おたくま経済けいざい新聞しんぶん

　2023年ねんに発売はつばい40周年しゅうねんを迎むかえた「ファミリーコンピュータ」、通称つうしょう「ファミコン」。これを記念きねんした本ほん、「ファミコン四よん十じゅう年生ねんせい」が2024年ねん7月がつ1日にちに小学館しょうがくかんより出版しゅっぱんされました。

　その目玉めだまは何なにと言いっても、付録ふろくとして付ついてくるファミコンの実物じつぶつ大だいペーパークラフト。「超ちょうリアル」と銘打めいうたれたそのクオリティを、実際じっさいに作つくって確たしかめてみたいと思おもいます。

　近隣きんりんの本屋ほんやに赴おもむくと……おっ、しっかり入荷にゅうかされていました。本ほんのタイトルはもちろん「小学しょうがく〇年生ねんせい」をオマージュしたものでしょうが、今回こんかいの「ファミコン四よん十じゅう年生ねんせい」もしっかり児童じどう雑誌ざっしのコーナーに並ならべられていました。他たの本ほんと比くらべて対象たいしょう年齢ねんれいがちょっと高たかいような。

　ともあれ、そのままお会計かいけいを済すませ、無事ぶじ入手にゅうしゅ完了かんりょう。ちなみに価格かかくは税込ぜいこみ2860円えんとなっています。お値段ねだんも他たの雑誌ざっしよりちょっと高たかめですね……。それだけ実物じつぶつ大だいファミコンへの期待きたいも高たかまるというもの。早速さっそく自宅じたくへ持もち帰かえり組くみ立たてていきます。

　本ほんに挟はさまれている付録ふろくを確認かくにんすると、台紙だいし2枚まいに、コントローラーの「Iコン」が入はいった箱はこが入はいっていました。Iコン自体じたいはプラスチック製せいで、本体ほんたいに繋つなげるコードも付属ふぞく。電池でんちを入いれる構造こうぞうになっており、最終さいしゅう的てきには上うえから紙かみのカバーをかけて完成かんせいさせるようです。

　ちなみにこのコントローラー、操作そうさするとかの名作めいさく「スーパーマリオブラザーズ」の音楽おんがくや効果こうか音おんが鳴なる仕様しようとなっているもよう。こいつはすげぇ……！

　気きを取とり直なおして、本ほんに書かかれている手順てじゅんにならって、ペーパークラフトを作つくっていきます。大おおきいパーツと小ちいさいパーツが混在こんざいしており、組くみ立たて難なん度どはまずまずといったところ。間違まちがえないように丁寧ていねいに進すすめていきます。

　ファミコンは筆者ひっしゃにとってもちろん見慣みなれた機器ききであるため、パーツを見みれば「これはあの部分ぶぶんかな？」「ここは谷たに折おりかな？」と、ある程度ていど察さっしがつくのが面白おもしろいところ。それだけ印象いんしょう的てきなフォルムをしていたということでしょう。

　内部ないぶと下部かぶをくみ上あげ、本体ほんたい上面うわつらを取とり付つけると、いよいよゴールが近付ちかづいてきたことが分わかります。外見がいけんが再現さいげんされているのはもちろんのこと、「EJECT」や「POWER」のパーツがちゃんと稼働かどうするようになっているなど、細部さいぶにも作つくり手しゅのこだわりが光ひかります。

　続つづいて、先述せんじゅつの「Iコン」は紙かみのカバーをかぶせる前まえに、単たん四よん電池でんちを入いれておきます。その後ご「START」ボタンを押おすと「スーパーマリオブラザーズ」の地上ちじょうBGMが流ながれ、「SELECT」を押おすごとに「地下ちか」「水中すいちゅう」「クッパ城じょう」とBGMが変化へんか。

　さらに「Aボタン」「Bボタン」「十字じゅうじボタン」でさまざまなアクションの効果こうか音おんを聴きくことができます。ボタンを押おした感触かんしょくも本物ほんもののソレに近ちかく、気分きぶんは本当ほんとうにスーパーマリオブラザーズをプレイしているかのよう。ちゃんとコードで繋つなげる点てんも芸げいが細こまかいですよね。

　最後さいごに「スーパーマリオブラザーズ」のゲームカートリッジを組くみ立たてます。裏面りめんの文字もじや、カートリッジ端子たんしもばっちり再現さいげんされており、作つくり手しゅの愛あいを感かんじます。これを本体ほんたいに挿さしたら、実物じつぶつ大だいファミコンのペーパークラフト、完成かんせいです。

　完成かんせいまで要ようした時間じかんはおよそ2時じ間あいだ。残念ざんねんながら筆者ひっしゃの手元てもとにファミコン本体ほんたいがないため、実物じつぶつと見比みくらべられないことが悔くやまれますが、その必要ひつようもないくらい本物ほんものそっくりに作つくられていることが良よく分わかります。

　少すこし遠目とおめから見みれば、ペーパークラフトと気付きづかれないのでは？と思おもうほど。このクオリティに加くわえ、コントローラーのギミックを考かんがえれば、2860円えんという価格かかくは妥当だとう……いや、もう少すこし高たかくても良よかったのでは？と思おもうほどの出来栄できばえでした。

　さらに、本誌ほんしには「ファミコン思おもい出でノート」や「人気にんき者しゃ大だい集合しゅうごうシール」「パッケージ復刻ふっこくポスター」といったその他たの付録ふろくや、宮本みやもと茂しげるさん、堀井ほりい雄二ゆうじさん、高橋たかはし名人めいじん（高橋たかはし利幸としゆきさん）、シブサワ・コウさんらゲーム界かいのレジェンドたちのインタビューも収録しゅうろく。レトロゲームファン垂涎すいぜんの内容ないようとなっています。

　今回こんかい紹介しょうかいした実物じつぶつ大だいファミコンペーパークラフトを傍かたわらに置おきつつ、本誌ほんしもしっかり読よみ込こんで、あの頃ころの思おもい出でにどっぷり浸ひたりたいと思おもいます。

　最後さいごに余談よだんですが、組くみ立たてを行おこなっている際さい、小学生しょうがくせいの娘むすめたちからは「コントローラーにスティックないの？」「どうやって充電じゅうでんするの？」といった質問しつもんが。いかにゲームが短期間たんきかんで目覚めざましい進化しんかを遂とげたかを、改あらためて感かんじた筆者ひっしゃでした。

（山口やまぐち弘ひろし剛つよし）