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40代半ばで離婚...失意の女性がビーチで遭遇した「人生が変わる予兆」 | PHPオンライン|PHP研究所
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40だいなかばで離婚りこん...失意しつい女性じょせいがビーチで遭遇そうぐうした「人生じんせいわる予兆よちょう

ダイアン・カードウェル(ジャーナリスト)、まんえん真木まきわけ

2023ねん11月17にち 公開こうかい

40代半ばで離婚...失意の女性がビーチで遭遇した「人生が変わる予兆」

結婚けっこん生活せいかつわりをむかえてからというもの、ダイアンは人生じんせいさいスタートをっているような気分きぶんからけだせないでいた。そんなひとりでごすなん度目どめかのなつ取材しゅざいさきでサーフィンと出会であったことをきっかけに、ようやくありふれた日々ひびうごきだす。勇気ゆうきをもってちいさな選択せんたくかさねることで彼女かのじょ人生じんせいすこしずつまえすすんでいく。

本稿ほんこうは、ダイアン・カードウェルちょまんえん真木まきやく、『うみばれて ロッカウェイで"わたし"をきる』(&books/辰巳たつみ出版しゅっぱん)より、内容ないよう一部いちぶ抜粋ばっすい編集へんしゅうしたものです。

 

仕事しごと理由りゆうにどこかとおくへ

しまった! つよざしのりつけるハイウェイをはしっていて、〈ディッチへ〉というちいさなしろ案内あんないばんおくれてづいたときにおもった。あそこだったのに! どうしてわたしはいつもこうなの? またも単純たんじゅんみち間違まちがえた自分じぶんはらった。

わたしが運転うんてんをおぼえたのは30さいおそく、それから15ねんほどたったが、いまだにひとりでのナビが苦手にがてだ。しょっちゅうがりそこねたり、ぎゃく方向ほうこうってしまってきかえしたりしている。

うんよくすうふんはしると交差点こうさてんたので、そこでUターンしてみちもどり、ひらいたサンルーフからしこむざしをきだしのかたびながらがりくねったみちすすんださきに、ようやくサーフスポットだとかされた簡素かんそ長屋ながやふうのイースト・デック・モーテルをつけてくるまをとめた。

 

離婚りこんから3ねんひかりさが日々ひび

サーフビーチ(ブレイクともばれる)をおとずれるのははじめてで、どういう場所ばしょなのか見当けんとうもつかなかった。あるいてモーテルの駐車ちゅうしゃじょうけ、ビーチをおろすおかた。

ビーチの入口いりくちにはいちだいのキャンピングカーの屋台やたいがとまっていた。そのさきのベンチにウェットスーツ姿すがたのふたりがすわっていて、かたわらにはサーフボードがかせていてあった。

すなうえち、眼下がんかひろがるインディゴブルーのうみをやって、おもわずぎょっとした。かずじゅうにんのサーファーが、ひざたかさほどのゆるいなみ手前てまえでパドリングし、ひょいっとちあがり、ボードのうえかるんだり交差こうささせたあしみかえたりしながら、ゆったりまえすすんでいた。

れたくろいウェットスーツとなが黒髪くろかみひからせてきしかってくるひとりの女性じょせいが、うで上下じょうげさせるのにわせてこしりつつ、なに呪文じゅもんをつぶやいているようなその姿すがたは、まるでブレイクの巫女ふじょなにかのようだった。

呆気あっけにとられて、秘密ひみつぞく──かくれた人知ひとしれずあつまった妖精ようせいやニンフのれ──にくわしたような気分きぶんになった。これがサーフィンだなんてしんじられなかった。

サーフィンというスポーツにあらためて注目ちゅうもくしたこともさほどなく、ただテレビの〈ワイド・ワールド・オブ・スポーツ〉で巨大きょだいなターコイズブルーのうみをすべりち、そしてなみまれる豆粒まめつぶみたいなひと姿すがたて、あんなそそりかべのようななみろうとするなんてどうかしているとおもっていただけだった。

でも、テレビでずっとてきたモンスターきゅう大波おおなみとはまるでちがって、ここのなみちいさくおだやかで、かがやうみからゆっくりせりあがっては、そこにものをやさしくはこんでいた。

1あいだほどもそのくぎづけになっていただろうか。ときどきは砂丘さきゅうならんだいろとりどりのサーフボードや、流木りゅうぼくなにかのぬのでつくった即席そくせきテントのしたでギターを男性だんせい、たきあとのとなり日光浴にっこうよくをするビキニ姿すがたわか女性じょせいたちにもがいった。

だが、そのたびに魔法まほうなみ注意ちゅういきもどされた。これがサーフィン? そして、しんおくからちいさなつぎこえがした。

これならわたしにもできるかも。

おもわず自分じぶんわらいそうになったが──運動うんどう神経しんけいがいいとはいえない、都会とかいそだちのわたしがサーフィンなんて──それでも、そのかんがえにしんがとらわれつつあるのをかんじた。

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なにかがわる予感よかん

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