「DOLL」開幕、主演・林翔太が松本幸大との共演に「勉強にも刺激にもなりました」
2023年6月2日 14:20
5 ステージナタリー編集部
林翔太が主演を務める「DOLL」が、昨日6月1日に東京・渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールで開幕。これに先駆け、囲み取材とゲネプロが同日に行われた。
脚本を小林雄次、演出を元吉庸泰が手がける本作は、玉梨ネコ「リタイヤした人形師のMMO機巧叙事詩」を原作にした舞台。林が、人形師の家系に育ち、将来を期待されるも、二度と人形が作れないほどの火傷を負ってしまった主人公・佐倉いろはを演じる。このほかの出演者には、松本幸大、西葉瑞希、搗宮姫奈、山下朱梨、陰山泰、岩田陽葵、藤田玲らが名を連ねた。
囲み取材には、林、松本、陰山、藤田、元吉が出席。林は「ようやく初日を迎えることができてホッとしています」と現在の心境を明かしつつ、「正直、全部のシーンが好きなのですが、最後の方で祖父役の陰山さんと向き合うシーンは、いろはとしても、ようやくじいちゃんと向き合って話すことができたとホッとするシーンで、稽古の時から好きなシーンです。本当のおじいちゃんみたいな安心感もあります(笑)。松本とは外部の舞台で共演するのは初めてでしたが、子供のころから知っている彼がいい意味で変わっていなくて安心しましたし、お芝居に対する向き合い方や突き詰める姿は勉強にも刺激にもなりました」と述べた。
ズィーク(快斗)役の松本は「今回の役は今までにやったことのない初めての役どころでした。一見、悪にしか見えないけれどいろいろな葛藤や自分の正義もあって、感情をぶつけるところで気持ちが昂って涙してしまったシーンもあるので注目していただきたいです。林とは、お互い成長している中でこのタイミングで共演ができて嬉しいですし、楽しかったです。稽古中今までやっていなかったことをやってみても林なら受け止めてくれる安心感があったので信頼して色んなアプローチをすることができました」と話した。
レトロ / 祖父役の陰山は、自身が演じる祖父と林が演じる孫のシーンが好きであると述べ、「人間同士の話であるところや、現実世界での話というところが唯一リアルに感じられるシーンです。僕が今回キーワードにしている『その先に、何を求めておる……?』というセリフがあるのですが、そのことをしっかり二人で確認しあうシーンでもあるので、気に入っています」とコメント。ディアベル / 刑事役の藤田も「自分のシーンではないけれど、おじいちゃん(陰山)と孫(林)のシーンで『救われたんだよ』というセリフがあり、この作品のすべてが詰まっているなと感じていて、大好きなシーンです。ゲーマー的には、デュエルのところでパネルが二人の前に出てくる演出がとてもかっこよくて、胸アツなシーンです(笑)」と語った。
元吉は「この作品は『選択肢』のお話だと当初から思っていたので、『選択』にはこだわってつくりました。何を選んでも間違いではなく正解。それを感じていただいて、観終わった後には、自分の選んだものに自信を持てるような作品になったら嬉しいです。稽古期間が短い中で、カンパニー全員で創り上げた作品です。楽しんでいただければ幸いです」と思いを述べた。
上演時間は約1時間40分。公演は6月1日から5日まで東京・渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール、16日から18日まで京都・京都劇場にて。林、松本、陰山、藤田、元吉のコメント全文と、西葉、搗宮、岩田のメッセージは以下の通り。
林翔太コメント
ようやく初日を迎えることができてホッとしています。
正直、全部のシーンが好きなのですが、最後の方で祖父役の陰山さんと向き合うシーンは、いろはとしても、ようやくじいちゃんと向き合って話すことができたとホッとするシーンで、稽古の時から好きなシーンです。本当のおじいちゃんみたいな安心感もあります(笑)。
松本とは外部の舞台で共演するのは初めてでしたが、子供のころから知っている彼がいい意味で変わっていなくて安心しましたし、お芝居に対する向き合い方や突き詰める姿は勉強にも刺激にもなりました。
お客様が最後の共演者だと思っているので、観ていただいた際の反応が楽しみですし、一緒にこの作品を育てていけたら嬉しいです。千穐楽まで悔いがないよう、毎公演毎公演しっかりと噛みしめながらやっていきますので最後までよろしくお願いします。
松本幸大コメント
今回の役は今までにやったことのない初めての役どころでした。一見、悪にしか見えないけれどいろいろな葛藤や自分の正義もあって、感情をぶつけるところで気持ちが昂って涙してしまったシーンもあるので注目していただきたいです。
林とは、お互い成長している中でこのタイミングで共演ができて嬉しいですし、楽しかったです。稽古中今までやっていなかったことをやってみても林なら受け止めてくれる安心感があったので信頼して色んなアプローチをすることができました。
アート感が強く、他のストレートプレイともまた違う、新たなジャンルのような作品になっているので、ぜひ生で観て感じていただきたいです。劇場でお待ちしております。
陰山泰コメント
個人的にこの作品の隠れたテーマは「想像力」だと思っています。来てくださった方には、自分はこの作品のどこに入ることができるか、想像しながら観てほしいです。
好きなシーンは、おじいちゃんと孫のシーン。人間同士の話であるところや、現実世界での話というところが唯一リアルに感じられるシーンです。僕が今回キーワードにしている「その先に、何を求めておる……?」というセリフがあるのですが、そのことをしっかり二人で確認しあうシーンでもあるので、気に入っています。
僕がとても好きな世界観の作品です。最後までもっと高みを目指して続けていきますので、ぜひ観に来てください。
藤田玲コメント
この作品では、いろんな人がリアルとゲームのどちらの世界でもいろいろな選択をしてちゃんと生きています。いろはとズィークがどんな選択をしてこうなっていったのか、その選択に正解はなくて、どちらにも正義があるんです。
自分のシーンではないけれど、おじいちゃん(陰山)と孫(林)のシーンで「救われたんだよ」というセリフがあり、この作品のすべてが詰まっているなと感じていて、大好きなシーンです。ゲーマー的には、デュエルのところでパネルが二人の前に出てくる演出がとてもかっこよくて、胸アツなシーンです(笑)。
AIとかチャットGPTとか……そういう世界が僕らに近づいてきていると感じるこの今、観るべき作品だと思っています。ぜひ「選択」して観に来てください。
元吉庸泰コメント
ネットの世界での出来事が現実に影響を及ぼすこともある中で、リアルとネットの境界線は、人によっては簡単に飛び越えられるものでも、越えられないものでもある、両面的な性質を持っていると感じていました。
世界観をどう演出しようか考えていく中で、演出に映像を使ってしまうと平面的になりそうで避けたいなと思い、境界線や扉やゲーム内でのウィンドウを枠で表現することを思いつきました。枠を使うことで、ある人には簡単に抜けられるけれども、別の人には断崖絶壁にもなり得るものが表現できていると思います。
この作品は「選択肢」のお話だと当初から思っていたので、「選択」にはこだわってつくりました。何を選んでも間違いではなく正解。それを感じていただいて、観終わった後には、自分の選んだものに自信を持てるような作品になったら嬉しいです。
稽古期間が短い中で、カンパニー全員で創り上げた作品です。楽しんでいただければ幸いです。
西葉瑞希コメント
舞台「DOLL」毎日キャスト、スタッフの皆様全員で考え、動かし、試行錯誤を繰り返した作品です。舞台上のどこを観ても、何かが起きています! 毎公演新鮮な気持ちで届けられるように、まずは私が楽しみたいと思っています。最後まで誰1人欠けることなく、この世界を生きられますように。沢山体を動かして、頑張ります!! 劇場でお待ちしております!
搗宮姫奈コメント
舞台「DOLL」、とうとう開幕します。この作品は、ご来場していただくお客様がどこを切り取るかによって感じ方、見え方が変わる作品です。どこを切り取ってもそれが正解です。そしてご来場いただくお客さまもまた、作品の1部です。是非人形の世界を体験しに来てみてください。皆様のご来場、こころよりお待ちしています。
岩田陽葵コメント
舞台「DOLL」ついに本日開幕です!
元吉さんが描く世界に私たちもワクワクしながら挑んできました。ゲームの世界にそれぞれ何かを求めて、もがいて選択し続ける人々と、舞台を美しく彩ってくれているDOLLたちが作り出す不思議で危うげで繊細な世界観をぜひ劇場で体感して頂きたいです。もんざえもんと共に「DOLL’S ORDER」の世界でお待ちしてます!
(c)玉梨ネコ・TOブックス (c)『DOLL』製作委員会
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