珠たま城じょうりょうらの迫力はくりょくに“息いきをのむ”、ミュージカル「天てん翔かける風ふうに」謝しゃ珠たま栄さかえパワーが炸裂さくれつ

珠たま城じょうりょう主演しゅえんミュージカル「天てん翔かける風ふうに」が本日ほんじつ9月がつ29日にちに東京とうきょう・東京とうきょう芸術げいじゅつ劇場げきじょう プレイハウスで開幕かいまくした。これに先駆さきがけ同日どうじつ昼ひる、囲かこみ取材しゅざいが行おこなわれた。

これは、ドストエフスキーの「罪つみと罰ばち」を元もとに、野田のだ秀樹ひできが幕末ばくまつの日本にっぽんを舞台ぶたいに脚色きゃくしょくを施ほどこした「贋作がんさく・罪つみと罰ばち」を、謝しゃ珠たま栄さかえがミュージカル化かしたもの。約やく10年ねんぶりの上演じょうえんとなる今回こんかいは、謝しゃの演出えんしゅつ・振付ふりつけによりリニューアル上演じょうえんされる。珠たま城じょう演えんじる三条さんじょう英すぐるは、理想りそうを夢見ゆめみて江戸えど開成かいせい所しょに通かよう塾生じゅくせいで、“彼女かのじょ以外いがいは全すべて男おとこ”の社会しゃかいで孤軍こぐん奮闘ふんとうしている。英えいは、貧まずしい人々ひとびとから法外ほうがいな利息りそくを取とる高利貸こうりがしの老婆ろうばを殺害さつがいしようとするも、偶然ぐうぜんそこに居合いあわせた老婆ろうばの妹いもうとも殺ころしてしまう。英えいと同おなじ志こころざしを持もつ才谷さいたに梅太郎うめたろう（屋良やら朝ちょう幸こう）は、そんな英えいを陰かげながら心配しんぱいするが……。

囲かこみ取材しゅざいには珠たま城じょう、屋良やら、剣けん幸こう、謝しゃが登壇とうだんした。宝塚歌劇団たからづかかげきだん時代じだいから縁えんがある謝しゃからラブコールを受うけ、本ほん作さくへ出演しゅつえんすることになった珠たま城じょうは「先生せんせいからお話はなしをいただいたとき、また一緒いっしょに作品さくひんを作つくれることがとてもうれしかった。先生せんせいはいつも役者やくしゃ1人にんひとりに愛情あいじょうを注そそいでくださり、ご自身じしんが舞台ぶたい作づくりを本当ほんとうに楽たのしんでいるのも伝つたわってくるので、稽古けいこ場じょうはいつも明あかるくカラッとした空気くうき。常々つねづね私わたしは、先生せんせいは“人間にんげんパワースポット”だ、と言いっているんです（笑）」と笑顔えがおで話はなす。

また、珠たま城じょうは、英えい役やくを務つとめることについて「本ほん作さくはミュージカルですが、野田のださんの戯曲ぎきょくがもとになっていることもあり、セリフの量りょうをはじめ演劇えんげき的てき要素ようそがかなり強つよく、演劇えんげき的てき部分ぶぶんと歌うたのバランス調整ちょうせいに非常ひじょうに苦戦くせんしました。さらに原作げんさくの小説しょうせつとは違ちがい、本ほん作さくでは物語ものがたり冒頭ぼうとうから英えいが苦悩くのうしているので、それを演えんじるのも大変たいへん（笑）。ただ共演きょうえん者しゃの皆みなさんが、私わたしが自分じぶんで無理むりに何なにかしようとしなくても自然しぜんに心しんが動うごくようなボールを投なげてくれる、素敵すてきなお芝居しばいをされる方ほうばかりだったので、そんな皆みなさんと一緒いっしょに作品さくひんを作つくれることがとてもうれしく、やりがいがありました」と稽古けいこを振ふり返かえった。

屋良やらは「過去かこ公演こうえんを観みて（才谷さいたには）そんなに踊おどらない役やくだと知しりながら、『僕ぼくが出演しゅつえんするからには今回こんかいの上演じょうえん版ばんでは踊おどるかな』と期待きたいをしていたのですが、稽古けいこが始はじまるとやっぱりそんなに踊おどらなかった（笑）。という発言はつげんをいろいろなところでしていたら、ある時とき、先生せんせいが『屋良やらっちと義よしさん（東山ひがしやま義久よしひさ）、ちょっと、ここ2人ふたりで踊おどりなよ』と新あらたなシーンを作つくってくれたんです。ここはびっくりするようなシーンになっているのでお楽たのしみに」と期待きたいをあおる。司会しかいから「謝しゃの振付ふりつけから学まなぶことはあるか？」と問とわれると、「先生せんせいは、稽古けいこ場じょうでパッとアイデアを思おもい付つき、その場ばでどんどん形かたちにしていくスピード感かんがすごい。一方いっぽう、僕ぼくは考かんがえたことを紙かみの上うえに細こまかく書かき出だしておき、現場げんばで微ほろ調整ちょうせいするタイプなので、作つくり方かたが真ま逆ぎゃくで面白おもしろかった」と明あかした。

「観客かんきゃくの皆みなさん、きっと息いきをのみますよ」と口火くちびを切きった剣けんは、本ほん作さくの魅力みりょくを「りょうちゃんと屋良やらさんをはじめとする志士しし役やくたちの迫力はくりょくが、もうとんでもない」と語かたり、「みんなで一丸いちがんとなって作つくってきたこの作品さくひんを早はやく皆みなさんにお見みせしたい」と幕まくが開ひらくのが待まちきれない様子ようす。また、謝しゃについては舞台ぶたい以外いがいの話題わだいでよく同どう世代せだいトークをする間柄あいだがらだとしつつ、「私わたしが宝塚歌劇団たからづかかげきだんで指導しどうしていただいていたときから、ものすごくハードな振付ふりつけをされていて。私わたしが死しぬ役やくだったときは『死しんだあとは、息いきせんといてー！』と冗談じょうだん混まじりでビシッと言いわれ（笑）、“物語ものがたりとして成立せいりつさせたい”という先生せんせいのパワーを感かんじました。退団たいだんしたあとも、先生せんせいの作品さくひんをいろいろ経験けいけんさせていただきましたが、オリジナル作品さくひんを一生懸命いっしょうけんめい作つくろうとされている姿すがたを見みて、『どこまででもついて行いきます』といつも思おもっていました。先生せんせいのパワーが今回こんかいの座ざ組ぐみを引ひっ張ぱっていた。今後こんごも先生せんせいの背中せなかを追おいかけていきたい」と思おもいを語かたった。

そんな謝しゃは登壇とうだんキャストの印象いんしょうを問とわれ、珠たま城じょうについて「ご覧らんの通とおり、本当ほんとうに美うつくしい人ひと。宝塚たからづか時代じだいは2回かいしかご一緒いっしょできなかったので、今回こんかい一緒いっしょに挑のぞめるのがとてもうれしい。珠たま城じょうさんが演えんじる英えいが楽たのしみ」、剣けんについて「演劇えんげき界かいでがんばっている姿すがたを互たがいにずっと見みてきたので、信頼しんらいしていました。稽古けいこの中なかでどんどん変化へんかしていってくれるのがうれしかった」、屋良やらについて「初はじめての出会であいですが、何なにでもできる方ほうなので楽たのしかった。皆みなさんにとって憧あこがれの坂本さかもと龍馬りょうまを、ものすごく凛々りりしく演えんじてくれます」とそれぞれにコメントした。

最後さいごに珠たま城じょうは「初日しょにちを無事ぶじに迎むかえることができること、本当ほんとうに幸しあわせに思おもっています。何なん度ども上演じょうえんされている作品さくひんですが、初はじめてご覧らんになられる方ほうも、これまでの公演こうえんをご覧らんになった方ほうも、これが日本にっぽんのオリジナルミュージカルであることを楽たのしみに観かんに来きていただけたら。『罪つみと罰ばち』が原作げんさくではありますが肩かたの力ちからを緩ゆるめられるシーンもあるので、そういうところはぜひ笑わらってください（笑）。皆みなさんぜひ気負きおわずに、たくさん劇場げきじょうに足あしを運はこんでいただけたらと思おもいます」と観客かんきゃくに呼よびかけた。

上演じょうえん時間じかんは休憩きゅうけい含ふくむ約やく2時じ間あいだ50分ふん。東京とうきょう公演こうえんは9月29日にちから10月がつ9日にちまで。その後ご、13日にちから15日にちまで兵庫ひょうご・兵庫ひょうご県立けんりつ芸術げいじゅつ文化ぶんかセンター 阪急はんきゅう中ちゅうホール、19日にちから22日にちまで愛知あいち・穂ほの国くにとよはし芸術げいじゅつ劇場げきじょうPLAT 主ぬしホールにて上演じょうえんされる。