H ZETTRIOがかんがえる“音質おんしつ”と“たのしさ”の関係かんけいおとし、そこからはみ意識いしきつ」

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ひだりから、H ZETT M、H ZETT KOU、H ZETT NIRE。

 ステージを縦横無尽じゅうおうむじんまわるトリックスターのあおはなピアニスト・H ZETT Mが、ぎんはなドラマー・H ZETT KOUと赤鼻あかばなウッドベーシスト・H ZETT NIREを結成けっせいしたピアノ・トリオ、H ZETTRIO。かれらは4がつ配信はいしん限定げんていで「Trio,Trio,Trio!!!」「Beautiful Flight」「Smile」の3きょくをリリースし、そのいずれにもACOUSTIC REVIVEしゃからレコーディングや楽器がっき演奏えんそうとくしたしんブランドとして誕生たんじょうした「NAKED BY ACOUSTIC REVIVE」のしん製品せいひん『NAKED DIGI CABLE』」を使用しようしたことで話題わだいんでいる。今回こんかいリアルサウンドでは、3にんにインタビューをおこない、トリオの音楽おんがくてきコンセプトや配信はいしん楽曲がっきょく制作せいさく秘話ひわ、そして6がつ25にちにミューザ川崎かわさきシンフォニーホールで開催かいさいするちょう高音こうおんしつ公開こうかいレコーディングライブ『H ZETTRIO LIVE LUXURY ~素晴すばらしきアンサンブルのゆうべ~』について、じっくりはなしいた。

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H ZETT NIRE。

「NAKEDのケーブルを使つかわない状態じょうたいだと、醤油じょうゆをかけていない冷奴ひややっこみたい」(H ZETT NIRE)

――まずは、3にんがそれぞれH ZETTRIOでそうとしているものや、別人べつじんだとはおもうもののえてかせていただきますが(笑)、2015ねんまつ解散かいさんしてしまうPE'Zで演奏えんそうしているときとの変化へんかについてかせてください。

H ZETT M:PE'Zというバンドはかなり硬派こうはですよね。”自分じぶんたちはこうであるべき”とつらぬきオーディエンスにいてもらう。なんとなくそのバンドはまえからってるのですが…(笑)。それにくらべてH ZETTRIOはたのしさを前面ぜんめんす、”オーディエンスありきの音楽おんがく”であって、「えんじるがわいていただがわにもおな気持きもちになれって!(笑)」ことを意識いしきてきにやってるがします。ちなみにソロワークも同様どうようで、“ピアノをく”ことに没頭ぼっとうしながら空間くうかん全体ぜんたいつつみたいイメージですね。

H ZETT KOU:PE’Zのこうは “さむらいジャズ”をえんずるにあたいする男気おとこぎあるプレイで、H ZETT KOUはたのしさやユーモアさ、「みんなといっしょにあそびたいな」という気持きもちを前面ぜんめんしています。もしかしたらこっちのほうなのかもしれません。

――あとはプレイスタイルもH ZETTRIOだとスタンディングにわりますよね。これはドラムプレイにおいてどういう影響えいきょうおよぼしていますか。

H ZETT KOU:まず、フィルやリズムパターンが全然ぜんぜんちがってくるし、ってえんじっているほうろすかんじというか、重量じゅうりょうまかせられるのでパワーがします。あと、気持きもちのめんですけど、おきゃくさんをまえにしてすわっているのが失礼しつれいだとおもえるようになってくるというか…(笑)。すわってえんじっているドラムをおな楽器がっきられなくなってきますね。

――「すわっているのが失礼しつれい」ってドラマーの常識じょうしきくつがえすような発言はつげんですね(笑)。NIREさんはどうでしょうか。

H ZETT NIRE:基本きほんてきには年齢ねんれいてき問題もんだいなのか「面白おもしろおかしく」をより強調きょうちょうさせていく音楽おんがくをやりたいとおもっていて、そのうえでの手段しゅだんとして「音楽おんがく会話かいわえる」ことにおもきをいています。「おまえがこうだったら、じゃあおれはこうする」という意思いし疎通そつうめたいし、それがおきゃくさんにもつたわるようして、んだじょうでの音楽おんがく会話かいわ追求おいもとめできたらなと。

――「おきゃくさんをんだ瞬間しゅんかん」というのは、どういうときかんじるんでしょうか?

H ZETT NIRE:3にんした、突拍子とっぴょうしもないおとやパフォーマンスに反応はんのうしてくれたときですね。メンバーないでもだれかが仕掛しかけたものを「はいはい」とスルーせずに、せいいっぱいひろげて面白おもしろくしていく。でも、たまには「なにやってるんですか!」とシャットアウトするのも面白おもしろい。そうやって普段ふだん会話かいわのような空気くうきかんにすることで、おきゃくさんもこちらもわらえるし、雰囲気ふんいきくなる。

――ありがとうございます。今回こんかい配信はいしんさんさく直近ちょっきんのライブでは、電源でんげんケーブルをNAKEDしゃのものにえたことでおとおおきな変化へんかがあったようですね。そこまでにいたった経緯けいいおしえてください。

H ZETT M:NAKEDしゃ親会社おやがいしゃである、ACOUSTIC REVIVEしゃ石黒いしぐろさんが、たまたまH ZETTRIOの演奏えんそう動画どうがサイトでごらんになって、興味きょうみってくれたのがきっかけです。そこからモーション・ブルー・ヨコハマでのライブにていただいたり、モントルー・ジャズ・フェスティバルでも協力きょうりょくしてもらいました。それ以後いご、レコーディングにもライブにもNAKEDしゃのケーブルを使つかわせてもらっています。

H ZETT NIRE:いたかんじもすごくちがうなとおもうんですけど、一番いちばんわったのは、自分じぶんのいいおとかんする意識いしき。こんな世界せかいもあるんだな、というのをどんどんるきっかけになりました。あと、かたわっちゃいましたね。ケーブルはいままでなんかいえているんですけど、はじめて「丁寧ていねいかなきゃいけない場所ばしょは、より丁寧ていねいに。おもいきり場所ばしょはよりいきおいよく」という意識いしきになりましたし、そのちがいがハッキリおととしてるようになった。

――プレイしているがわとしても、一聴いっちょうすればはっきりわかるわりかたですか。

H ZETT NIRE:とにかくベースは全然ぜんぜんちがいますね。楽器がっきがあって、ケーブルを使つかってアンプとか、PAにつなぐわけで、ケーブルは楽器がっき一部いちぶみたいなものなんですよ。スタッフにはなしをしたんですけど、もはやNAKEDのケーブルを使つかわない状態じょうたいだと、醤油じょうゆをかけていない冷奴ひややっこみたいな。あじがよくわからない(笑)。

一同いちどうわらい

H ZETT M:わたし冷奴ひややっこ醤油じょうゆかけないですけどね。

H ZETT KOU:わたしはネギをかけます。

H ZETT NIRE:まぁこのみはひとそれぞれですが(笑)、ちがうものとして認識にんしきしたということです。

H ZETT KOU:あと、石黒いしぐろさんは少年しょうねんのようなひとみをしていまして(笑)。その出会であ以降いこう、ライブのリハーサルでも「こうするともっといいのかな、これはどういうおとなのかな」とコミュニケーションをってくれたり、おとにすごく一生懸命いっしょうけんめいだとかんじるんです。そういう意味いみでも、気持きもちのめんでサポートされてますね。

H ZETT M:ぼくちいさいころからピアノをならっているんですけど、先生せんせいわれていたのは「おと意識いしきするのがまず大事だいじ」ということ。でもそれって、なま楽器がっきひとひとたいして有効ゆうこうはなしなんですよ。その価値かちかんが、いケーブルや電源でんげんタップが出来できたことによって、録音ろくおん環境かんきょうにもかされるようになってきた。それって面白おもしろ状況じょうきょうですよね。

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