがいた。電波でんぱ戦士せんし＝NHKアナウンサー。
「偽いつわりの言葉ことば」に扇動せんどうされた国民こくみんが死しんでゆくという事実じじつに同どう業者ぎょうしゃとして凍こおり付ついた。
昔話むかしばなしではない！ それは「フェイクニュース」という形かたちで今いまも続つづいているのだ。

大橋おおはし未み歩ふ（フリーアナウンサー）コメント

放送ほうそう人じんの端はしくれとして自戒じかいをこめて言いう。「不都合ふつごうな真実しんじつの隠蔽いんぺいは終おわっていない」
だから私わたしたちにこの映画えいがは必要ひつようなのだ。誰だれもがメディアとなれる現代げんだいなら尚なおのこと、
正ただしさを自問じもんし続つづける苦悩くのうから逃にげてはならない。

柳澤やなぎさわ秀夫ひでお（ジャーナリスト）コメント

戦争せんそうという理不尽りふじんな大おおきなうねりに争あらそうこと。それが如何いかに難むずかしいことなのか！
ならばどうすればいいのか？ 問とわれているのは過去かこだけではない。
混迷こんめいを深ふかめる今いまの時代じだいに生いきる我々われわれ自身じしんではないのか？
そんな問といを容赦ようしゃなく鋭するどく突つき付つけてくる、まさに心しんをえぐる作品さくひんだ。

松崎まつざき健夫たけお（映画えいが評論ひょうろん家か）コメント

軍事ぐんじを礼賛らいさんするようなプロパガンダに便乗びんじょうし、勇いさましい言葉ことばで戦意せんいを煽あおった人々ひとびとの多おおくは、戦後せんごになって「最初さいしょから間違まちがいだとわかっていた」と居直いなおった。昨今さっこんの世情せじょうでも、SNSを中心ちゅうしんに“極端きょくたんな言葉ことばで断言だんげんする、声こえの大おおきな人ひと”に大衆たいしゅうが魅みせられているという危あやうさがある。本ほん作さくは戦時せんじ中ちゅうを描えがいた作品さくひんだが、現代げんだいに通つうじる思潮しちょうを感かんじさせるのはそのためだろう。表層ひょうそう的てきな印象いんしょうに依よりがちであるからこそ、大衆たいしゅうに向むけた＜声こえ＞は熟慮じゅくりょすべきなのである。