きれい事ごとばかりいうエリートに耳みみを傾かたむけるな 安全あんぜん地帯ちたいにいながら文句もんくばかり言いう大国たいこくの傲慢ごうまん

ロシア国家こっか安全あんぜん保障ほしょう会議かいぎ副ふく議長ぎちょうを務つとめるメドベージェフ前ぜん大統領だいとうりょう（写真しゃしん：Andrey Rudakov/Bloomberg）

いつもなら自国じこくの文化ぶんか作品さくひんを話題わだいにしたりはしないが、スロベニアの映画えいが監督かんとくミラン・ズパニッチ氏しの新作しんさくドキュメンタリー『サラエボ・サファリ』は例外れいがいとせねばなるまい。1992〜96年ねんのボスニア・ヘルツェゴビナ紛争ふんそうにおける最もっとも異様いようで病的びょうてきな出来事できごとをつまびらかにした作品さくひんだ。

首都しゅとサラエボを包囲ほういしたセルビア人じん勢力せいりょくが占拠せんきょした丘おかの上うえから通とおりにいる住民じゅうみんを気きまぐれに撃うち殺ころし、特別とくべつな仲間なかま（多おおくはロシア人じんだった）をその場ばに招待しょうたいしていたことはよく知しられている。そして私わたしたちは今回こんかい、セルビア軍ぐんが同様どうようの「狩猟しゅりょう観光かんこう（サファリ）」を外国がいこくの富裕ふゆう層そうに提供ていきょうし、金かねを取とっていた事実じじつを知しることとなった。米べい、英えい、イタリア、ロシアなどから何なん十じゅう人にんという金持かねもちが大金たいきんを払はらって無抵抗むていこうの住民じゅうみんを撃うつチャンスを買かっていた。