じょうずな魚さかなの下したごしらえやさばき方かた

調理ちょうりずみの魚さかなは普通ふつうに売うられていますので、魚さかなをおろす手間てまが省はぶけて便利べんりなのですが、魚さかなのおろし方かたを知しらないと、困こまることもあります。自分じぶんで釣つってきた魚さかなやおい事わいごとなどでいただきものをした場合ばあいなど、自分じぶんでうろこを取とって調理ちょうりしなければなりません。そこで、今回こんかいはじょうずな魚さかなの下したごしらえやさばき方かたを紹介しょうかいします。

魚さかなの下したごしらえ

魚さかなの下したごしらえは、「うろこを引ひく」「えらを取とる」「内臓ないぞうを取とり出だす」「水洗みずあらいする」の順じゅんにします。

まず、魚さかなは流水りゅうすいで洗あらい、水気みずけをとってからうろこをこそげ取とります。頭あたまと尾おの部分ぶぶんをもって扱あつかうのが鮮度せんどを逃のがさないためのコツです。つぎにえらと内臓ないぞうを取とり除のぞき、汚よごれを流水りゅうすいでおとし、水気みずけをしっかり拭ふき取とります。ラップで包つつんで冷蔵庫れいぞうこへ入いれましょう。すぐ調理ちょうりするなら、しぼったふきんをかけておけばよいでしょう。

魚さかなの下したごしらえにキッチンペーパー

魚さかなの下したごしらえをするときは、まな板いたの上うえにキッチンペーパーを２〜３枚まい敷しいておくと便利べんりです。うろこやえらを取とったり、内臓ないぞうを取とり除のぞいたりすると、周囲しゅういをかなり汚よごします。また、臭においもついてしまい、まな板いたの後始末あとしまつも骨ほねが折おれます。キッチンペーパーの上うえで下したごしらえをすれば、まとめて捨すてられて楽らくです。

魚さかなのうろこを上手じょうずに取とる方法ほうほう

うろこひきがあるなら、それにこしたことはありませんが、うろこひきがない場合ばあいは出刃包丁でばぼうちょうをつかってとります。魚さかなによってはうろこがあたりに飛とび散ちりますので、流ながし一いち面めんに、新聞紙しんぶんしなどを敷しいてから、とりかかるようにしましょう。

魚さかなの頭あたまを左側ひだりがわ、尾おを右側みぎがわにおき、包丁ほうちょうの刃はを少すこし立たてるようにして、尾おから頭あたまのほうに向むかって、うろこをこそげ落おとすようにします。

ところで、うろこを取とるといえば、使つかい残のこしの大根だいこんが、大おおいに役やくに立たつことをごぞんじでしょうか。つまり、包丁ほうちょうの代かわりに大根だいこんを使つかって、うろこを取とるのです。まず、大根だいこんを斜ななめに切きります。そして、切きり口くちをうろこに当あてて、包丁ほうちょうのときと同おなじように、尾おのほうから頭あたまに向むかって、軽かるく押おしつけるようにしながらこすると、うろこがきれいに取とれます。背せびれの近ちかくや、腹はらの部分ぶぶんのうろこが残のこりやすいので、特とくに気きをつけるようにします。このように、大根だいこんを使つかうと、包丁ほうちょうのときのように、まわりにうろこが飛とび散ちることもありませんから、後始末あとしまつもらくです。鯛たいのような大おおきなうろこでも、きれいに取とれますから、一度いちどぜひ試ためしてみてください。

魚さかなのはらわたを簡単かんたんに取とる方法ほうほう

魚さかなの胸むねヒレ辺あたりから、頭あたまを切きり落おとさないようにながら、一いち周まわりの切込きりこみを入いれます。そして、背中せなかの方ほうから、包丁ほうちょうを入いれ、中ちゅう骨ほねを切きります。さらに、魚さかなのお腹なかにある、お尻しりの穴あなから頭あたまに向むかって、2ｃｍせんちめーとる位いの切込きりこみを入いれます。そして、尻尾しっぽを持もち、引ひき裂さくようにすれば、頭あたまと内臓ないぞうが繋つながった状態じょうたいでスルット抜ぬけます。

また、小ちいさな魚さかなのはらわたを簡単かんたんに取とるには、割わり箸ばしを２本ほん、口くちから突つっ込こみ、グリグリと３～４回かい、回転かいてんさせて引ひっこ抜ぬくと、内臓ないぞうだけを取とり出だすことが出来できます。

魚さかなの鮮度せんどを見分みわけるポイント

まず目めに張はりがあって光ひかっていること。エラがきれいな鮮紅せんこう色しょくをしていること。身みを軽かるく押おすと弾力だんりょくがあること。腹はらがしまっていることがポイントです。

魚さかなの上手じょうずなおろし方かた

魚さかなをおろすとき何なん度ども水洗みずあらいするとうまみがおちます。頭あたまや腹はらわたを取とったら、二に枚まいおろしや三さん枚まいおろしにする前まえに、残のこったうろこやぬめり、頭あたまや腹はらの汚よごれ、血液けつえきをきれいに流ながれい、水気みずけをよく拭ふいてからおろします。流ながれうときは流水りゅうすいか塩水えんすいで手早てばやくするのがコツです。

二に枚まいおろし

二に枚まいおろしは、魚さかなを片身かたみずつ２枚まいに切きり分わけるおろし方ほうです。２枚まいおろしは、最もっとも基本きほん的てきな魚さかなのおろし方かたです。

片身かたみをそぎ取とる

大おおきい魚さかなの場合ばあいは、まず、腹はら側がわを切きり離はなし、魚さかなをまわして、背せ側がわを尾おから頭あたまに向むかってそぎ取とっていきます。

腹はら骨こつをすくう

二に枚まいおろしの出来上できあがり

三さん枚まいおろし

三さん枚まいおろしとはも頭あたまとはらわたを取とった魚さかなを、骨ほねのない上うえ身みと下した身みの二に枚まいと、中ちゅう骨こつの三さん枚まいにおろすことです。魚さかなをおろしてみると、鮮度せんどのよしあしも分わかります。

三枚目さんまいめをそぎ取とり取とる

腹はら骨こつをすくう

三さん枚まいおろしの出来上できあがり

五ご枚まいおろし

ヒラメやカレイのような平ひらべったい魚さかなは、五ご枚まいおろしにします。

中央ちゅうおうに切きれ目めを入いれる

縁側えんがわに切きれ目めを入いれる

身みを半分はんぶんずつはがす

中央ちゅうおうの切きれ目めから刃はを入いれ、頭あたまから尾おへ身みを持もち上あげるようにして、包丁ほうちょうの先さきではがしていきます。魚さかなをまわして、あとの半分はんぶんも同おなじようにします。

魚さかなを裏返うらがえす

五ご枚まいおろしの出来上できあがり

手開てびらき

身みがやわらかく、見み離ばなれのよいイワシなどは、簡単かんたんに手てで開ひらくことができます。

頭あたまを切きり落おとす

腹はらを裂さく

開ひらく

中ちゅう骨ほねを取とる

腹はら骨こつを取とる

背開せびらき・腹はら開びらき

小こぶりの魚さかなを揚あげ物ものや干物ひものにする場合ばあいに用もちいられます。腹はら開びらきと背開せびらきがありますが、背開せびらきのほうがよく用もちいられます。

胴どうを切きり開ひらく

腹はら開びらきは腹はらに、背開せびらきは背せに切きり込こんで、皮かわ一いち枚まいつけたまま、中ちゅう骨こつに沿そいながら切きり開ひらきます。干物ひものにするなら、このまま中ちゅう骨ほねを取とらなくてＯＫです。

中ちゅう骨ほねを取とる

腹はら骨こつを取とる

腹はら骨こつは、腹はら開びらきの時ときは外側そとがわの左右さゆうに、背開せびらきの時ときは中央ちゅうおうに残のこっているので、包丁ほうちょうですくい取とります。

長物ちょうぶつの開ひらき

ウナギやアナゴなど細長ほそながい魚さかなは、動うごかないように目打めうちをして開ひらき、頭あたまは最後さいごに切きり離はなします。

目打めうち

身みを切きり開ひらく

ワタを出だす

中ちゅう骨ほねを除のぞく

頭あたまを切きる

最初さいしょに切きり込こんだところから、頭あたまと身みを切きり離はなします。背せと腹はらのヒレが大おおきいものは、尾おから頭あたまに向むかって切きり取とります。

皮かわ引びきと骨ほね切ぎり

料理りょうり方法ほうほうや魚さかなの種類しゅるいによっては、おろした魚さかなの身みから皮かわを取とったり、小骨こぼねを処理しょりする必要ひつようがあります。

皮かわを引ひく

皮かわ目めを下したにしてまな板いたに置おき、皮かわと身みの間あいだに包丁ほうちょうを入いれます。尾おから頭あたまのほうに、皮かわを押おさえながら身みを剝がします。皮かわ引びきには「外そと引びき」と「内うち引びき」の方法ほうほうがあります。
慣なれない人ひとには、外そと引びきの方ほうがやりやすいです。

小骨こぼねを抜ぬく

中ちゅう骨ほね、腹はら骨こつを取とり除のぞいた後のちでも、身みの中なかに小骨こぼねが残のこっています。これが、じゃまになる場合ばあいは、身みの中央ちゅうおうに沿そって、骨抜ほねぬきで1本ほんずつ抜ぬき取とります。

骨ほね切ぎり

ごく細こまかい入いり組くんだ小骨こぼねを持もつ魚さかな（アイナメやハモなど）は、身みに約やく2mm間隔かんかくでジャバラのような刻きざみ目めを入いれ、骨ほね切ぎりをします。皮かわ1枚まいを残のこして切きりますので、よく切きれる包丁ほうちょうでないと難むずかしいです。

魚さかなの皮かわが簡単かんたんに剥むける裏うら技わざ

魚さかなのムニエル等とうを料理りょうりする時とき、皮剥かわはぎきが大変たいへんです。そんな時ときは、３枚まいおろしや切きり身みにした魚さかなを、冷凍れいとうにして、身みの厚あつい方ほうからゆっくり剥むいていきます。気持きもち良よくツルンと剥むけます。これは、冷凍れいとうした事ことにより、水分すいぶんの多おおい身みの部分ぶぶんはカチンカチンに成なりますが、皮下ひかの部分ぶぶんは脂肪しぼうが多おおいので凍こおりにくいからです。尚なお、解凍かいとうしてしまうと剥むきにくく成なりますので、固かたまっている内うちに行おこないましょう。