宝塚歌劇たからづかかげき雪ゆき組ぐみ「ベルサイユのばら」東京とうきょうへ、彩いろどり風ふう咲さき奈が語かたる思おもい「夢ゆめの続つづきを見みている」

宝塚歌劇たからづかかげき雪ゆき組ぐみ「宝塚たからづかグランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編へん- ～池田いけだ理代りよ子こ原作げんさく『ベルサイユのばら』より～」の東京とうきょう・東京とうきょう宝塚劇場たからづかげきじょう公演こうえんが、明日あした8月がつ31日にちに開幕かいまく。これに先駆さきがけて本日ほんじつ30日にちに、公開こうかい舞台ぶたい稽古けいこと囲かこみ取材しゅざいが行おこなわれた。

「宝塚たからづかグランドロマン『ベルサイユのばら』-フェルゼン編へん- ～池田いけだ理代りよ子こ原作げんさく『ベルサイユのばら』より～」は、池田いけだ理代りよ子このマンガ「ベルサイユのばら」をもとにした作品さくひん。脚本きゃくほん・演出えんしゅつを植田うえだ紳爾しんや、演出えんしゅつを谷たに正純まさずみが手てがけ、本ほん作さくが退団たいだん公演こうえんとなる雪ゆき組ぐみトップスター・彩いろどり風ふう咲さき奈と、トップ娘むすめ役やくの夢ゆめ白はくあやが主演しゅえんを務つとめる。

本ほん作さくでは革命かくめいの火ひが燃もえ上あがるフランスを舞台ぶたいに、フランス王妃おうひマリー・アントワネット（夢ゆめ白しろ）の恋人こいびとにして、スウェーデンの伯爵はくしゃくであるフェルゼン（彩いろどり風ふう）を中心ちゅうしんに、男装だんそうの近衛このえ隊たい隊長たいちょうオスカル（朝美あさみ絢あや）や、その幼おさななじみアンドレ（縣けん千せん）も絡からめたストーリーが描えがかれる。

劇げき中ちゅうでは群舞ぐんぶや立たて廻まわりを交まじえながら、スピーディーに物語ものがたりが展開てんかいする。フェルゼンとマリー・アントワネットが愛あいを確たしかめ合あうシーンでは、舞台ぶたい中央ちゅうおうにバラを模もした大おおきなピンク色ぴんくいろの舞台ぶたい装置そうちが。バラが花開はなひらくと、中ちゅうからピンクの衣裳いしょうをまとったフェルゼンとマリー・アントワネットが現あらわれ、息いきの合あったダンスを見みせた。

彩いろどり風ふうは、聡明そうめいで心こころ優やさしいフェルゼンが、マリー・アントワネットへの恋心こいごころに突つき動うごかされる様子ようすを熱あつく演えんじ、フランス革命かくめいを経へて友人ゆうじんたちを失うしなったフェルゼンの切せつない思おもいを、力強ちからづよく歌うたい上あげて観客かんきゃくの涙なみだを誘さそう。夢ゆめ白しろは、少女しょうじょのようなマリー・アントワネットが、自身じしんの子供こどもたちへの思おもいからフランス王妃おうひとして生いきようと決心けっしんするさまを、力強ちからづよい歌声うたごえと表情ひょうじょうで表現ひょうげんした。

次期じきトップスターの朝美あさみは、オスカルを華はなやかに、凛々りりしく演えんじて観客かんきゃくを魅了みりょう。オスカルがアンドレと心しんを通かよわせるシーンでは、ためらいながらもアンドレに触ふれる仕草しぐさでオスカルの感情かんじょうを繊細せんさいに表現ひょうげんした。また頼たのもしく誠実せいじつなアンドレ像ぞうを立たち上あげる縣けんの演技えんぎにも、ぜひ注目ちゅうもくしよう。

舞台ぶたい稽古けいこのあとには、彩いろどり風ふうと夢ゆめ白しろの囲かこみ取材しゅざいが行おこなわれた。宝塚歌劇たからづかかげき「ベルサイユのばら」がきっかけで入団にゅうだんを志こころざしたという彩いろどり風ふうは「7・8月がつの宝塚たからづか大だい劇場げきじょう公演こうえんでも、舞台ぶたいに立たつたびに『宝塚たからづかに入はいって良よかったな』と感かんじてきました。客席きゃくせきから伝つたわる、お客様きゃくさまの“作品さくひん愛あい”にも背中せなかを押おしていただいています」と言葉ことばに力ちからを込こめる。夢ゆめ白しろは「上演じょうえん決定けっていから初日しょにちまですごく緊張きんちょうしていました。でもこの素晴すばらしい作品さくひんのおかげで、今いまは毎日まいにち楽たのしいです。東京とうきょう公演こうえんにも新鮮しんせんな気持きもちで取とり組くめたら」と意気込いきごみを語かたった。

彩いろどり風ふうは、2013年ねんに宝塚歌劇たからづかかげき雪ゆき組ぐみ「『ベルサイユのばら』-フェルゼン編へん-」新人しんじん公演こうえんでフェルゼン役やくを務つとめた。このことを振ふり返かえり、彩いろどり風ふうは「当時とうじは壮一そういち帆かいさんのフェルゼンをお手本てほんに勉強べんきょうさせていただきましたが、まだまだ未熟みじゅくだった私わたしはフェルゼンのカッコいいところばかり見みていました。ですが今回こんかい、王妃おうひ様さまへの愛あいがフェルゼンの強つよさであり弱よわさであるのだと気付きづいて。どれほどカッコいい人物じんぶつにも弱よわさはあるのだと改あらためて感かんじ、今回こんかいは彼かれの弱よわさを大切たいせつに演えんじています」とコメント。また史実しじつを学まなびつつ原作げんさくマンガを読よんで役やく作づくりをしたと言いう夢ゆめ白しろは「マリー・アントワネットはとても愛あいにあふれる人物じんぶつだと感かんじました」と述のべる。また初演しょえんでマリー・アントワネットを演えんじた初はつ風ふう諄が本日ほんじつの舞台ぶたい稽古けいこを観劇かんげきしていたことを明あかし、夢ゆめ白しろは「初はつ風ふうさんにお会あいできたうれしさを糧かてに、新あらたな気持きもちで東京とうきょう公演こうえんも務つとめたい」と瞳ひとみを輝かがやかせた。

フェルゼンがオスカルとの別わかれに思おもいを歌うたう新曲しんきょく「セラビ・アデュー」について、彩いろどり風ふうは「フェルゼンとしてはオスカルやアンドレ、バスティーユで散ちった人々ひとびとへの思おもいを込こめています。ただ歌詞かしには私わたしの宝塚たからづかへの思おもいとリンクするところがあり、切せつなくもさわやかな気持きもちで『私わたしの中なかにあなたは生いき続つづける』『あなたの中なかに私わたしは生いき続つづける』と歌うたっています」と感慨かんがい深ふかげな表情ひょうじょうを浮うかべる。同どう楽曲がっきょくをフィナーレで歌うたう夢ゆめ白しろは「私わたしたちは、1人ひとりで銀ぎん橋きょうに立たつ咲さきさん（彩いろどり風ふう）の背中せなかに向むかって歌うたいながらいつも『咲さきさんの雪ゆき組ぐみ愛あいを引ひき継ついで、バトンを受うけ止とめなくちゃ』と感かんじています」と彩いろどり風ふうに視線しせんを送おくった。

囲かこみ取材しゅざいでは、彩いろどり風ふうが改あらためて宝塚歌劇たからづかかげき「ベルサイユのばら」への思おもいを述のべる場面ばめんも。彩いろどり風ふうは「男役おとこやくや娘むすめ役やく、みんなの夢ゆめが詰つまった作品さくひん」と言いい、入団にゅうだん前まえはオスカルに憧あこがれていたことを明あかしながら「ブロンドの髪かみをした美うつくしいオスカルが、女性じょせいでありながら男性だんせいとして育そだてられたという設定せっていも素敵すてき。物語ものがたりのすべてに夢ゆめが詰つまっているなと舞台ぶたいで感かんじていますし、ずっと夢ゆめの続つづきを見みている気持きもちです」と微笑ほほえんだ。

上演じょうえん時間じかんは休憩きゅうけい30分ふんを含ふくむ約やく3時じ間あいだ。公演こうえんは10月13日にちまで行おこなわれる。