NZの噴火ふんか なぜ悲劇ひげきふせげなかったのか

変化へんか検知けんち警報けいほういたらず。専門せんもんく、死者ししゃ規模きぼ噴火ふんか予測よそくむずかしさ

2019.12.12
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噴煙を上げるニュージーランド、ホワイト島(ファカアリ島)の活火山。2019年12月9日撮影。(PHOTOGRAPH BY JOHN BOREN, GETTY IMAGES)
噴煙ふんえんげるニュージーランド、ホワイトとう(ファカアリとう)の活火山かっかざん。2019ねん12月9にち撮影さつえい。(PHOTOGRAPH BY JOHN BOREN, GETTY IMAGES)
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 ニュージーランド北部ほくぶのプレンティわんかぶちいさな火山かざんとうホワイトとう(マオリめいファカアリとう)が、現地げんち時間じかんの12月9にち午後ごご211ふん噴火ふんかした。爆音ばくおんひびなか噴煙ふんえんは3600メートル以上いじょうたかさまで到達とうたつし、高温こうおんの噴石をらせた。わずかすうぶん出来事できごとで、その一帯いったい静寂しじまもどった。

 当時とうじ多数たすう旅行りょこうしゃがホワイトとうおとずれており、火口かこうのすぐそばにもじんがいた。12にち時点じてんで、8にん死亡しぼう公式こうしき確認かくにんされており、8にん行方ゆくえ不明ふめいだ。「最悪さいあくのシナリオです」と、ニュージーランド、オークランド大学だいがく火山かざん学者がくしゃけん地球ちきゅう科学かがくしゃシェーン・クローニンかたる。

 噴火ふんかのタイプこそててめずらしいものではないが、前触まえぶれがなく不意打ふいうちだったてん特徴とくちょうてきだ。ホワイトとうのケースとよく噴火ふんかは、日常にちじょう茶飯事さはんじとはわないまでも世界せかい各地かくちきている。今回こんかいのように、はっきりとした兆候ちょうこうがないなかでの噴火ふんかは、いつきても不思議ふしぎではないのだ。(参考さんこう記事きじ予知よちできる噴火ふんか、できない噴火ふんか

 べいスミソニアン協会きょうかいぜん地球ちきゅう火山かざん活動かつどうプログラム(GVP)の火山かざん学者がくしゃジャニーン・クリップナーは「人々ひとびとがまずいタイミングにまずい場所ばしょにいたケースです」とはなす。「実際じっさいきると惨事さんじになりますが、同様どうよう出来事できごとはこれからもかえされてしまうでしょう」

 なぜ今回こんかい噴火ふんか予測よそくできず、死者ししゃ結果けっかとなったのか。事実じじつもとかえってみたい。

えない前兆ぜんちょう

 ホワイトとう海底かいてい火山かざん頂上ちょうじょうにあたる。ぜん地球ちきゅう火山かざん活動かつどうプログラムによれば、きわめて活発かっぱつ火山かざん噴火ふんか規模きぼちゅう程度ていどおおく、噴火ふんかのタイプは多岐たきにわたる。(参考さんこう記事きじ「ニュージーランドはだい8の大陸たいりく研究けんきゅうしゃ提唱ていしょう

 非常ひじょう活発かっぱつなうえ、おおくの旅行りょこうしゃおとずれるため、ホワイトとう厳重げんじゅう監視かんしかれている。火山かざん爆発ばくはつちかづいている兆候ちょうこうめようと、科学かがくしゃたちがつねひからせてきた。

参考さんこうギャラリー:大迫おおさこつとむそらから至近しきん距離きょりったハワイの溶岩ようがん 写真しゃしん10てん画像がぞうクリックでギャラリーへ)
参考ギャラリー:大迫力、空から至近距離で撮ったハワイの溶岩 写真10点(画像クリックでギャラリーへ)
米国べいこくハワイとう、キラウエア火山かざんからながれる溶岩ようがんりゅう。ドローンを使つかって撮影さつえいした。(PHOTOGRAPH BY EREZ MAROM)

ページ:火山かざん圧力あつりょくなべ

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